6月14日(日)、ぎふグッド・トイ委員会の総会がありました。
つつがなくも真面目に議事が無事進行、閉会宣言を待って、いよいよ「勉強会」のスタートです。
今回は講師に、東京おもちゃ美術館から岡田哲也さんをお招きしました。
さわやかな講師、の図
遊びの達人、といえば、トイコンの誰もが思い浮かべるこの方。彼へのぎふトイ会長からの依頼は「ぎふの木のおもちゃを使っての遊びの膨らませ方やパフォーマンスを」。それを見て技を盗もうと、会員それぞれ心の準備を万端にしてこの日を待っていました。
「主役はこども。そこに関わるおとなは遊びに向かうこどもの背中を押す存在に」というお話から、いきなり積み木を使ったワークショップに突入。
まずは、オークヴィレッジさんの「寄せ木の積み木」を使って“抽象的な言葉からイメージするつみきを自分で選ぶ”というワークを。
おなじ「四角」と言っても、樹種もサイズもかたちも違います。それぞれ、ピンときたものを選んで、自分の前に置きます。
これから一体何が…???
それを、机に、ではなく、手の上に重ねていきます。
この不安定さが、ぐっと集中して真剣に積み木に向き合う事になりました。
「四角い積み木をのせて」「次に、長いものをのせて」「それから、丸いものをのせて」…という指示なので、乗せ方も、積み木の選び方も、ふたつと同じものが出来ない不思議!
手のひらに乗せていると、そのまま移動もできますね、とか、積み木にイメージで名前を付けてみると面白いですね、とか、岡田さんの遊びのエッセンスが詰まったワードがぽんぽん飛び出してきます。
この手に乗せるだけでも、非常に感覚に意識を向けるのですが、更に、この中の長四角を一本取り出して、隣の人と小さな面を「人さし指だけで」はさみ合って、積み木を動かしてみましょう、というお題が!?
パートナーになった相手の感覚へ気持ちを向けること、そこから感じ取る動きに合わせて、もしくは合わせてもらえるように、積み木を落とさないように動かしたり、立って歩いたり。参加のみなさんの声にならない悲鳴や、呼吸を忘れそうな緊張感が、会場を満たしていました。
これは、演劇のワークショップで良くある「インプロビゼーション=即興劇」の手法に近いそうです。インプロは、とにかく相手から発せられる言葉や動きをいったん認めることで成立する劇。今、積み木をはさんで向こう側にいる人を信じて受け入れていくことで、相手の気持ちを察する。それは、こどもとの遊びには必要不可欠だ、と岡田さんは仰います。
緊張みなぎるワークの後は、なま首大会、もとい、「積み木でサイズを測る」ワークです。
「コロコロ積み木」をプラスして、その中からぴったり顔の大きさになるように積み上げていきます。
が、積み木を選ぶのは、向かい合った人。その指示に合わせて、アゴを机につけながら、積み木を選んで積み上げる、という難しさ。
指示する方も、どう言ったら的確に、思っている積み木を手に取ってもらえるのかを考えます。
わいわい言い合いながらも、上手にできているでしょう?
さて、だんだんと、机の上に積み木が増えていきます。
ここに、めたもっく、森のめぐみをプラス。
今度は「透明人間ごっこ」。
自分の座っているところから、中央に置いたオブジェに向かって、積み木を繋いでいきます。
オブジェまでたどり着いた人から「いたずら透明人間」に変身。一生懸命やっている人の邪魔をします!!どんなに邪魔をされても、透明人間が相手なので怒れません。
透明人間のいたずらにも負けず、全員、無事オブジェまで積み木を繋げることができました!!!
偶然できたこの形、いろいろなものに見立てられそうな表情をしていると思いませんか?
昨年3月に、岡田さんに岐阜にお越しいただき、“ぎふの木のおもちゃで『樹』をつくろう”というワークショップをやっていただきました。参加者みんなで、「おうちごっこ」や「バランスレール」を幹や枝に見立て、そこに、カラフルな布を置いたり、「つみぼぼ」や「もりのどうぶつみき」を置いて、森に生えている大きな樹を作ってみました。
『樹』というイメージが先にある場合も面白いですが、今回やったように、偶然できた形をみんなで何かに見立てて、さらに、そこに他のおもちゃをプラスしていくのも面白い遊びに繋がって行きますね、とのこと。
こういうワークショップで大切な事は、話しかけ方や進め方である、という「極意」も教えていただきました。
教えていただいて、はいわかりました、と、すぐ実践できるものではないのですが、この勉強会で学んだことを、8月のキャラバンはじめ、様々なシーンで活かしていきたいと思う、ぎふトイの面々なのでした。
お話してくださるより何倍もの時間をかけて、岐阜までお越しくださいました岡田さん、ありがとうございました。
またのお越しを、一同、心待ちにしております!
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