鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第八番浮遊大陸戦線ー第一話

2019-10-31 19:28:00 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝





宇宙戦艦ヤマト2202外伝
ー第八番浮遊大陸戦線ー

第一話

西暦2201年末冬、国連宇宙海軍の最新鋭戦艦ヤマト級改良型試作一番艦「紀伊」は広範囲な試験を終え、処女航海である第八番浮遊大陸奪還作戦に出撃する準備が整っていた。
紀伊は、これも初の任務となる量産型戦艦ドレッド・ノート級を伴っていた。
ガミラス戦役にて、地球国連軍は陸・海・空・宇宙と優秀な軍属人員を失ってしまった事も有り、「無人化計画」を立案、これを可決した。

当時の空間防衛総隊司令長官=土方竜を
外洋防衛師団司令官艦隊司令官へ任命、この「無人艦隊」の艦隊司令を兼任させた。
宇宙戦艦ヤマトの改良型「紀伊」を座乗艦即ち、艦隊戦略・戦闘指揮コントロール艦=旗艦とし、先行初期ロットにて製造されたドレッド・ノート級36隻を伴わせた。

第一次無人艦隊の創設である。
「太陽系無人艦隊第一群旗艦 戦略・戦闘指揮艦紀伊」。
地球艦初の速射型波動砲搭載艦である。
当時はまだ、"拡散波動砲"は完成しておらず、ヤマト型波動砲の改良型を搭載していた。
改良型の波動砲とは、一度のエネルギーチャージで二連射(速射)を可能にした波動砲である。
単純に二倍の威力と着弾ポイントを二ヶ所に出来るように開発されたものだ。
開発当初は"二連タイプデリンジャー銃"のように砲口を縦に連装する案で、進められていたが、波動砲発射システム機及びそれに伴う冷却装置などの補助機の増設で、洋上艦艇に換算して総排水量100.000トンを超えるクラスの造船が可能なドックが無かった事で、設計を見直す事と成った。
後に、このデリンジャー銃がヒントに成り、クレー射撃に等に使われる散弾するタイプの波動砲="拡散波動砲"の開発に繋がる。
そこで新見薫が立案したカートリッジ式を採用した。
波動砲用波動エネルギーを薬莢にチャージするというものである。
これにより、今までのように"充填"時間を省く事が可能と成り、連射が可能と成った。
しかし、砲口が焼ける即ち、砲身焼け現象、砲身過熱が発生するデメリットもある。
この事から二発の連射までとした。
旗艦紀伊同様に先行量産型ドレッド・ノート級も同じ発射システムである。

時は流れ2202年初春。

宇宙戦艦ヤマトが帰還して約三年が過ぎ、ヤマトの帰還と同時に、この地球に現れた超空間="時間断層"の調査はほぼ終わり、この空間では通常の十倍の速さで時を刻んでいる事が解った。
その空間に超巨大なファクトリー=時間断層工場"を建設、同盟を結んだガミラスからの資源提供等も有り、地球は飛躍的な生産能力を得たのである。
そう。洋上艦艇に換算して総排水量100.000トン以上の艦(ふね)の建造が可能と成ったのだ。


「砲身過熱」
金属は高温になると強度が低下する性質があり、融点の半分程度の温度から大幅な強度低下が起きる。
このため砲身が真っ赤になるほどに過熱している状態で発射すると砲身が火薬の圧力に耐えきれなくなって破裂する。
これは古くから経験則として知られており、例えば大口径砲では30発を連続発射すると尾栓部の温度が100℃を超えるという。
そこで運用上で連続射撃を制限したり、砲身に冷却装置を設けたりしてきた。
また砲身に常に水を掛けて冷却する、連続発射のあとで弾丸を装填したまま一定時間放置する場合も危険性が高まるので砲口を空に向けて事故の被害減少に務める、装薬を減らして射撃するなどの注意が払われた。
またアメリカ海軍では前もって焼けた砲に装填のまま放置して発火するまでの時間を測定し、「クック・オフ・タイム」として安全確保の目安としていた。




「土方提督。どんな策でも構わん!」
「なんとしても、あの八つに割れた浮遊大陸を奪還せよ!」
眉間にシワを寄せ、寝不足のような充血した目を細め、芹沢軍務局長は命じた。

「最善を尽くします。」
土方はそう答えると、座乗艦紀伊のエンジンに火を入れさせた。


第二話へ
つづく。





【地球連邦防衛宇宙軍:太陽系無人艦隊第一群旗艦 戦略・戦闘指揮艦紀伊。】
※試作戦略・戦闘指揮初号艦

艦種:超ヤマト型宇宙戦艦

識別番号:BBYα-01

全長:360.00m

艦体幅:43.60m

最大幅:61.77m(安定翼展開時:87.72m)

艦体高:94.54m

最大高:120.00m

最大速力:亜光速

乗員:99名

主機関:改・ロ号艦本イ400式次元波動缶(通称:波動エンジン)×1基

副機関:艦本式コスモタービン改×8基・2軸(核融合推進方式)

兵装
改・次元波動爆縮圧縮薬莢式放射機(200糎口径、通称:波動砲)×1門
※二連射が可能

主砲48糎三連装陽電子衝撃砲塔×6基
(艦首部×2基 艦尾部×2基 艦底部無人艦隊管制艦橋両舷各1基)

副砲:20糎三連装陽電子衝撃砲塔×2基

空間魚雷発射管×12門(艦首および艦尾両舷)

八連装ミサイル発射塔×1基(煙突部)

ミサイル発射管×8門(艦底)

94式爆雷投射機(マスト付け根)

12.7糎四連装高角陽電子速射砲塔×8基

8.8糎三連装高角陽電子速射砲塔×4基

12.7糎連装高角陽電子速射砲塔×8基

7.5糎連装高角陽電子速射砲塔×10基

7.5糎三連装陽電子速射機関砲塔×4基

司令塔近接防御火器×2基

艦載機
艦載艇
艦載車両
零式52型空間艦上戦闘機 コスモゼロ×32機(+予備機4機)
空間汎用輸送機SC97 コスモシーガル×2機
100式空間偵察機×2機
キ8型試作宙艇×1機
90式内火艇×2隻
作業用装載艇×6隻

特殊装備
波動防壁(次元波動振幅防御壁)

亜空間ソナー


※現在、架空宇宙戦艦ヤマトメカ戦略・戦闘指揮艦 紀伊を1/1000宇宙戦艦ヤマト2199ver.をベースに製作中。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また設定資料から引用。拾い画を使用しています。

メリアの遺産ー宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟外伝ー後編

2019-10-29 21:02:03 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝



ーメリアの遺産ー
宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟外伝

後編


前衛を任せていた一番、二番艦、デストリア級航宙重巡洋艦の突然の轟沈に困惑するフォムトは、自身が受け持つ小隊を散開させた。

「ぜ、全艦、散らばれッ!!」

「なっ!?何なんだ?」
「火線が空間を跳躍しやがった…」

「まさか…」
奴ら蛮族=ガトランティスに俺たちのガミラスの技術が流失している…のか…。
「ふと。」そんな事がフォムトの頭の中を過った。


自軍の補給艦ヴァカラが本国から到着する日、よりによってガトランティスが新鋭艦を投入して来るとは、予想外だった…
いや、予想は出来たが、しなかったが正解なのだろう。
なんだかんだと今日まで、押し寄せるガトランティス艦隊を退けて来た事もあり、"中だるみ"があったのは事実だった。

フォムトは思う。
「よりによってメリアが、この補給艦に乗艦し、同じ部隊に配属される日に、強襲を喰らうとはな。」と。
そこでフォムトは少しばかり大げさにガトランティスの"新兵器"に小隊が壊滅状態に有ると、大隊長に告げたのだ。
フォムトの中には、そう告げる事で、補給部隊の派遣と合わせて、援軍の派遣と考えていたからだ。
だが、大隊長は補給さえ有れば乗りきれると判断、援軍の前に補給部隊であるヴァカラ補給艦のみを差し向けたのだった。

だが、ヴァカラ補給艦は、この戦場に派遣されたガトランティス艦隊の別動隊の甲殻攻撃機デスバテーター隊に攻撃を受けエンジンが損傷、停船を余儀なくされてしまう。

「フォムトが困っていると云うのに…。」
同ヴァカラに乗艦する補給部隊に配属されたばかりのメリア・リッケ少尉が「ボソッ」と呟いた。
その少尉は現在、最前線で戦闘指揮を取るフォムト・バーガー大尉の恋人でもある。
私情は禁物と、呟く程度に押さえたものだった。
本心は艦長や乗艦するクルーたちに大声で告げたかった。

「メーデー!!メーデー!!」
「此方、補給艦ヴァカラ!」
「大隊本部、聴こえてるか?」

「近傍空間には味方は居ないか?」
「メーデー!!メーデー!!」
ヴァカラ艦長ラルク中佐は自らが通信機に向かい緊急救援を呼び掛けていた。

だが、妨害電波を張り巡らされていた為、通信の殆どは、"通信障害エラー"とされた。
時折、部分的に傍受出来る程度であった。

「…ら、……#@¥&¢㎜$¥℃………メーデー!!……」

激闘の中、ノイズ混じりのコールを奇跡的と云うか、偶然に傍受したフォムト・バーガー。
嫌な予感が頭の中を過る。

「……今、確かメーデーと云ってな。」
「まさか……!!」
目を見開くフォムトは単艦、後方へと下がってしまう。


「閣下。戦局は相当、酷い状況下のようです!」
白銀の衣を纏うゲルバデス級改良型ドメラーズⅠ世、艦長のヴェム・ハイデルンが告げた。

「ん!?」
「……これは、戦線を離脱する艦(ふね)を確認!」
「閣下!小隊隊長の艦(ふね)戦線を離脱して行きます!」
ハイデルンの報告に被せるようにメインレーダー士が、告げて来る。

「小隊隊長の艦(ふね)だけか?」

「ハッ。そのようです!」
「離脱前に何やら無線を交わしていたようですが、ジャミングが激しく読み取れませんでしたが。」

「うむ。」
「ハイデルン。後退した小隊隊長艦と回線を繋でくれ。」
同ドメラーズⅠ世に座乗するエルク・ドメル中将が命じた。

「此方、突撃小隊のバーガーだ!」
「援軍か?」
「丁度いい!味方の補給艦ヴァカラが蛮族の餌食に成っている!」
「奴らの別同隊の艦載機群だ!20機以上は……」
「¢℃¥$……@#¥℃¢…………」

「ダメです!通信途絶!」

「なんて奴だ。一方的に喋りおって。」
「どうしますか。閣下?」

「うむ。」
「ハイデルン。此方から全艦載機を派遣してやれ。」
「我がドメラーズは、あのガトランティスの旗艦の鼻っ面にジャンプせよ。」
落ち着いた口調で指示を飛ばすエルク。

「閣下!それでは我がドメラーズの被害も甚大な被害が予想されます!」

「ハイデルン。私の異名を忘れたかね?」

「…いえ。」

「そう云う事だ。」

「ザーベルク!」




フォムトは自身の艦をヴァカラに横付けすると、艦を砲台化し、自らは生存者救出に乗り込んだ。





「…メリア!今、助けてやるからな!」

「ブリッジ、聴こえてるか!第49区画の隔壁を開けろ!!」
「まだ、生存者が居るんだよ!開けろ!!」


「…フォムト。助けて………」
「熱いよ……熱いよフォムト…」
「…フォム……ト」



「だから開けろってばッ!!!」

「メリア!」
「メリアアアアアアーーーッ!!」






その後、隣の区画が爆発、フォムトは爆風に飛ばされ気を失った…。
援軍として駆け付けたドメラーズ艦載機隊の活躍でナスカ級母艦は轟沈、帰る場所を失った数機のデスバテーターが放った第5波対艦魚雷一斉射が補給用弾薬庫に命中爆発し、ヴァカラは轟沈した。
全クルー140名中、生存者は僅か3名だった_。




「ドメラーズは一歩も退かん!」
「これだけ至近距離なら自慢の空間跳躍兵器は、使えんだろ!」

「全砲搭は左90度、旋回、一斉射撃、てぇーーーッ!!」



「残存ガトランティス艦、反転!」
「離脱して行きます!」


◆◆◆◆


ーバレラス中央霊園ー


ネレディア・リッケと再開するフォムト。

「フォムトも来てたんだ。」

「まぁな。メリアの命日だかんな。」

「そうそう。フォムト。貴方に渡す物があったんだ。」
「地球やヤマトとの停戦後、渡そと思ってたんだけど、シャンブロウの騒動や本格的に動き出したガトランティス戦役や、なんだかんだで渡しそびれて、今になっちたんだけどね。」

そう云うとメリアの姉ネレディアは、妹メリアから預かっていたメッセージカプセルをフォムトに手渡した。
手渡されたメリアの形見(遺産)には、ウェディング姿のメリアがホログラムされていた。

「フォムト。私、待ちくたびれたわ。」
「だから、軍を退役して、お嫁に行く事にしたの。」

「私、フォムトのお嫁さんに成るわ。」





「俺、これでも亭主関白だぜ。」


~fin~



【フォムト・バーガー】

第6空間機甲師団(通称「ドメル軍団」)第7駆逐戦隊隊長。
階級は少佐。年齢は地球換算で27歳相当。

同期にネレディア・リッケがいる。
また、ネレディアの妹にして自分の恋人でもあるメリア・リッケを前述のガトランティスとの戦闘で失い、自暴自棄になっていたところを友人であったゲットーの計らいでドメルの部下になったという過去を持っている。
幕僚団では最年少であり、性格は非常に血気盛んで直情的。
師団が電撃戦を展開する際の切り込み隊長である。
若さゆえか思慮が足らず軽率な面があり、調子づいてはドメルやハイデルンに窘められるのが常である。
また、能力主義で二等臣民を差別しないドメルの部下としては珍しく、二等臣民をあまり信用していない模様で、七色星団海戦前の閲兵の際には二等臣民のザルツ人で構成されるB特殊戦軍第442特務小隊に「信用できるか怪しいもんだ」と言い放ち、不穏な空気を作る。
しかし、その直後に場を収めようと同隊隊員のノラン・オシェットがガミラス国歌を歌い始め、それに続けて他の小隊隊員も歌い出したため、言葉を失う。
七色星団海戦では、第二空母「ランベア」に乗艦。
空間艦上攻撃機DMB87 スヌーカに搭乗し、第二次攻撃隊(攻撃機隊)を率いて出撃する。
その後、ドメラーズIII世の物質転送機でヤマト直上にワープして奇襲をかける。
第442小隊のヤマト潜入を支援するために索敵能力を奪おうとレーダーを破壊し、その他にも対空兵装やカタパルト、波動防壁コンバーターなどを損傷させる。

その後、山本玲のコスモゼロの迎撃で若干の被害を受けつつも、出撃した幕僚の中で唯一生きて帰艦する。
ヤマトと機動部隊との直接戦闘では、ダロルドとシュデルグが相次いで撃沈され、仲間の仇を討つために爆装して再出撃しようとするが、その間もなくランベアがヤマトの砲撃に被弾し、ランベアごと七色星団の雲海へ沈んでいく。
七色星団の雲海へ沈んだ後に辛くも生き延びている。

ベスターが戦死したためにランベアの艦長代理となっており、ヤマトへの復讐心をたぎらせていたところを、ネレディア率いる第8警務艦隊に呼び止められる。
ガミラス本星が出したヤマトへの攻撃禁止命令にも納得しなかったが、偶然ジレル人の蝟集する惑星シャンブロウの罠に囚われて身動きできなくなり、奇しくもメリアに酷似した桐生美影を含む同様の身の上となった古代以下のヤマトクルーとの共同生活を経て、怨恨を次第に氷解させる。
シャンブロウを脱出した後はヤマトとの共同戦線を張り、ガトランティスのダガーム艦隊と交戦し、一時は死にかけるものの最後まで生き残ってランベアに回収され、ガミラスへ帰還する。

ローレン・バレルの指揮するガミラス艦隊に参加し、航宙母艦CCC「ノイ・バルグレイ」に搭乗し、空母打撃群を率いて地球圏防衛のために出撃する。
火星の絶対防衛戦にてガトランティス軍と交戦し、指揮下の艦艇と艦載機の連携攻撃でメダルーザ級を3隻撃沈する。
ヤマトが都市帝国を攻略している間、地球の守りを担当した。

「最終話では次元潜航艦クルーなど他のガミラス軍人の面々とともにデスラーを敬礼で出迎えていが、現政権に属するバレル艦隊として戦って間もなく何の経緯も描かれずにデスラー派に鞍替えした形になってしまっている。」




【エルク・ドメル】

年齢は地球人年齢に換算して38歳相当。当初は小マゼラン方面軍防衛司令官で、階級は中将。
直属の部隊である第6空間機甲師団(通称「ドメル軍団」)と共に小マゼランの帝国領内に侵入を繰り返すガトランティスに対する切り札として派遣されていた。
後にヤマトの出自と目的に勘付いたデスラーにより本星へ呼び戻され、上級大将に昇進の上でヤマト討伐の意味も込めて銀河方面作戦司令長官を拝任し、バラン星に赴任する。
銀河方面作戦司令長官の拝任後、ディッツに願い次元潜航艦UX-01を借り受け、ヤマトへ差し向ける。
その後、中性子星カレル163での戦闘でヤマトを撃沈寸前まで追い詰めるが、時を同じくしてデスラー暗殺事件が勃発し、本星への出頭という最優先命令を受け、後一歩のところで撤退を余儀なくされる。
その後、総統暗殺の首謀者の嫌疑をかけられ、軍事法廷において死刑判決を下されるが、免罪であった事が分かり釈放される。
デスラー総統より直接、命令を受け再びヤマト討伐へ。
宇宙の難所である七色星団を突き進んで来ると睨み、この宙域を決戦の場とした。
戦局は当初ドメルの想定通りに進み、特命であるユリーシャ奪取にも成功(実際に拉致されたのは森雪)し、勝利の目前まで迫ったが、特殊削岩弾の起爆失敗や戦闘機隊・雷撃機隊の壊滅を受け、砲撃戦で直接ヤマトを沈めようと機動部隊を前進させた際、特殊削岩弾を逆用され、その爆発とヤマトの反撃によって旗艦ドメラーズIII世以外の戦力を全て失う。
さらにイオン乱流に誘い込まれ、ドメラーズIII世も轟沈寸前になり、敗北を悟ったドメルは、艦本体から分離させた独立戦闘指揮艦をヤマト艦底部に接舷させ、軍人としての責務を全うするため自爆を敢行し、戦死する。
自爆の直前には沖田十三と交信し、お互いを祖国の命運を担う戦士と認め合い、ガミラスのみならず地球への栄光と祝福をも願い、自爆スイッチを押している。
後に大々的な追悼式が行われ、彼の死は国民の啓発とイスカンダルとの大統合への大義名分に利用される。

臨機応変をモットーとし、出自よりも能力重視で、被征服民を差別するようなことはない。
部下から慕われており、七色星団海戦で彼が自爆を決意して部下たちに離艦を命じた際は、腹心の部下ハイデルン以下誰一人として従わず、最後までドメルと運命を共にすることを選んでいる。
元部下で二等臣民のシュルツ達もドメルに尊敬の念を抱いており、ドメルの臨機応変のモットーはシュルツも見習っている。
また、敵であっても全力を尽くす相手には敬意を払うという騎士道精神の持ち主でもある。
また、その高潔な人柄から部下のみならず、叙勲式のパレードに大勢の市民が押し寄せるなど国民的人気を得ている。
その人気の高さゆえにゼーリック国家元帥を初めとするデスラーの側近の一部からは快く思われておらず、当人も政治に興味を示さないことからガル・ディッツやヴェルテ・タランからは心配されている。
エリーサという妻がおり、彼女との間に死別した子供・ヨハンがいた事が墓前で語られている。

服装はコンバット服とされており、
デスラーと女衛士や『星巡る方舟』のネレディア・リッケも着用している。
また、逆にドメルも叙勲式の際は他のガミラス軍人と同じ軍服を着ている。





【ネレディア・リッケ】

第8警務艦隊指揮官兼同艦隊旗艦ミランガル艦長。
大佐。27歳相当。
バーガーと同期の女性軍人。
過去の武勲により大佐にまで昇進した。





【メリア・リッケ】

故人。(年齢19歳相当)
ネレディアの妹で、バーガーの元恋人。容姿が桐生美影に似ている。
ガトランティスの攻撃によって戦死した。




使用している画像はイメージです。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟》の二次創作です。

メリアの遺産ーヤマト2199星巡る方舟外伝ー

2019-10-27 11:02:16 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝




メリアの遺産
ー宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟外伝ー

前編


ー天の川銀河・大マゼラン銀河 銀河間空間七色星団宙域(海峡)ー


西暦2199年8月半ばを過ぎた頃、宇宙戦艦ヤマトは、ガミラスとの決戦とも云える戦闘に突入した_。

「コスモレーダーが…コスモレーダーが全く使い物にならない…。」
「…艦長!レーダー反応消失!」
森船務長の交代要員、西条が心細く成る中、その気持ちを押し殺し、艦長沖田へ報告した。

「うむ。」

「有視界航法へ切り替えよ!」
「対空戦闘を"厳"とせよ!」

「古代戦術長。右舷、左舷の監視を強化せよ!」

「了解。対空戦闘を"厳"とし、右舷、左舷の監視を強化します。」

「戦術長古代より通達!戦術科甲板員は右舷、左舷に別れ監視にあたれ!」

レーダーが使えないという極めて厳しい状況の中、不馴れな有視界による戦闘を余儀なくされたヤマトのクルーたちは、何処と無くぎこちなく、ワサワサとしていた。
そんな中、ガミラス急降下爆撃機スヌーカー隊がヤマト上空にワープアウト、第一波攻撃を仕掛ける。


激しい揺れと爆発音がヤマトを包み込む。
怒号と悲鳴が混ざり合う。
艦橋組は艦橋組で、度肝を抜かれた感じでうろたえていた。

「うろたえるなッ!」
ヤマト第一艦橋の後部、一段高めに設置された艦長席に腰を下し、眼光を鋭く沖田は激を飛ばした。

「古代、各部署の状況確認を急がせろ!」

「相原。"隼"からの連絡はまだか?」
※隼=コスモファルコン

「はい。まだ、ありません!」

沖田は胸の前で腕を組、目を閉じた。
「隼とすれ違う事もなく、ヤマト上空にそれも直上に接近…」
「どうやったら…」

「古代!後方展望室にも監視を配置せよ!」
沖田の命令と入れ替わるように、今度はヤマト上空右舷に姿を現したスヌーカー隊の第二波攻撃を喰らう。

「…何処から一体?」
「敵は、ガミラスは大艦隊を展開してるのか?」
ヤマトの舵を握る島航海長が、呟くように口を開いた。




「バーガー少佐隊が発艦する!」
「甲板クルー及び誘導クルーは発艦体制に入れ!」
「繰り返す!第三波攻撃隊バーガー少佐隊が発艦する!甲板クルー及び誘導クルーは、発艦体制は入れ!」

バーガーは甲板クルーに右手で合図を送り、発艦した。

「バーガー少佐!ご武運を!」

「おお。任しておけ!」


「よし。攻撃は成功した!」
「全機、帰投せよ!ヤマトにはまだ沈まれちゃ困るからな。」

「此方バーガーだ!ランベア聴こえてるか?ヤマトの耳を奪う事に成功した!これより、帰投する!」

第三波攻撃を成功させたバーガー少佐隊は、母艦ランベアに帰投する。
帰投したバーガー少佐隊と入れ替わるように今度は、第三空母シュデルクから発艦したカリス・クライツェ少佐率いるガミラス雷撃機ドルシーラ隊による攻撃が開始された。
艦隊指揮官ドメル上級大将の立案した物質転送攻撃と地の利を生かした暗黒ガス雲海を味方に着けた波状攻撃作戦は、勝利まであと一歩のどころまで来ていた。


だが、"死中に活を見出だす"という信念をぶれる事なく貫く沖田に、勝利の女神は微笑んだのだった。

「此方、加藤隼航空隊隊長の加藤だ!」
「敵ガミラス艦隊を目視、確認した!」
「座標を送る!砲撃戦に備えられたし!」
「繰り返す!敵ガミラス艦隊を目視、確認した!」
「座標を送る!砲撃戦に備えられたし!」




◆◆◆◆




「今日は、あのヤマトと戦いから五年か、そして、メリア。お前の命日で七回忌だな。」
フォムトはメモリーホログラムを眺めながら口を開いた。

七色星団会戦で奇跡的に生還したあの日は、元恋人メリアの命日だった_。


ー六年前
小マゼラン銀河外縁部ゴルニ宙域ー


「野郎!チョロチョロと!」

「ん!?」
「どうした?」

「バーガー大尉!見て下さい!」
「奴ら蛮族がまた、この宙域に出没です!」

「隣ん家の芝は青く見えるかんな。」
「何せ。この八つに割れた惑星(ほし)の浮遊する大陸には、伝説と云われた"アケーリアスの遺跡"が存在するからな。」
「奴らも必死なのさ。」
「アケーリアスの遺跡を奪って来い!とケツでも蹴られてんだろう。」
鋭い眼差しで監視モニターを覗くフォムト・バーガー。
だが、今、攻め込んで来る蛮族=ガトランティスは今までと違い、数段も上の輩だと感じていた。




「おう。お前ら!ウェルカムパーティーはじめんぞ!」
「バーガー突撃小隊!斬り込めッ!!

※イメージ曲

血気盛んなバーガー突撃小隊だが、先行する一番、二番艦が立て続けに轟沈させられたのだ。

「あの重武装の大型戦艦が、奴らの旗艦か…」
「ちーとばかし厄介かも知れんな。」
フォムトは呟くように云った。

◆◆◆◆

後編へ
つづく。


使用している画像はイメージです。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟》の二次創作です。