鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

ー九尾の狐ー宇宙戦艦ヤマト2199外伝

2018-09-01 07:23:07 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝
過去に書いた物語りです(^^;
2016-03-01 22:39:13


ー九尾の狐ー
宇宙戦艦ヤマト2199外伝


ー帝星ガミラス
バレラス郊外セレステラ私邸ー



「……ミネーレル。」

「貴女の仇(かたき)は必ず取ります……必ず……。」そう心の中で誓うセレステラ。



「セレステラ様。」

「ドメル閣下がヤマトに敗れたとの情報が入りました。」

「そして、ヤマトは大マゼラン銀河:入口付近まで到達したの事です。」



「そうか。わかった。」

「ドメルが墜ちたか。」

「艦(ふね)の準備を。」

「ザーベルク!」

セレステラ管轄の情報省オペレーターの報告を聞いたセレステラは
、私念を晴らすと云う私用ではあるが、再び動き出す。
勿論、私用と云う事では、いくら専用艦であるとは言え、軍規違反に繋がる。
そこで「表向き」ヤマトの動向偵察を兼ね、大マゼラン侵入を阻止するとの名目で出撃許可を得て出撃した。

「ドメル閣下の部隊との交戦で、ヤマトは、かなり損傷しているとの偵察隊から情報が入っています。」

「そして、収容所惑星:レプタポータに向かったとの事です。」

「レプタポータに向かっただと!?」

「はい。」

「……。」

「偵察隊へ引き続き、ヤマトの動向を監視するよう伝えよ。」

「ザーベルク!」



セレステラは自艦:シャングリ・ラー艦長室に入り、作戦の立て直しを行っていた。
ヤマトの目的は今のところ解っていない。
ガミラスの施設がある事を知っての行動なのか?
それとも近傍空間に大気が地球に似た惑星がなく、偶然発見した惑星がレプタポータで、ただ単に修理の為に立ち寄ったのか?

「まぁ。どちらにせよ、仕掛ける場所を変えねばならんな。」

セレステラは心の中で、そう呟くと、ミルベリア星系 へ艦(ふね)を移動させた。





ー惑星メランー

もし、ヤマトが最短ルートでイスカンダルを目指すなら、レプタポータから、ミルベリア星系:惑星メランを目指すはず。そう睨んだセレステラは、まるで猟(かり)を楽しむかのように、罠を仕掛ける。

「一番、二番、魚雷発射!!」

「着弾まであと30秒!!」

セレステラは、惑星メラン宙域に腐蝕センサーバリアを張り巡らせた。

※腐蝕センサーバリアとは、以前、デスラー総統が発案し、ヤマト攻撃時にシュルツ大佐に使用させた「ガス生命体」を改良したレーダーにも目視でも捉える事は不可能な、特殊微粒子:腐蝕レーザーを四方八方、漁師網のように張り巡らせたバリアである。

「フフフッ。」

「あとはヤマトがここを通過するのを待つだけだな。」




ー惑星メラン上空ー


「報告します!!」

慌ただしく情報相シャングリ・ラーオペレーターが、セレステラに駆け寄る。

「何事だ!!」

「ハッ!!収容所惑星:レプタポータが解放されました!!」

「なにッ!?ヤマトの仕業か?」

「いいえ、それが、ディッツ提督の娘が中心になって解放したとの事です!!」

「親の七光りの小娘がッ!!」

普段、部下の前では冷静なセレステラだが、いつになく感情を露にした。
そして、セレステラは、すぐにはこの事を総統府へ報告をしなかった。
それはセレステラには、「保険」が必要だったのだ。
万が一にも、ヤマトを討ち漏らした場合、いくら閣僚とは云え、デスラー総統からしてみれば大きな損失となる。下手をすれば蒼き肌を持たぬ他種族、閣僚から2等臣民へ降格も有りうるのだ。
その為、少しでも言い訳の足しになればと保険にしたのだ。


◆◆◆◆


度重なる戦闘などで、かなりの時間をロスしたヤマト。

七色星団(会)戦にて、激しく艦(ふね)は損傷、これからの航海に支障を来しかねない。
そこでヤマトを修理する為、大気が地球型の惑星:レプタポータに立ち寄った。
その修理の為に立ち寄った惑星:レプタポータで、ヤマトのクルーたちは「ガミラス:デスラー政権」の実態をしる事になる。
ガミラス帝国:最高指導者であるデスラー総統暗殺の首謀者として疑われ、収監されていたガミラス航宙艦隊司令:ディッツ提督、同じく七色星団(会)戦で指揮を取ったドメル将軍の妻:エリーサ・ドメル婦人。
その高官らとの会談で、七色星団(会)戦で拐われたヤマト船務長:森 雪はガミラス星(本国)へ連れられた事がわかった。
高官らと別れ、森:船務長救出の為、ヤマトは一路、敵地であるガミラス星を目指した。

そのヤマトは、セレステラの推測通り、最短ルートでガミラス星そして、イスカンダル星を目指し、航行してた。
そのヤマトが、惑星メランの軌道上に差し掛かった時であった、待ち伏せするセレステラ専用艦:シャングリ・ラーと砲雷撃戦に突入してしまう。
セレステラの罠にハマったのだ。

「くそッ!!こんな所にも、潜んでいたのか!!」

「古代!!そんなにいきり立っても仕方ないぞ!!」

「なんせ!ここはガミラス星と目と鼻の先、ガミラス艦が居ても不思議じゃない!!」

愛する雪を拐われ、何も出来ないでいた自分に不甲斐なさを感じ、イラついた古代に、同期で航海長の島が促すように対処した。
シャングリ・ラーの攻撃は激しさを増す。
微粒子腐蝕レーザーが張り巡らされた事に気がつく余地など無いヤマトは、惑星メランを目指し降下、高度を下げた。

すさまじい衝撃を喰らうヤマト。
同時に飛び込む、予想を遥かに超える被害報告。
艦長:沖田は、ダメージコントロールを急がせた。

「此方、修復作業班:榎本!」

「第32ブロックにて溶解の痕跡を確認!!」

「このままじゃヤマトが少しずつだが、溶かされちゃいまっせ!!」

「此方、艦橋、了解した。」

「真田副長を向かわせた。指示を待て。」

通信長:相原は、的確に沖田の指示を伝えた。
同時に真田、アナライザーが32番ブロックへ急行する。


◆◆◆◆




「ヤマトよ。もがき苦しめ!」

「ミネーレルの仇(かたき)は取らせて貰う!!」

「セレステラ様!!ヤマトが惑星メランに降下!!」

「よし!!オペレーター!!原始獣:バラノサウルスを覚醒させよ!!」

セレステラは、惑星メランに生育する原始獣:バラノサウルスに人工知能チップを埋め込ませていたのだ。
そのバラノサウルスの人工知能チップを遠隔操作で起動させ、人工的に覚醒させた。

9体のバラノサウルは、覚醒と共に同化、1体の巨大な獣と化した。
「成功だな。我が古里(こきょう)の神話に出てくる「九尾の狐」ソックリだな。」

「フフフッ。」

セレステラは不適に笑った。



「島!ヤマトを軟着陸させろ!」

「了解!!」

沖田の命令が飛ぶ。

惑星メランの大地に軟着陸するヤマト。
そのヤマトに、今にも襲いかかろうと、雄叫びを上げる九尾の狐=バラノサウルス。

ヤマト上空には探知不可能な微粒子腐蝕レーザーバリア、前方には九尾の狐。
八方塞がりのヤマト。

そんな中、再び艦長:沖田の命令が飛ぶ。

「島。ワシの合図でヤマトを浮上させ、ワープせよ。」

「ワープアウト先は、この惑星:上空10.000メートルだ。」

島は、沖田の命令に困惑しながら沖田の合図を待った。
沖田が上空10.000メートルにしたのは、レーダーにも目視でも確認出来ない微粒子腐蝕レーザーバリアを波動砲で吹き飛ばすにしても、この惑星メランにおよぶ被害を最小限に留めたいとしたからだ。

「古代。波動砲の発射体制に入れ。」

「島同様、ワシの合図で波動砲を発射せよ。」

「それと、主砲弾を三式にきりかえておけ。」

「波動砲発射直後では、ショックカノンが使えんからな。」

「了解。」

沖田の合図でヤマトは浮上、更に惑星メラン上空10.000メートルにワープアウト。

間髪入れずに、先程の命令を実行する古代。
発射体制が既に整っている波動砲を、古代は撃ち放つ。

10.000メートル上空から発射された、波動砲のエネルギーに食らいつく微粒子腐蝕レーザーバリア。
エネルギーを吸収しきれないまま、膨張を繰り返し自滅した。



「砲雷撃戦よーーーいっ!!」

「第三主砲はあの「九尾の狐」を狙え!但し、直撃はさせるな!」

「第一、第二主砲は前方ハイゼラード級!!」

「主砲三式弾!てぃーーーッ!!」

「九尾の狐!いきり立ちヤマトに食らいつき離れません!!」

沖田の狙い通り、「九尾の狐」はヤマトの撃ち放つ三式弾が直撃する事は無いが、榴散弾のように直前で炸裂し、無数の弾が顔面や体に当たる為、致命傷ほどでは無いが、九尾の狐を不快にさせた。
この不快を取り除こうとヤマトに食らいついていたのだ。

「ハイゼラード級との距離、更に縮みます!!」オペレーターが告げて来る。

「距離2.000!!」

森:船務長の代行を勤める西條の報告する声が、慌ただしくなる。

「セレステラ様!!ヤマトが!!」

「くっ!!こしゃくなヤマト!!」





「島!!急降下だ!!」

「ハイゼラード級の下へ潜れ!!」

「古代!!上部ミサイル発射せよ!!」艦長沖田は矢継ぎ早に命令を下した。

いきり立つ九尾の狐は、そのままセレステラのシャングリ・ラーに衝突、激しい衝撃にセレステラたちは床に投げたされてしまう。

轟沈するシャングリ・ラーと共に九尾の狐は消し飛んでしまう。
その轟沈するシャングリ・ラーから脱出するセレステラ。




◆◆◆◆




ワープで姿を消したヤマト。
そのヤマト眼前には、イスカンダル星と並ぶガミラス星があった……


~the.end~





《ハイゼラード級航宙戦艦:ミーゼラ・セレステラ専用艦:シャングリ・ラー》

艦級:ハイゼラード級

全長:390m

主機関:ゲシュタム・ドライブ

兵装:330ミリ三連装陽電子カノン砲塔×2基(艦上)
330ミリ三連装陽電子ビーム砲塔×1基(艦底)
280ミリ二連装陽電子ビーム砲塔×4基(艦尾)
近接防御火器(単装)×32基
近接防御火器(四連装)×8基(艦上6基、艦底2基)
艦首魚雷発射管×12門
艦底魚雷発射管×21門



《惑星メラン 》

大小マゼラン銀河内に存在すると推測される。ギムレーやセレステラが愛飲している紅茶の原産地。



《ミルベリア星系 》

大小マゼラン銀河内に存在すると推測される。ガス生命体が発見された。



《ガス生命体》

ミルベリア星系で、発見された原始的なガス状生命体を兵器開発局が、改良して作り上げた。
物質を変換・同化・吸収して無限に増殖する「究極の化学兵器」というふれこみだったが、やはり見境なく餌に喰らいつく性質で、デスラーと廷臣たちの眼前で恒星グリーゼ581に自ら突入して燃え尽きた(そしてデスラーは憮然とした不興の色を見せた)。



使用している画像はイメージです。

この物語りに登場する人物、メカ類等は架空です。
実在する人物、メカ類等とは関係ありません。

※印は、私設定です。

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