エッセイ

雑記

善人

2018-02-04 16:34:16 | 日記
久しぶりに、近隣の大きな街に行った。
今の住処は田舎で、なにもない。
得意の原付バイクで約1時間かかることから、このクソ寒い中そんな運転をするのは面倒で、電車で行った。
この街に来て、電車に乗るのは初めてのことだった。
駅に行ったのも、初めてだ。
場所はわかっていたので、普通に行けたが…。
目的の駅に到着する少し前から、今や「持病」となっている胃が痛みだした。
ちょっと前まで入院していた「腸閉塞」の影響を、未だに引きずっている。
とりあえず、駅から、目的地の某所にバスで向かった。
道中、胃の不調は、ますますエスカレートしていった。
到着時には、不調のピークだった。
とりあえず中に入ったもののすぐに出て、表のベンチに腰掛けていた。
その体勢が、腸閉塞には辛い。
同じ腰を下ろすなら、いわゆる「体育座り」くらいの姿勢が最も楽だ。
その姿勢が、恐らく内蔵に最も負担がかからない。
過ぎていく人間が、チラホラこちらに視線を向けるものの、実際声をかけてくる者はしばらくなかった。
そんな中、やがて声をかけてきたのが、現役の看護師の女だった。
たまたま非番だったようだ。
彼女が緊急車両の要請からなにから全てを取り仕切り、急患で近隣の病院に搬送され、とりあえず一日入院となった。
オレの容態が落ち着いたところで、辺りの人間がオレを無視し通り過ぎて行った理由を、あくまでその看護師の推測ながら聞かされ、笑った。
どうやら、オレの格好がよくなかったようだ。
毎度バイクで移動していたためにしばらく着ていなかった久々のダークスーツに、ロングコート、そしてハーフミラーのサングラスであったことから、「刺された」か「撃たれた」ものだと思われていたようだ。

…泣けた。
我ながら、恐らくキリストさんの次くらいに善人だろうと自負しているのだが…。


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