悪の上前ハネるんが、ミナミの萬田のやり方ですわ、よぅ覚えといてくんなはれ。

妻が倅にドラマの説明をしている。「ミナミの帝王～ヤング編～」である。

倅は法学部に入ってから汚職警官・・・・ではなく、検察官になって働いて「検事総長」まで出世しながら民主党を滅ぼしてくれることになっているから、晩飯の際、いろいろと法律について話していたのである。すると、なぜだか「ミナミの帝王」の話題が出たのだが、そこに素知らぬ顔でアイスを喰っていた妻が喰いついてきたのである。いま、私と倅は「妻の話を一方的に聞かねばならない時間」となっている。

しかし、まあ、さすがは大学、例題をみるも論述回答が多い。公立高校を1ヵ月で放り出された私には意味不明の世界であった。さらに「例文が朝日新聞」なのも情報の通りであった。ちなみに、昨年の試験問題では「少年法」が出たという。ンで、今年は何だろう？と言うから、今年は「外国人地方参政権・選択制夫婦別姓法案・人権擁護法案」などの「悪法3点セット」の文章が出て、これについてあなたの意見を500文字で書きなさい、とかじゃね？と答えておいた。産経新聞しか読んでいない倅には辛いところだ。倅にはとりあえず「逆に考えるんだ」と伝えておいた。

また、倅は私と同じで「賄賂が通じない」ように洗脳教育を施しておいた。先日も「友達と花火見てくる」と言いながらも、財布をみると1500円しか入っていなかったからビビって足したほどだ。アルバイトしている友人らは数万円持ち歩いているというのに、である。倅に問うと「花火見に行くだけで、未成年の学生が何万円も持ち歩く方がおかしい。夜店でジャンボ焼き鳥500円、ペットボトルのジュースが150円、りんご飴が500円、350円残れば、何かあっても電車で帰って来れる」という、見事なまでの洗脳教育の成果を発揮していた。しかも、未だにお母さんへのお土産を買ってくる。「りんご飴」だ。そら、彼女に振られるはずだ。だってキモ過ぎる。



おっと、妻の話がクライマックスだ。

竹内力扮する「萬田銀次郎」は子供のころ、父親が悪徳サラ金の餌食となり、一家離散の憂い目に遭う。裕福な家庭だった「萬田家」は父親が自ら放った炎の中で焼け落ちる。その中には、まだ幼い妹の姿もあった。少年・銀次郎は父親を騙し、幸せな家庭を地獄の底に突き落とした悪徳サラ金に復讐を誓うのであった―――――



おかしゃん：「ほんでな、そのサラ金屋さんに働きに行ってな、その悪者の子分になんねんやンか！」



大人になった銀次郎は猛烈な修業をこなし、金融だけではなく、様々な能力を身に付けて、親の仇、妹の仇である悪徳サラ金に潜り込む。大手貸金業を営むほど成長した組織は、銀次郎の卓越した能力を評価し、銀次郎はボスの側近まで登り詰め、絶大な信頼を得るのであった。そして、秘密裏に組織を揺るがす大金を動かし、巨大悪徳組織に致命的ダメージを与える。狼狽するボスに対し、銀次郎はついに素性を打ち明ける―――――


セリフ→おかしゃん：「あんな、あの子供の時のな、お前がな、おれのお父さんの借金をな、悪いことしてな、火事とかなったときのことやけどな、妹も死んだときやんか。あんな、おれな、あんときのな男の子おったやろ？おれはな、そのときのな・・・・」




・・・・・。




もちゃもちゃに過ぎる。




そんな巨大組織に潜り込み、ビッグマネーを動かして、海千山千の相手をだまくらかし、ようやく復讐を果たすその時に、おれなーあんなー、とは、どれほどのもちゃもちゃなのか！！銀次郎が急に阿呆になっている！そこがいちばん「イイところ」なのに！

倅もよく普通に聞いてるもんだと感心する。私の妻は、つまるところ、お前のオカンでもある。説明責任を果たせ、と言いたい。しかし、まあ、これが「血のつながり」というものなのか。そ、そういえば、このもちゃもちゃは倅にも遺伝している。



おかしゃん：「おわぁぁぁああ！！！～～～～（泣）！！！」






―――――――お、怒ってしまった。


「もう、家の中ではしゃべらない」という宣言までしている。なんで？と聞くと「はらたつから！ちゃんと！真面目に聞いてくれへんからやンけ！」としゃべってもしまっている。しかし、妻の「映画の話」はうっかり聞いていると、途中から創作していることがある。本人曰く「途中から忘れたから」とのことだが、明らかに途中から話が単純明快になるのだ。それに妻は話に困ると「ゾンビを出す」癖がある。

すなわち、如何なる複雑化したストーリであれ、最終的には「協力してゾンビを倒す」というラストが待っているのだ。例えそれが「ディズニー」でも、である！！「ぽにょ」でも、である！！キミは生き残ることができるか？？！！