
ジカ熱 空港で注意喚起を強化
中南米で「ジカ熱」の感染が広がっていることを受けて、成田空港の検疫所は、やむをえず現地に渡航する妊婦に対して厳重な対策を呼びかけるとともに、帰国時に発熱などの症状が現れた場合には検疫所に申し出るよう呼びかけています。
蚊が媒介する感染症で発熱などの症状が現れる「ジカ熱」は中南米で感染が広がっていて、ブラジルでは脳の発達に遅れがみられる小頭症の新生児が増えていることから、妊娠中の感染との関連が指摘されています。
成田空港の検疫所では、ジカ熱に関するポスターやチラシを出入国のエリアに用意して注意の呼びかけを強めています。
具体的には、妊婦がやむをえず感染が広がっている地域に渡航する場合には長袖や長ズボンを着用し、虫よけスプレーを使うなど、蚊に刺されないよう厳重な対策を講じるよう呼びかけています。また、帰国時に発熱などの症状が現れた場合には、検疫所に申し出るよう呼びかけています。
一方、中南米方面から入国する乗客を対象にした水際対策の強化について検疫所は「厚生労働省から指示があれば対応に当たりたい」としています。
新千歳空港でも対策強化
北海道の新千歳空港でも、発熱の症状を訴える人がいないか確認するなど対策を強化しています。
「ジカ熱」の流行地域を知らせて警戒を呼びかけるポスターを新たに設置したほか、サーモグラフィと呼ばれる特殊な機器を使って体温を調べ、中南米への渡航歴があって発熱や頭痛などの症状を訴える人がいた場合は、専門の医療機関の受診を勧めることにしています。
北海道内の空港に中南米と結ぶ直行便はありませんが、新千歳空港では、乗り継ぎ便で感染した人が入国する可能性もあるとしています。また、千歳空港検疫所支所によりますと、道内ではジカ熱を媒介する種類の「ヒトスジシマカ」の生息が確認されておらず、道内で直ちに感染が広がる可能性は低いとしていますが、ジカ熱が流行する地域への渡航については慎重に検討するよう呼びかけています。
千歳空港検疫所支所の検疫衛生・食品監視課の南方一仁課長は、「ことしはブラジルでオリンピックもあり、流行している地域との人の行き来が活発になるので、これから一層警戒していきたい」と話しています。