

脇に、「TEXT AND DRIVE」と記した看板が出現しました。意訳すると「運転中にスマホをお使いください」あたりになるこのメッセージ、実はいくら警告してもいっこうに減らないドライブ中のスマートフォン・携帯電話操作に対する暗喩広告です。
さらに看板を出した企業は架空の葬儀場という凝りよう。気になったドライバーがこの葬儀場のウェブサイトにアクセスすると、事故の統計を示してドライバーに安全運転を呼びかけるという仕組みです。
最近はダッシュボードやフロントガラスに取り付けるスマートフォン用マウンターが手軽に入手できるようになり、GoogleマップやYahoo!カーナビといったナビゲーションアプリを利用するドライバーも増えています。
ただ、運転中にメールやSMS、LINEなどのメッセージが飛び込んでくると、おもわずアプリを切り替えてそれを見てしまう人もいるかもしれません。さらに運転中に返信を打ってしまったという人もいるでしょう。
カナダの葬儀場Wathan Funeral Homeは、そんなあなたを待っています......。
https://youtu.be/_k4Phy4IywQ
この看板は、カナダ・モントリオールの広告代理店John St.とCieslok Mediaが製作したもの。John St.のマネージングディレクター ミレーヌ・サボア氏は、「ドライバーは日々『ドライブ中のスマホ操作はやめましょう』という広告を見聞きしているはずです。ところが現実はやめるどころか、その数は増加の一途です。そこで、逆転の発想にたどり着きました」と語ります。
架空の葬儀場Wathan Funeral Homeのウェブサイトは、一般的な葬儀場のような装い。文章は「ようこそ。あなたがここへ来たということは、『TEXT AND DRIVE』の広告を見たということです」と始まります。
そして説明文にはカナダ・オンタリオでは2013~2015年まで3年連続で、前方不注視による事故死亡者数が飲酒運転のそれを上回ったこと、そのうち半分以上がスマートフォンや携帯電話に気を取られていたこと、事故で死亡するのがドライバーだけでなく同乗者やまったく無関係な歩行者にも多数およぶことなどが記され、運転中のスマートフォン・携帯電話の操作が危険行為であることを訴えます。
なかなかブラックな広告手法ではあるものの、看板やウェブサイトを見てドライバーが考えを改めるのならその効果は高そうです。
ただ心配なのは、ドライバーがWathan Funeral Homeの看板を見て、運転しながらそのウェブサイトを検索し、見ていないかということかもしれません(確認してみたところ、Wathan Funeral Homeのサイトはレスポンシブデザインできっちりスマートフォンにも対応していました)。ニュース引用