ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝
第十一話
古代ら先発隊とアベルト・デスラーそして、クラウス・キーマンが女神テレサを挟み対面した。
そこで古代らはアベルトの過去の話を聴かされる。
クラウスがデスラーの一族である事や、遊星爆弾による地球への攻撃は、ガミラス星の寿命が近く、地球を環境から根本的に創り変え、第二のガミラス星にし、移住する為の攻撃であった事。
ガトランティス=大帝の真の目的が、全宇宙に存在する知的生命体の抹殺である事。
女神テレサは、そのガトランティス=大帝を止めるには、導かれし者の力が不可欠である事を知らされた。
テレサ自身の力は、強大で計り知れない事である事も、テレサ自身の口から告げられた。
この事は地球を旅立つ前、月に大使館を起き、駐在するガミラス大使のバレルから伝説的に聴かされていた事と一致する。
戦場と化していたテレサの祈りの間は、乗り込んで来たクラウスによって終息を迎えつつあった。
そんな中、機動甲冑を屈指、永倉が飛び込んで来た。
「永倉!お前、何やってんだ!」突然、飛び込んで来た永倉に斉藤が口調を荒く、問いかけた。
「ただの命令違反です!!」
機動甲冑を巧みに操る永倉が返答した。
船外服に身を包む斉藤はヘルメットの中で、口角を上げた。
「俺の部下らしいゼ。」
ニードル・スレイブをすべて破壊し、祈りの間には、再び静けさを取り戻す。
同時にテレサが手をかざすと!壁や床に突き刺さる殺戮の矢は消え、無数の弾痕は回りに咲く花々と同化、元のテレザリアムに戻った。
「これが……これがテレサの力なのか……?」
斉藤がぼやくように口を開く。
「いいえ。これは祈りの力の一部に過ぎません。」
軽く笑みを浮かべテレサが答えた。
本当の力ではなく、一部の力でこれほどなのかと、驚きを隠せないヤマト先発隊。
アベルトとクラウスは「やはり」といった顔を覗かせていた。
アベルトとクラウスの本当の目的が、ここで明かされた。
"二人"のデスラーの目的、それは、ガミラス星の再生であった。
「テレサの力を古代。君たち渡すわけには行かない!」クラウスは手にする銃を古代に向け、発砲した。
◆◆◆◆
あと三週間もすれば、ガミラス女衛兵は子を産む。
自爆の出来る人工生命体を・・・
私は、大帝を止める事の出来る"ガトランティス人彼らの創造主ゼムリア人。
その純粋体から産まれた唯一無二の人間。
私はヤマトとそのクルーたちと出逢い、私の心に変化が現れた事を閉じ込める事を止める事にした。
ゼムリアの巫女の純粋体とガミラスの女衛兵そして、産まれてく子を私の"力"とし、ガトランティスを導く。
"新生ガトランティス"を導く。
その為にはなんとしても、"滅びの方舟"に乗り込むしかない。
私はヤマトとそのクルーを利用する事にした。
卑怯と云われようとも。
古代らがテレサを解放すれば、必ず大帝はヤマトを邪魔な存在と位置付け、やって来る。
その時がチャンスだ。
どうやら、クラウスが本格的に動いたようだ。
アベルトの座乗する艦(ふね)を護衛する艦隊がヤマトを襲う。
飛び交う砲火の中を逃げるヤマト。
そのヤマトの機関にはクラウスが仕込ませた"反波動格子"が巣くっていた。
クラウスはその反波動格子を遠隔操作で、発動させた。
推力失い、テレザートの海に着水するヤマト。
ヤマトを取り囲むアベルトの親衛艦隊は、ヤマトへの砲撃を止めた。
アベルトの中でスパイである私への興味が、そうさせたのだと、わたしには解った。
彼、アベルトには私を大帝との交渉の一つに、利用したいと考えてがあるようだ。
テレサが彼、アベルトの心を読み取った時、私にもアベルトの心の中の一部が読み取れた。
「私に興味ありか。」
そうね。
敵対するガトランティスのスパイなのに、処刑されず、生かされている。
ならば、私を囚らえ、尋問、大帝との交渉の一部にする。
そう考えるのも当然の事。
感応波が感じ取る。
古代らはどうやらアベルトの座乗艦に捕らわれたようだ。
しかし、驚いたものだ。
クラウスがアベルトと親族の関係にあるとはね。
まぁ。いずれ彼、クラウスはヤマトを裏切るとは思っていたけど、親族までは見抜けなかったな。
それはそうと、飛べなく成ったヤマトよ、どう動く?
偽りの巫女を感じる。
大帝がすぐそこまで来ているという事か。
ならば、古代ら、そしてヤマトにも勝機はあるって事ね。
第十二話へ
つづく。
使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。