最近は「スマートモビリティ」と呼ばれる近未来的な超小型自動車が注目を集めていますが、このスマートモビリティ文化の礎となっているのが、実は1980年代前半の原付ミニカー・マイクロカーブームなのだとか。
当時、50ccエンジンで駆動する個性豊かな一人乗り自動車が一大ブームとなりました。中でもユニークな自動車作りに定評のある光岡自動車の「BUBU501」には根強いファンが多くディープな世界となっているのです。
というわけで今回は、原付ミニカーBUBU501のオーナーでもあるニポポが、その魅力とカルチャー、そして最新事情を調査してまいりました。お話を伺うのは、原付ミニカーを含む特殊車両の修理やカスタムを手がけている、カーショップ「AToRiKA521」の若尾祐基店長。
▲こちら現在製作中のカスタムスーパーカブ!コンクール出品用なんだそうです
ニポポ:さっそくなのですが、原付ミニカーについて教えてください。
若尾氏:「原付ミニカー」は、市販されている原付(原動機付自転車)のエンジンを利用した一人乗りの自動車のことです。原付とは違って車のように風雨がしのげる密閉式キャビンを備えており、開閉する固定扉で出入りできます。こういった車は現行法だと作れないため、中古車市場が活気づいているんですよ。
ニポポ:魅力はどのあたりにあるのですか?
若尾氏:なんといっても「可愛さ」と「レトロさ」でしょうか。そして、“昭和の遺産”ともいえる独特な雰囲気がいいですね。どことなく全てが欠陥車みたいな楽しさも親しまれる要因ですが、実は日本のものづくりクオリティが随所に詰め込まれているのが魅力的です。
中でもBUBU501は3輪でありながら安定性が良く、ルックスもレトロフューチャー的で根強いファンが多いですよ。
▲我が家のBUBU501も発売当時のままというエンジンながら絶好調
ニポポ:どんな点にその技術力を感じられますか?
若尾氏:まずは「FRP(繊維強化プラスチック)成形技術」の高さですね。海外輸入をすることもあるのですが、海外のものは国内で作られたものに比べてベコベコでぶ厚いボディーだったりします。
機関部分も、なるべくオリジナルパーツを使うためにさまざまなアイデアが盛り込まれているので今同じものを発注したりすると、かなり高額になると思うのですよ。
そういう製作者のこだわりを見つけると嬉しくなっちゃいますね。