後編
航海図、航路レーダー、メインレーダーでは、その場所が境界部である事を示しているが、これが門だと目視では解らなかった。
だが、メインスクリーンには、門(ゲート)を潜っていると解る映像が映り出されている。
目の細かい砂、砂丘と言う表現が相応しいだろう。
その砂丘が永遠に続く。
何れくらいの距離を移動したのだろうか、ヤマトからはまだまだ、かなりの距離ではあるが、レーダーには人工構造物を捉えていた。
かなり高層の構造物のようだ。
艦橋のクルーは眼下に拡がる砂丘もしかりなのだが、人工構造物の高さは既に地上から10キロメートルを超えて表示されていた。
「艦長。まだまだ、表示が止まりません。」メインレーダーを覗く折原が告げた。
「うむ。折原。中央電算室で解析を頼む。」
「了解。」
折原が電算室に降りて、直ぐにコルンが新たな反応を示した。
「…ン!?」
「Unknown.target!」
「夕貴サン!気をつけて!」
「前方からUnknown.targetデス!」
「複数接近して来ます!」
「メインレーダーに反応は?」折原から引き継いだ桜井に天城が尋ねた。
「メインレーダーには何も…あっ!?ちょっと待って下さい!今、反応有り!」
「Unknown.targetは6つ!!」
「……!?人(ひと)、人間…!?」再び桜井が告げて来る。
「…いや、羽の生えた人間なんて居るかよ!」
「上條一佐。あれはヴァルキリーだ!」
「ヴァルキリー!?」
「そうだ。ヴァルキリーだ別名ワルキューレ!」
「あれは人間なんかじゃない!」
「完全に我々はヤマトは、敵と見なされたってわけよ!」そう言ったのは操縦稈を握る天城だった。
「天城一佐は詳しいんですね。」
「……お父さん!」そんなやり取りの中、美雪が第一艦橋に姿を現した。
「美雪。お前…。」
艦長であり、父親でもある進は一瞬、言葉に困った。
美雪は母親である雪、古代雪(森雪)が、かつて着用していた黄色をベースに黒の矢印を施した旧ヤマトの艦内服を纏い、現れたからだ。
「美雪。それは…」
「そうよ。お母さんが着ていた艦内服よ。」
「どういうつもりだ。」
「どういうつもりも何もないわ。」
「私も古代進と森雪の娘ですもの、いっしょに、いっしょに戦うわ!」
「それに今、お母さんの声が聞こえたの!」
「お母さんは、あの石の煉瓦で造られた塔に居るわ!」
「…お母さんの雪の声が聞こえたって……お前…。」
「古代艦長。お嬢さんも16歳でしょ!?」
「16歳なら宇宙防御隊高等工科学校に入校出来る歳です。」
「即ち、立派な指揮官を目指すに相応し歳です。」
「協力して貰いましょう。」
「…しかし美雪は正規の学生では…」
「古代艦長!今、そんな事を言っている場合ではありません!」
「眼前にはワルキューレが迫ってます!」
「それにお嬢さんは、お母様の声を感じた。そしてそのお母様は、あの塔に居ると!」
「私が美雪さんを守ります!許可を!」
「…緊急時に付き、特別に許可を出す。」
「美雪は、天城一佐補助を。」
「佐々木艦医には話を通しておく。」
「配置に付け。」
天城は、美雪にウインクを飛ばすと拳を「コツン。」と当て、ハイタッチした。
「二人にヤられた。」と苦笑いの表情を浮かべる古代。
古代は気を取り直して命令を下した。
「全艦に通達!」
「第一級戦闘配置!」
「飛来する物体は人型兵器である!」
「躊躇(ためらう)な!以上だ!」
◆
ワルキューレ(ドイツ語: Walküre)またはヴァルキュリャ(古ノルド語: valkyrja、「戦死者を選ぶもの」の意)は、北欧神話において、戦場で生きる者と死ぬ者を定める女性、およびその軍団のことである。
戦場で死んだ者の半分をオージンの治める死者の館ヴァルホルに連れて行く役割を担う。
ヴァルホルでは、死んだ戦士たちは終末戦争ラグナロクに備える兵士エインヘリャルとなるが、ヴァルキュリャは彼らに蜜酒を与える給仕ともなる。
また、ヴァルキュリャは英雄をはじめとする人間たちの恋人としても登場し、そのような場合は王族の娘として描かれることもある。
ワタリガラスを伴って描かれたり、また白鳥や馬と結び付けられることもある。
ヴァルキュリャは、13世紀に書かれた『スノッリのエッダ(散文のエッダ)』『古エッダ(詩のエッダ)』『ヘイムスクリングラ』『ニャールのサガ』などに記述が見られる。
スカルド詩や14世紀の呪文、ルーン碑文などにも登場する。
また考古学的には、ヴァルキュリャを描いたと考えられている魔除けなどが出土している。
北欧神話に登場するノルンやディースといった存在は、いずれもヴァルキュリャと同様に運命を司る超自然的存在であり、その関係性についても解釈がなされている。
◆
だが、メインスクリーンには、門(ゲート)を潜っていると解る映像が映り出されている。
目の細かい砂、砂丘と言う表現が相応しいだろう。
その砂丘が永遠に続く。
何れくらいの距離を移動したのだろうか、ヤマトからはまだまだ、かなりの距離ではあるが、レーダーには人工構造物を捉えていた。
かなり高層の構造物のようだ。
艦橋のクルーは眼下に拡がる砂丘もしかりなのだが、人工構造物の高さは既に地上から10キロメートルを超えて表示されていた。
「艦長。まだまだ、表示が止まりません。」メインレーダーを覗く折原が告げた。
「うむ。折原。中央電算室で解析を頼む。」
「了解。」
折原が電算室に降りて、直ぐにコルンが新たな反応を示した。
「…ン!?」
「Unknown.target!」
「夕貴サン!気をつけて!」
「前方からUnknown.targetデス!」
「複数接近して来ます!」
「メインレーダーに反応は?」折原から引き継いだ桜井に天城が尋ねた。
「メインレーダーには何も…あっ!?ちょっと待って下さい!今、反応有り!」
「Unknown.targetは6つ!!」
「……!?人(ひと)、人間…!?」再び桜井が告げて来る。
「…いや、羽の生えた人間なんて居るかよ!」
「上條一佐。あれはヴァルキリーだ!」
「ヴァルキリー!?」
「そうだ。ヴァルキリーだ別名ワルキューレ!」
「あれは人間なんかじゃない!」
「完全に我々はヤマトは、敵と見なされたってわけよ!」そう言ったのは操縦稈を握る天城だった。
「天城一佐は詳しいんですね。」
「……お父さん!」そんなやり取りの中、美雪が第一艦橋に姿を現した。
「美雪。お前…。」
艦長であり、父親でもある進は一瞬、言葉に困った。
美雪は母親である雪、古代雪(森雪)が、かつて着用していた黄色をベースに黒の矢印を施した旧ヤマトの艦内服を纏い、現れたからだ。
「美雪。それは…」
「そうよ。お母さんが着ていた艦内服よ。」
「どういうつもりだ。」
「どういうつもりも何もないわ。」
「私も古代進と森雪の娘ですもの、いっしょに、いっしょに戦うわ!」
「それに今、お母さんの声が聞こえたの!」
「お母さんは、あの石の煉瓦で造られた塔に居るわ!」
「…お母さんの雪の声が聞こえたって……お前…。」
「古代艦長。お嬢さんも16歳でしょ!?」
「16歳なら宇宙防御隊高等工科学校に入校出来る歳です。」
「即ち、立派な指揮官を目指すに相応し歳です。」
「協力して貰いましょう。」
「…しかし美雪は正規の学生では…」
「古代艦長!今、そんな事を言っている場合ではありません!」
「眼前にはワルキューレが迫ってます!」
「それにお嬢さんは、お母様の声を感じた。そしてそのお母様は、あの塔に居ると!」
「私が美雪さんを守ります!許可を!」
「…緊急時に付き、特別に許可を出す。」
「美雪は、天城一佐補助を。」
「佐々木艦医には話を通しておく。」
「配置に付け。」
天城は、美雪にウインクを飛ばすと拳を「コツン。」と当て、ハイタッチした。
「二人にヤられた。」と苦笑いの表情を浮かべる古代。
古代は気を取り直して命令を下した。
「全艦に通達!」
「第一級戦闘配置!」
「飛来する物体は人型兵器である!」
「躊躇(ためらう)な!以上だ!」
◆
ワルキューレ(ドイツ語: Walküre)またはヴァルキュリャ(古ノルド語: valkyrja、「戦死者を選ぶもの」の意)は、北欧神話において、戦場で生きる者と死ぬ者を定める女性、およびその軍団のことである。
戦場で死んだ者の半分をオージンの治める死者の館ヴァルホルに連れて行く役割を担う。
ヴァルホルでは、死んだ戦士たちは終末戦争ラグナロクに備える兵士エインヘリャルとなるが、ヴァルキュリャは彼らに蜜酒を与える給仕ともなる。
また、ヴァルキュリャは英雄をはじめとする人間たちの恋人としても登場し、そのような場合は王族の娘として描かれることもある。
ワタリガラスを伴って描かれたり、また白鳥や馬と結び付けられることもある。
ヴァルキュリャは、13世紀に書かれた『スノッリのエッダ(散文のエッダ)』『古エッダ(詩のエッダ)』『ヘイムスクリングラ』『ニャールのサガ』などに記述が見られる。
スカルド詩や14世紀の呪文、ルーン碑文などにも登場する。
また考古学的には、ヴァルキュリャを描いたと考えられている魔除けなどが出土している。
北欧神話に登場するノルンやディースといった存在は、いずれもヴァルキュリャと同様に運命を司る超自然的存在であり、その関係性についても解釈がなされている。
◆
「上條。戦闘指揮を任す。」
「了解!」
「全主砲はハイパーショックカノンよーい!」
「波動エネルギー注入機作動!」
「波動エネルギー12パーセントをキープ、連射に備えよ!」
「波動エネルギー12パーセント注入開始!」
「天城船務長!右舵いっぱい!!」
「右舵いっぱいヨーソロ!」
「右舷側、姿勢制御スラスター噴射!!」
「対ショック体制完了!」
「主砲!ハイパーショックカノン、前衛の三体に其々、合わせ!てぃーーーッ!!」
各砲身から発射された波動エネルギーを混合させたハイパーショックカノンのエネルギー光弾は、其々が螺旋を描(えが)くように捻れ、三つのエネルギー光弾が更に一つに纏まり、プラズマ波をなびかせ、再び螺旋を描(えが)き捻れながら目標物体、目掛け突き進む。
「$/#℃㎜¢&@#@@$!!(波動エネルギーを検知!!)」
「$#℃¥:℃::#/$_!!(半物質フィールド!!)」
ワルキューレたちの周りに突如、浮かび上がるプラズマ波の渦。
ハイパーショックカノンのエネルギー光弾、其々が前衛に陣を敷くワルキューレたちに直撃した。
凄まじい青白く輝くプラズマ波をなびかせた波動エネルギー光弾と、張り巡らされた半物質プラズマ波が、ぶつかり合う。
想像を遥かに超えた衝撃波がヤマトを襲う。
「グワン!」とヤマトが押されてゆく。
噴射した姿勢制御スラスターの噴射を最大値にあげるも、ヤマトは、顎を突き上げられたボクサーのように倒されてゆく。
あと5度も傾けば、艦底部を晒すほどであった。
「くっ…。」
「ハイパーショックカノンの威力の余波か?」戦闘指揮を取る上條は呟くように口を開いた。
「桜井!人型は?」艦長古代が、あとを追いかけるように尋ねた。
「…直撃までは確認出来てますが、…あと2秒待って下さい!」
「レーダー回復!……前衛の人型…健在っ!」
その報告に青ざめる上條。
そんな上條を嘲笑うかのように、ヤマトの通信と映像回線は、強制介入された。
「地球人よ。抵抗は止めておけ。」
「我れは死者を連れ去る者。ワルキューレ。」
「抵抗すれば、するほど貴様らの仲間が連れ去られるぞ。」
「眼下をよく観てみろ!」
言われるがままに古代をはじめ、ヤマトのクルーたちは、目を凝らし、食い入るように眼下を覗き込んだ。
白い砂、砂丘に見えたものは頭蓋骨だった。
後退りする者、気を失う者、唖然とし言葉を失う者、中には失禁してしまう者までが大半を占めていた。
「どうだ?解ったであろう!?」
「で、抵抗を止めた我々はどうなる?」
「いい質問だ。」
古代の問いかけに応えたのは、ワルキューレたちとは異なる声の持ち主だった。
声の主は、白銀の翼を12枚も背中から生やた見る者によっては美少年、青年、美少女のような人型の生物であった。
「我が名はルシファー。」
「ある者は大天使長と呼び、またある者は悪魔王と呼ぶ。」
「この地はコキュートスの丘。別名:嘆きの丘とも呼ばれている地。」
「貴公らも、この丘に眠りたくはないであろう?」
誰もが口を噤(つぐ)む中、「お母さんを返して!!」と叫ぶ美雪。
「ほう。貴公の母であったか。」
「だが、それは出来ぬ。先約があるのでな。」第一艦橋を覗き込むルシファーは、美雪をマジマジと見詰めながら告げた。
「…先約、先約って何よ!」目を吊り上げ、少し声を大きく美雪は、聞き返した。
「この変体用の身体とは違い、あれだけ美しい身体は中々の希少品。」
「希少品って…お母さんは物じゃない!」
「それだけの力が有るなら、お母さんに似せたものを造ればいいでしょ!」
「アハハハハハ。」
「ほら、やはり"もの"ではないか。」
「まぁ。よい。」
「サーベラーよ。今こそ、契約をたそう。
「この娘を黙らせよ。」
ルシファーの眼が光ると、美雪の斜め前の航海長席に座る天城一佐の様子が、変化した。
ワラワラと全身を震わせ、頭を上に向けると着用している制服を破りはじめた。
「夕貴サン!?」
「天城一佐?」
駆け寄る古代艦長を払いのけ、隣に居たコルンを突き倒した。
「お父さん!」
「艦長!」
美雪と上條が駆け寄った。
「……ううっ。」片目を瞑(つむ)り、腰に手をあてがい古代は上條の肩を借り、立ち上がった。
ワラワラと震え、裸体をさらけ出した天城一佐の周りには蒼白いプラズマ波が、漂っていた。
幾つもの天城一佐とサーベラーの身体が重なりあう。
「我は"白銀の巫女"シファル・サーベラー!」
「ガトランティス最高指導者である!」
「我らガトランティスの復活、契約は果たされた!」
「地球人よ。跪け!」
「…サーベラー!いえ、夕貴の身体を媒体にした偽りのサーベラー!」
「身体だけは復活したけど、全ての能力を復活させた訳ではなさそうね?」
「違うかしら?」
「古代サン。このサーベラーはワタシが相手をします!」
「見た目はガトランティス人に成ってしまったが、元はワタシの娘、夕貴です。」
「…天城一佐が、コルンさんの娘?」
「そうです。詳しい説明はあとで致しましょう!」
「ワタシがサーベラーを押さえ付けて要る間(あいだ)に、古代サンはヤマトの操縦を!」
その時であった後部カタパルト管制室から「コスモゼロtype21」発艦のアナウンスが飛び込んだ。
「何!?」
「誰が乗っている?」
「えっ!?」
「発艦許可は出てないのですか?」
「美雪さんは、艦長からの命令だと。」艦尾カタパルトカタパルト管制クルーは、驚きながら返答した。
「解った。」
「美雪の奴…いつの間に…。」
「ヤマト緊急発進!」
「徳川!両舷全速!」
進の許可も得ないまま、母親である雪を助けたい一心でヤマトを飛び出した娘、美雪を追う古代。
「ルシファー様!ヤマトが、人間が我らの要請を無視、バベルの塔へと向かっています!」
「何ッ!?」
「バカな奴らだ!始末せよ!」
「仰せの通りに!」
「了解!」
「全主砲はハイパーショックカノンよーい!」
「波動エネルギー注入機作動!」
「波動エネルギー12パーセントをキープ、連射に備えよ!」
「波動エネルギー12パーセント注入開始!」
「天城船務長!右舵いっぱい!!」
「右舵いっぱいヨーソロ!」
「右舷側、姿勢制御スラスター噴射!!」
「対ショック体制完了!」
「主砲!ハイパーショックカノン、前衛の三体に其々、合わせ!てぃーーーッ!!」
各砲身から発射された波動エネルギーを混合させたハイパーショックカノンのエネルギー光弾は、其々が螺旋を描(えが)くように捻れ、三つのエネルギー光弾が更に一つに纏まり、プラズマ波をなびかせ、再び螺旋を描(えが)き捻れながら目標物体、目掛け突き進む。
「$/#℃㎜¢&@#@@$!!(波動エネルギーを検知!!)」
「$#℃¥:℃::#/$_!!(半物質フィールド!!)」
ワルキューレたちの周りに突如、浮かび上がるプラズマ波の渦。
ハイパーショックカノンのエネルギー光弾、其々が前衛に陣を敷くワルキューレたちに直撃した。
凄まじい青白く輝くプラズマ波をなびかせた波動エネルギー光弾と、張り巡らされた半物質プラズマ波が、ぶつかり合う。
想像を遥かに超えた衝撃波がヤマトを襲う。
「グワン!」とヤマトが押されてゆく。
噴射した姿勢制御スラスターの噴射を最大値にあげるも、ヤマトは、顎を突き上げられたボクサーのように倒されてゆく。
あと5度も傾けば、艦底部を晒すほどであった。
「くっ…。」
「ハイパーショックカノンの威力の余波か?」戦闘指揮を取る上條は呟くように口を開いた。
「桜井!人型は?」艦長古代が、あとを追いかけるように尋ねた。
「…直撃までは確認出来てますが、…あと2秒待って下さい!」
「レーダー回復!……前衛の人型…健在っ!」
その報告に青ざめる上條。
そんな上條を嘲笑うかのように、ヤマトの通信と映像回線は、強制介入された。
「地球人よ。抵抗は止めておけ。」
「我れは死者を連れ去る者。ワルキューレ。」
「抵抗すれば、するほど貴様らの仲間が連れ去られるぞ。」
「眼下をよく観てみろ!」
言われるがままに古代をはじめ、ヤマトのクルーたちは、目を凝らし、食い入るように眼下を覗き込んだ。
白い砂、砂丘に見えたものは頭蓋骨だった。
後退りする者、気を失う者、唖然とし言葉を失う者、中には失禁してしまう者までが大半を占めていた。
「どうだ?解ったであろう!?」
「で、抵抗を止めた我々はどうなる?」
「いい質問だ。」
古代の問いかけに応えたのは、ワルキューレたちとは異なる声の持ち主だった。
声の主は、白銀の翼を12枚も背中から生やた見る者によっては美少年、青年、美少女のような人型の生物であった。
「我が名はルシファー。」
「ある者は大天使長と呼び、またある者は悪魔王と呼ぶ。」
「この地はコキュートスの丘。別名:嘆きの丘とも呼ばれている地。」
「貴公らも、この丘に眠りたくはないであろう?」
誰もが口を噤(つぐ)む中、「お母さんを返して!!」と叫ぶ美雪。
「ほう。貴公の母であったか。」
「だが、それは出来ぬ。先約があるのでな。」第一艦橋を覗き込むルシファーは、美雪をマジマジと見詰めながら告げた。
「…先約、先約って何よ!」目を吊り上げ、少し声を大きく美雪は、聞き返した。
「この変体用の身体とは違い、あれだけ美しい身体は中々の希少品。」
「希少品って…お母さんは物じゃない!」
「それだけの力が有るなら、お母さんに似せたものを造ればいいでしょ!」
「アハハハハハ。」
「ほら、やはり"もの"ではないか。」
「まぁ。よい。」
「サーベラーよ。今こそ、契約をたそう。
「この娘を黙らせよ。」
ルシファーの眼が光ると、美雪の斜め前の航海長席に座る天城一佐の様子が、変化した。
ワラワラと全身を震わせ、頭を上に向けると着用している制服を破りはじめた。
「夕貴サン!?」
「天城一佐?」
駆け寄る古代艦長を払いのけ、隣に居たコルンを突き倒した。
「お父さん!」
「艦長!」
美雪と上條が駆け寄った。
「……ううっ。」片目を瞑(つむ)り、腰に手をあてがい古代は上條の肩を借り、立ち上がった。
ワラワラと震え、裸体をさらけ出した天城一佐の周りには蒼白いプラズマ波が、漂っていた。
幾つもの天城一佐とサーベラーの身体が重なりあう。
「我は"白銀の巫女"シファル・サーベラー!」
「ガトランティス最高指導者である!」
「我らガトランティスの復活、契約は果たされた!」
「地球人よ。跪け!」
「…サーベラー!いえ、夕貴の身体を媒体にした偽りのサーベラー!」
「身体だけは復活したけど、全ての能力を復活させた訳ではなさそうね?」
「違うかしら?」
「古代サン。このサーベラーはワタシが相手をします!」
「見た目はガトランティス人に成ってしまったが、元はワタシの娘、夕貴です。」
「…天城一佐が、コルンさんの娘?」
「そうです。詳しい説明はあとで致しましょう!」
「ワタシがサーベラーを押さえ付けて要る間(あいだ)に、古代サンはヤマトの操縦を!」
その時であった後部カタパルト管制室から「コスモゼロtype21」発艦のアナウンスが飛び込んだ。
「何!?」
「誰が乗っている?」
「えっ!?」
「発艦許可は出てないのですか?」
「美雪さんは、艦長からの命令だと。」艦尾カタパルトカタパルト管制クルーは、驚きながら返答した。
「解った。」
「美雪の奴…いつの間に…。」
「ヤマト緊急発進!」
「徳川!両舷全速!」
進の許可も得ないまま、母親である雪を助けたい一心でヤマトを飛び出した娘、美雪を追う古代。
「ルシファー様!ヤマトが、人間が我らの要請を無視、バベルの塔へと向かっています!」
「何ッ!?」
「バカな奴らだ!始末せよ!」
「仰せの通りに!」
「この媒体を失う訳にはゆかんのだ。」
雪は透明なクリスタルカプセルの中に保管されていた。
保管されているクリスタルカプセルの中には羊水が満たされている。
言わゆる子宮の中に雪は居る事と同じなのだ。
生きてゆくのに必要な本能で解るのだろう。眠り続ける雪ではあるが、酸素も栄養素も、カプセル内の羊水から補給しているのだ。
そして、古代が目指すバベルの塔は、あの砂丘を地上と考えるなら、10キロメートル以上もの円柱形をした超高層建造物、その最上階に雪を保管しているクリスタルカプセルはある。
そのバベルの塔から、およそ地球から月までの距離の10倍、3.844.000kmにカスケードブラックホールによって呑み込まれた太陽系の惑星が、塔を囲うように並んでいる。
太陽・水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・第十番惑星・第十一番惑星と並んでいる。
冥王星だけが、その列には存在しない。
塔の真上に存在している。
その遥か上空の空間には、これまでカスケードブラックホールによって呑み込まれた惑星や衛星が、ところ狭しと並んでいる。
まるでゴミ山のように_。
おそらく、資源を取りつくし、捨てられたのだろう。
その上空に、この次元の空間の太陽なのだろ、珍しい動きを見せていた。
西から東へと向かって移動しているのだ。
その太陽から塔の真上に設置された冥王星を介して、エネルギーを吸収しているようだ。
操縦桿を握る古代の頭の中に「ふと。」過るメッツラーの言葉。
「メッツラーを媒体とし、再び浮かび上がる異次元の思考ホログラム。
自分が異なる次元の民であること、その次元には資源が少ないため生きる糧を他の次元に求めていたこと、そしてカスケードブラックホールの正体が他次元から資源となる星々を奪い取るための巨大な次元転移装置であると。」
「何処に…何処に一体……。」そう思いながら古代は、塔の上空を見上げた。
何かに気がついた古代は、命令を下した。
「上條。ロケットアンカー射出よーい!」
「ロケットアンカー射出用意よし!」
「うむ。」
「小林航空隊隊長。悪いが君の予備機を使用する。」
「後部カタパルトへ、射出準備!」
「上條。君にヤマトを預ける。」
「もし、俺が一時間以内に帰投しない時は、トランジッション波動砲をあのバベルの塔に撃ち込め!」
「…自分も同行します!」
「駄目だ!船務長不在で階級が最上級なのは、上條、お前だ。」
「まだ銀河系が健在な内に、次に繋ぐ為にも、トランジッション波動砲を発射させた後、アマール星へゆけ!」
「イリヤ女王なら必ず、力を貸してくれるはずだ!」
上條は瞳を閉じ、肩を震わせた_。
「ワルキューレ六体、急接近!!」
「ヤマトを包囲してきます!」
古代と上條のやり取りの中、慌ただしく折原が告げて来る。
「上條!波動爆雷で弾幕を張りつつ、波動フィールド展開だ!」
「バリアミサイル発射ッ!!」
「ワルキューレ発砲!!」
「波動フィールドが…波動フィールドが中和されて行きます!」
「艦長!ワルキューレの放つエネルギー光弾の成分が判明!」
「半物質エネルギーです!」
「波動エネルギーは中和されます!」
「くっ!」
「構わん!上條。撃ち捲れ!」
「あと少しで塔だ!奴らにとって大切な塔だ!たどり着けば奴らもバカスカ撃ち込めんだろう!」
「了解!」
「……艦長!あれを!」
古代らが目指すバベルの塔の最上階近辺に浮遊するコスモゼロtype21。
どう見ても、無人のようだった。
「上條!ロケットアンカー射出!」
「ヤマトを固定する!」
「姿勢制御スラスター噴射!」
バベルの塔にロケットアンカーを撃ち込み、ヤマトは停止した。
同時にワルキューレたちの攻撃も止んだ。
「後部カタパルトは準備出来ているか?」
「射出準備完了してます!」
「上條。あとを頼んだぞ。」
「…了解。」上條からの返事を聞くと、古代は航海長席を立ち、第二格納庫へ向かった。
「上條!波動爆雷で弾幕を張りつつ、波動フィールド展開だ!」
「バリアミサイル発射ッ!!」
「ワルキューレ発砲!!」
「波動フィールドが…波動フィールドが中和されて行きます!」
「艦長!ワルキューレの放つエネルギー光弾の成分が判明!」
「半物質エネルギーです!」
「波動エネルギーは中和されます!」
「くっ!」
「構わん!上條。撃ち捲れ!」
「あと少しで塔だ!奴らにとって大切な塔だ!たどり着けば奴らもバカスカ撃ち込めんだろう!」
「了解!」
「……艦長!あれを!」
古代らが目指すバベルの塔の最上階近辺に浮遊するコスモゼロtype21。
どう見ても、無人のようだった。
「上條!ロケットアンカー射出!」
「ヤマトを固定する!」
「姿勢制御スラスター噴射!」
バベルの塔にロケットアンカーを撃ち込み、ヤマトは停止した。
同時にワルキューレたちの攻撃も止んだ。
「後部カタパルトは準備出来ているか?」
「射出準備完了してます!」
「上條。あとを頼んだぞ。」
「…了解。」上條からの返事を聞くと、古代は航海長席を立ち、第二格納庫へ向かった。
「たどり着いたか。」
「ならば、迎えてやるとするか。」空間映像を観ながら不適な笑みを浮かべるルシファー。
ヤマトを発艦した古代は、煉瓦造りの塔の一部がくり貫かれたような空間を見つけた。
何の躊躇いもなく古代は、その空間へと操縦桿を傾けた。
暗闇に蛍光グリーンに輝く誘導灯が進む方向を示す。
地上高10キロメートル以上もの超が付く程の建造物、塔内部もヤマトが仮に航行しても、余裕がある。
小型戦闘機であるコスモパルサーが、速度を落とす事なく飛行が可能だ。
だが、古代は出力を三分の二まで落として飛行した。
周りを目視での確認が出来ないからだ。
時間にして10分くらい飛行したところで、辺りはトンネルを抜けたように明るく、開けた場所に出た。
「あそこが終点か!?」
「人間よ。そこで降りろ。」
「大丈夫だ。殺しはしない。それと貴公らが暮らしていた大気と変わらん。」
古代は指示に従い、コスモパルサーを着陸させた。
◆
「で、上條艦長代理は、どうしたいんだ。」相変わらずの口調で小林が口を開いた。
「…俺には……俺にはトランジッション波動砲は撃てない。」
「何だよ!それ。」
「まだ一時間、経ってないんだぜ!上條よ!」
「小林。そんなに突っ掛かるなよ。」
「上條だって辛い命令を聞き入れるしかなかった訳だから。」強い口調の小林に佐々木が助け船的に告げた。
「艦長代理。命令を出したらいいのかもよ。」
「命令?」
「そう。命令。」
「私たち、まだ上條艦長代理から、命令を聞いてないんだけど。」佐々木に続いて折原もまた、助け船的に告げた。
「じれってぇな。」
「俺たち、軍法会議もんは後免だかんな!」
「小林、佐々木、コスモパルサー隊出撃!」
「桜井は輸送船の操縦の経験があったな。航海長代行を!」
「折原は第一艦橋へ!メインレーダーを!ってよ!」
「艦長が中に入れたって事はだよ、俺たちコスモパルサー隊も突入出来んじゃないかって思うだろ!?」
「…よし。それで行こう!」
「…なら、自分もコスモパルサーに乗せてくれないか?」そばで聞いていたカティー軍曹が話に加わった。
「カティー軍曹。貴女、お腹に子供がいるのに無理は駄目よ。」
「折原一等宙尉(チーフ)。それなら大丈夫よ。それに…」
「それに彼の神楽坂の仇を取りたいんだ!」
「ならさぁ、あたしの後ろに乗りなよ。」
「雷撃機なら、副座だかさ。」
「機銃くらいは撃てるでしょ!?」
「おっ!美晴。頭、良いじゃん!」
「か、艦長代理として命令をくだす。」
「小林、佐々木のコスモパルサー隊は発艦準備!尚、カティー軍曹は佐々木機に同乗せよ。」
「桜井二等宙慰は航海長代行を!」
「折原一等宙慰はメインレーダーを!」
「以上だ。解散!」こうして、上條の指揮の下、新たな作戦を開始する事と成った。
◆
「人間よ。」
「それほどまでに、あの媒体を返して欲しいのか?」
「雪!」古代の見上げる先にはクリスタルカプセル内の雪の姿が見える。
「人間よ。では、こうしよう。」
「あのカプセルの媒体を返してやるが、その代わりに、此方を頂く。」
ルシファーが、指差した方には後ろ手に拘束された美雪が見える。
「…お父さん……。」
「貴様…。」
「動くな!」
「人間よ。我が友、ベリアルだ。」
「友であるが、我は召還し、ベリアルを呼び出した。」
「代償は生け贄を捧げなければならない。」
「そこでだ。貴公に選択する機会を与える。」
「クリスタルカプセルの媒体を選ぶか。あの娘を選ぶか。はたまた子を宿事の可能な生け贄と成る者を差し出すか。」
「三択だ。選べ。」
「………。」
「どうした?選べぬか?」
◆
【ベリアル】
聖書にも登場している高名な悪魔であるベリアルは、悪魔学においても重要視され、多くのグリモワールにおいて名を挙げられている。
『ゴエティア』によると、序列68番の強大にして強力な王であり、80軍団を率いている。
ルシファーに次いで創造された天使であり、天上にあってはミカエルよりも尊き位階にあったと自ら語るという。
また、ベレト、アスモダイ、ガープと並んで72人の悪魔達を率いていたとされる。
燃え上がる戦車に乗り、美しい天使の姿で現れる。
地位や敵味方からの助力をもたらし、また、優れた使い魔を与えてくれるとされる。
しかし、ベリアルは召喚者が生贄を捧げないと要求に対して真実を答えようとしないという。
◆
コルンは、娘、夕貴に憑依したサーベラーを足払いで床に押し倒すと、腕に内臓された電流蓄積器をスタンガンモードに切り替え、指先からパルス状の電流を放電、サーベラーを気絶させた。
「これでヨシ。」
「佐々木サン。聴こえて?」
「アナタの医療室ヲお借りしたい。」
「いいわよ。出撃だから。」
「アリガトウ。」
礼を告げたコルンは憑依したサーベラーを抱え上げ、医療室へ運んだ。
◆
「コスモパルサー全機、発艦準備完了!」
「繰り返す。コスモパルサー全機、発艦準備完了!搭乗員は速やかに搭乗せよ!」
管制クルーからアナウンスが入る。
小林、佐々木らをはじめとする搭乗員が一斉に動きだした。
「小林。一つ確認。」
「塔に侵入したら、上?それとも下?」
「決まってんだろ!下だよ!」
「スリル満点!急降下ジェットコースターだよ!」
「了解。」
「だってさ。」
「残るなら今のうちだよ。」
「大丈夫。乗せて行って。」
「解った。銃座、頼んだよ。」
「ラジャー!」佐々木とカティーは拳を「コツン。」と当てた。
周りのエンジン音が五月蝿く成る中、佐々木とカティーは、発艦準備を進めた。
ハシゴを登り、機体上部をチェック。
キャノピーを開け、キックインステップ脇のキャノピー外部コントロールハンドルを使い、ボタンを押してハンドルを引き出し後方に回した。
佐々木はコックピットに座り、カティーは銃座に身体を沈めた。
搭載された管制A.Iがサポート、スクランブル発進手順に入った。
メカニックに対し指一本あげて合図し、エンジンマスタースイッチをオンに、「ジェット燃料スタータをオン。」
約15秒後、スタータのレディランプが点灯した。
「火災警告灯が点灯なし。」
佐々木は、次に指2本立ててメカニックに合図し、右側のエンジンスロットルフィンガーリフトを上げた。
右エンジンが点火、スロットルを18%に。
ファンタービン入り口温度計が600度、安定した。
続いて左エンジンスタート。
機体後方に蜃気楼が現れはじめた。
警告灯が正常。
「慣性航法装置アライメント調整。」
「輪止めを外してくれ。」
「タキシングを開始しする。」
佐々木はブレーキを踏んで作動チェック、飛行計器が正常かチェックした。
「発進カタパルトへ接続する。そのまま待て。」ヘルメットに仕込まれたインカムを通し、佐々木に伝えられた。
カタパルト上でブレーキを踏み込み左右のスロットルレバーをミリタリーパワーまで前進させ回転計、油圧計、燃料流入計、ファンタービン入り口温度計をチェック。
「回転数90パーセント以上、タービン入り口温度322度で正常。」
「ピッチ角を10度!」
「アフターバーナー点火!」
「コスモパルサー佐々木機、射出ッ!!」
だが、コスモパルサー隊が発艦した事により、"手ぐすねを引く"ワルキューレたちも動きだした。
「小林隊長!自分たちの動きに釣られて奴ら人型も動き出した!」
「よーし!俺たちで先行し、引き付ける!」
「奴らの大切な塔内部で暴れてやんよ!」
「美晴!人型の後方から突入、人型を墜とせ!!」
「了解!」
◆
古代は一歩、前に踏み出し、選択の答えを告げた。
「ルシファーと言いましたね。」
「二人を返して頂こう。」
「生け贄にする人選は、済んでいる。」
「ほう。生け贄を差し出すか。」
「仲間の犠牲で自分たちは助かりたい!?」
「まぁ。いいだろ。」
「だが、あの媒体以上の媒体を差し出して貰わん事には、割りに合わんな。」
「それは出来ない相談だ。」
「ルシファーさん。貴女(あなた)は子を宿事の出来る者を差し出しせとしか言わなかった。」
「違いますか?」
「フハハハハハ。」
「人間よ。調子に乗るなよ。」答えを告げた古代に対し、豪快に笑う美少女姿のルシファーは、顔つきを変え、詰め寄った。
「一本、取られましね。ルシファー。」
詰め寄るルシファーを制止するように右腕的存在であるガブリエルが、姿を現した。
「私はガブリエル。」
「人間よ。悪いことは言わん。今、直ぐに跪まづけ。」
「これ以上、怒らせれば私でもルシファーを止める事は出来ない。」
「断る!」毅然とした姿勢を貫く古代。
「…ならば死を!」
「ガガガガガーーーッ!!」古代らが居る場所から下層で機銃音が聴こえて来る。
「ん!?何事……。」
◆
コックピットからも機尾の弾痕が確認出来た。
僅かな死角に佐々木は「かすり傷」と判断した。
だが、実際には違っていた。
「……ツぅ…。佐々木さん。」
「ん!?何だい?」
「…アタシ…アタシ駄目かも……。」
「……。」
「ちっ!死角を忘れてたよ。」
「此方、第二編隊隊長:佐々木。隊長。小林隊長。聴こえる?」
「どうした?美晴?」
「ごめんよ。被弾しちまった…。」
「ひ、被弾って大丈夫なのかよ!」
「大丈夫。ごめんよ。戦線を離脱する。」
「小林。あんたは、被弾なんて事は許さないから。」
「おうよ!」
「ん!?てか……第二編隊長佐々木へ。ヤマトへ帰投せよ。」
「無事な帰投を。」
「了解。」
◆
「カティー軍曹!」
「帰投命令が出たよ。ヤマトへ、ヤマトへ帰ろう。」
「…あんたを、あんたを死なせはしないよ!」
「あんたのお腹の中には、新しい未来が…未来を繋ぐ為にも……。」
「戻って…戻ってよ!」
「カティーーーッ!!」
ー銀河中心部近傍空間ー
「ワープアウト!」
「艦内外、異常無し。」
「うむ。」
「レーダー士!例の艦(ふね)は確認出来るか?」
「…いえ。まだ何も。」
「ん!?艦長!超空間通信!」
「光子帆を最大で展開して欲しい。であります。」
「うむ。」
「光子帆=シールド最大展開!」
イリヤ女王の命(めい)を受け、銀河中心部に赴いたアマール星所属戦闘艦パスカル級オーディーンは、艦首に装備された巨大な光子帆=シールドを最大値で展開した。
「下方より超重力波を感知!!」
「ま、待って下さい!その後方から超波動エネルギー光弾を感知!!」
「シールドが持ちこたえられかどうかです!!」
◆
「どうやら間に合ったようだな。」
デスラー砲艦を改良した超重力波砲艦から発射された超重力波砲と、デスラー艦から発射されたハイパーデスラー砲は、パスカル級二番艦オーディーンの張り巡らされた光子帆=シールドを利用し反射され、二つのハイパーエネルギー光弾は混ざり合い、ヤマトが突入した"虚遇の次元"の中心核=人工太陽を貫らぬいた。
◆
今から17年前、西暦2203年、銀河系中心部の宇宙で大きな異変が生じた。
別次元から別の銀河が現れ、核恒星系付近で銀河系同士の衝突が起こり、多くの星々が消滅した。
この宇宙災害は、その宙域にある地球との友好星国家「ガルマン・ガミラス帝国」の本星へも及んでいた。
デスラーは新たなる母星を探す為、残党を纏め、宛は無きに等しい航海に出ていた。
17年におよぶ航海の中、補給の為、立ち寄った惑星アマールで、地球を含む太陽系がカスケード・ブラックホールに呑み込まれた事を知ったデスラーは、イリヤ女王と対談、協力を取り付けいたのだ。
「なるほど、我々ガミラスにも責任があるのかも知れんな。」
「イリヤ女王。勝手なお願いではあるのだが、貴女(あなた)の護衛艦を一隻、お借りしたいのだが。」
「いいでしょう。貴方(あなた)の地球を救いたいとの想いを汲(く)んで、協力致しましょう。」
二人は眼下を見下ろした。
そこには、何も知らないアマールの民と地球の民が、いっしよに協力しあい破壊された城下町を再建していた_。
◆
虚遇の次元は歪みはじめると同時に、この次元の本体とも言えるルシファーと右腕的存在のガブリエルは融合し、その正体をさらけ出した。
「フハハハハハッ!」
「愚かな人間よ。」
「我を本気にさせた代償は死滅である!」
「冷凍睡眠化しているお前たち同様の人間も、惑星群もすべて無に還してくれるわッ!!」
「そうはさせません!悪魔王サターン!」白銀の霧と共にその声は聴こえた。
と同時に、輝かしい光弾がサターンの足元に墜ちた。
サターンに動揺は見られなかった。
やがて白銀の霧が晴れると、そこには美しい女性が一人、立っていた。
「私は女神ガイアの末裔アーシャ。」
「……貴様ッ!!」
「10.000年ぶりかしらね?悪魔王サターン。」
「アナタはガブリエルの力を借りても、自身の子を宿す能力は封印されたまま。」
「自身の世継ぎを残せず、取った行動が憑依する媒体の確保。そして、己の力を保持する為の侵略、いえ惑星(ほし)を丸ごと略奪、資源を採り尽くし廃棄する。」アーシャは天、高く指をさした。
古代は、ここへ来る途中に見た無造作に配置された惑星の山を思い出していた。
「古代とやら、悪魔王サターンは私が引き受けます。」
「貴方(あなた)は二人を連れて、この塔から脱出を。」
「ですが、どうやって二人を救出したら……。」古代は頭上を見上げ、クリスタルカプセルの雪の存在と後ろ手に拘束された美雪の存在をアーシャに教えた。
「それでしたら大丈夫よ。貴方のヤマト(方舟)を呼び寄せて有ります。」
アーシャは指を「パチリ!」と鳴らした。
ゴロゴロと崩れ落ちる煉瓦の壁。
土煙が舞い上がる中、宇宙戦艦ヤマトは、その姿を現した。
虚遇の次元は歪みはじめると同時に、この次元の本体とも言えるルシファーと右腕的存在のガブリエルは融合し、その正体をさらけ出した。
「フハハハハハッ!」
「愚かな人間よ。」
「我を本気にさせた代償は死滅である!」
「冷凍睡眠化しているお前たち同様の人間も、惑星群もすべて無に還してくれるわッ!!」
「そうはさせません!悪魔王サターン!」白銀の霧と共にその声は聴こえた。
と同時に、輝かしい光弾がサターンの足元に墜ちた。
サターンに動揺は見られなかった。
やがて白銀の霧が晴れると、そこには美しい女性が一人、立っていた。
「私は女神ガイアの末裔アーシャ。」
「……貴様ッ!!」
「10.000年ぶりかしらね?悪魔王サターン。」
「アナタはガブリエルの力を借りても、自身の子を宿す能力は封印されたまま。」
「自身の世継ぎを残せず、取った行動が憑依する媒体の確保。そして、己の力を保持する為の侵略、いえ惑星(ほし)を丸ごと略奪、資源を採り尽くし廃棄する。」アーシャは天、高く指をさした。
古代は、ここへ来る途中に見た無造作に配置された惑星の山を思い出していた。
「古代とやら、悪魔王サターンは私が引き受けます。」
「貴方(あなた)は二人を連れて、この塔から脱出を。」
「ですが、どうやって二人を救出したら……。」古代は頭上を見上げ、クリスタルカプセルの雪の存在と後ろ手に拘束された美雪の存在をアーシャに教えた。
「それでしたら大丈夫よ。貴方のヤマト(方舟)を呼び寄せて有ります。」
アーシャは指を「パチリ!」と鳴らした。
ゴロゴロと崩れ落ちる煉瓦の壁。
土煙が舞い上がる中、宇宙戦艦ヤマトは、その姿を現した。
「さあ。お行きなさい。」
古代は軽く拳を握りった右腕を胸に当てると、コスモパルサーに飛び乗り、ヤマトを目指し飛び立った。
◆
古代たちの目には幾つもの輝かしい光が、縦横無尽に飛び回っているように見えた。
その間(かん)古代は、後ろ手に拘束された愛娘、美雪を助け、クリスタルカプセルを制御するシステム機を破壊、雪を助け出した。
やがて、幾つもの輝かしい光は一つだけと成った。
同時に雪と美雪を乗せ、古代のコスモパルサーはヤマトに帰投した。
勝負が着いたのだろう。
女神アーシャはヤマトの第一艦橋にホログラム映像が、浮かび上がるように姿を現した。
「もう、大丈夫です。悪魔王サターンとガブリエル、その下部(しもべ)らは、冥府に封印しました。」
「冥府の王ハーデースにお願いしてね。」
「甦ったサーベラーを差し出す事を条件にね。」
「でも、大丈夫よ。憑依された彼女は無事よ。」
「元の人間として、生きて行けるわ。」
「それと、未来を繋ぐ新たな生命(いのち)も。」
「…すべて古(いにしえ)の神話の人物かと思っていました。」
「ウフ。」アーシャは軽く微笑んだ。
「でも、テレサやアクエリアスの女神は信じたのでしょ!?」
「……それは…。」
「それで良いのよ。古代。」
そう言うと女神アーシャは語りはじめた。
「古代。神話に登場するガイアは地母神であり、大地の象徴と言われるのは、ご存知ですね。」
「太古の昔、神々が生まれる以前、宇宙には何もないカオス(混沌)が広がっていた。」
「そこにガイアが生まれ、ガイアは自らの力だけで天の神ウーラノス、海の神ポントス、暗黒の神エレボス、愛の神エロースを産み、母となった。
エロースの働きでウーラノスと親子婚し夫とした。
そして、ウーラノスは神々の王となったわ。」
「ウーラノスとの間に男女6柱ずつの子どもを産んだの。」
「ティーターン=タイタン(巨神)である。
またキュクロープス=サイクロロプス(一つ目の巨人)やヘカトンケイル(百本の手を持つ巨人)、ギガース(巨人、ギガンテスと呼ばれることが多い)、末っ子のクロノスを産んだ。
「だけど、異形の神々キュクロープスたちのあまりの醜さゆえに、ウーラノスは彼らを冥界タルタロスへ閉じ込めてしまった。
子どもたちの母であるガイアは悲しみ、ウーラノスへの報復を考え、子供たちに復讐を呼びかけた。
子供たちは当初、父を恐れ誰も名乗り出なかったが、末っ子のクロノスが自ら名乗りを上げ、ガイアの作った鉄の大鎌を受け取り、ウーラノスへ復讐することとなる。」
「その夜、クロノスがガイアに知らせられていた場所へ行くと、ウーラノスは妻ガイアにかぶさるようにして寝ていた。
クロノスは大鎌でウーラノスの男性器を切り落としたの。」
「これを受け、自らの行動を恥じたウーラノスはガイアのもとを去り、クロノスが神々の王となるが、この時クロノスはウーラノスに「やがてお前も自分の息子に王位を退けられることになるだろう。」と言われ、この言葉はクロノスの脳裏に焼きつくこととなったわ。」
「やがて妻レアーとの間にできた子供を飲み込んでしまったクロノスにゼウスが復讐を決意し、そしてティーターン一族とオリュンポス神の戦いが始まるの。」
「10年以上戦いが長引くと、クロノスの横暴さを見かねていたガイアはゼウスたちにタルタロスに閉じ込められたヘカトンケイルやキュクロプスたちのことを教え、彼らを救い出すことを勧めた。
ヘカトンケイルは百本の手で大岩を投げ、キュクロープスはゼウスに雷と稲妻を与えた。
こうしてゼウスらは新たな味方とともに戦いに臨み、ついにクロノスとの戦いに打ち勝ったわ。」
「天はゼウスが、海はポセイドーンが、冥界はハーデースが治めることとなり、大地は皆のものとなった。」
「そして、ガイアはカオスの地を耕し、種を撒き、やがて、それらは生命(いのち)を育む惑星と成り、宇宙の始まりと言える空間を形成して行った。」
「こうして"宇宙"を治める事と成ったガイアは、アクエリアスを産み、女神アクエリアスを名乗らせ、今の宇宙の始まりを与えた。」
「やがて始まりの宇宙は銀河へと成長し、姿を変えて行った。」
「広大に拡がる宇宙。
女神アクエリアスは、自分の代わりに広大な宇宙を管理する種族を造り、高度な文明を与えた。
その末裔の種族がイスカンダル人よ。」
◆
カオス(古希: Χάος)とは、ギリシア神話に登場する原初神である。「大口を開けた」「空(から)の空間」の意。
オルフェウスによれば、このカオスは有限なる存在全てを超越する無限を象徴しているという。
原初の神ヘーシオドスの『神統記』に従うと世界の始まりにあって存在した原初の神である。
世界(宇宙)が始まるとき、事物が存在を確保できる場所(コーラー)が必要であり、何もない「場」すなわち空隙として最初にカオスが存在し、そのなかにあって、例えば大地(ガイア)などが存在を現した。
また、ヘーシオドスはカオスのことをカズム(裂け目)とも呼んでいる。
『神統記』によれば、カオスの生成に続いてガイア(大地)が生まれ、次に暗冥の地下の奥底であるタルタロスが生まれた。
◆◆◆◆
「おかえり。雪。」
「おかえりなさい。お母さん。」
「ただいま。美雪。進(あなた)。」
◆
「新たな主導者の誕生。」
「新たな連星は惑星スターシャとでも名付けよう。」デスラーは生まれたばかりの連星を見上げながら粒やいた。
虚遇の次元が崩壊し、新たな連星が誕生した_。
~一年後~
【地球連邦メガロポリス郊外:英雄の丘】
「古代サン。お久しぶりデス。」
「コルンさん。元気そうで何よりだ。」
「以前、夕貴はワタシの娘と話しをしましたネ。」
「あの子は夕貴ハ、幼い頃に全身を70パーセント以上も火災による火傷を負い、当時、命を助けるには、臓器と皮膚の移植しか方法はなく、ワタシの臓器と皮膚を移植する事にしたのです。」
「…ワタシはワタシが存在する為に"すべてをメモリ"(記憶)を残す事にしたのです。」
「その結果が、この身体です。」
古代は真剣な眼差しを見せるだけで無言だった。
◆
「新たな連星は惑星スターシャとでも名付けよう。」デスラーは生まれたばかりの連星を見上げながら粒やいた。
虚遇の次元が崩壊し、新たな連星が誕生した_。
~一年後~
【地球連邦メガロポリス郊外:英雄の丘】
「古代サン。お久しぶりデス。」
「コルンさん。元気そうで何よりだ。」
「以前、夕貴はワタシの娘と話しをしましたネ。」
「あの子は夕貴ハ、幼い頃に全身を70パーセント以上も火災による火傷を負い、当時、命を助けるには、臓器と皮膚の移植しか方法はなく、ワタシの臓器と皮膚を移植する事にしたのです。」
「…ワタシはワタシが存在する為に"すべてをメモリ"(記憶)を残す事にしたのです。」
「その結果が、この身体です。」
古代は真剣な眼差しを見せるだけで無言だった。
◆
「黙祷を捧げる。」
「黙……。」
古代の号令を描き消すかのように轟音を響かせ、テスト航海から帰艦したブールノア級二番艦ブール・ギャラクシー。
その轟音に参列した小林は、拳を高く突き上げ怒号を飛ばした。
「バッキャローーーッ!!」
呆気に取られる参列者たち。
その参列者を代表した訳ではないが、主宰した古代はこう告げた。
「すまんな。小林。」
「テスト航海の艦長は、雪なんだ。」
「帰ったら、キツく叱っておくよ。」と、軽く肩を叩いた。
「えっ!?あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッ!」それを聞いた小林は、あたふたするだけだった。
「アハハハハッ!」と、笑い声が英雄の丘に拡がっていた_。
「ねぇ。このあと赤道際の続きがやろうよ。」早々とバニーガールにコスプレした天城は、やる気満々で笑顔を覗かせていた_。
~fin~
【地球連邦防衛第一艦隊旗艦ブールノア級二番艦ブール・ギャラクシー】
※ブールノアのほぼ同型艦ブルーアースが存在するが此方は、改装されたブルーノア級の非武装艦であり、改・ブールノア級の位置付けの為、"ブール・ギャラクシーを二番艦とした。
【ブールアース】
旧地球防衛軍残存艦隊旗艦。
残存救助艦隊に所属し、残存人員の救助と政府中枢部の移動に用いられた。
初代艦長:上條 了
(テスト航海時艦長:古代 雪)
◆
【パスカル級二番艦オーディーン】
アマール防衛隊の旗艦で、パスカル将軍の座乗艦と同型の二番艦。
水上艦(あるいは帆船)に近い構成となっており、艦首部には巨大な艦首マスト(光子帆)が付いており、シールドを張れるのが最大の特徴。
このシールドは『オーディーン 光子帆船スターライト』をオマージュしたものである。
武装は3連装主砲を艦前部に4基、並列配置で装備。
舷側には、大航海時代にある海賊船の様に数多くの副砲が並んでいる。
◆
連星(英語: Binary star)とは2つの恒星が両者の重心の周りを軌道運動している天体である。
双子星(ふたごぼし)とも呼ばれる。
連星は、地球から遠距離にあると、一つの恒星と思われ、その後に連星である事が判明する場合もある。
この2世紀間の観測で、肉眼で見える恒星の半数以上が連星である可能性が示唆されている。
通常は明るい方の星を主星、暗い方を伴星と呼ぶ。
また、3つ以上の星が互いに重力的に束縛されて軌道運動している系もあり、そのような場合にはn連星またはn重連星などと呼ばれる。
◆
この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。
「黙……。」
古代の号令を描き消すかのように轟音を響かせ、テスト航海から帰艦したブールノア級二番艦ブール・ギャラクシー。
その轟音に参列した小林は、拳を高く突き上げ怒号を飛ばした。
「バッキャローーーッ!!」
呆気に取られる参列者たち。
その参列者を代表した訳ではないが、主宰した古代はこう告げた。
「すまんな。小林。」
「テスト航海の艦長は、雪なんだ。」
「帰ったら、キツく叱っておくよ。」と、軽く肩を叩いた。
「えっ!?あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッ!」それを聞いた小林は、あたふたするだけだった。
「アハハハハッ!」と、笑い声が英雄の丘に拡がっていた_。
「ねぇ。このあと赤道際の続きがやろうよ。」早々とバニーガールにコスプレした天城は、やる気満々で笑顔を覗かせていた_。
~fin~
【地球連邦防衛第一艦隊旗艦ブールノア級二番艦ブール・ギャラクシー】
※ブールノアのほぼ同型艦ブルーアースが存在するが此方は、改装されたブルーノア級の非武装艦であり、改・ブールノア級の位置付けの為、"ブール・ギャラクシーを二番艦とした。
【ブールアース】
旧地球防衛軍残存艦隊旗艦。
残存救助艦隊に所属し、残存人員の救助と政府中枢部の移動に用いられた。
初代艦長:上條 了
(テスト航海時艦長:古代 雪)
◆
【パスカル級二番艦オーディーン】
アマール防衛隊の旗艦で、パスカル将軍の座乗艦と同型の二番艦。
水上艦(あるいは帆船)に近い構成となっており、艦首部には巨大な艦首マスト(光子帆)が付いており、シールドを張れるのが最大の特徴。
このシールドは『オーディーン 光子帆船スターライト』をオマージュしたものである。
武装は3連装主砲を艦前部に4基、並列配置で装備。
舷側には、大航海時代にある海賊船の様に数多くの副砲が並んでいる。
◆
連星(英語: Binary star)とは2つの恒星が両者の重心の周りを軌道運動している天体である。
双子星(ふたごぼし)とも呼ばれる。
連星は、地球から遠距離にあると、一つの恒星と思われ、その後に連星である事が判明する場合もある。
この2世紀間の観測で、肉眼で見える恒星の半数以上が連星である可能性が示唆されている。
通常は明るい方の星を主星、暗い方を伴星と呼ぶ。
また、3つ以上の星が互いに重力的に束縛されて軌道運動している系もあり、そのような場合にはn連星またはn重連星などと呼ばれる。
◆
この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。