八文字学園・学生支援センター

学生支援センターでは「学費準備」の面から様々なサポートを展開しています。

〈高3生〉給付奨学金の「併給調整」について(進学費用のマネープラン⑦)

2024年05月15日 | 学生支援センター
貸与奨学金・給付奨学金(奨学金予約採用-3)で、本当にザックリと給付奨学金について説明しました。

給付奨学金の「第Ⅳ区分」について(奨学金予約採用-9)では、令和6年度(2024年度)から創設された「第Ⅳ区分」について説明しました。

まだまだ、まだまだ、まだまだ(しつこい!/汗)知ってほしいことのある給付奨学金を含めた「高等教育の修学支援新制度」について、数回に渡って紹介していきたいと思います。

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今回のテーマは「併給調整」です。

4月末~5月にかけて、高校で申請した予約採用の決定通知をもとに、奨学金の申請をする八文字学園の学生対応をしたんだけど、その中で気づいたのが…

給付奨学金+第一種奨学金での申請が意外と多い...かな

ということ。

高校時代の申請時点を想像してみると…

我が家の家計は苦しいから、給付奨学金の対象になりそう(あわよくば第Ⅰ区分)
→ 給付奨学金だけでは足りないから貸与奨学金も申請しなくちゃ
→ 専門学校の場合、第一種の最高月額は53,000円(しかも無利息)
→ 給付奨学金の第Ⅰ区分の月額は38,300円だから、給付+第一種で、5.3万円+3.83万円=91,300円/月 受給できる
→ これだけで十分だから、第二種は申請しない!

こんな感じかなぁ...って思うんだけど、いかがでしょうか?

高校で配布される「給付奨学金案内」には、今回のテーマ「併給調整」に関する記載があります。

この回では令和7年度(2025年度)入学者向けの「貸与奨学金案内」のp.10を使って、「併給調整」について説明したいと思います。


金額等の条件は、すべて専門学校自宅通学で進めていきますので、それ以外の学校種を希望する方は、それ相当の項目を参照してくださいね。

この表の色分けしたメモ(画面上で手描きなのでヨレヨレですが...汗)からも分かるように、給付奨学金の第Ⅰ区分に採用の方の第一種奨学金の受給額は¥0となってしまいます

給付+第一種で月9.13万円の受給を計画していたのに、第一区分の3.83万円しか受給できないの?

ということになってしまいます。

併給調整」を理解したうえで、あえて、給付+第一種の申請であれば、問題ないのですが、前述のように、【給付+第一種で9.13万円受給できる】と考えていた方、【なんとなく給付+第一種でいいかぁ】と申請した方などにとっては、イメージからも実際も大きくズレてしまうことになります。

講演会でも、今年度より強く話していますが...

給付奨学金を申請する方は、第二種奨学金の申請を!

ということになりますね。

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どうしよう...給付+第一種で予約申請しちゃった

という方...心配しなくても大丈夫です。

受給の時期は遅くなってしまいますが、大学等に進学後に、「在学採用」で、第二種奨学金を申請することが可能です。

第二種が不採用だったら、受給額が足りなくで、2年次以降の学費に届かないんだけど...

という心配が生じるかもしれませんが、その点も大丈夫!!

貸与奨学金・給付奨学金(奨学金予約採用-3)の中でも紹介していますが、第二種奨学金の申請に係る世帯収入の上限は1,100万円

給付奨学金に採用されている方は、この金額(1,100万円)に届かない人が100%なので、在学採用で第二種奨学金を申請すると、100%採用につながる...というロジックになります。

いつも以上に、長い内容になってしまいました(汗)が、参考にしてみてください。





〈高3生〉奨学金の返還月額(進学費用のマネープラン⑥)

2024年05月14日 | 学生支援センター
車の購入などで多額のローンを組む際、「月2万円だと何年返済?」とか「5年で完済する場合 月何万円?」などの確認(相談)をしますよね。

日本学生支援機構の奨学金の場合、借入総額に対して、①月賦返還(定額返還) ②月賦・半年賦併用返還(ボーナス併用返還)の二択しかなくて、受給者が返還額や回数をコントロールすることができません

これでは、大学卒業時点で576万円(=12万円×12回×4年)、専門学校卒業時点で288万円(=12万円×12回×2年)の返還対象額を抱えるにあたって、不安が生じてしまいますよね。

そこでぜひ活用していただきたいのが、日本学生支援機構の公式HPで紹介されている「返還シミュレーション」です。


【開始】ボタンをタップすると、次のような画面になります。


川上の方で専門学校の卒業までの受給総額で288万円(=12万円×12回×2年)を想定した入力をしてみましたが、それぞれ意味は...

学校の種類:希望する(在籍する)学校種を選択
奨学金の種類:希望する(受給している)奨学金を選択
計算方法:やりやすい方を選択 ※今回は「貸与期間と月額」
入学年度:適当でOK(在学者はリアルな年度)
入学時特別増額:希望(受給)に合わせて ※今回は未申請
貸与明細:上記の入学年度と連動させて、希望校(在籍校)の在籍期間、希望額(受給額)を入力
貸与利率:自動的に、現時点の利率が入力されています

【入力内容を確認する】【返還情報を入力する】【シミュレーション結果を確認する】と進むと、次のような画面になります。


すると、月賦返還(定額返還)で、月16,231円×16年 返還...という結果が確認できます。

参考までに、月賦返還(定額返還)と、月賦・半年賦併用返還(ボーナス併用返還)とでは、どちらの方が...という質問に対しては、リスクを背負わない月賦返還をお勧めします...と答えています。

保護者様がお借り入れや返還をするのであれば、その家計状況に合わせてプランニングすればよいことですが、奨学金の債務者は学生本人になります。

入社1年目の10月より返還開始となりますが、中には、入社した会社の水が合わず離職する可能性があります。体調を崩して長期に渡って収入が得られなくなる場合もあります。ボーナス併用と設定したもの、給与形態が「年俸制」でボーナスの支給がない場合も考えられます。返還は15年以上に及ぶのでその間の出産により収入が得られなくなることも考えていく必要があります。

以上の理由により、1回につき48,711円のボーナス返還は、リスキー以外の何物でもない!ので、月賦返還をお勧めしている...ということになります。

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最後は、月賦返還(定額返還) or 月賦・半年賦併用返還(ボーナス併用返還)の内容になったので、ややテーマから外れてしまいましたが、「返還シミュレーション」は、申請前後、入学前、大学等在籍中...いつでも気になった時に確認できるツールになりますので、ぜひご活用いただければと思います。










〈高3生〉大学4年間の学費納入プラン(進学費用のマネープラン⑤)

2024年05月11日 | 学生支援センター
入学費用の請求時期(進学費用のマネープラン①)で、大学等の学費納入〆切は、合格発表の10日~2週間後...と説明しました。

入学費用の準備(進学費用のマネープラン②)では、予約採用で申請した奨学金が、大学等の入学前に活用できないこと、1年次分の学費は何とかして用意して欲しいことを説明しました。

教育ローンの申請(進学費用のマネープラン③)では、金融機関の教育ローンの「事前審査」について説明しました。

これらの内容より、学費の準備・確保について、ある程度のイメージができたかと思いますが、では、それらをどう活用していくのか...。川上が講演会で使用している資料をご覧ください。


1年次分の学費納入終了を前提にすると...。

1年次に受給した奨学金で2年次分の学費納入
  ↓
2年次に受給した奨学金で3年次分の学費納入
  ↓
3年次に受給した奨学金で4年次分の学費納入
  ↓
4年次に受給した奨学金で、最初に借り入れたところに返金し、返済(返還)の相手を奨学金に一本化

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銀行からの借り入れを最小限に...と考えると、このプランが more better の流れになるのかと思います。

ただ、やり繰りの手間を考えると、銀行等の教育ローンだけで学費確保ができるなら、奨学金を借りずに教育ローンで一本化する方法も選択肢。

銀行等の教育ローンのみでの学費確保...のメリット・デメリットを書き並べてみると…
〇保護者名義(お子様に返済の負担がかからない)
〇その銀行だけでの手続きで済む(申請・返済)
〇大学等の学費納入のタイミングに合わせやすい
〇返済方法を銀行等に相談できる
▲奨学金より利率が高い
▲世帯収入によっては審査に通らない
▲大学等に在学中にも返還が発生(①通常のローンの同様の返還 or ②大学等在学中は元本据え置きで利息のみの返還)

いくつもメリットもありましたが、奨学金の「金利の低さ」や「在学中に返還不要」という側面は魅力的ですよねぇ。

予約採用に申請さえしておけば、学費準備を、奨学金からアプローチするか、銀行等の教育ローンからアプローチするか...検討する時間はまだまだあります。

銀行等で学費確保することが100%でない限り今がまさにそのタイミング となっている日本学生支援機構の奨学金の申請に、本腰を入れて注目することをお勧めしたいと思います。
(まとめが今回のテーマとズレてしまってますかねぇ...汗)




〈高3生〉学資保険の活用(進学費用のマネープラン④)

2024年05月10日 | 学生支援センター
〈高3生〉入学費用の請求時期(進学費用のマネープラン①)で紹介しているとおり、進学にあたっては、早ければ、11月に数十万円のお金が動き始めることになります

学費の準備にあたっては、学資保険の活用を考えている方もいらっしゃると思いますが、2月や3月の満期まで待っていると、この納入〆切に間に合わなくなってしまうことも起こり得ます。

そこで、AO選抜や学校推薦型選抜など早期出願の可能性があるなら、今すぐにでも、保険の担当の方に「10月頃に学資保険から引き出したいがどのように手続きすれば...」と相談することをご提案します。

参考までに、川上の次女の例をお話しすると...

どうやら学校推薦型を使って大学進学しそう(夏休み前)
 ↓
学資保険の担当者に相談( 〃 )
 ↓
10月に100万円を引出す手続き(満期で約200万円のうち)
 ↓
12月の学費納入に対応

・・・・・

金融機関の教育ローン同様、動き出しが遅くなってしまうと、大学等への納入〆切に間に合わなくなってしまうので、早め早めの相談が効果的だと思います。

また、この学資保険の担当者への相談が後手を踏まないように、親子間で、進学に関する情報共有をしっかり進めておくことも大事ですね。




〈高3生〉教育ローンの申請(進学費用のマネープラン③)

2024年05月09日 | 学生支援センター
昨日の更新(〈高3生〉入学費用の準備(進学費用のマネープラン②))で、日本学生支援機構の奨学金では、1年次分の学費納入対応ができないことを紹介しました。

となると、学費準備の選択肢になるのが、銀行の教育ローンや、国の教育ローン(日本政策金融公庫)の活用...ということになってきます。

ただ、銀行への申請から受給までにかかる時間が7日~10日、「国の教育ローン」に至っては約3週間かかると言われています。

また、大学等の合格通知と一緒に第一次手続きに関する書類(学費請求を含む)が同封されていますが、入学金等の納入は、合格発表後10日~2週間が一般的...。

ここまでの話で、ピンときた方もいらっしゃいますね。

そうなんです。「国の教育ローン」はもちろんのこと、銀行の教育ローンでも、納入〆切までに学費の準備が間に合わない可能性が大きいのです。

・・・・・

そこで提案するのが、金融機関への事前審査の申請。

時期としては、7・8月頃が効果的かと思います。

銀行や日本政策金融公庫の審査で提出が求められる資料は大きく2つ。

1つは収入に関する証明書、もう1つが、進学先の学費請求に関する文書のコピーです(この2つ以外については金融機関の指示に従ってください)

当然のことながら、まだ、出願していない7・8月に、進学先の学費請求に関する文書のコピーを用意することはできませんよね。

…なので、

進学先の学費請求に関する文書のコピーが不備のまま、収入に関する証明書を中心に、借入できるか否かの「枠取り」だけをやってしまうのです。

枠取り」さえできてしまえば、残るのは書類不備(学費請求のコピーが未提出状態)の解消だけになりますから...

金融機関での事前審査の申請(7・8月)
  ↓
教育ローンの「枠取り」(仮採用)
  ↓
希望する大学等への出願
  ↓
合格証と学費請求に関する文書の受取
  ↓
進学先の学費請求に関する文書のコピーを金融機関に提出
  ↓
必要書類が全て揃う

枠取り」(仮採用)としての審査は終了していて、あとは、必要書類が揃っているかの確認だけになるので、ここからは、審査そのものの時間が、ほぼ、かからないことになります。

よって進学先の納入〆切に間に合うことになります。

・・・・・

また、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」では、過去6ヵ月分の通帳チェックが審査の対象になります(光熱費や家賃、税金等の滞納がないかどうかの確認)。

…なので、より確実に採用となるためには、審査申請する半年前からは、きっちりと各種納入を進めることが大事!!と、川上の師匠(公立高校の進路の先生)より助言を受けています。

またしても長文になってしまいましたが、ぜひ、参考にしてみてください。