中国人“ヤミ畑”が首都圏侵食 「昔から楽しんできた」罪の意識なし、農耕具置き場では不審火まで
埼玉県熊谷市で日本語と中国語で「市有地使用禁止」の看板が掲げられている
埼玉県熊谷市の県営団地近くで今年6月以降、不審火が相次いでいる。近隣住民によると、標的となった物置は、団地に住む中国人が設置したものだといい、周辺では彼らの手によって立派な野菜畑が作られているが、実はこの土地、熊谷市の市有地なのだ。勝手に耕された「ヤミ畑」と不審火との関連を指摘する声もある。そして同様のトラブルが生じている土地は熊谷だけではないという。
火災は6月9、10日、7月29日、8月6、9日、熊谷市久保島の県営団地近くを流れる用水路沿いに設置された物置で発生した。火元はいずれも半径100メートル以内に集中しており、県警熊谷署は同一犯による連続放火の疑いがあるとみて捜査を進めている。
17日には近くの運送会社跡地でも不審火があり、軽量鉄骨2階建て建物の一部が燃えた。
団地に住む女性は9日の火事について「ちょうど夜の8時頃でお風呂の用意をしているときに、家のある方向に火の粉が飛んできたんです。熱くてすごく怖かった」と生々しく振り返る。
近隣住民によると、物置は、用水路沿いの土地を勝手に利用した「ヤミ畑」を耕すための農耕具置き場だった。主に団地に住む中国人が利用していたという。ヤミ畑にはナス、キュウリ、ネギなどがたくましく生育している。
また、放火を免れた物置にはテーブルや椅子が置かれており、交流の場としての性格もあったようだ。住民の1人は「仲間とお茶を飲むときにも使われていて、よく中国語のような言葉で大声で話しているのをみかけました」と証言する。
焼け跡に立っていた中国人男性(70)は、「物置はガソリンをかけられて燃やされてしまった」と話した上で、こう続けた。
「みんなで昔から野菜を作って楽しんできた。市の土地だというのは知っていたけど、これまで何も言われたことないよ。それに何もしなかったら(市有地は)草がボーボーになっちゃう」。罪の意識はまったくないようだ。
団地に長年住むという年配の女性によると、「昔は日本人も勝手に市有地を使っていたんだけど、みんな年を取ったりして、ここ7~8年は中国の人ばかりですね。物置もたしかその頃できたんじゃなかったかしら」と話す。
団地には韓国人やペルー人も住むというが、最も多いのが中国人だといい、「うちの上下8部屋のうち、4部屋が中国の人」と話す住人もいた。
埼玉県によると、この県営団地での外国人居住者数は「5年前に比べると減少している」が、同県内の県営団地全体では増加しているという。
県営団地に入居する場合、県民税などを滞納していないことや、外国人登録し在留資格を得るなどの条件がある。
河川敷の不法行為については埼玉県議会でも取り上げられている。今年2月の県議会で行政の対応についてただした鈴木正人県議(無所属県民会議)は「公共の土地が勝手に畑などにされる例は千葉市の花見川などでも起きている。この際も、中国人が耕作した土地が含まれていたと聞く。行政は一定のルールを定め、強制的に原状回復させるようにすべきだ」と話す。
千葉県千葉市を流れる印旛放水路(通称・花見川)では長年、河川敷が不法に占有されており、県は今年2月、「ヤミ畑」のほか、小屋、釣桟橋などに対し、河川法に基づく簡易代執行(工作物撤去作業など)を公告。翌月、撤去が行われた。
東京都と神奈川県の間を流れる多摩川の河川敷でも同様の「ヤミ畑」が数多く存在しているという。
公共の土地をめぐるトラブルについて、元警視庁通訳捜査官で外国人犯罪対策講師の坂東忠信氏は、2011年の東日本大震災発生当時の出来事が思い出されると話す。
「当時、中国から新潟に救出のためのチャーター機がやってくることが口コミで広まり、多くの在日中国人が新潟に集まった。避難所として新潟市内の体育館が使用されたが、体育館は日本の持ち物であるにもかかわらず、中国の領事館の職員が『日本人は立ち入り禁止にする』と現地を訪れたジャーナリストに告げていた」
埼玉県熊谷市の不審火の現場付近を通りかかった女性は、「住民のなかには、土地を無断で使う中国の人をよく思わない人もいる」と声を潜めた。
だが、最も非難されるべきは放火という悪質な犯罪行為を働いた人物であることはいうまでもない。
■夕刊フジでは、「ヤミ畑」など不法占拠に関する取材を続けています。情報をお持ちの方は、tokou@fujinews.comまで。