space.battleship.yamato
ー新たなる戦士たちー
第十話
唯一、地上と繋がる宇宙港との連結エスカレーター前に坂本たちが着いた時であった、ナジャラ・仲本と山本 飛鳥が、同時に口を開いた。
「私たちは、ヤマトへは帰らない。」
「そっか。ヤマトへは帰らない……。」
「えっ!何で?」坂本は驚き、振り返りながら聞き返した。
「私たちはもう、ここの民。」と告げ、そのまま走り出し、去っていった。
二歩、三歩と後追うように坂本も振り返りながら足を運んだ。
「おっ!おい!」
「飛鳥……ナジャラ………。」
その坂本の肩にそっと手を置き、「……坂本。ここは一旦、ヤマトへ戻ろう。」
「土方艦長の指示を仰ごう。」そう告げる椎名。
坂本は納得行かない顔を覗かせていたが、一刻も早く聞かされた話を報告し、自分が思い描く結論を艦長土方からも、告げられるだろうと思い、飛鳥らを追うのを踏みとどまり、ヤマト帰投を優先させた。
地上へのエスカレーターに乗り、中程まで来た時であった、橋爪が驚いた様子で、口を開いた。
「……あああ。」
「何だよ!この格好?」
「神楽も!?」
「……艦内レクリエーション?…………。」
「何言ってんの?」
「橋爪らは、楽しそうに演奏し、山本隊長やナジャラが舞いを踊って、俺たちを歓迎~!とか言ってたじゃねぇか!」
興奮ぎみに坂本が言った。
そこへ、アナライザーが割って入った。
「ミナサン。オトリコミのトコロ、スミマセン。」
「ブンセキのケッカがワカラリマシタ。」
「ヤマモト アスカサンをハジメとスル、ナジャラ、ハシヅメ、カグラサンは幻覚ヲ見るクスリヲノマサレテ、イタヨウデス。」
「クスリだと?」
「ソウデス。」
「クワシイ成分ハ、解析チュウデス。」
「クスリはキクまでに個人々に、差ガ有ルヨウ二、切れるジカンも個人差ガアリマス。」
「………って事は!」
「山本隊長やナジャラは!」
「わざと残ったって事か!?」坂本は、目を丸くして興奮気味に言った。
「とにかく一刻も早く、ヤマトへ帰投しましょう。」冷静な口調で、坂本に続くように椎名が言った。
◆◆◆◆
「第十一番惑星が壊滅。」
「そして火星基地が全滅……さらには地球が奇襲を受け、戦闘中……。」
「いったい、この数時間で何が?」赤城は心にそう思う。
その赤城は命令を下した。
「全艦、ワープ準備!」
「第一級戦闘配置で続け!」
「火星通過後、敵との遭遇が高い!」
「ワープアウト直後の奇襲を避ける為、火星より手前でワープアウトする!」
「全艦。アンドロメダに続け!!」
ワープアウトと同時に各種レーダー、センサーをフル稼働させた。
「火星の様子を確認したい。」
「陽炎は索敵に入れ!」ワープアウトと同時に矢継ぎ早に、指示を飛ばす艦隊司令。
「火星近傍空間に敵らしきもの確認出来ず!」
「これより、火星内を探索します!」駆逐艦:陽炎艦長からの報告は、敵影確認出来ずが、伺えた。
だが、それはスーパーステルスによる、遮蔽された表面的なものに過ぎなかったのだ。
◆
「グローダス総司令!地球艦隊を捉えました!」
「うむ。」
「引き付けて、これを叩く。」不適な笑みを浮かべ、あと少し攻撃を仕掛ける事を待たせるグローダス。
「奴ら地球艦隊が、このゴルバ艦隊の包囲網に入るまで、攻撃はするな!」
「奴ら地球艦隊を一気に叩く!」
「御意!」グローダス総司令座乗艦のほか、五隻の要塞戦闘艦ゴルバから、忠誠を誓う返答が返る。
ゴルバ級要塞戦闘艦。
全長(全高)数キロもの要塞戦闘艦。
スーパーステルスによる遮蔽攻撃が、得意である。
単艦でも、一個大隊規模の火力と防御力を有し、50隻くらいの艦隊にも引きをとらない。
合計六隻のゴルバが、手薬煉を引き待っていた。
第十一話へ
つづく。
◆
ナジャラ・仲本(日系インド人):小松 菜奈
坂本:藤原 竜也
神楽:窪田 正孝
橋爪:松山 ケンイチ
椎名 晶:菜々緒
アナライザー(声):チョー(
長島 茂)
芹沢 虎鉄:竹中 直人
アンドロメダ 一番艦艦長・赤城:天海 祐希
(地球連邦防衛軍初の女性艦長)
地球連邦防衛軍・前衛艦隊艦隊司令:役所 広司
空間騎兵隊
斎藤斉藤始 (回想シーン):池内博之
※順不同:私のイメージです。
聖総統・スカルダート
聖総統時:鹿賀 丈史
スカルダート時:伊武 雅刀
アルフォン准将:反町 隆史
(原作は少尉)
メルダーズ:吉瀬 美智子
(原作では、新たなる旅立ちに登場。男性)
グロータス・ゴルバ級要塞戦闘艦総司令:寺尾 聰
※デザリアムの踊り子(ジレル人・声):茅原実里
第八話参照。
※順不同:私のイメージです。
◆
この物語は、もし私がspace.battleship.yamato(実写版)の続編を作るとしたら的に、二次創作したspace.battleship.yamatoの物語です。
私的設定が混ざっています。
使用している画像はイメージです。
また一部、過去に集めた拾い画を使用しています。