鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー第四話②

2020-03-04 17:29:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作





宇宙戦艦ヤマトより発進した哨戒艦:鹿嶋は原始惑星の流星群に紛れ、微速で前進してゆく。 鹿嶋には真田が地球を出航前に召集した、地球連邦政府直轄の特殊部隊が乗艦している。 特殊部隊の隊員の大半は、脳の一部や臓器等を除き、7~8割を義体化している。 これは、ガミラス戦役から続いた戦争によって負傷した一般人を含む軍属に所属していた人達を何とか自力で、暮らして行けるようにする為、当初は医療用補助具として開発された部位義体を装着して、社会復帰させる事が目的であった。 だが、その実体は言葉とは裏腹に"色眼鏡"で見る者が多く、政府が思うほど、社会復帰は叶わなかった。 そこで、政府としては打開策を検討、身体の大半が義体化している事で、個人差はあるものの、生身の身体の時よりは数倍からそれ以上の能力を発揮出来る事から、ならば政府直轄の新たな組織を立ち上げ、希望する者を厚待遇で迎える事にした。 特殊部隊の隊員として、活躍する場と未来を与えた。 身体=義体のメンテナンスは公費で賄(まかな)われ、普段の仕事とは言えば、訓練がメインである。 確かに、暮らして行く場所は政府が管理、運営するシティ内がメインで隔離されている感は少なからずあるのだが。 飲酒以外は、さほど厳しい処置は無い。 職業柄、基本的には24時間、管理されている。 飲酒に関しては、早番時と公休日以外は禁酒が基本で、早番時と公休日に限り、飲酒は許可されているが、飲酒の量が決められている。 いわゆる深酒は厳禁である。 それは早番時及び公休日に飲酒したとしても、出動命令が優先されるからだ。 だからと言って、緊急出動に駆り出されたとしても最前線に則、投入される訳ではない。 6時間後、後方支援から任務にあたる。 隔離感や抑制感は有るものの、身分、仕事、収入、住居等は完全保証されている。 そして今回、真田によって選出されたメンバーは指折りの精鋭たちだ。

隊員たちは先ず、基礎訓練による義体化した身体を馴らす事から始め、次に一人一人に貸与された外骨格プロテクターの身体合わせてを行う。 車で言えば、シート合わせだ。 外骨格プロテクターは全高4メートルほど有る。 男女共通のセンサースーツを着用し、その上からプロテクターを装着する。 装着というよりは上から羽織る又は着ると言った方が正解かも知れない。 個々の体格に合わせてクッション材を調整する。

【センサースーツ】

外骨格プロテクター。 イメージ的には男女共通のセンサースーツに埋め込まれた、幾つもの筋肉の動きを電気信号に変換させる基板から発せられた電気信号を外骨格プロテクター側のセンサーで感知、人間の動きに合わせて動く。 この外骨格プロテクターには、オプションパーツがあり、それを装着する事で強化外骨格プロテクターと成る。 地球連邦政府直轄のスワット隊と言ったところだ。 【EARTH・FEDERATION・SWAT】レーダー等には、E・F・Sの頭文字三文字で表記される事が多い。 真田は略してEーSWAT=アスワットと呼んでいる。

「SWAT」はSpecial Weapons And Tactics(特殊武装・戦術)の略称

アスワット強化外骨格プロテクターのオプションパーツとしては以下の通りである。

※共通オプション 【強化外骨格プロテクター】 光学迷彩装置=Cloaking Device(クローキングデバイス)。 体に装着しているスーツから発生する特殊なフィールドによって人間の目には見えないようにすることができる。 ただし条件によっては型板ガラスを通して見るように、その存在が人間に目視されてしまう、基本的には周りの風景に同化させる光学迷彩装置である。 また、クローキング中はサブマシンガンやワイヤー等の手持ちの武器も見えなくなるが、手元から離れてしまうと見えるようになる。

【リスト・ブレイド】 アスワット基本装備。 基本的に格闘戦で相手を倒す為。 右腕ガントレットに装着されている。 長さ約50cmの鍵爪状の刃物。 装備者によって伸張した刃の長さ及び機能はまちまちであり、状況に応じた伸縮、折り曲げて刃間の間隔を広げる、刃の向きを変えることでの裏拳状態での攻撃、軽くコッキングして敵に向けて刀身自体を射出する。 基本的に二枚刃である。

【高性能ヘルメット】 最大の特徴とも言える装備品。 サーモグラフィー等の視覚補助装置と射撃武装及び対象の詳細情報捜索時のロックオン用のレーザーサイト・記憶媒体を取り付けられており、様々な戦闘を経験するほど擬態能力は蓄積・強化されていく。 ヘルメットは各種光線を隊員の視認しやすい赤外線に変換し彼らの視覚を強化・補正する。 使用者が見たものはヘルメット内部に録画されており、たとえ他者のメットであっても左腕のコンピューターガントレットに接続して記録された過去の映像を見ることが可能である。 近距離から発射されたアサルトライフルの銃弾を弾くほどの強度を有する。

【コンピュータ・ガントレット】 左腕に装着しているコンピュータ。 蓋付きで使用時は上下に開閉する。 このガントレットを操作することで、ヘルメットの視覚装置・光学迷彩装置の調整などの各種装備の調整や制御を行なう。 コンピュータ部分のみを取り外すことも出来る。 上記以外にも、救難信号を発する機能や立体映像機能、音声の録音機機能、救難信号は太陽系から遠く離れた外宇宙に位置する恒星間通信が可能である。

【レイザー・ディスク】 鋭い刃が付いた円盤状の武器で、投げると相手を一定距離ホーミングし、ブーメランのように戻ってきて回収することができる(その場合はディスクを反転させるほどの空間がなければならない)。 また、そのまま手に持って使用することも可能。 不使用の際は刃を収納した状態で腰に装備している。 円盤状の刃で指を通す5つの穴が開いており、グリップを握ると表面のライトが点滅する。 小型でグリップの周りに6枚の鋭いブレードがついており、この刃はグリップ自身に収納可能。

【ネット・ランチャー】 相手を包み込んで拘束したり壁面へ貼り付ける形で拘束する際に用いる、ワイヤー網を射出する武器。 ネットガンとも呼ばれる。

※希望者用オプション 【ショルダー・プラズマキャノン】 多くの場合左肩に装着している自動制御のプラズマ砲。 ヘルメットから照射される3本の赤いレーザーで狙いを定め、発射されるプラズマ弾で対象を撃ち抜く。 砲身は背中のアームに接続されており、ヘルメットの視覚システムと連動して照準の方向へ自動的に向きを変える。 一撃で葬るほどの威力を誇る反面、ヘルメットのシステムに照準機構を依存しているため、ヘルメットが何らかの異常に陥った場合は命中精度が著しく低下する。 弾数は無限だが発射直後はエネルギーチャージの時間が若干ながら必要なため、マシンガンのように間断なく連射することは出来ない。

※この他、共通武器としてサブマシンガンが貸与される。(20発入りマガジン3個が基本的に需給される。) また、狙撃用ライフルに対人用と対物用がある。 これは作戦用途に合わせて貸与される。 哨戒艦:鹿嶋には両狙撃用ライフルが、予備を合わせて4丁ある。

そして約束の三日目の終わりが、あと一時間と迫っていた。 十分前と成り、真田は古代に指示を出した。

「古代。広域コスモレーダーに捉えた位置からー0.1度ずらしてショックカノンを一発だけ撃て。」 「警告弾だ。まぁ。警告と言うより陽動弾だがな。」

「陽動弾!?」

「ああ。それと同時に鹿嶋を全速で前進させる。」 「アスワット隊に鹿嶋に突入させる。」

「しかし、真田さん。ー0.1度しかずらさないでは、いくら50宇宙キロメートルも離れているとは言え、ヤマトのショックカノンでは、無傷では済まない。」

「古代。落ち着いて考えてみろ。」 「ー0.1度ずらして、50宇宙キロメートルを計ってみろ。」 「鹿嶋を霞めるどころか、かなりズレて着弾する。」

「あっ!」とした顔を覗かせた古代。 「了解です。」

「此方、第一艦橋古代。第三主砲塔砲術士は目標艦:鹿嶋より右ー0.1度、外せ。」 「20秒後に作戦を開始する。直ちに初弾発射体制を取れ!」

「哨戒艦:鹿嶋。アスワット隊隊長ミハエルへ。」 「20秒後に作戦を開始する!」 「ヤマトのショックカノン発射と同時にフル加速で前進せよ!」

「コチラ、ミハエル了解。」

「作戦開始時間合わせ!」 「・・・1.0.9.8.7.6.5.4.3.2.1作戦スタート!」 桜井による時間合わせのカウントが始まった。 「作戦スタート!」と同時にヤマト第三主砲が火を吹く。 同時に哨戒艦:鹿嶋がフル加速を開始した。

第五話①へつづく


~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
引用した画像はイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。


宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー第四話

2020-03-04 17:05:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー

第四話

アマールの月ディアナの全交通網を掌握したヴィラオ・ヴァギは、次にドミネーションしたアマールとディアナの全通信網を使い、自分たちが本気である事を示す為、二度目となるが「宣戦布告」を流した。

「アマール及びディアナ臣民よ。我れはヴィラオ・ヴァギである!」 「我は、かつてアマール女王イリヤを護衛する近衛兵団に所属していたヴィラオ・ヴァギである!」スクリーンやモニタの画面いっぱいに映し出されたヴィラオ・ヴァギ。

「我は地球連邦政府並びにアマール王府に対し、宣戦布告をする!」 「アマールの月ディアナを我ら死神の革命隊=デス・ソウル・フリートの母星とし、独立自治権を要求する!」 「我は地球人、エリカ・沢崎の未来を繋ぐ為の革命に賛同、力を貸す事にした。」 「それは何故か?」 「地球人類が絶滅の危機にあるからだ!!」 「アマールの臣民たち、諸君らも知っての通り、地球は地球人類は20年前、大小マゼラン銀河を自分たちの領土とし、帝国を築き上げた"ガミラス"の手によって死滅の縁に立たされ、全人口の半数近くを失った!更には遠く離れたアンドロメダ銀河に帝国を築いた白色彗星帝国ガトランティスによる侵攻、二重銀河を支配した暗黒星団帝国の侵略、彷徨う種族にして地球人類の末裔でもあるディンギル帝国の襲撃と立て続けて攻撃に晒されて来たのだ!」 「そして、漸く、手に入れた平和も僅か17年という時間で再び失った!」 「諸君らの記憶に新しいSUS連合による殺戮!」 「漸く、未来への希望を掴みはじめよとした矢先、増えつつあった人口も、無惨にも失った!!」 「このままでは地球人類は途絶してしまうだろう!」 「エリカは懸念を抱き、種族保存の為、地球よりも侵攻、侵略の確率が低い、このアマールの月=ディアナにその望みを託したのだ!」 「このディアナを新たな母星とする事を選んだのだ!!」 「宣戦布告と云ったが、これは革命である!!」 「アマール臣民よ!!諸君らも知っての通り、今のアマールは革命によって生まれた!」 「SUS連合は解体され、抑圧から解放され、"自由と平和"を手に入れた!」 「僅かに生き残った地球人類に我は"それ"を分け与え、分かち合いたい!」 「その為の革命である!」

「アマールの月=ディアナを地球人類に!!」 「地球人類に未来と平和を!!」

惑星アマールの月ディアナ。 そのディアナの海、朝日が昇る「静かな海」の洋上に黒鉄の城と呼ぶに相応しい艦(ふね)の姿があった_。

この時代に、まさかその姿を観る事を誰が想像したであろうか。 映画やゲームなどの中では観る事が出来るが、実物大でしかも乗艦出来、動く洋上艦を。

地球の戦史に登場する"軍艦大和"を彷彿させる艦(ふね)。 だか、それは歴史上の実物とは異なるものであった。

ヴィラオ・ヴァギは、それを神(シン)・大和と命名した。 神の艦(ふね)大和。

【超大和型戦闘試作艦:神(シン)・大和】

全長:300m 全幅:38.9m 吃水:10.4m

主機関:ゴーディ・モノポリア式陽子イオン・タービン4基4軸 最大速力:不明

兵装

45口径46cm3連装陽子(プロトン)イオン衝撃波砲塔×4基 ※カートリッジ(薬莢)式エネルギー弾

60口径15.5cm3連装陽子イオン衝撃波砲塔×4基

40口径12.7cm連装陽子イオン高角速射砲×6基

25mm3連装陽子イオン速射機銃×8基

13mm連装陽子イオン速射機銃×2基

4連装格納式陽子(プロトン)巡航ミサイル×8基(32本) ※ステルス巡航ミサイル:目視では確認出来るが、各種センサー、レーダーには捉え難い。

4連装格納式空間対応陽子(プロトン)魚雷×8基(32本) ※ステルス魚雷:ステルス巡航ミサイル同様に目視では確認出来るが、各種センサー、レーダーには捉え難い。

搭載機:7機(無人機×6有人仕様×1 )

他:戦闘システム=AEGIS Combat System, ACS(イージスシステム)搭載

潜航航行システム ※一定時間の潜航航行が可能であるが、潜航深度は僅か150メートルである。

神の艦(ふね)としたのは、このディアナの海に存在する海底洞窟内で、静かに眠る古の遺跡を利用し、造られたからだ。 かつては陸地に在ったこの洞窟は、回遊惑星アクエリアスからもたらされた超大規模水流によって水没した。 アクエリアスの文明でも遺跡でもない異なる文明の遺跡。 "ゴーディ・モノポリア文明"はっきりと解読、解析が今のところ出来ていない。 ※後にゴーダ文明モノポールエネルギーと判明する。

【モノポール】 磁気単極子、磁気モノポール(英: magnetic monopole)とは単一の磁荷のみを持つもののことである。

2015年現在に至るまで素粒子としては発見されていない。宇宙のインフレーションの名残として生み出されたと仮定されるものの一つであり、スーパーカミオカンデなどで磁気単極子を観測する試みが続けられている。

「さてと、今から24時間、ドミネーションを解除してあげようかね。」 「ウフフ。」不適な笑みを浮かべヴィラオ・ヴァギは、一時的に全てのドミネーションを解除した。

一方、宇宙戦艦ヤマトは、当初の目標宙域に到達した。

「桜井。宙域(そと)の様子はどうだ?」 目標宙域に到達と同時に古代は、当該宙域の様子を伺った。 レーダー及び通信を担当する桜井は「いえ、何も」と答えた。 その返事を聞いた古代は間髪入れずに、真田に指示を仰いだ。

「う~む。古代艦長。このまま待機だ。」

「待機ですか?」

「ああ。相手の正確な位置を探る。」 「出航時のデータが正しければ、訓練艦:雪風のレーダー圏外で、尚且つヤマトの主砲の最大射程距離、50宇宙キロメートルだ。」 ※"軍艦大和"の主砲の最大射程距離は、42,026mと言われており当時の戦艦の中では最長の射程距離を誇ってた。

「正確な位置さえわかれば、ヤマトで狙撃が可能だ。」 「だが、その前に新型特務艦:鹿嶋を発進させ、微速前進させ、訓練艦:雪風が、鹿嶋に気を取られるか、否かで策を変える。」 「私の中では、プランBまでは用意出来ている。」

「流石は真田さんだ。」

「よし。そうと決まれば、鹿嶋を発進させる。」

「高機動哨戒艦:鹿嶋、発進準備!」 「鹿嶋、乗艦員は作戦行動に備えよ!」

「繰り返す!高機動哨戒艦:鹿嶋、発進準備!及び乗艦員は作戦行動に備えよ!」

第四話②へつづく

~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
引用した画像はイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。


宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー第三話

2020-03-03 23:16:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱ
ーyamato2223ー

第三話




波の音が聴こえる。
海辺の近くなのか?洋上なのか?
ふかふかなシートに身体ごと沈め…

「う~ん。そうですか。」
「では少し、お相手して差し上げましょうかね。
「エリカ(貴女)は、そのままでいればいい。」
超空間通信で指示を伝えるかのように、彼女ヴィラオ・ヴァギと訓練艦雪風を占拠したエリカは、電脳による言葉を交わしていた。

【ヴィラオ・ヴァギ】

褐色の肌に金色の長い髪。
スラッと伸びた手足。
十代後半から二十代前半。
モデルのような体型。ピンクのビスチェと白いニイハイのタイツ。
白いロンググローブ。
ゴールドを基調とし宝石を散りばめた踵高が10センチくらいのピンヒール。
腰には白いレースのロングパレオ。
元々はアマールの臣民で、イリヤ女王の近衛兵団に所属し、小隊長を勤めていた。
剣術はパスカル近衛兵団長より上の腕前を持つ。
三年前、SUS軍の侵略を阻止せんと、臣民を守る為、市内で陸戦に参戦、負傷により、身体の一部を義体化。
それをきっかけに電脳化を施し、近衛兵団を抜ける。
二年前、エリカ・沢崎と出逢い、互いに何かに引かれるものを感じ、アマールの月の独立自治権を企てた。
現在、「デス・ソウル・フリート=死神の革命隊」のリーダー。

今、地球では義体化を推奨する方向へ舵を切りつつあった。
それは、これまで幾度となく地球人類は死滅の危機に晒されて来た。
それは地球に人類が誕生してから続く、地球人類どうしの争いを除けば、20年前のガミラスによる侵攻からはじまった。
ガミラスが墜とす遊星爆弾によって地球人類の半数近い、尊い命が奪われ、その一年後には白色彗星帝国ガトランティスの襲来、暗黒星団帝国による地球侵略と続き、地球人類は更に人口を減らした。
そして、宇宙戦艦ヤマトが惑星アクエリアスから降り注ぐ超巨大な水柱に沈んでから17年、平和の日々が続き、地球人類も漸く、ガミラス戦役前までとは云わないが、増え続けていた。
だが、突如、出現したカスケード・ブラックホールによる危機から逃れる為、移民しようとした矢先、SUS連合により殺戮で地球人類は再び、人口減少、滅びの序章がはじまった。
その為、地球連邦政府は苦肉の策として、人口減少を食い止める手段として、偽体化を取り入れたのだ。
地球より、科学力や医学が進むアマールをはじめとする異星国家から、その技術を取り入れる事にした。
アマールをはじめとする異星国家と親交を深めた理由(わけ)には、もう一つ理由があった。
地球人類の種の保存と繁栄である。
それは、異星国家の種族と交わる事で少なくとも現在、親交を深めた異星国家は4国家もある。
地球人類の遺伝子と言う種は、残せる確率が高いと考えたからだ。


種を残すだけを考えれば、やり方の良し悪しは別にして、ヴィラオ・ヴァギの企てた事はまんざら間違いとは云えない。
そのヴィラオ・ヴァギは地球連邦政府並びに防衛軍に対し、第二手目を打って来たのだ。
アマールの月をドミネーター(支配)したのだ。
支配と云っても、武力による弾圧的に行った訳ではなく、ウィルスが蔓延し、街中がパニックを起こすように仕掛けたのだ。

ヴィラオ・ヴァギは先ず、メガテクノポリス=街中の交通網をドミネーション(掌握)した。
手始めに街中の信号機を掌握、交通麻痺を起こした。
次に自動運転による車や列車を意のままにコントロールした。

アマールの月は現在、ほぼ地球人類の月と云っても過言ではない。
地球人自治区とアマール人自治区の二つが存在するが、三分の二は地球人自治区化していた。

「ウフフ。」
「先ずは疑心暗鬼って奴を蔓延させましょうかね。」ヴィラオ・ヴァギは不適な笑みを浮かべ、悪戯に交通網を意のままにコントロールした。





「古代艦長。お久しぶりですね。」
「真田長官も。」

「此方に向かっているようですが、地球で何があったのです?」
「アマールの臣民にも、あの彼女の演説が知れています。」
「今のところ"デマ"かも知れません。と伝え、大きな混乱には成っておりませんが…。」

「イリヤ女王。騒ぎの全責任は私にあります。」
「ご迷惑をお掛けして、誠に申し訳ない。」ヤマトに同乗する真田は謝罪した。
その上で、こう切り出した。

「イリヤ女王。誠に申し訳ないですが、このような騒動が発生してしまった事に、地球連邦政府長官が謝罪に訪問する事をお伝え願いたい。」

「それは構いませんが、本当に地球で何が起こっているのです?」
「それを聞かない事には、アマールの臣民たちにも、納得させられません。」

真田は恥を忍んで、全てをを打ち明けた。

「…そのような事が、あったのですね。」
「それで、鎮圧の目処は?」
そう訪ねた時であった、伝令による重大事案を知った。

「……。」
「…今、何と?」
伝令とのやり取りが、映像通信を通し、真田や古代、ヤマト第一艦橋のクルーたちにも伝わっていた。
取り乱すイリヤ女王に古代が声を掛けた。

「イリヤ女王。どうされました?」

「……通信中、失礼致しました。」
「たった今、伝令からの話では、アマールの月=ディアナで突如、交通網が麻痺したとの事です。」
「一度、この通信を切らせて頂きたく思います。」
「続きは対面した時にでも。」
イリヤ女王の言葉を最後に、この通信は切れてしまった。
古代は無言で真田を見た。
「コクリ。」と頷く真田。
古代はヤマトをワープさせた。


「さて、ここに閉じ込められた皆さんには、私たちに協力して頂きたい。」
30人近くのクルーが拘束されている中、真帆は話はじめた。

「もう、ここに居る皆さんは私と候補生の古代がウエイトレスの格好している事で、何がを企んでいると察しがついていると思う。」
「私と候補生の古代は救助を呼ぶ為、一度この食堂から脱け出し、出来れば武器を調達しようと思ってます。」
「そこで、私たちが脱け出している事を知られないようにして欲しい。」
そう云って真帆はクルリと回り、全員を見渡した。
そして、美雪に耳打ちした。

「私のビスチェのバストカップの中のワイヤーを抜いて私に渡して。」

真帆は美雪にしゃがむように指示、自身もしゃがみバストカップの縁に口を当てるように指示した。

「その縁を歯で引っ張って破って。」

バストカップの縁を歯で噛むと力任せに引っ張った。
バストカップの縁を破いたが、勢いもあったせいか、真帆の乳房も「ポロリ」としてしまう。
「きゃ……。」思わず声が漏れてしまう真帆。
真帆は赤面しならが、目線を向ける男子クルーを睨んだ。
美雪は歯を使いバストカップからワイヤーを抜いた。
抜いたワイヤーを鍵穴に差し込んで、ダメ元で、こねくり回した。

「カチッ。」上手い具合に解錠する事に成功した。
真帆はビスチェの縁を唇に挟むと、美雪に少しだけドアを開けさせ、見張りが何人かを確認させた。

「見張りは居ないようだわ。」

それを聞くと真帆は、ゆっくりとドアを開き、「ウグモオル。」と発したが美雪にはさっぱりだった。
きょとんとする美雪に真帆は唇を開き、ビスチェが落ちるのも覚悟で、「すぐ戻る。」と伝えた。

「二度、見た奴は事件解決後、覚えて起きなさいよ。」と目を吊り上げ、口パクした。
下向く二度見した男子クルーたち。

真帆は食堂室を抜け出すと調理場へ向かった。
手錠はプラスチック製ならキッチンバサミで切れるだろうと、キッチンバサミを持ち出し、美雪に渡すと、背中合わせに成り、そろりそろりとキッチンバサミをプラスチック製の手錠に押し当て、切断した。
両手が自由に成った真帆は左手でビスチェを押さえ、右手でキッチンバサミを持ち、美雪のプラスチック製の手錠を切断した。

「ハサミは置いてゆくけど、私たちが失敗しないとは限らないから、反撃出来るように、ここで待機してて。」

美雪と真帆は調理場の換気ダクトに身を隠した。
身を隠した真帆は片方のニイハイタイツを脱ぎ、それをビスチェの上から巻き、ビスチェがズレないように縛った。

「これでよし。と。」

少し、屈んで進むとダクトの径が狭く成った。

「ここから先は匍匐(ほふく)前進ね。」


車のクラクション、非常アラート、人々の怒号、遮断機の故障、列車どうしの衝突、停車しない列車アマールの月=ディアナのパニックは、瞬く間に拡がった_。

「さて、次はエリカの宣戦布告の映像を配信ジャックして、再びアマールとディアナ全土に配信しますかね。」
「クックックッ。」




第四話へ
つづく。

~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。

宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー第二話

2020-03-02 07:31:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作

拘束された美雪と真帆は一般クルー用の食堂に入室させられた。

「えっ!?」
「おり…」拘束された中のクルーの一人が、まったく何時もの厳しさのある折原真帆の教官と、その可愛いデザインから、女子のクルーからも人気の高いウエイトレスの制服を着た真帆のギャップに、思わず「折原教官。」と声を掛けてしまいそうな程であったが、飛ばされたウインクに慌てて、言葉を濁した。

「騒ぐな!」「おりがどうした?」

「あっ。いえ、檻に閉じ込めら気分です。」

頭にはティアラを模造したカチューシャ。
前屈姿勢をすれば、お尻が見えそうなくらいの丈の短いフレアスカートに、背中が開いたレースのフリルが施された黒を基調にしたビスチェタイプのエプロン。
白いニイハイタイツに靴先の丸み掛かった白と黒のコンビカラーで踵高10センチはあるだろうのショートブーツ。
カウスボタンで止めた袖口部分だけのスリーブ。
その姿を見れば、驚かない方が不思議だ。
マジマジと観られる二人は顔を紅く染めた。




宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱ
ーyamato2223ー

第二話


宣戦布告とも受け取れるエリカ・沢崎監察官の動画は超空間通信によって、地球連邦政府並びに防衛軍中央司令部と新たに設立された恒星間連邦に所属する星間国家にも届いていた_。

「私は地球連邦政府に所属していた監察官エリカ・沢崎。」
「地球連邦政府並びに防衛軍中央司令部それと、新たに設立された恒星間連邦星間国家の諸君に告ぐ!」
「我々は幾度となく、異星から侵攻、侵略に晒されて来た!」
「何時、異星国家から襲われるか解らない不安な暮らしに、もう、うんざりである!」
「私は、そんな暮らしから解放される事を切に願い、同志を集めた。」
「そして機は熟した!」
「ここに映るアマールの月を我々の母星と決めた!」
「我々は、地球連邦政府並びに防衛軍中央からの独立自治権を要求する!」
「24時間後に返事を聞かせて貰う。」


その超空間映像通信を観た真田長官は、休暇中の宇宙戦艦ヤマト艦長古代を呼び出した。

20分後、真田のもとを訪れた古代は、そこで今回の事件を知った。

「休暇中の呼び出し、済まなかったな。古代。」
「これを見てくれ。」
挨拶もそこそこに、唐突にタブレットを見せられた古代。
そこには先ほど、宣戦布告とも受け取れるエリカ・沢崎の演説が映し出されていた。
一通り、見終えた古代だったが、最後に映り込んだ美雪と折原に目が行った。

「…これって、最後に映り込んでいるのは美雪と折原ですよね!?」

「古代も、そう思うか?」

「はい。間違いなく美雪です。」
「しかし、何故、美雪や折原が民間人のそれもウエイトレスの格好を?」

「それなんだが、私もはじめは、ん!?と思ったのだが、美雪ちゃんや折原は何かを感じ、とっさにこれを思いついたと、私は推測している。」
「問題はこの格好ではなく、訓練艦雪風奪取され、美雪ちゃんや折原を含め、100名の人質が居ると言う事だ。」

「政府高官の中には、特殊部隊を派遣して、制圧すれば良いのでは?と意見も出ている。」
「特殊部隊の派遣には私も反対はしない。」
「だが、少なからず犠牲者は出てしまうだろう。」
「多少の犠牲も、やむ無しの声も「ちらほら」とある。」
「今は、もう少し様子を伺い、策を講じるべきと、留まるように話をしている。」

「そこで、自分にヤマトで出ろと。」

「いや、ヤマトで接近すればバレるのが早い。」
「ヤマトは出すには出すが、ここまでだ。」

「この小惑星郡までですか?」

「そうだ。その小惑星郡までだ。原始惑星の流星郡の環の中にヤマトを停泊させ、これをカムフラージュし、人質奪還に向けての拠点とする。」
「その位置ならば訓練艦雪風の広域レーダーには、引っ掛からない。」
「それと、私も政府専用船でアマールへ赴く。」

「解りました。」

「では、古代。三時間後、中央宇宙港で。」

真田は古代が退室すると、今では右腕的な存在にまで成った島次郎を呼んだ。

「島本部長。私の留守中、地球を頼む。」

「解りました。」

【島 次郎】

旧地球連邦移民船団本部長。
現在30歳。
ディンギル帝国戦役で、惜しくも戦死した島大介の弟。
現在、中央司令部の本部長に就任、真田の右腕的存在に成るまでに。

ー三時間後:中央宇宙港ー

一隻の政府専用船と整備を終え、出航の時を待つ宇宙戦艦ヤマトが、並んでいる。
政府専用船はヤマトの三分の一くらいの大きさだ。
勿論、非武装で建造されている。
その為、移動時には最低でも二隻の護衛艦が随行する。
だが、今回、ヤマトが随行する形となり、護衛艦は無しと成った。
この決断が後々、困難を招く事と成る。

こうして、宇宙戦艦ヤマトは新たな任務遂行の為、出航した。


真田の乗せた政府専用船と宇宙戦艦ヤマトは、火星軌道に乗ったところでワープに入った。
ヤマトより跳躍距離が短い政府専用船に合わせたワープと成った。
ワープが開け、土星圏に到達した二隻は身を隠すように土星の環へと舵をきった。

「古代艦長。専用船から停船信号です。」

「うむ。」

「続いて、古代艦長へ専用船へ出向け。との事です。」

「うむ。桜井。了解したと返信せよ。」



ヤマトも信号灯による返信をした。

三分後、古代は旧ブラックタイガー機を再設計・改良した九十九式改・戦術偵察機ゴースト・ライダーに搭乗、専用船へと赴いた。

今の時代では旧式扱いの九十九式艦上戦闘機(通称ブラックタイガー機)の性能は、劣勢を強いられていた当時の地球軍の戦闘機としては、ガミラスの戦闘機と十二分に渡り合えた事から、二十年経った今の時代でも少し手を加えてやれば、格闘能力を有する戦術偵察機として活用出来ると、真田は再設計させた。

新開発された高性能ステルス素材を機体全体に施し、各種センサー、レーダー波などに対する低被探知性を向上させた。
その他の改良点では、機体の胴体面を広範囲遠距離まで捜索を可能にする為のAESAレーダー=アクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ(通称ドームレーダー)用の素材を施した。

また、今回の作戦に伴い、ヤマトに新たに三胴型高機動哨戒艦:鹿嶋を搭載していた。
例えるなら、海洋生物であるエイを三つ折りにして、しっぽ側を艦首にした艦形である。

真田長官と対面した古代は、本作戦の説明を受けた。
だが、エリカ・沢崎監察官が示した24時間が過ぎ、地球連邦政府からの返答に納豆が行かなかった事で、エリカは山城艦長の射殺を命じた。
これによって事態は、深刻化を増した。

「……解った。」
「島本部長。本来なら私が記者会見を行うのが、筋ではあるが今から地球へ戻る訳には行かない。」
「島本部長には苦労を掛けるが、記者会見を頼む。」
「それと、次の交渉通信は私のところへダイレクトで繋がるように手配してくれ。」

手短に真田は超空間通信を済ませたが、真田がアマール星へ赴いている事が、エリカ・沢崎監察官に知れる事と成った。
山城艦長射殺は無いと考えていた真田にとっては、かなりの誤算だ。
真田は交渉しながら距離を詰めれると考えていたからだ。

「…真田さん。彼女があそこまで強気なのは、後ろ楯してくれる人物が居るのでは?」

「後ろ楯!?」
「さらに上の人間が居ると?」

「はい。地球連邦政府又は軍の上層部に糸を引いている者が、居るのではと。」

真田は右手を軽く握り顎にあてがい、考え込んだ。
そのタイミングでダイレクトコールが入る。

「連邦政府長官ともあろう方が、お粗末だな。」
「私は有言実行タイプなのでな。24時間後と言ったら24時間後に、行動する。」

「エリカ監察官。君も中央司令部に居た事があるなら、解るはずだ。
「いくら長官でも、全てを独断で決定する事は出来ない事を。」
「人命に関わる事案を僅か24時間で、左右出来るものではない。」
「アマール星の月は我々、地球連邦政府の管轄ではない!」
「イリヤ女王に状況を話、対談に応じて貰って、はじめて決断に至る。」
「だからこそ私は、こうしてアマール星へ赴いている。」
「現在、土星圏に到達した。ワープを重ねれば、あと六日ほどでアマールに到達する。

「ならば、超空間映像通信を利用して、話を纏めれば良かろう。」
「タイムラグを考慮しても、あと3日がリミットだ。」
「良き返事を期待するわ。真田長官。」

そこで通信は切れてしまう。

「真田さん。こうなったらヤマトで向かいましょう!」
「とりあえず、例の流星郡までなら3日、ギリギリですが到達可能です!」
「勝負はそこからです!真田さん!」
「3日あれば最善の方法が見つかるかも知れませ!」

「…解った。古代艦長。ヤマトのみで向かおう。」

こうしてヤマト単艦での仕切り直しと成った。


【三胴型高機動哨戒艦:鹿嶋】

満水排水量:1500トン

全長:92m
全幅:21m

兵装
76mm陽電子速射砲1門
20mm近接防御火器システム×1基

搭載数:1機

最大速力:35宇宙ノット


第三話へ
つづく。


~あとがき~


この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
引用した画像はイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。

宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー第一話

2020-03-01 01:32:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作

地球をはじめとする太陽系の星々が、あの異次元空間=カスケード・ブラックホールに呑み込まれ、元の空間に再び戻って早、三年の月日が流れた_。

時に西暦2223年。
地球は、太陽系は平和を取り戻し、漸く復興も一段落がつき、このまま平和な日々が続く事を願い、人類は過ごしていた。
困難続きの地球に救いの手を差し伸べてくれた惑星アマールもまた、地球との友好関係を深めていた_。

この動きは、かつての大ウルップ星間国家連合(SUS連合)に所属し、その後、離反した星間国家エトス、フリーデ、ベルデルにも伝わり、新たな恒星間連邦を設立させた。


【アマール】
旧大ウルップ星間国家連合の構成国の1つ。
国家元首はイリヤ女王。
自国にしかない資源をSUSに提供することで、偽りの平和を得ていた。
そのため、国民は星間国家連合からの独立を願う。
アマールの月に地球人の移民を許したため、星間国家連合から武力制裁を受けることになる。
アマール人の外観は地球中近東系人種に酷似している。
最後には真の独立の為に、ヤマトと共にSUSに反旗を翻す。

【エトス】
旧大ウルップ星間国家連合の構成国の1つ。
誇り高き士道精神を有していたが、大ウルップ星間国家連合への加入でそれを封印するようになった。
外観は地球白色人種に酷似している。
最後にはゴルイ率いる艦隊がエトス士道精神に殉ずるためにSUSに挑んだ。

【フリーデ】
旧大ウルップ星間国家連合の構成国の1つ。
やや赤みがかったペールオレンジの肌を持つ。
SUSの同盟国を犠牲にする戦い方に見限り、最後にはベルデルと共に戦いを放棄し引き上げた。

【ベルデル】
旧大ウルップ星間国家連合の構成国の1つ。
肌の色は緑色。
なおエトス、フリーデ、ベルデルの三国はバダルメ恒星系に位置する。


その為、地球はもとより太陽系は、計り知れないくらいの支援を得た事で、復興を当初の計画よりも早く、実現した。

そんな中、進と雪の娘、美雪は復興初年度に新たに設立した上級士官学校第一期生としての卒業課題として、訓練艦雪風に乗艦し、試験航海の途に就いていた。
卒業試験の航海ということもあり、三ヶ月もの長き航海を経験していた。
ただ、上級士官候補生の美雪にとって、心の救いは折原真帆が、偶然にも指導教官として、乗艦していた事である。
真帆とは少しの間だが、ヤマトで同行している。

【折原真帆】
宇宙戦艦ヤマト乗艦時には戦務科に所属、19歳という若さで第三艦橋・電算室室長を勤めた。
現在22歳。少佐に昇進。
天才的な計算能力があり、その名声は初対面の古代進にも知られていた。
ヤマトに乗艦以前は、地球連邦政府科学局に勤めていた。
ヤマトでは、森雪が着ていた白地に黒模様の旧ユニフォームを着用。
彼女の部下の6名の電算室専属オペレーターが真帆からの指示により、それぞれデータ分析、その結果を最終的に真帆が統合・分析して、ヤマトの行動指針を決定していた。

「古代候補生。アマール星までの航路上にBH199ブラックホールが存在するが、これを迂回する最短ルートを算出してくれ。」

「了解。」

二分後、美雪は分析した結果の航路図を真帆に提出した。

「う~ん。」
「古代候補生。これでは合格点はあげれないわね。」

「ただし、不合格な点数でもないわ。」
「不合格な点で云えば、この航路図では民間宇宙船では、無理なところね。」
「軍属でも巡洋艦クラス以上なら、可能かな。」

「……。」
美雪は頭の後ろに手を当て、苦笑いの表情を浮かべた。

「…折原教官。もう一度、もう一度やらせて下さい!」

「古代候補生。焦りは禁物。」
「今を受け入れる余裕を作りなさい。あと五分で休憩に入るわ。」
「少し、話ましょうか?」

「…はい。」
真帆の言葉に目頭を少し、潤ませる美雪だった。

五分後、休憩に入った美雪と真帆は艦に備わるラウンジに赴き、真帆が切り出した世間話に、美雪は耳を傾けた。

「折原教官。」

「美雪さん。休憩中とかは真帆でいいよ。」
美雪は、その言葉に笑顔を浮かべた。

「そう。その笑顔を忘れないでね。」
「笑顔を作れる余裕を心にね。」

「はい。」

その時であった訓練艦雪風は、大きな爆発と大きな揺れに襲われた。

「きゃぁぁぁー!」という声と共に、二人は床に投げ出された。
同時に警戒アラートが艦内に響き渡った。
美雪と真帆は休憩を切り上げ、部署に戻ろうとした。
だが二人は、その足を止めた。
警戒アラートの音は小さく絞られ、全艦内に通達用艦内放送が流れた。

「訓練艦雪風のクルーの諸君。」
「艦長の山城だ。」
「本艦は現時点を持って訓練航海を終了する。」

「艦長。山城は現時点を持って更迭、全指揮権は、この私が掌握した。」

艦長山城の通達と入れ替わるように、何者かによる通達に変わった。

「私は地球連邦政府に所属していたエリカ・沢崎である。」
「クルーの諸君。君らはたった今から人質である。」
「静かに私の指示に従って頂く。」
「抵抗ある場合、艦長山城を射殺する。」
「諸君の理解と協力に期待する!」
「これより、私の部下に従って頂く!」

「何がどうなったの?」と美雪と真帆はお互いの顔を見詰めた。
一つ解っている事は、ブリッジが占拠された事。

「連邦政府の監察官がテロを企てたのか?…」美雪と真帆の脳裏に同じ言葉が浮かんだ。
二人は以心伝心したかのように、互いの眼を見詰めた。

「ニッ。」と美雪も真帆も何かを企んだような顔を覗かせた。
二人はバーカウンター内に入り、物色した。
現在、長期訓練航海の為、民間人の乗艦者は居ないが、普段の訓練航海時には、このラウンジには民間人のウエイトレスと簡単な料理を提供するキッチンスタッフが乗艦する。
これは、たとえ訓練生とは言え、息抜きの時間は必要であることから、娯楽の一環として取り入れられたものである。
現に軍の施設には民間のサービス業関係者が運営する施設が、置かれている。
美雪と真帆は着用していた制服を脱ぎ、バーカウンターの奥に隠し、代わりにクリーニングされたウエイトレスの制服を着用した。
民間人に成り済ましたのだ。




宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱ
ーyamato2223ー

第一話


美雪と真帆はバーカウンターの下に隠れ、メニュー用タブレットで、監察官=エリカ・沢崎を検索した。

「あった!」
「やっぱりエリートね。」

【エリカ・沢崎】

冥王星圏:第十一惑星出身。
身長168センチ。スリーサイズはB86・W55・H88。
25歳。独身。

髪は栗毛のセミロングヘアで肩くらいの長さ。
防衛大学卒業と同時に連邦防衛軍中央司令部に配属。
配属と同時にアマール星先見大使の一人として任命、アマールの月に地球人の受け入れに一役買った経歴を持つ。
地球に帰還後、第一次移民船団副団長に任命され、SUS連合の強襲に遭遇するも、辛うじて強襲を逃れた三億の人類と共にアマールの月に到達。
到達後、大使として地球人を管理した。

「凄い経歴ですね。」と美雪が口を開いた時であった、全艦クルーを拘束しているエリカの部下たちが、ラウンジ内を捜索する為、入室してきたのだ。

「シッ!」とっさに真帆は美雪の口元に人差し指を当てた。
眼を「ぱちくり」させる美雪。
真帆は検索を止め、履歴を全て"ゴミ箱へ"、飲食メニューに戻し、再起動させた。

起動音が鳴った。

「そこで何をしている!」バーカウンターの下を覗き込んだ部下の一人が、アサルトライフルの銃口を美雪たちに向け、「出ろ!」言わんばかり手招きするような仕草を見せた。

美雪と真帆は怯える素振りを見せながら、ゆっくりとバーカウンターの下から出た。
上から下まで、舐めるように二人を見ると、両手を頭の上に当てさせ、「民間人か?」と尋ねて来た。

「はい。」と二人、揃って返事した。

「怪しいな。民間人が何で軍艦に乗艦している?」
一人の部下が口を開いた。

二人が答える前に、もう一人の部下が、告げた。

「軍艦とは言え、戦地じゃない通常訓練時とかは娯楽の一つとして、ラウンジ等には民間人が配置されるんだよ。」
「俺は軍に居たから解ってたけどな。」
「でも、調理用器具とか隠し持ってないか調べさせて貰うよ。」

そう言うと、その部下は美雪の身体から、軽く叩くように制服の上から調べた。
「よし。次はお前だ。」
美雪同様に真帆を調べた。
「こっちもよし。」
「民間人のお前たちには気の毒だが、運が悪かったと、諦めんだな。」
「二人共、後ろを向け。」
そう言って後ろを向かすと、胸のポケットから荷造り用のプラスチック製の細いバンドを何本か取り出し、簡易的な手錠を作り、拘束した。


第二話へ
つづく。

~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
引用した画像はイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。