ー傀儡たちの動乱ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝
第一話
悠久の時は流れ、生命(いのち)あふれるところ。
生命(いのち)から生命(いのち)へと、永遠に終わることもない。
それが大宇宙_。
あの白色彗星帝国ガトランティスと戦いも、無限の時を刻む大宇宙の中では、ほんの瞬きにしか過ぎなかった_。
そして、時は流れ_。
西暦2204年_。
時間断層の消滅と引き換えに、宇宙戦艦ヤマトが地球に帰還して、半年以上が過ぎた_。
今や、同盟を結んだかつての対戦星国家ガミラスからの技術的援助も含め、飛躍的に進歩している。
あれほど憎しみ、毛嫌いしていたガミラス人と結ばれる者も、存在するほどである。
そんな中、技術将校として地球連邦防衛軍に席を置く、新見薫(少佐)は直属の部下であり、異星文化や言語に精通する桐生美影(中尉)と、ガミラスでも門外不出とされてきた次元潜航艦のノウハウと艦(ふね)そのものを譲渡して貰う為、天ノ川銀河と大マゼラン銀河の中間点に位置するバラン星エリア=バラン鎮守府へと赴いていた。
「流石に、これだけの科学力と技術力はイスカンダルの技術提供が得られなかった当時の地球が、滅亡の危機に晒され訳よね。」と口を開く薫。
「うん。うん。」と隣で頷くも話半分でくらいにしか聞いていない桐生。
その桐生の目の前には、口髭を蓄えたニヒルな男性が居た。
桐生は、その男性の事で頭の中は、いっぱいだった。
そう。桐生の目の前の男性こそ、かつてヤマトを沈める手前まで追い込んだ次元潜航艦UXー01の艦長ヴォルフ・フラーケン(大佐)である。
「…心ここに在らずね。」と薫は「イラッ。」としたが、その場は平素を装った。
今回、地球側が譲渡して貰う次元潜航艦は、UX01タイプの次元潜航艦の母艦と成る大型次元潜航艦である。
おもに前線を離脱する事なく補給する事を可能にする為に開発、新造された次元潜航母艦である。
基本的な航海方法はUX01と変わりはなく同じである。
薫たちは、その航海方法のレクチャーを受けていた。
勿論、技術的な面も含まれている。
地球からバラン星まで往復60日、レクチャーに必要カリキュラム日程を30日、合計90日必要とした。
そして、今日がレクチャーの最終日である。
そのレクチャーも、あと数時間で終わりを告げようとしていた。
そのレクチャーも、あと数時間で終わりを告げようとしていた。
だが、ここで問題が発生した。
「……ん!?」
「様子が可笑しい。」
「キャプテン。司令塔までお戻り下さい。」
UX01の次元レーダーに何かを捉えていた。
「新見少佐。済まないが、少し休憩を取るとしよう。」
「男所帯なもんで、少し問題が生じたみたいだ。」そう告げると足早に母艦の腹に抱える自艦UX01の司令塔へとフラーケンは向かった。
「何事か?」
「洋上(通常宇宙空間)に艦影を捉えたのですが、妙な動きなんですよ。」
「妙な動き?」
「はい。艦影は我がガミラスのものなんですけど、亜空間(波動)爆雷を時折、落としてるですよ。」
「ここに我々が潜んでいるのを知っているかのように。」
「うむ。わかった。」
「通信士。母艦の衛士に連絡を取れ。」
「衛士と通信、繋がります。」
「此方、フラーケンだ。地球からの客人を頼む。」
「それとUX01を放せ。」
「ザーベルク。」
衛士らは、この時を待っていた_。
第二話へ
つづく。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また設定資料から引用。一部、拾い画を使用しています。
使用している画像はイメージです。また設定資料から引用。一部、拾い画を使用しています。