宇宙戦艦ヤマト2202外伝
ー第八番浮遊大陸戦線ー
第一話
西暦2201年末冬、国連宇宙海軍の最新鋭戦艦ヤマト級改良型試作一番艦「紀伊」は広範囲な試験を終え、処女航海である第八番浮遊大陸奪還作戦に出撃する準備が整っていた。
紀伊は、これも初の任務となる量産型戦艦ドレッド・ノート級を伴っていた。
ガミラス戦役にて、地球国連軍は陸・海・空・宇宙と優秀な軍属人員を失ってしまった事も有り、「無人化計画」を立案、これを可決した。
当時の空間防衛総隊司令長官=土方竜を
外洋防衛師団司令官艦隊司令官へ任命、この「無人艦隊」の艦隊司令を兼任させた。
宇宙戦艦ヤマトの改良型「紀伊」を座乗艦即ち、艦隊戦略・戦闘指揮コントロール艦=旗艦とし、先行初期ロットにて製造されたドレッド・ノート級36隻を伴わせた。
第一次無人艦隊の創設である。
「太陽系無人艦隊第一群旗艦 戦略・戦闘指揮艦紀伊」。
地球艦初の速射型波動砲搭載艦である。
当時はまだ、"拡散波動砲"は完成しておらず、ヤマト型波動砲の改良型を搭載していた。
改良型の波動砲とは、一度のエネルギーチャージで二連射(速射)を可能にした波動砲である。
単純に二倍の威力と着弾ポイントを二ヶ所に出来るように開発されたものだ。
開発当初は"二連タイプデリンジャー銃"のように砲口を縦に連装する案で、進められていたが、波動砲発射システム機及びそれに伴う冷却装置などの補助機の増設で、洋上艦艇に換算して総排水量100.000トンを超えるクラスの造船が可能なドックが無かった事で、設計を見直す事と成った。
後に、このデリンジャー銃がヒントに成り、クレー射撃に等に使われる散弾するタイプの波動砲="拡散波動砲"の開発に繋がる。
そこで新見薫が立案したカートリッジ式を採用した。
波動砲用波動エネルギーを薬莢にチャージするというものである。
これにより、今までのように"充填"時間を省く事が可能と成り、連射が可能と成った。
しかし、砲口が焼ける即ち、砲身焼け現象、砲身過熱が発生するデメリットもある。
この事から二発の連射までとした。
旗艦紀伊同様に先行量産型ドレッド・ノート級も同じ発射システムである。
時は流れ2202年初春。
宇宙戦艦ヤマトが帰還して約三年が過ぎ、ヤマトの帰還と同時に、この地球に現れた超空間="時間断層"の調査はほぼ終わり、この空間では通常の十倍の速さで時を刻んでいる事が解った。
その空間に超巨大なファクトリー=時間断層工場"を建設、同盟を結んだガミラスからの資源提供等も有り、地球は飛躍的な生産能力を得たのである。
そう。洋上艦艇に換算して総排水量100.000トン以上の艦(ふね)の建造が可能と成ったのだ。
◆
「砲身過熱」
金属は高温になると強度が低下する性質があり、融点の半分程度の温度から大幅な強度低下が起きる。
金属は高温になると強度が低下する性質があり、融点の半分程度の温度から大幅な強度低下が起きる。
このため砲身が真っ赤になるほどに過熱している状態で発射すると砲身が火薬の圧力に耐えきれなくなって破裂する。
これは古くから経験則として知られており、例えば大口径砲では30発を連続発射すると尾栓部の温度が100℃を超えるという。
そこで運用上で連続射撃を制限したり、砲身に冷却装置を設けたりしてきた。
また砲身に常に水を掛けて冷却する、連続発射のあとで弾丸を装填したまま一定時間放置する場合も危険性が高まるので砲口を空に向けて事故の被害減少に務める、装薬を減らして射撃するなどの注意が払われた。
またアメリカ海軍では前もって焼けた砲に装填のまま放置して発火するまでの時間を測定し、「クック・オフ・タイム」として安全確保の目安としていた。
◆
「土方提督。どんな策でも構わん!」
「なんとしても、あの八つに割れた浮遊大陸を奪還せよ!」
眉間にシワを寄せ、寝不足のような充血した目を細め、芹沢軍務局長は命じた。
「最善を尽くします。」
土方はそう答えると、座乗艦紀伊のエンジンに火を入れさせた。
「なんとしても、あの八つに割れた浮遊大陸を奪還せよ!」
眉間にシワを寄せ、寝不足のような充血した目を細め、芹沢軍務局長は命じた。
「最善を尽くします。」
土方はそう答えると、座乗艦紀伊のエンジンに火を入れさせた。
第二話へ
つづく。
◆
【地球連邦防衛宇宙軍:太陽系無人艦隊第一群旗艦 戦略・戦闘指揮艦紀伊。】
※試作戦略・戦闘指揮初号艦
艦種:超ヤマト型宇宙戦艦
艦種:超ヤマト型宇宙戦艦
識別番号:BBYα-01
全長:360.00m
艦体幅:43.60m
最大幅:61.77m(安定翼展開時:87.72m)
艦体高:94.54m
最大高:120.00m
最大速力:亜光速
乗員:99名
主機関:改・ロ号艦本イ400式次元波動缶(通称:波動エンジン)×1基
副機関:艦本式コスモタービン改×8基・2軸(核融合推進方式)
兵装
改・次元波動爆縮圧縮薬莢式放射機(200糎口径、通称:波動砲)×1門
※二連射が可能
※二連射が可能
主砲48糎三連装陽電子衝撃砲塔×6基
(艦首部×2基 艦尾部×2基 艦底部無人艦隊管制艦橋両舷各1基)
副砲:20糎三連装陽電子衝撃砲塔×2基
空間魚雷発射管×12門(艦首および艦尾両舷)
八連装ミサイル発射塔×1基(煙突部)
ミサイル発射管×8門(艦底)
94式爆雷投射機(マスト付け根)
12.7糎四連装高角陽電子速射砲塔×8基
8.8糎三連装高角陽電子速射砲塔×4基
12.7糎連装高角陽電子速射砲塔×8基
7.5糎連装高角陽電子速射砲塔×10基
7.5糎三連装陽電子速射機関砲塔×4基
司令塔近接防御火器×2基
艦載機
艦載艇
艦載車両
零式52型空間艦上戦闘機 コスモゼロ×32機(+予備機4機)
艦載艇
艦載車両
零式52型空間艦上戦闘機 コスモゼロ×32機(+予備機4機)
空間汎用輸送機SC97 コスモシーガル×2機
100式空間偵察機×2機
キ8型試作宙艇×1機
90式内火艇×2隻
作業用装載艇×6隻
特殊装備
波動防壁(次元波動振幅防御壁)
亜空間ソナー
◆
※現在、架空宇宙戦艦ヤマトメカ戦略・戦闘指揮艦 紀伊を1/1000宇宙戦艦ヤマト2199ver.をベースに製作中。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また設定資料から引用。拾い画を使用しています。
使用している画像はイメージです。また設定資料から引用。拾い画を使用しています。