余録

新天地

もう一品夕食を添える?・・おばあちゃんとの会話

2006年10月12日 21時14分44秒 | お遍路途中で
民宿徳増に着いた時間は午後3時半、歩き続けた9時間のお遍路修行だ。

室戸岬までの74,7kmを歩く二日目の宿に佐喜浜の民宿徳増を予約した。

今日は出発の際宍喰民宿ぬしまの女将さんの・・気を付けて・・
また東洋町のコンビニで交わした会話・・
野根スーパーのおじいさんのどちらからと聞かれた言葉・・
佐喜浜スーパーのレジで交わしたお願いします・・
途中で逢った上田からの若い男性のお遍路さんとの一言・・室戸岬まで行って宿を取ります・・
・・・が今日一日の会話だった。

山と海と走り去る車だけを見つめながら歩く旅だ。

佐喜浜の防波堤道までの24kmでもう既に足を引きずって歩く状態になっていた。
足の痛みがピークに達していた頃民宿の「ロッジおざき」が見えてきた・・だが
今晩の宿民宿徳増が見えない。

海岸線は見渡すかきり遮る物が無いとてつもない大きな砂浜が
今は全く感動すら感じない疲れきった身体を左右に振りながら歩いていた。

国道55号を前にした2階建ての民家が木々の間からはるか先に見えた。
民家の周辺には人家が無い。
近づいて見ると建物に徳増の看板があった。

国道から少し入ったところに民宿徳増がある。

ガラス戸を開け・・ごめんください・・声を掛ける。
若い女将さんが出迎えてくれた。

2階の階段を上がった直ぐの部屋を案内された。
部屋は海側で太陽の日が当たり暑い。

部屋に入るなりザックをおろし着衣を脱ぎ捨てる。
早速汗まみれの衣類を持って足を引きづり階下へ行った。

洗濯機は外の小屋に中にある。
洗剤があり使わしてもらい洗濯機を回す。
又隣には乾燥機がある。
乾燥機は有料だ。
100円を入れる。

部屋に戻り靴擦れの治療を施す。
針先をライターで焼くと針が真っ赤に焼ける。
赤く焼けた針を使って黒ずんだ膿を絞り出す。
少しでも膿が残っていると痛くて歩けないから
完全に出し切るまで出すのが大変な作業だ。
足に出来る豆が反対側の治療がしにくい足の裏になると
手が行き届かず泣きたい位に気持ちが滅入ってしまう。

なんとか治療が終わる頃
夕食の準備が出来た声があり階下へ行く。

12~13畳ある広間に細長いテーブルに
ポーツンと一つだけ夕食が配膳されてあった

今日の夕食は女将さんが特別準備された豪華な食事だ。
私が夕食の膳の前に座るとおばあちゃんがご飯と味噌汁を持って来てくれた。

女将さんは奥で何か片付け作業をしているようだ。

私の傍からおばあちゃんは離れない。
私の相手をしてくれていたのだ。

民宿を始めた理由などいろいろ話してくれた。
萩原健一・・ショウケンも泊ったらしい。

食事が終わるまで話し込んでしまった。
おばあちゃんの娘の女将さんは忙しい為に
おばあちゃんが話し相手になってくれるのだ。
四国の民宿宿は徳島でもあった。

すっかり美味しい料理とおばあちゃんの会話が今でも素敵な思い出になった。
有り難うおばあちゃん。











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