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山口組“最強武闘派”ヒットマン組長逮捕 摘発「武器庫」は全面抗争の予兆か
山口組分裂から1年超。血塗られた「山一抗争」(昭和59~平成元年)のヒットマンが再び、“武闘派”としての顔をのぞかせたのか。兵庫県警は9月、民家に拳銃や散弾銃、実弾を隠し持っていたとする銃刀法違反(加重所持)などの疑いで、指定暴力団山口組直系「竹中組」の組長(61)=10月19日付で処分保留で釈放=ら5人を逮捕した。かつて山口組を離脱した一和会との間で起きた山一抗争の先頭に立ってヤクザ業界で名を売った組長と「武器庫」の存在。「竹中組をはじめ、全面抗争へ向けた準備が着々と進められているのではないか」。県警は山口組と指定暴力団神戸山口組の動向を徹底的にマークし、それぞれの直系組長を相次いで逮捕。双方の本拠地を同じ日に家宅捜索するなど、両団体への牽制(けんせい)を強めている。民家の天井板の裏に…
JR山陽線姫路駅から西に約2キロ。田畑が広がるなかを住宅や小学校、市立施設が点在するのどかな郊外に、県警が竹中組の「武器庫」とにらんだ民家がある。
木造2階建ての民家には、3月に神戸市中央区の路上で神戸山口組系組員らとカーチェイスを繰り広げ、乱闘騒ぎを起こしたとする暴力行為法違反の疑いで逮捕された竹中組傘下組織組員(37)の親族の80代男性が一人で暮らしていた。どこにでもあるようなこの民家に拳銃が隠されているとの情報をつかんだ県警は、捜査員を張り込ませ、竹中組組員らが頻繁に出入りする姿を確認した。
7月、県警は銃刀法違反の疑いで満を持して民家を家宅捜索。室内をくまなく探したが、当初、目指す拳銃は確認できなかった。しかし、2階の押し入れの天井板を外し、屋根裏に上がると、拳銃5丁(回転式3丁、自動式2丁)と散弾銃1丁、実弾約80発、日本刀1本が置かれているのを見つけ、押収した。
県警は、民家が竹中組の「武器庫」として使用されていたと判断。9月、銃刀法違反(加重所持)などの疑いで組長と同組幹部ら計5人を逮捕した。さらに10月には山口組総本部(神戸市灘区)も関係先として家宅捜索。神戸山口組との対立抗争に備えるため組織的に武器を隠し持っていた疑いがあるとみて、山口組の関与についても捜査を続けている。
構成員数の“ねじれ”
「拳銃の情報が寄せられることはよくあるが、実際に見つかるのは何百回に一回あるかないか。県内で一度にこれだけの拳銃が見つかったのは、近年記憶にない」
県警の捜査幹部の一人は、今回の事件についてこんな驚きを口にする。その一方で、竹中組が「武器庫」を備えていたことには「一定の必然性がある」との見方を示す。
昨年8月に山口組が分裂する前、兵庫県内には山口組の直系組織が8団体あった。しかし、分裂を機に柴田会から改称した竹中組(同県姫路市)と岸本組(神戸市中央区)以外の6団体は神戸山口組に参加。今年3月1日時点での全国の構成員数は、山口組が約5700人、神戸山口組が約2700人となっているが、山口組発祥の地である兵庫県では神戸山口組(約530人)の勢力が山口組(約110人)の5倍近くという“ねじれ現象”が起きている。