公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

どこが≪普通≫でないのか

2013-08-07 | 現在の教室運営
特殊学級にいる4年生の男の子がいます。
一年以上かかって、足し算引き算ができるようにはなりました。

小学校一年生の頃は普通学級にいたそうなのですが、
通常学級での対応は困難だということで二年生からは特殊学級へ。
その二年生の一月に、うちの教室で学習開始となりました。

当初、一桁の足し算を指を使わずにやる、ということを教えるのも大変でした。
25+7のような横書きで繰り上がりのある足し算でも四苦八苦。
つききりで促してやれば何とかなるのですけれど
自分だけでとなるとすぐに飽きてしまって消しゴム壊しを始めたり、
モゾモゾしていて学習に集中することができません。

でも、学校で二桁の筆算の学習があり、チョイ書きだらけのやり方とはいえ
どうにか覚えた一桁の計算がものを言って、「できた!!」のです。
うちの教室でも、これなら進められるということで筆算の学習に入りました。
で、前回の宿題に25+7のレベルの冊子を渡したのですが
66+5のような行に41のような答えを書いていて150題ほどの問題のうち半分近くが
でたらめでした。
私の前で直させたのですが、5分もかからず全問訂正しました。

何度か、
「できることはいつもちゃんとやって見せないと、できるとは思ってもらえない」ということは言い聞かせているのですが≪練習≫ということがいやなのでしょう。

国語で、あるいは算数の文章題で問題文をスラスラ読むということがいまだにできません。
けれど、こちらで読んであげると正解できます。
「??」

自閉症というのでもなさそうですしADHLとしても、それだけでもなさそうで、
昨日は
「アンタは自分があたまがわるいとおもっているわけ?」と真正面から聞いてみました。
「うん」と頷くので
「違うでしょ。本当に頭が悪かったらこういう事ができるはずないんだから」と
今なおしたばかりのプリントを示して、再度
「できることはやってみせないと・・・・・・」

この子のアタマの中で、どこかのボタンが掛け違ったままになっている、
ということは感じられるので、そこをなんとかできればと思うのですが
いまだに有効な手段が見つかりません。
まあ、ボタンが外れたままでいる子もけっこういることはいるのですが
そういうのはその他のところで辻褄を合わせていくことはどうにかなりますから
普通学級でそれなりに進学できます、それこそ、練習の積み重ねで。

くもん教室を始めてからの通算で、いつのまにか20年ちかくも
子ども相手の塾をやっていることになります。
それでも、新たな問題はおきてくるわけで、これだからやめられない・・・・・・

去年の入会生で、わずか一年で学年最下位から平均越えのところまで化けた子、
なんて言うのは、めったにあることではないにせよ。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 保護者面談 | トップ | 転職相談 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

現在の教室運営」カテゴリの最新記事