過去に書いた物語り(^-^ゞ
2016-08-24 00:43:38
戦乱のフェーベ
宇宙戦艦ヤマト2202外伝
第一話
ー土星圏・フェーベ沖ー
《太陽系・国連第二極東管区・連合艦隊旗艦:アンドロメダ級:大蛇=オロチ》
艦隊司令:土方 竜:宙将はヤマトからの情報を基に、白色彗星・ガトランティス帝国軍:本隊の侵攻ルートを探るべく、波動実験艦改・情報収集艦:武蔵をタイタンのリング=土星の環(わ)軌道上に派遣、潜伏させた。
元々、実験艦として運用していた武蔵であるが、地球の存亡が掛かった大事な一戦である事から、敵ガトランティスの戦力を1分1秒でも早く捉え、分析するの事が急務と考えた土方は、手っ取り早く実験艦:武蔵を改良し、情報収集能力を一段とアップさせた。
そして、今、情報収集艦:改・武蔵は外見は旧型ではあるが、エンジンをはじめ武装も格段にアップされた金剛型・巡洋戦艦:夕凪=ゆうなぎ、比叡=ひえい二隻の護衛と共にタイタンのリング内へ身を潜めていた。
さらに土方は宇宙戦艦ヤマトを土星圏まで後退させ、機動部隊から改・アンドロメダ級:正規空母:蒼龍、飛龍の二隻と合流させ、極東管区・連合艦隊集結完了までの陽動撹乱を任務とするの特務を命じた。
ー土星圏外縁宙域ー
「全艦及び蒼龍、飛龍へ通達!これより敵の本隊を誘き寄せる!」
ヤマト第一艦橋で指揮をとる古代 進の命令が下された。
同時に蒼龍、飛龍に搭載される各コスモタイガーⅡ・戦闘機隊:計46機のフル爆装が、ところ狭しと慌ただしく行われた。
ハードポイント5ヵ所に合計15基の空対空ミサイルが装着され、1.200発の12.7mmバルカン砲弾がセットされた。
蒼龍コスモタイガーⅡ戦闘機隊:隊長を務めるのは、ヤマト航空隊:隊長:加藤 三朗と同期の山本 明が務める。
山本はガミラス戦役中、火星沖海戦にて負傷、以後、回復はしたもののヤマト配属前に、土方にてよって後方支援部隊にて配属された。
配属当初は土方をいや、自分の身体に中々馴染まない義手=機械仕掛けの手を恨んでいた。
リハビリを兼ね地球で防空任務にあたっていた。
寝る時間も惜しんで、山本はとにかく当時、先行ロールアウトされた試作コスモタイガーⅠを飛ばしていた。
ヤマトがイスカンダルへ旅立ち、帰還するのまでの約1年間、飛び続けた。
その甲斐あって山本の義手は身体に馴染み、今では負傷する前以上のパイロットに成長、その実力を高く評価され、極東管区・機動部隊へ配属、改・アンドロメダ級:正規空母:蒼龍コスモタイガーⅡ戦闘機隊:隊長に拝命されたのだ。
エースパイロットに与えられる特権、愛機=専用機を貸与された山本は機体をパーソナルカラーであるブラックを主体カラーとし、二枚ある垂直尾翼をイエローに施していた。
それは、かつて山本が火星沖海戦まで所属していた今は無き「ブラック・タイガー隊」のチームカラーである。
「コスモレーダーに感!!」
「14時の方向に艦影30!!」
森 雪の報告からして、恐らく前衛艦隊と判断したヤマト指揮官:古代は、ヤマト航空隊及び蒼龍戦闘機隊に発艦命令を下した。
ヤマト航空隊には直俺機として、ヤマト、蒼龍、飛龍の護衛に就かせた。
蒼龍コスモタイガーⅡ戦闘機隊を第一波戦闘機隊とし、敵前衛ガトランティス艦隊:機動部隊を叩くべく攻撃目標を定めた。
間髪入れずに古代は第二波戦闘機隊として、飛龍コスモタイガーⅡ戦闘機隊の発艦体制に入らせた。
蒼龍飛行甲板は慌ただしく動く。
二番機、三番機と飛び立つ。
二十二機が発艦完了。
最後に山本機が発艦、合計二十三機の蒼龍・コスモタイガーⅡ戦闘機隊の発艦が完了した。
「隊長機:山本より、第一波戦闘機隊各機へ。」
「弾幕を恐れるな!!」
「恐れれば必ず墜ちる!!」
「ラジャー!!」
血気盛んな声がインカムを通し、山本に届く。
◆◆◆◆
「土方司令!ヤマト古代指揮官より、暗号電文!」
「うむ。読め!」
大蛇、通信オペレーターがヤマトから送られた暗号電文を読み上げる。
だか、土方は返信は無用と伝えると、情報収集艦:改・武蔵を僅かに前進させ、ヤマトと交戦中のガトランティス艦艇のデータ収集を優先させた。
「ワレ。敵ガトランティスの前衛機動部隊と思われる30隻ヲ補足。」
「コレと交戦中。」
「どうやら特務戦隊は、これまでのデータに無い部隊と交戦中のようだ。」
「コスモタイガーⅡ戦闘機隊と交戦中のガトランティス戦闘機、インターセプターか?」
「エースじゃないのか!?」
「バカ言うな!40機以上もエースなんてあり得ない!」
改・武蔵には三つのブリッジがある。
最上階のブリッジは戦闘ブリッジ。真ん中は通常のブリッジ。そして、下位に位置するCICを併設する情報収集実験データブリッジと成っている。
その情報収集実験データブリッジには、今回の敵であるが、ガトランティス帝国軍の一部データとヤマトが持ち帰ったガミラス艦艇や空間データなど様々なデータが蓄積されている。
今現在、特務戦隊と交戦中の艦艇、航空機のデータ収集が優先されている。
勿論、その中には武器、兵器のデータ収集も含まれている。
何故なら、その武器、兵器の対応策を見つけ出し、これを各艦艇、航空機にデータを送り対応させるためだ。
「チッ!!発見された!!」
「どうやら偵察隊が潜んで居たようだ!!」
「全艦!!戦闘配置!!」
巡洋戦艦:夕凪、比叡が慌ただしく動き、改・武蔵が後に続く。
宇宙戦艦ヤマトのデータを基に新開発された地球製波動エンジン。
オリジナルの波動エンジンとは異なるので、正確には波動エンジンとして呼べないのだが、便宜上、波動エンジンと呼ばれている。
主エネルギーをタキオン粒子とし、陽電子エネルギーと掛け合わせる事で、波動エンジン並みの高出力を得る事に成功。
その為、従来の高圧ビーム砲の威力を遥かに上回る陽電子ショックカノンを標準装備する事が可能と成った。
データ上、ガミラス艦艇を一撃で沈める事が可能と成った。
が、しかし、ヤマトの46cm陽電子ショックカノンに比べると36c無砲身では射程距離が短いと云うデメリットもまた、隠しようの無い事実である。
巡洋戦艦:夕凪、比叡はその為、前進を余儀無くされた。
「レーダーオペレーター!ガトランティス艦との正確な距離を逐一、報告!」
「砲雷オペレーター!ガトランティス艦の速度を読み間違えるなよ!」
「主砲!二番、三番、撃て!!」
夕凪に装備された第二、第三主砲6門の36cm陽電子ショックカノンが一斉に火を吹く。
それにつられるように、比叡の第二、第三主砲も火を吹く。
計12門の36cm陽電子ショックカノンがガトランティス前衛機動部隊:偵察艦隊に襲い掛かる。
「敵は僅か二艦の偵察隊だが、必ず墜とせよ!」
「逃したら全て筒抜けに成るからな!」
「頼んだぞ!砲雷オペレーター!」
「ラジャー!!」
「艦首:魚雷発射管、全門開け!!」
夕凪:砲雷オペレーターは艦首に装備された全6門の魚雷、発射を急がせた。
一番には音響魚雷を二番、三番には通常魚雷を装填、四番から六番まではホーミング魚雷を装填させた。
「ガトランティス艦との距離:3.000!!」
「二番、三番、通常魚雷発射!!」
「続いて一番、音響魚雷発射!!」
「奴等の耳を潰させて貰う!!」
夕凪から初弾として発射された通常魚雷が、ガトランティス艦にそれぞれ喰らいつく。
亜空間から突如、姿を表す通常魚雷。
レーダーに反応した時には既に遅しであった。
ガトランティス各艦は、それぞれ一本づつ直撃を喰らう。
レーダーだけでは回避が困難な事から、亜空間にソノブイを投下、魚雷音を拾う策をとる。
ソノブイから魚雷の反響音を拾うソナー士。
魚雷との距離が縮むにつれ、「カン!カン!カン!」と反響音が大きく反応する。
ガトランティス艦との距離500で第二射目の音響魚雷が爆発、通常魚雷の約3倍の火薬量が爆発、耳を研ぎ澄ますソナー士の鼓膜を破る轟音が襲う。
更に間髪入れずにホーミング魚雷が襲い掛かる。
ガトランティス偵察隊二艦は宇宙の藻屑と消えた。
一方、蒼龍からな発艦した山本率いる第一波戦闘機隊はガトランティス機動部隊:直俺機隊:イーターⅡに苦戦を強いられていた。
コスモタイガーⅡの約2倍の速力を見せ付ける。
◆◆◆◆
「チッ!!こいつら機体性能差を武器にやりたい放題かよ!!」
「ヤマト指揮官へ。此方、第一次戦闘機隊:隊長:山本!援護と援軍を要請する!!」
宇宙戦艦ヤマトに飛び込む第一波戦闘機隊:隊長:山本の無線。
その要請に応えるべく、古代は動向する空母飛龍:戦闘機隊発艦の要請を行うと同時に、ヤマト航空隊:山本 玲率いる第三群隊を援軍へとシフトした。
「此方、玲。第三群隊、了解した!」
「此方、ヤマト航空隊:第三群隊:山本!」
「ガトランティス殲滅戦に参加したし!」
「喰らえッ!!墜ちろッ!!」
「オレと同名の娘がゼロに。エースの援軍なら心強い。」明はそう呟いた。
「面舵30!!ヨーソロ!!」
「古代!このままじゃヤマトも空母も持たないぞ!!」
航海長:島の操艦技術を持ってしても、直撃を回避する事が難しくなっていた。
古代はこの状況に苦悩していた。
戦闘機隊の損耗率を考えれば、波動砲を使用して、一気に方を着けたい。
だか、大量破壊兵器である波動砲を使用してしまえば、謀反を犯してまでヤマトを奪取した意味が薄れてしまう。
「クソッ!!せめてガトランティスの直俺機さえ排除出来れば、攻撃機隊を発艦出来るんだが……」
「古代!こんな事もあろうかと、開発中ではあるが、良いものがある。」
古代の嘆きを聞いていた真田は、開発中で1度しか使えないが、また、ヤマトではテストも行っていない為、失敗する可能性が32パーセントもあるが、ここは一か八かの賭けを試す事を促した。
「良いもの!?」
「そうだ!ガミラスやガトランティスの兵器からヒントを得て、オレも開発してみたんだ!」
「物質エネルギー転送システムを!」
「詳しい説明は後だ!」
「一時的にヤマト航空隊を戦闘宙域から離脱させるんだ!!」
古代は真田が提案する1度限りの「波動ショットガン」を使用する事にした。
ヤマト艦首に波動防壁エネルギーを最大展開、主砲ショットカノンの陽電子エネルギーを集約、艦首に展開する波動防壁エネルギーでこれを包み込む。
古代の号令に合わせ、ヤマト両舷側に設置されている艦外作業船格納庫が開く。
開くと同時に競り出る物質転送システム基。
ヤマト航海科所属の太田が転送先をピンポイントで入力した。
約30発分のショックカノンエネルギーがヤマト艦首に展開する波動防壁エネルギー内に集約され臨界点を迎える。
古代は波動砲発射時の手順を踏み、波動ショットガンを発射した。
転送波が波動ショットガンエネルギー体を包み込む。
一瞬にしてエネルギー体は空間を跳躍、ガトランティス直俺機隊上空にその姿を表す。
歪む空間にプラズマ波が四方八方へと飛び散る中、球体エネルギーがスパーク、集約されたショックカノンエネルギーが散弾、更にその一つ一つのショックカノンエネルギーが散弾、四方八方へと飛び散る。
瞬く間にガトランティス直俺機隊=イーターⅡ40機を貫く。
直俺機隊の排除を確認した古代は、蒼龍、飛龍、二隻の空母へ攻撃機隊の発艦を急がせた。
第一波、第二波戦闘機隊残存機と玲率いる第三群をそのまま、攻撃機隊の護衛に就かせた。
「沖田よ。貴様の子供達は、かなり成長したようだ。」
「とかく古代の成長は大きい。」
極東管区:連合艦隊司令:土方は心の中で旧友沖田に語っていた。
「通信オペレーター。古代に通信を送る。回線を開け!」
「土方司令!ヤマト指揮官:古代と回線繋がりますます!」
「古代。久しぶりだな。今、改・武蔵と夕凪、比叡の三艦をそちらに向かわせた。」
「合流後、改・武蔵の艦長:山南の指揮下に入れ。」
「古代。了解しました!」
ヤマトはガトランティス機動部隊と交戦中、改・武蔵率いる情報収集部隊と合流、旗艦を改・武蔵とする特務戦隊を再編した。
「古代!山南だ!」
「挨拶は後にして、引続き君はヤマトで指揮を取れ!」
「残りのガトランティス機動部隊を叩く!」
艦隊戦へ移行した特務戦隊はヤマト、夕凪、比叡を中心に砲撃を開始した。
航空隊戦力を強化すると云う課題を残し、特務戦隊は、辛うじて勝利を収める。
だが、この前衛機動部隊の壊滅に怯むガトランティス軍ではなかった。
たがだか、機動部隊の一部隊が壊滅したに過ぎないと、ガトランティス艦隊総司令:バルゼーは、次の駒を送り出した。
極東管区:連合艦隊の集結が完了した時と、ほぼ同時期にバルゼー総提督は、自らも殲滅型:重戦艦メダルーザー級:プレデターに座乗した。
◆◆◆◆
「テロン=地球艦隊の正面を突破する!!」
「各艦に通達!空間跳躍の陣を敷け!!」
ー土星圏:フェーベ沖ー
「奴らガトランティスは、必ず正面から仕掛けて来る!!」
極東管区:連合艦隊:総司令:土方は、古代らの報告からして、気高き戦闘民族であると察していた。
その土方は、必ず奴らガトランティスは正面から仕掛けて来ると睨んでいた。
その「睨み」は的中した。
「ガトランティス艦隊!!正面にワープアウト!!」
「艦隊数:100!識別に入ります!」
「更に右舷と左舷からもワープアウト!!」
「右舷から100!!左舷からも100!!」
「いや、待って下さい!!正面奥にワープアウト反応!!」
「ガトランティス艦隊:総数500!!」
「大艦隊です!!」
うろたえるクルーに激を飛ばす土方。
土方は陣形を変更、アンドロメダ級及び「拡散波動砲搭載戦艦」を艦隊最前列に配置した。
「此方、土方だ!アンドロメダ級及び拡散波動砲搭載艦は、拡散波動砲発射体制に入れ!!」
「この砲撃で奴らの100隻以上の艦艇を沈める!!」
100隻以上の艦艇を沈めたところで、極東管区:連合艦隊の約3倍の艦艇が残る。
土方は機動部隊へ戦闘機隊と攻撃機隊の発艦準備に入らせた。
拡散波動砲攻撃で100隻以上を沈め、怯んだ隙を突き、戦闘機隊、攻撃機隊による波状攻撃を仕掛け、更にエネルギーを回復させた戦艦群で砲雷撃戦に持ち込む。
これが土方の策である。
「テロン=地球をの艦隊は我々の1/3以下である!皆の者、存分に楽しめ!!」
「ガミロンの科学奴隷に造らせた新兵器、試してみるか!」
「空間超磁力防御幕よーーーい!!」
「火焔超重力波砲、座標入力せよ!!」
空間超磁力防御幕。
それはガミラスの捕虜やガミラス(ガミラス領土内.ガミラス本星)から亡命した科学者たちによって研究、開発され造らせた一定時間ビームを無効化する事の出来る防御兵器。
「司令!波動砲搭載艦、全ての発射体制が整いました!」
「よし。拡散波動砲、発射ーーーッ!!」
十数隻から発射された拡散波動砲。
その威力は壮大なものであった。
螺旋を描(えが)き宇宙空間を切り裂くように突き進む波動エネルギー弾。
突き進む波動エネルギー弾周辺には、波動プラズマが放射され、かすめるだけで宇宙デブリや小隕石を凪ぎ払う。
正面に現れたガトランティス主力艦隊100隻あまりが、拡散波動エネルギーに呑み込まれ、瞬時に消滅した。
「オペレーター!!なっ!何が起こった!?」
「かっ!艦隊が……前衛艦隊が消滅しましたーーーッ!!」
「うぐぐっ!こしゃくなテロンめ!!」
反撃を開始するバルゼーは、自艦に搭載された新兵器「火焔重力波砲」を、拡散波動砲によって消滅した前衛艦隊の仇を取るかのように撃ち放つ。
更にバルゼーは座標を瞬時に入力させ、当たり散らすかのように撃ち放った。
超重力波によって艦(ふね)の操舵が効かない。
回避不可能の艦は、その青白い焔のような超重力の衝撃波が押し潰す。
一隻、一隻と最前列に配置されたアンドロメダ級、拡散波動砲搭載艦は成す術もなく粉砕されてゆく。
「通信オペレーター!!全艦隊に通達!!」
「土星宙域まで後退せよ!!」
「機関いっぱいワープだ!!」
◆◆◆◆
「テロン艦隊は怖じ気づいて逃げ出しおったわ!!」
「フッハッハッハッハッ!!」
高々と笑うバルゼー。
間一髪、難を逃れ、土星宙域へ撤退した残存極東管区:連合艦隊。
ヤマト、改・武蔵ら特務戦隊と合流を果たす。
艦隊陣形を立て直しに掛かる土方。
立て直しもつかの間、残存極東管区:連合艦隊を追ってきたバルゼー率いる残存ガトランティス太陽系侵攻艦隊。
残存艦隊と言っても300隻以上も大艦隊である。
いち早くヤマトのコスモ全天球レーダーが、そのガトランティス残存艦隊をキャッチ、コスモレーダーに転送した。
だが、そのレーダーに反応した艦隊は、バルゼー率いる残存ガトランティス艦隊ではなかった。
「全天球レーダーに反応!!」
「ワープアウトして来ます!!」
「ワープアウト艦隊、識別!!」
「こっ!!これはガミラス!?ガミラス艦艇を識別!!」
「……総統。」
「何をしている?リッケ大佐。」
「急速反転。ハイパーデスラー砲、発射準備だ!!」
《新・デスラー艦=戦略指揮艦》
《戦略指揮艦・シールド・デスラー砲艦×2艦》
「シールド・デスラー砲艦を左右に展開せよ!!」
ガトランティス残存艦隊より早くワープアウトして来た艦隊は、戦死したと思われていたガミラス総統デスラーの艦隊であった。
通常航行では中央指揮艦の左右にシールド艦として合体してる。
いわゆる多胴艦である。
ハイパーデスラー砲を発射時に主に分離する。
通常戦闘では「盾=シールド」の役割を果たす。
単艦としての戦闘も可能である。
新開発した「空間磁力防御幕」を展開する事で一定時間、あらゆるビーム兵器の攻撃を弾く。
波動砲も例外ではない。
これはガトランティス:バルゼー座乗艦:プレデターと同等である。
「亜空間ソナー同調!!」
「ワープアウト座標入力完了!!」
ハイパーデスラー砲、三連射発射体制完了!!」
「うむ。」
「蛮族どもを焼き払え!!」
「ハイパーデスラー砲。発射ーーーッ!!」
次々とワープアウトするのガトランティス残存艦隊は、デスラーの撃ち放った地獄の業火ともいえるデスラー砲=波動砲の餌食に成る。
亜空間から通常空間へと変わる瞬間、何が起こっているのか分からないまま、気がつけば艦(ふね)は跡形も無く溶け、座乗するクルーたちは蒸発、亜空間出口で200以上もの
輝かし閃光がフラッシュされる。
「古代。借りは返したぞ。」
「デスラー……。」
「リッケ大佐。当宙域から離脱せよ。」
そう言い残すとデスラー率いるガミラス艦隊は、ヤマトをはじめとする残存極東管区:連合艦隊の行く末を見届ける為、戦闘宙域から後退した。
何故ガミラスが、デスラーがと思いながらも、これを最大のチャンスと捉えた土方は、早急に陣形を整えた。
残りのガトランティス残存艦隊がワープアウトして反撃に打って出る前に勝負を着ける為、陣形を整えると同時に機動部隊:全空母から戦闘機隊を発艦させた。
◆◆◆◆
第六話と最終話の回収が……m(__)m
この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト2」をベースに私の妄想を混ぜた「宇宙戦艦ヤマト2202」外伝です。
本編とは異なります。
2016-08-24 00:43:38
戦乱のフェーベ
宇宙戦艦ヤマト2202外伝
第一話
ー土星圏・フェーベ沖ー
《太陽系・国連第二極東管区・連合艦隊旗艦:アンドロメダ級:大蛇=オロチ》
艦隊司令:土方 竜:宙将はヤマトからの情報を基に、白色彗星・ガトランティス帝国軍:本隊の侵攻ルートを探るべく、波動実験艦改・情報収集艦:武蔵をタイタンのリング=土星の環(わ)軌道上に派遣、潜伏させた。
元々、実験艦として運用していた武蔵であるが、地球の存亡が掛かった大事な一戦である事から、敵ガトランティスの戦力を1分1秒でも早く捉え、分析するの事が急務と考えた土方は、手っ取り早く実験艦:武蔵を改良し、情報収集能力を一段とアップさせた。
そして、今、情報収集艦:改・武蔵は外見は旧型ではあるが、エンジンをはじめ武装も格段にアップされた金剛型・巡洋戦艦:夕凪=ゆうなぎ、比叡=ひえい二隻の護衛と共にタイタンのリング内へ身を潜めていた。
さらに土方は宇宙戦艦ヤマトを土星圏まで後退させ、機動部隊から改・アンドロメダ級:正規空母:蒼龍、飛龍の二隻と合流させ、極東管区・連合艦隊集結完了までの陽動撹乱を任務とするの特務を命じた。
ー土星圏外縁宙域ー
「全艦及び蒼龍、飛龍へ通達!これより敵の本隊を誘き寄せる!」
ヤマト第一艦橋で指揮をとる古代 進の命令が下された。
同時に蒼龍、飛龍に搭載される各コスモタイガーⅡ・戦闘機隊:計46機のフル爆装が、ところ狭しと慌ただしく行われた。
ハードポイント5ヵ所に合計15基の空対空ミサイルが装着され、1.200発の12.7mmバルカン砲弾がセットされた。
蒼龍コスモタイガーⅡ戦闘機隊:隊長を務めるのは、ヤマト航空隊:隊長:加藤 三朗と同期の山本 明が務める。
山本はガミラス戦役中、火星沖海戦にて負傷、以後、回復はしたもののヤマト配属前に、土方にてよって後方支援部隊にて配属された。
配属当初は土方をいや、自分の身体に中々馴染まない義手=機械仕掛けの手を恨んでいた。
リハビリを兼ね地球で防空任務にあたっていた。
寝る時間も惜しんで、山本はとにかく当時、先行ロールアウトされた試作コスモタイガーⅠを飛ばしていた。
ヤマトがイスカンダルへ旅立ち、帰還するのまでの約1年間、飛び続けた。
その甲斐あって山本の義手は身体に馴染み、今では負傷する前以上のパイロットに成長、その実力を高く評価され、極東管区・機動部隊へ配属、改・アンドロメダ級:正規空母:蒼龍コスモタイガーⅡ戦闘機隊:隊長に拝命されたのだ。
エースパイロットに与えられる特権、愛機=専用機を貸与された山本は機体をパーソナルカラーであるブラックを主体カラーとし、二枚ある垂直尾翼をイエローに施していた。
それは、かつて山本が火星沖海戦まで所属していた今は無き「ブラック・タイガー隊」のチームカラーである。
「コスモレーダーに感!!」
「14時の方向に艦影30!!」
森 雪の報告からして、恐らく前衛艦隊と判断したヤマト指揮官:古代は、ヤマト航空隊及び蒼龍戦闘機隊に発艦命令を下した。
ヤマト航空隊には直俺機として、ヤマト、蒼龍、飛龍の護衛に就かせた。
蒼龍コスモタイガーⅡ戦闘機隊を第一波戦闘機隊とし、敵前衛ガトランティス艦隊:機動部隊を叩くべく攻撃目標を定めた。
間髪入れずに古代は第二波戦闘機隊として、飛龍コスモタイガーⅡ戦闘機隊の発艦体制に入らせた。
蒼龍飛行甲板は慌ただしく動く。
二番機、三番機と飛び立つ。
二十二機が発艦完了。
最後に山本機が発艦、合計二十三機の蒼龍・コスモタイガーⅡ戦闘機隊の発艦が完了した。
「隊長機:山本より、第一波戦闘機隊各機へ。」
「弾幕を恐れるな!!」
「恐れれば必ず墜ちる!!」
「ラジャー!!」
血気盛んな声がインカムを通し、山本に届く。
◆◆◆◆
「土方司令!ヤマト古代指揮官より、暗号電文!」
「うむ。読め!」
大蛇、通信オペレーターがヤマトから送られた暗号電文を読み上げる。
だか、土方は返信は無用と伝えると、情報収集艦:改・武蔵を僅かに前進させ、ヤマトと交戦中のガトランティス艦艇のデータ収集を優先させた。
「ワレ。敵ガトランティスの前衛機動部隊と思われる30隻ヲ補足。」
「コレと交戦中。」
「どうやら特務戦隊は、これまでのデータに無い部隊と交戦中のようだ。」
「コスモタイガーⅡ戦闘機隊と交戦中のガトランティス戦闘機、インターセプターか?」
「エースじゃないのか!?」
「バカ言うな!40機以上もエースなんてあり得ない!」
改・武蔵には三つのブリッジがある。
最上階のブリッジは戦闘ブリッジ。真ん中は通常のブリッジ。そして、下位に位置するCICを併設する情報収集実験データブリッジと成っている。
その情報収集実験データブリッジには、今回の敵であるが、ガトランティス帝国軍の一部データとヤマトが持ち帰ったガミラス艦艇や空間データなど様々なデータが蓄積されている。
今現在、特務戦隊と交戦中の艦艇、航空機のデータ収集が優先されている。
勿論、その中には武器、兵器のデータ収集も含まれている。
何故なら、その武器、兵器の対応策を見つけ出し、これを各艦艇、航空機にデータを送り対応させるためだ。
「チッ!!発見された!!」
「どうやら偵察隊が潜んで居たようだ!!」
「全艦!!戦闘配置!!」
巡洋戦艦:夕凪、比叡が慌ただしく動き、改・武蔵が後に続く。
宇宙戦艦ヤマトのデータを基に新開発された地球製波動エンジン。
オリジナルの波動エンジンとは異なるので、正確には波動エンジンとして呼べないのだが、便宜上、波動エンジンと呼ばれている。
主エネルギーをタキオン粒子とし、陽電子エネルギーと掛け合わせる事で、波動エンジン並みの高出力を得る事に成功。
その為、従来の高圧ビーム砲の威力を遥かに上回る陽電子ショックカノンを標準装備する事が可能と成った。
データ上、ガミラス艦艇を一撃で沈める事が可能と成った。
が、しかし、ヤマトの46cm陽電子ショックカノンに比べると36c無砲身では射程距離が短いと云うデメリットもまた、隠しようの無い事実である。
巡洋戦艦:夕凪、比叡はその為、前進を余儀無くされた。
「レーダーオペレーター!ガトランティス艦との正確な距離を逐一、報告!」
「砲雷オペレーター!ガトランティス艦の速度を読み間違えるなよ!」
「主砲!二番、三番、撃て!!」
夕凪に装備された第二、第三主砲6門の36cm陽電子ショックカノンが一斉に火を吹く。
それにつられるように、比叡の第二、第三主砲も火を吹く。
計12門の36cm陽電子ショックカノンがガトランティス前衛機動部隊:偵察艦隊に襲い掛かる。
「敵は僅か二艦の偵察隊だが、必ず墜とせよ!」
「逃したら全て筒抜けに成るからな!」
「頼んだぞ!砲雷オペレーター!」
「ラジャー!!」
「艦首:魚雷発射管、全門開け!!」
夕凪:砲雷オペレーターは艦首に装備された全6門の魚雷、発射を急がせた。
一番には音響魚雷を二番、三番には通常魚雷を装填、四番から六番まではホーミング魚雷を装填させた。
「ガトランティス艦との距離:3.000!!」
「二番、三番、通常魚雷発射!!」
「続いて一番、音響魚雷発射!!」
「奴等の耳を潰させて貰う!!」
夕凪から初弾として発射された通常魚雷が、ガトランティス艦にそれぞれ喰らいつく。
亜空間から突如、姿を表す通常魚雷。
レーダーに反応した時には既に遅しであった。
ガトランティス各艦は、それぞれ一本づつ直撃を喰らう。
レーダーだけでは回避が困難な事から、亜空間にソノブイを投下、魚雷音を拾う策をとる。
ソノブイから魚雷の反響音を拾うソナー士。
魚雷との距離が縮むにつれ、「カン!カン!カン!」と反響音が大きく反応する。
ガトランティス艦との距離500で第二射目の音響魚雷が爆発、通常魚雷の約3倍の火薬量が爆発、耳を研ぎ澄ますソナー士の鼓膜を破る轟音が襲う。
更に間髪入れずにホーミング魚雷が襲い掛かる。
ガトランティス偵察隊二艦は宇宙の藻屑と消えた。
一方、蒼龍からな発艦した山本率いる第一波戦闘機隊はガトランティス機動部隊:直俺機隊:イーターⅡに苦戦を強いられていた。
コスモタイガーⅡの約2倍の速力を見せ付ける。
◆◆◆◆
「チッ!!こいつら機体性能差を武器にやりたい放題かよ!!」
「ヤマト指揮官へ。此方、第一次戦闘機隊:隊長:山本!援護と援軍を要請する!!」
宇宙戦艦ヤマトに飛び込む第一波戦闘機隊:隊長:山本の無線。
その要請に応えるべく、古代は動向する空母飛龍:戦闘機隊発艦の要請を行うと同時に、ヤマト航空隊:山本 玲率いる第三群隊を援軍へとシフトした。
「此方、玲。第三群隊、了解した!」
「此方、ヤマト航空隊:第三群隊:山本!」
「ガトランティス殲滅戦に参加したし!」
「喰らえッ!!墜ちろッ!!」
「オレと同名の娘がゼロに。エースの援軍なら心強い。」明はそう呟いた。
「面舵30!!ヨーソロ!!」
「古代!このままじゃヤマトも空母も持たないぞ!!」
航海長:島の操艦技術を持ってしても、直撃を回避する事が難しくなっていた。
古代はこの状況に苦悩していた。
戦闘機隊の損耗率を考えれば、波動砲を使用して、一気に方を着けたい。
だか、大量破壊兵器である波動砲を使用してしまえば、謀反を犯してまでヤマトを奪取した意味が薄れてしまう。
「クソッ!!せめてガトランティスの直俺機さえ排除出来れば、攻撃機隊を発艦出来るんだが……」
「古代!こんな事もあろうかと、開発中ではあるが、良いものがある。」
古代の嘆きを聞いていた真田は、開発中で1度しか使えないが、また、ヤマトではテストも行っていない為、失敗する可能性が32パーセントもあるが、ここは一か八かの賭けを試す事を促した。
「良いもの!?」
「そうだ!ガミラスやガトランティスの兵器からヒントを得て、オレも開発してみたんだ!」
「物質エネルギー転送システムを!」
「詳しい説明は後だ!」
「一時的にヤマト航空隊を戦闘宙域から離脱させるんだ!!」
古代は真田が提案する1度限りの「波動ショットガン」を使用する事にした。
ヤマト艦首に波動防壁エネルギーを最大展開、主砲ショットカノンの陽電子エネルギーを集約、艦首に展開する波動防壁エネルギーでこれを包み込む。
古代の号令に合わせ、ヤマト両舷側に設置されている艦外作業船格納庫が開く。
開くと同時に競り出る物質転送システム基。
ヤマト航海科所属の太田が転送先をピンポイントで入力した。
約30発分のショックカノンエネルギーがヤマト艦首に展開する波動防壁エネルギー内に集約され臨界点を迎える。
古代は波動砲発射時の手順を踏み、波動ショットガンを発射した。
転送波が波動ショットガンエネルギー体を包み込む。
一瞬にしてエネルギー体は空間を跳躍、ガトランティス直俺機隊上空にその姿を表す。
歪む空間にプラズマ波が四方八方へと飛び散る中、球体エネルギーがスパーク、集約されたショックカノンエネルギーが散弾、更にその一つ一つのショックカノンエネルギーが散弾、四方八方へと飛び散る。
瞬く間にガトランティス直俺機隊=イーターⅡ40機を貫く。
直俺機隊の排除を確認した古代は、蒼龍、飛龍、二隻の空母へ攻撃機隊の発艦を急がせた。
第一波、第二波戦闘機隊残存機と玲率いる第三群をそのまま、攻撃機隊の護衛に就かせた。
「沖田よ。貴様の子供達は、かなり成長したようだ。」
「とかく古代の成長は大きい。」
極東管区:連合艦隊司令:土方は心の中で旧友沖田に語っていた。
「通信オペレーター。古代に通信を送る。回線を開け!」
「土方司令!ヤマト指揮官:古代と回線繋がりますます!」
「古代。久しぶりだな。今、改・武蔵と夕凪、比叡の三艦をそちらに向かわせた。」
「合流後、改・武蔵の艦長:山南の指揮下に入れ。」
「古代。了解しました!」
ヤマトはガトランティス機動部隊と交戦中、改・武蔵率いる情報収集部隊と合流、旗艦を改・武蔵とする特務戦隊を再編した。
「古代!山南だ!」
「挨拶は後にして、引続き君はヤマトで指揮を取れ!」
「残りのガトランティス機動部隊を叩く!」
艦隊戦へ移行した特務戦隊はヤマト、夕凪、比叡を中心に砲撃を開始した。
航空隊戦力を強化すると云う課題を残し、特務戦隊は、辛うじて勝利を収める。
だが、この前衛機動部隊の壊滅に怯むガトランティス軍ではなかった。
たがだか、機動部隊の一部隊が壊滅したに過ぎないと、ガトランティス艦隊総司令:バルゼーは、次の駒を送り出した。
極東管区:連合艦隊の集結が完了した時と、ほぼ同時期にバルゼー総提督は、自らも殲滅型:重戦艦メダルーザー級:プレデターに座乗した。
◆◆◆◆
「テロン=地球艦隊の正面を突破する!!」
「各艦に通達!空間跳躍の陣を敷け!!」
ー土星圏:フェーベ沖ー
「奴らガトランティスは、必ず正面から仕掛けて来る!!」
極東管区:連合艦隊:総司令:土方は、古代らの報告からして、気高き戦闘民族であると察していた。
その土方は、必ず奴らガトランティスは正面から仕掛けて来ると睨んでいた。
その「睨み」は的中した。
「ガトランティス艦隊!!正面にワープアウト!!」
「艦隊数:100!識別に入ります!」
「更に右舷と左舷からもワープアウト!!」
「右舷から100!!左舷からも100!!」
「いや、待って下さい!!正面奥にワープアウト反応!!」
「ガトランティス艦隊:総数500!!」
「大艦隊です!!」
うろたえるクルーに激を飛ばす土方。
土方は陣形を変更、アンドロメダ級及び「拡散波動砲搭載戦艦」を艦隊最前列に配置した。
「此方、土方だ!アンドロメダ級及び拡散波動砲搭載艦は、拡散波動砲発射体制に入れ!!」
「この砲撃で奴らの100隻以上の艦艇を沈める!!」
100隻以上の艦艇を沈めたところで、極東管区:連合艦隊の約3倍の艦艇が残る。
土方は機動部隊へ戦闘機隊と攻撃機隊の発艦準備に入らせた。
拡散波動砲攻撃で100隻以上を沈め、怯んだ隙を突き、戦闘機隊、攻撃機隊による波状攻撃を仕掛け、更にエネルギーを回復させた戦艦群で砲雷撃戦に持ち込む。
これが土方の策である。
「テロン=地球をの艦隊は我々の1/3以下である!皆の者、存分に楽しめ!!」
「ガミロンの科学奴隷に造らせた新兵器、試してみるか!」
「空間超磁力防御幕よーーーい!!」
「火焔超重力波砲、座標入力せよ!!」
空間超磁力防御幕。
それはガミラスの捕虜やガミラス(ガミラス領土内.ガミラス本星)から亡命した科学者たちによって研究、開発され造らせた一定時間ビームを無効化する事の出来る防御兵器。
「司令!波動砲搭載艦、全ての発射体制が整いました!」
「よし。拡散波動砲、発射ーーーッ!!」
十数隻から発射された拡散波動砲。
その威力は壮大なものであった。
螺旋を描(えが)き宇宙空間を切り裂くように突き進む波動エネルギー弾。
突き進む波動エネルギー弾周辺には、波動プラズマが放射され、かすめるだけで宇宙デブリや小隕石を凪ぎ払う。
正面に現れたガトランティス主力艦隊100隻あまりが、拡散波動エネルギーに呑み込まれ、瞬時に消滅した。
「オペレーター!!なっ!何が起こった!?」
「かっ!艦隊が……前衛艦隊が消滅しましたーーーッ!!」
「うぐぐっ!こしゃくなテロンめ!!」
反撃を開始するバルゼーは、自艦に搭載された新兵器「火焔重力波砲」を、拡散波動砲によって消滅した前衛艦隊の仇を取るかのように撃ち放つ。
更にバルゼーは座標を瞬時に入力させ、当たり散らすかのように撃ち放った。
超重力波によって艦(ふね)の操舵が効かない。
回避不可能の艦は、その青白い焔のような超重力の衝撃波が押し潰す。
一隻、一隻と最前列に配置されたアンドロメダ級、拡散波動砲搭載艦は成す術もなく粉砕されてゆく。
「通信オペレーター!!全艦隊に通達!!」
「土星宙域まで後退せよ!!」
「機関いっぱいワープだ!!」
◆◆◆◆
「テロン艦隊は怖じ気づいて逃げ出しおったわ!!」
「フッハッハッハッハッ!!」
高々と笑うバルゼー。
間一髪、難を逃れ、土星宙域へ撤退した残存極東管区:連合艦隊。
ヤマト、改・武蔵ら特務戦隊と合流を果たす。
艦隊陣形を立て直しに掛かる土方。
立て直しもつかの間、残存極東管区:連合艦隊を追ってきたバルゼー率いる残存ガトランティス太陽系侵攻艦隊。
残存艦隊と言っても300隻以上も大艦隊である。
いち早くヤマトのコスモ全天球レーダーが、そのガトランティス残存艦隊をキャッチ、コスモレーダーに転送した。
だが、そのレーダーに反応した艦隊は、バルゼー率いる残存ガトランティス艦隊ではなかった。
「全天球レーダーに反応!!」
「ワープアウトして来ます!!」
「ワープアウト艦隊、識別!!」
「こっ!!これはガミラス!?ガミラス艦艇を識別!!」
「……総統。」
「何をしている?リッケ大佐。」
「急速反転。ハイパーデスラー砲、発射準備だ!!」
《新・デスラー艦=戦略指揮艦》
《戦略指揮艦・シールド・デスラー砲艦×2艦》
「シールド・デスラー砲艦を左右に展開せよ!!」
ガトランティス残存艦隊より早くワープアウトして来た艦隊は、戦死したと思われていたガミラス総統デスラーの艦隊であった。
通常航行では中央指揮艦の左右にシールド艦として合体してる。
いわゆる多胴艦である。
ハイパーデスラー砲を発射時に主に分離する。
通常戦闘では「盾=シールド」の役割を果たす。
単艦としての戦闘も可能である。
新開発した「空間磁力防御幕」を展開する事で一定時間、あらゆるビーム兵器の攻撃を弾く。
波動砲も例外ではない。
これはガトランティス:バルゼー座乗艦:プレデターと同等である。
「亜空間ソナー同調!!」
「ワープアウト座標入力完了!!」
ハイパーデスラー砲、三連射発射体制完了!!」
「うむ。」
「蛮族どもを焼き払え!!」
「ハイパーデスラー砲。発射ーーーッ!!」
次々とワープアウトするのガトランティス残存艦隊は、デスラーの撃ち放った地獄の業火ともいえるデスラー砲=波動砲の餌食に成る。
亜空間から通常空間へと変わる瞬間、何が起こっているのか分からないまま、気がつけば艦(ふね)は跡形も無く溶け、座乗するクルーたちは蒸発、亜空間出口で200以上もの
輝かし閃光がフラッシュされる。
「古代。借りは返したぞ。」
「デスラー……。」
「リッケ大佐。当宙域から離脱せよ。」
そう言い残すとデスラー率いるガミラス艦隊は、ヤマトをはじめとする残存極東管区:連合艦隊の行く末を見届ける為、戦闘宙域から後退した。
何故ガミラスが、デスラーがと思いながらも、これを最大のチャンスと捉えた土方は、早急に陣形を整えた。
残りのガトランティス残存艦隊がワープアウトして反撃に打って出る前に勝負を着ける為、陣形を整えると同時に機動部隊:全空母から戦闘機隊を発艦させた。
◆◆◆◆
第六話と最終話の回収が……m(__)m
この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト2」をベースに私の妄想を混ぜた「宇宙戦艦ヤマト2202」外伝です。
本編とは異なります。