ー復讐のスワン③ー
攻殻機動隊外伝
【カウントダウン】
「私が乗っ取った旧式の潜水艦は、草薙素子、お前の事だから、もう気がついているであろう、戦略大陸間弾道核ミサイルの発射準備は既に整っている。」
「20基のミサイルの内、1基だけが核ミサイルだ。」
「そして、その核ミサイルの標的は首都:新浜ではない。」
「このチャンスを生かすも殺すも、お前たち次第だ。」
「さて、カウントダウンを始めるとしようかね。」
「ウフフ。」
素子を前にして、不適に笑うオデット。
だが、この時オデットは1つの活火山の映像を一瞬だが、思い浮かべてしまったのだ。
「核の目標は新浜では無いだと。」
素子が呟くように発した。
素子のバックアップをしていたイシカワは、その一瞬の映像をダウンロードしていた。
「少佐!!奴は、オデットの核ミサイルの目標は「アイスランドの火山だ!!」
「今、オデットの一瞬だが、思い浮かべてた火山の画像と、世界にある活火山を照合した!!」
「アイスランドのラキ火山だと!?」
「仮にラキ火山だとして、残りの19基のミサイルは何処へ向かわす気だ?」
「おそらく日本、「浅間山」だ!!」
「ミサイルの誘爆を利用して浅間山を噴火させる気だ!!」
「なんだと!!」
「それでは奴は、オデットは現首相のよう子・Kaburgi・ジークフリート氏の暗殺だけが目的では無いと言うことか。」
オデットの目的は「人類」そのものを抹殺する事が目的であったのだ。
素子はロングボウ(改)にガンナーとして搭乗する「鷹の眼」を持つスナイパーであるサイトーへ、電脳回線を使い、核ミサイルを含む20基全ての推進部を狙い、「大東京湾」内に撃ち落とすよう命じた。
◆◆◆◆
《ラキ火山》
アイスランド南部の単成火山。
スカフタフェットル国立公園内のキルキュバイヤルクロイストゥルの近くにある。
ラキはグリムスヴォトン火山、エルトギャゥ、カトラ火山などと火山帯を構成している。
この火山帯は北東 - 南西方向に横たわり、ミールダルスヨークトル氷河 とヴァトナヨークトル氷河の間に位置している。
934年に大規模に噴火している。1783年にはその横のグリムスヴォトン火山と相次ぎ噴火して、大量の溶岩と火山灰を発生させた。
更に、1783年6月8日、地下水がマグマに触れて水蒸気爆発が発生し、長さ26kmにわたり130もの火口が誕生した。
線状噴火だ。
そして、噴火規模は次第に収まり、プリニー式噴火、ストロンボリ式噴火、そして溶岩流を主体とするハワイ式噴火へと変わっていった。
この噴火でスカフタ川の炎(Skaftáreldar または Síðueldur)と呼ばれ、約15 km³の玄武岩溶岩と0.91 km3のテフラ(火山灰など)を発生した。
溶岩噴泉は高さ800-1400mに達したと推定される。
溶岩の噴出は5か月も続いて終わったが、噴火自体は断続的に1784年2月7日まで続いた。
ラキ火山近郊のグリムスヴォトン火山でもまた1783年から1785年の間に噴火が起きている。双方の噴火により、800万トンのフッ化水素ガスと1億2000万トンの二酸化硫黄ガスが噴出し、付近の羊の80%、50%以上の牛と馬を殺し、住民の21%の命を奪った飢饉が発生した。
噴煙は噴火対流によって高度15kmにまで達した。
この粒子の影響で、北半球全体の気温が下がった。ヨーロッパでは「ラキのもや」と呼ばれた。イギリスでも火山灰が降り、1783年の夏は「砂の夏」(sand-summer)と呼ばれた。
アイスランド国内への影響 は、
アイスランドには壊滅的な被害をもたらした。
噴火後の飢饉で21%の住民が死亡した。
そして羊の約80%、牛の50%、馬の50%が、放出された800万トンものフッ素化合物により歯のフッ素症と骨のフッ素症が原因で死んだ。
それだげではなく、溶岩が流れ出すと氷河が溶け出して洪水のような水が下流域の集落に流れ込み、21の村が破壊され、241人が亡くなった。
更にはヨーロッパへの影響 も報告されている。
空気中に1億2000万トンもの二酸化硫黄が放出された。
これは、1991年のピナトゥボ山噴火に匹敵し、ヨーロッパにおける2006年工業製品生産量の3倍に相当する。
この二酸化硫黄粒子は西ヨーロッパ全体に広がり、1783年から1784年の冬までの間に何千もの人が死んだ。
1783年の夏は記録的な猛暑で、アイスランド上空に巨大な高気圧が発生し、南東方向に風が吹いた。毒の雲はデンマーク=ノルウェーのベルゲン(スカンディナヴィア半島先端)に到達し、6月17日にはボヘミアのプラハに、6月18日にはベルリンに、6月20日にはパリに、6月22日にはル・アーヴルに達した。6月23日にはイギリスに達した。
あまりに霧が深かったため、船が港から出られなかった。また、太陽は「血の色 (blood coloured)」と呼ばれた。
人々は硫黄化合物のガスを吸い込み、肺の柔組織が腫れ上がったため、呼吸困難になった。
フランス中部のシャルトル市の死者数は8月と9月に40人ずつ増加し、局地的死亡率が5%ずつ上昇した。
イギリスの記録では、屋外労働者の死者が増加し、ベッドフォードシャー州、リンカンシャー州など東部沿岸の死亡率が2~3倍になった。8月、9月にイギリスで中毒死した人は23,000人と推測されている。
雹を含んだ激しい雷雨を引き起こし、秋に収まるまでに多くの牛が死んだ。
さらに1784年の冬には寒波をもたらした。ハンプシャーのセルボーンに住むギルバート・ホワイトは、氷点下の気温が28日間続いたと記し、以下の記録を残している。
「一発の核でこの悪夢が甦がえっちまうんだ!」
「驚く事に遠く離れた日本にも影響があったんだ!」
日本では、1783年(天明3年)の浅間山の噴火と重なって冷害が発生し、合わせて天明の大飢饉の原因になった。って訳よ。
「だから、奴はアイスランドのキラ火山と日本の浅間山を狙ったんだよ!」
「解った。」
「イシカワ。他に拾えた情報は無いか?」
「今、探ってる。」
「解ったら教えてくれ。」
そう云うと素子は一度、電脳回線を切った。
◆◆◆◆
「トグサにパズ。久しぶりだな。」
「大筋の事態は把握している。」
「少佐に貸与している艦(ふね)では戦力的にキツイ。そこでワシの権限だけで動かせる艦隊を出撃させた。」
「お前たちは総理の警護にあたれ。」
「内閣官房長官にはワシから連絡済だ。」
荒巻国防大臣の全面協力にはより、トグサとパズは総理の警護にあたり、援軍が大東京湾へ向かっている事を少佐に、電脳回線を使い報告を済ませた。
《第一防衛艦隊:戦術指揮空母:赤城&護衛巡洋艦:山城》イメージ
『日本国防海上自衛軍=国防海軍』第一防衛艦隊旗艦:戦術指揮空母:赤城
同じく、第一防衛艦隊:護衛巡洋艦:山城の二隻が少佐率いる情報収集艦: 『陸上自衛軍最新鋭:セミオート情報収集艦:レヴァイアサン』援軍として赴く。
◆◆◆◆
《魔女のロット・バルト》
「さぁ~て、そろそろオデットの呪いの魔術を解いてやるとするかね。」
「オデットが子を宿したその時、再びこの人間の世界に災いを招く事になるけどね。」
「ウフフ。」
「オデットが宿すその娘(こ)は、あたしの愛娘『オディール』。」
「楽しみだわ。」
「ウフフ。」
◆◆◆◆
「ミサイル初弾の発射を確認!!」
『陸上自衛軍最新鋭:セミオート情報収集艦:レヴァイアサン』:オペレーターが叫ぶように素子に報告した。
その報告とほぼ同時にバトー、そして国防海軍:第一防衛艦隊司令から迎撃に向かうと報告が素子に飛び込む。
「こちらバトーだ!!少佐。なんとか間に合ったみたいだな。」
「元課長も行動力は衰えてねぇみたいだ。」
◆
時を同じくして。
「第一攻撃機隊及び第一迎撃隊は、全機発艦せよ!!」
「繰り返す、第一攻撃機隊及び第一迎撃隊は全機発艦せよ!!」
戦術指揮空母:赤城の非行甲板は、朝夕の通勤ラッシュ並み、いや、それ以上の慌ただしい情景が繰り返す。
「目標を捕らえた。迎撃に入る。」
「C.I.C了解した。健闘を祈る。」
◆
「バトー。私は奴の、オデットの潜水艦に乗り込む。」
「ミサイルの迎撃は国防海軍へ任せ、私の援護を頼む。」
「了解した。」
「ロングボウ(改)をそっちへ向かわす。」
素子は搭載してきたヘルハウンドへ搭乗し、接舷したオハイオに乗り込んだ。
オハイオの上空は第一攻撃隊、六機が取り囲むように旋回する。
素子はオハイオの司令塔に潜入するが、そこにはオデットの姿は無く、代わりに小さな赤ん坊が暖かそうなブランケットにくるまれて、艦長シートをベッド代わりにすやすやと寝入っていた。
「……この子が!?」
「この子がオデットだと!?」
「まだ義体化もされていないこの子が、オデットなのか?」
素子は辺りを見回した。艦内調査の為、ボーマをオハイオへ呼び出し艦内をくまなく探した。
司令塔のシートに眠る赤ん坊以外に人、アンドロイドやロボット類は見つからず、また、外部から遠隔操作されている様子も伺えない。
素子はオハイオを素子たちの援軍として任務に付く国防海軍に任せた、新浜港への帰路についた。
◆◆◆◆
「ところで、この赤ん坊は誰が育てるんだ?まさか、お前じゃないよな?少佐。」
「それも有りかもな。」
「マジかよ!!」
「大きな声を出すな。起きちゃうだろ。バトー。」
「総理が養女として、育てる事になったよ。」
「さて、一仕事の後のレクリエーションタイムだ。」
「みんな。休憩室で私のポールダンスを披露するぞ。」
いづれ人類は抹殺される……
「ん!?今、誰か何か云ったか?」
レクリエーションルームに集まる仲間たちは、誰一人とし首を縦に振る者は居なかった。
「気のせいか……。」
イメージ曲安室奈美恵より。《want.me want.me》
エンディングイメージ曲
攻殻機動隊より。
~fin~
《トグサの愛用銃》「マテバ」
種類 回転式拳銃
製造国 イタリア
設計・製造 マテバ社
仕様
種別 リボルバー
口径 .357
銃身長 152mm
ライフリング 6条/右回り
使用弾薬 .357マグナム弾
.44マグナム弾
.454カスール弾
装弾数 6発
作動方式 ダブルアクション
全長 275mm
重量 1,350g
銃口初速 548.64m/s(1,800ft/s)
歴史
設計年 1997年
製造期間 1997年-2005年
テンプレートを表示
マテバ 6 ウニカは、イタリアのマテバ社(MA.TE.BA, Macchine Termo-Balistiche)が1997年に開発した回転式拳銃。
特徴
銃身の跳ね上がりを抑えるために弾倉の一番下の弾を発射するという構造を持ち、用途によって自由に銃身を換装できる。リボルバーでありながらオートマチック機構を備えているため(他にもこの機構を備えているリボルバーはあるが)「オートマチックリボルバー」とも呼ばれる。
本銃でいうオートマチック機構とは、初弾をシングルアクションまたはダブルアクションで発射し、その反動で銃身からシリンダーまでがわずかに後退することで撃鉄を自動的に起こし、シリンダーを回転させるというもの。リボルバーの機構的な信頼性と、自動拳銃並みの引き金の軽さによる命中精度の両立を目指している。
機種名の6Unicaは、6も含めてイタリア語読みで「あなただけのもの」という意味を持つ。
◆
《パズの愛用銃》「44オートマグナム」
種類 自動拳銃
製造国 アメリカ合衆国
設計・製造 AM社
TDE社
HIGH-STANDARD社
AMT社
性能
口径 .44口径
銃身長 149mm
ライフリング 8条左回り
使用弾薬 .44AMP
装弾数 7発
作動方式 ショートリコイル
ターン・ボルト方式
全長 295mm
重量 1,600g
銃口初速 396m/s
オートマグ(英:AutoMag)は、1969年に発表、ハリー・サンフォードにより設計され、1970年からオートマグ・コーポレーションによって一般発売された世界初のマグナム弾を使用する自動拳銃である。後継機種として発売されたオートマグシリーズと区別する意味で「.44オートマグ」とも呼ばれる。
特徴
回転式拳銃にマグナム弾薬が使用される製品ができた事に対し、オートマグ・コーポレーションは、当時の新技術だったステンレス鋼を使用する事でマグナム弾の使用に耐え、メンテナンスもしやすくなる事を目指した。
ボルトの閉鎖機構には、自動小銃で用いるような「ターン・ボルト・ロッキング・システム」を採り入れ、閉鎖不良を回避するためのボルトアクセロレータも取り付けられている。ステンレスモデルのみの発売であり、大型のレシーバー一体型銃身は上部にリブが設けられ、大型のクーリングホールが開けられている。使用実包は.44AMP(.44 Auto Mag Pistol)。
自動拳銃の利点である装弾数や反動軽減、発射ガスの利用効率の良さなどから、当時世界最強の拳銃とされていたS&W M29を超えるとの期待もあって、先行予約では8,000丁の受注があったとされる。 しかし、後述のさまざまな欠点により「オートジャム(作動不良)」という蔑称が生まれ、商業的には失敗し、AM社は1年余りで倒産した。その後もメーカーが売却や合併を繰り返したため、刻印が「AM」、「TDE」、「HIGH-STANDARD」、「AMT」(AMTが少数販売したカスタム用レシーバーは「Auto-mag Corporation」を表すAMC刻印)などに変化しながら製造販売され、1983年に生産中止となった。
1998年-2000年にかけて、亡くなった設計者の追悼の意味も込めてオリジナル刻印復刻レシーバーの限定販売が行われたが、マネジメントを担当したAMT-Galena社が倒産、70丁前後の出荷で終わっている。総生産数は16,000丁ほどと推測されているが、正確な記録は不明。
欠点
レシーバー、チャンバー内の汚れにより閉鎖不良を起こすため、頻繁な手入れを必要とした。
ステンレス鋼の加工技術が未熟だったため、内部の細かな仕上げミスも動作不良の原因となった。
ステンレス鋼に合う潤滑油が流通していなかったため、動作不良を招いた。
リムレスの.44AMP弾専用であるが、この弾丸の供給が遅れたため、.308winの薬莢を切り詰めて使用するという自作の弾が使われ、動作不良の原因となった。また、後に販売された弾丸もメーカーごとに品質に差があり、これも動作不良を起こす原因となった。
発射時の銃身の跳ね上がりが大きく、銃の握り具合によっては閉鎖不良を起こした。
ボルトを動かすのに銃後部のコッキングピースを使うしかなく、握って引く事ができないのに加え、コッキングスプリングのレートが高いため、強い力を必要とした。
装弾数は7発となっているが、7発目で弾倉が底付きする寸前になるため、7発入れると弾倉を傷める。
◆
《草薙 素子》
幼少の頃に、脳と脊髄の一部を除く全身を義体化した女性型サイボーグで、公安9課の実質的なリーダー。冷静沈着な性格に加え、判断力、統率力、身体能力(義体制御能力や戦闘能力)において突出した才能を発揮する他、高度なハッキングスキルにより、荒巻には「エスパーよりも貴重な才能」と評されている。
なお、原作では「草薙素子」という名前も偽名であることが示唆されている。
押井守による映画版での押井個人の設定では、年齢は47〜48歳。神山健治による『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズでは、第1作の時点で25〜26歳。
直感による判断を「ゴーストの囁き」と称している。
世界でも屈指の義体使いであり、法を尊重する立場でありながら、事件を解決するために非合法な手段を使うことも躊躇せず、必要とあらば課員にもゴーストハックを仕掛けたり、枝(電脳への侵入経路)を付けたりする。遠隔操作式の予備義体である「デコット」を複数所持している。
過去に軍に所属していた経歴から、課員からは「少佐」と呼ばれており、パーティーや法廷等の公の場では略綬のついた礼服仕様の軍服を着用している。
女性型の義体を使っていることもあって、身長は168cmと9課の中では小柄であるが、これは任務上、外見的な支障をきたさないように配慮しての事である。ただし、外観は一般流通している量産型義体と同様であっても、メンテナンスを始め、ボディの素材や義体制御ソフトは通常では手に入らない超高品質の物ばかりで、骨格には強化や高出力化が施してあり、中には法に触れるようなマテリアルまで採用している。
なお、サイボーグ化した経緯と時期についてはシリーズにより異なり、『攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE』エピローグでは、幼少時に事故か病気で生身の身体を失い義体化した事が示されている。『攻殻機動隊 S.A.C. 2ndGIG』では、幼い頃に「航空機事故」に遭って家族を失い、生き延びるために全身義体を選んだ事が明らかにされている。(同じ神山監督のアニメ『東のエデン』においては、2011年2月14日に羽田沖で「11発目のミサイル」が旅客機を直撃し、6歳の男女2名を除く乗客乗員236名が死亡する大惨事が起きているが、この時に奇跡的に救出された男女2名の6歳児は、幼少時の素子とクゼ・ヒデオである事が示唆されている。)小説版『攻殻機動隊 S.A.C. SSS』でも、素子本人の回想で、幼い頃にミサイル攻撃を受けた飛行機墜落事故に巻き込まれ乗客乗員236名が死亡し、当時6歳の素子と、もう一人同じ歳の男の子だけが生き残り、生きるために素子が全身義体化したことが本人の回想で明らかにされている。 『攻殻機動隊 ARISE』では、まだこの世に生を受けていない胎児の状態で、両親共々化学兵器テロに巻き込まれる。
母体は既に死亡していたが、救助に訪れた特殊部隊が「全身義体サイボーグの生命維持装置を他人の救命のために流用する」という技術「ドクトル・バケルの緊急医療システム」を有していたことにより、胎児の草薙の脳を全身義体に組み込むことで命を救われた。以来、軍の特殊機関「501機関」に所属し、年齢に相応しい義体に換装しながら生きている。
同性のセックスフレンド達(電脳ドラッグを用いた違法ヴァーチャルソフトの編集や販売の共犯者)がおり、原作1巻では電脳空間上のベッドで全裸になり、違法ソフト作成を行なっているシーンがある。
原作1巻の最後で人形使いと融合、事あるごとにネット上に変種(素子同位体)を流すようになる。2巻では宇宙にある託体施設「眠る宇宙」にて物理身体を保管している。
また原作(特に1巻)での性格はとても表情豊かで、明るくお転婆である。
『S.A.C.』3部作では、基本的な人物像は変わらないものの、コミカルな表情や反応、冗談や軽口をたたくことはやや少ない。
服装も、原作1巻では私服は露出度を抑えたパンツルックで軍服以外ではスカートは着用していなかったが、『S.A.C.』3部作においては露出度の高い服装をとっていることが多く、私服の時にはスカートも履いている。
常用している義体の瞳は赤く、予備義体も赤い瞳をしたものが多い。原作と同じ顔ぶれのセックスフレンドが登場するシーンがあるが、彼女達とそういう間柄であるという具体的表現はない。
映画版では、『S.A.C.』3部作以上にストイックな性格、言動になっている。
原作と同様露出度の低い服装だが、遠目では全裸に見えるインナースーツ状の光学迷彩服をまとっていても、あまり気にしていない様子である。
原作で行なっていた違法電脳ソフトの編集や販売といった副業は行っていない。
◆
《パズ》
元々は陸軍警察の潜入調査員。
階級は中尉。
潜入捜査であるバーにいた時に近づいてきた素子を路地裏で襲うが失敗。
素性を素子に明かしてマムロ殺害に関わった組織の情報を素子に伝える。その後、荒巻の依頼で第六演習場で窮地に陥った素子たちを装甲車で救出した。
オールラウンダー。クールで無口な愛煙家。身長177cm。
聞き込みや内偵調査が得意分野だが、ネットでの情報収集も行なう。時には前衛も担当する。ナイフを用いた格闘術が得意である。
義体化率は高い。かなりの女好きで「同じ女とは2度寝ない主義」を貫く。後にこの主義が原因で『2nd GIG』にて殺人事件に巻き込まれ、地元警察からは事件の犯人だと疑われた。
※元公安九課に所属。現在は8代目で、警視庁第一課に所属。同僚はトグサである。
◆
《トグサ》
※元公安9課に所属する。
身長178.5cm。9課のメンバーの中では唯一の妻帯者である。「S.A.C.」シリーズでは高層の集合住宅に住んでいる。
元々は警視庁捜査一課特務班(おそらく特殊捜査班のことと思われる)の刑事であったが、草薙に引き抜かれる形で9課に移籍した。また、「S.A.C.」シリーズ前半では、非正規活動部隊である9課に移籍したことは家族には知らせておらず、表向きは民間の警備会社に再就職したことにしていた。
格闘戦や電脳戦に関しては他のメンバーに劣る部分が多いため、バトーとコンビを組んでバックアップを務めることが多い。原作において草薙が去った後は、後輩のアズマとチームを組み捜査進展に貢献した。
元刑事ということもあり、情報収集能力・推察力・直感力に優れている一方、感情的に揺さぶられる傾向にある。
原作では序盤からかなり粗野な言動が目立ち、我を通そうとして空回るような面も多かったが、草薙が去った後は人間的に成長したのか、かなり落ち着いた性格になっており、後輩を窘める面がしばしば見られる。
※現在はパズと同様に8代目である。元々の警視庁捜査一課に転任。同僚はパズ。
◆
《荒巻モトコ》
※元々は「モトコチャン」と呼ぶフチコマで草薙素子専用「A.I」ではなく「ゴーストを持つ電脳」が組み込まれているフチコマ型の義体
※画像はイメージです。
現在は「荒巻モトコ」を名乗り、「新起動」する公安九課の課長を務める。
「草薙素子」と共に姿を消していた。草薙素子同様、8代目である。
◆
《バトー》
公安9課所属。男性型高出力義体を持つパワー型サイボーグ。
身長187cm。
原作1.5巻では「専門は電子戦」と豪語しているが、原作1巻では戦闘サイボーグのコイルと互角以上に格闘戦を行っている。
9課に所属する以前はレンジャー4課(陸上自衛軍レンジャー部隊)に所属し、海外での特殊な戦闘任務にも参加していた。
ほぼ全身を義体化したサイボーグであるが、草薙ほど義体化率は高くない。
レンジャー4課時代に任務特化した特殊な義眼レンズ(センサーアレイや、サーモセンサー等を有する)を、9課移籍以降もそのまま残しており、小火器から重火器までの幅広い武器の扱いにも長けている。
サイボーグの人工筋肉は発達しないにも関わらず筋トレが趣味であり、『S.A.C.』では脳まで筋肉にしないよう草薙からのツッコミを受けている。
原作版では、道の真ん中で車の解体を始めるなどのコミカルで少々下品な一面と、戦闘訓練所の教官として教え子の死に激昂する一面など、性格のメリハリがより顕著に描かれている。草薙に対しては単なる同僚という程度。
劇場版では一貫してハードボイルドなキャラクターで、彼女に対して好意に近い特別な感情を抱いており、彼女への気遣いを怠ることはない。
普段は彼女のことを「少佐」と呼んでいるが、彼女が死んだかと思われた際には感情を剥き出しにし、「素子ォ~!!」と名前を叫んだ。 『S.A.C.』シリーズでは、大まかには原作版に近い性格だが、劇場版と同じく草薙に対して特別な感情を抱いている。
また、メカに対しての個人的なこだわりや思い入れが非常に強く、タチコマは特定の一機を愛用したり、専用機に天然オイルを与えたりしている他、自家用車には年式の古いスポーツカー(ランチアのストラトスによく似た車)を好むなどの傾向がある。9課正式採用の拳銃を使わず、FN ブローニング・ハイパワーの45口径モデルを愛用するなど、武器に対するこだわりもあるようである。16話にて「抜題 仏哲(Batou Buttetsu)」という偽名を使用したことがあり、作られた家族写真に写っている妻は草薙そっくりだった。
GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊
.50口径のジェリコ942FSというベビーイーグルの派生銃を使っている。
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
機械類に対し並々ならぬ愛情を注ぐ傾向があり、搭乗するタチコマも特定の一機に限定している。
愛用する銃はFN ブローニング・ハイパワーM7カスタム(9課制式拳銃はセブロM5)。『タチコマな日々』で眼のレンズが取り外し可能となっているらしいというエピソードが紹介されている。筋トレ(義体の性能向上にはつながらない)が趣味で、様々な筋トレグッズを通販で購入している。トグサからの呼び名は「ダンナ」。度々ひょうきんな一面を見せることがある。
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG
レンズ状の義眼に関しては、レンジャー隊員特有の装備と説明される。
過去に国連軍の一員として草薙、イシカワと作戦行動を共にしていたことがあり、この時イシカワに「新入りが」と罵られている。
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society
草薙素子が失踪した後、荒巻からリーダー就任の要請があったが断っており、トグサが9課のリーダーとなって以後、「個人的推論にのっとった捜査方針」による単独での行動が多くなった。その軋轢から「訓練教官の職に専念するか、俺の指示で傀儡廻の捜査に加わるか」とトグサに窘められる場面も。失踪から2年が経っても草薙への想いを断ち切れずにいる。草薙が傀儡廻の正体なのではないかと疑念を抱きながらも、大阪の病院で草薙と出会ったことをトグサに報告しなかったりと、個人的な感情と職務の間で苦悩している。
攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER
「FAT CAT」以外の話に登場。草薙が去った後の実質上のリーダー格。
原作の彼は草薙に特別な好意を抱いていないので、葛藤や性格の変化はない。「MINES OF MIND Part.1」と「LOST PAST」においては電脳空間にて交際中の女性の存在も描かれている。髪型が各話ごとに違っている。
◆
《イシカワ》
主にネットでの情報収集を担当している電脳戦のエキスパート。素子との付き合いは9課メンバー中で最も長く、彼女を「戦闘の天才」と評価している(「メスゴリラ」と呼んだ[1]こともある)。元軍属。課員から「ご老体」と呼ばれたり、自分のことを「老体」と呼んでいるため、おそらく9課の中では比較的高齢である。副業で、この時代では老人の娯楽とされているパチンコ店を経営している。身長180cm。『タチコマな日々』で髭が付け髭らしいというエピソードが紹介されている。
◆
《サイトー》
狙撃のプロフェッショナルで、第四次非核大戦時は傭兵として活動していた。身長172cm。
左眼は「鷹の眼」と呼ばれる義眼となっている。狙撃時には人工衛星とリンクして狙撃のための様々な情報を得ることができる。義体化部位は左眼の他は左腕のみで、9課の中ではトグサに次いで少ない。
9課所属以前はメキシコ暫定政権を味方する義勇軍「赤いビアンコ」で傭兵をしており、2020年夏に素子との戦いに敗れた後、その能力を見込んだ素子にスカウトされたことが『2nd GIG』で語られている。但し、本当であることは示唆されているものの後に本人が「全部作り話だよ」と言っている為本当かどうかは不明。
『S.S.S.』では、当初は傀儡廻(くぐつまわし)の捜査に参加しておらず、アフリカでのPKOを終えた後に合流。元々トグサに次いで義体化率が低かったが、アフリカの環境に備えて心肺機能を義体化により強化している。
ポーカーの腕はかなりのもので、『攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER』(以下:1.5)では対戦相手から「もう9課員とは遊ばない」と言われ、『2nd GIG』でも最後にストレートフラッシュを出し勝ち抜けている。
◆
《ボーマ》
スキンヘッドが特徴的な義眼の大男。その外見とは裏腹に電脳戦を得意とし、イシカワと共にネットでの情報収集に従事する。
ダイブルームの外ではパズと組んで行動することが多い。軍に所属していた時「爆弾を仕掛けるのが専門」であったため爆発物に詳しい。身長200cm。
『2nd GIG』にて「個別の11人」ウィルスに感染、発症しかかったことから、少なくとも義体化した時点では童貞だったと思われる。
原作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』(以下:攻殻1)では、前半でイシカワと共に車で犯罪者を追跡していた。
『攻殻1.5』でも1話しか登場せず、プロトと組んで情報整理を行っていた。
◆
《》
元公安九課課長の荒巻大輔。
現国防大臣である。
公安九課解散から国防大臣に就任したのは、8代目と成る荒巻のクローンである。
※私設定です。
内務省公安9課の部長(9課設立以前は公安部に属していた為)、『S.A.C.』シリーズでは課長。かつては陸自情報部に所属しており、現在も自衛軍に太いパイプを持つ。「赤鬼一等陸佐」の異名を持つ殿田大佐の愛弟子、”殿田塾三羽烏”の一人で、優秀な軍情報部員だった。
義体化は行っていない。電脳化については作品によって扱いが異なり、劇場版と『イノセンス』以外では電脳を用いるシーンがある。身長153cm。
優れた政治的手腕と、豊富な人脈により、潤沢な予算の確保と、扱いが難しい政治絡みの犯罪への迅速な対処を可能にしている。軍情報部員であったことから、戦術など軍事的な知識や指揮能力にも秀で、時には現場に出て直接指揮を執ることもある。
権力欲や出世欲がなく、私情では動かない事をモットーとしており、自らの信じる社会正義の貫徹に心血を注いでいる正義漢。
課員からの信頼も厚く、親しみを込めて「猿オヤジ」「オヤジ」と呼ばれることもある。
原作1巻や『S.A.C.』では草薙素子の能力を「エスパーより貴重な存在」と評し、信頼しあっている。
また、『2nd GIG』には、行方知れずの双子の兄の荒巻洋輔が登場する。
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この物語りは架空です。攻殻機動隊の二次創作です。
物語りに登場する人物、団体、一部兵器類などは架空です。
実在の人物、団体、兵器類とは関係ありません。
※一部、『白鳥の湖』より、引用。