無印良品が値下げ 衣料品販売に「異変」
買ってもらうために、値下げに踏み切る小売企業が増える一方で、衣料品販売では、新たな取り組みが始まっている。
40代女性は「洋服が安くなることは、家計にとってもいいことなので、助かります」と話した。
「無印良品」は、衣料品の秋冬物、およそ110品目を順次値下げすると発表した。
定価2,980円だった「裏毛ロングパンツ」は、1,290円と大幅値下げする。
10代男性は「半額以上の値段で、めっちゃびっくりです」、「月に3〜4万円ぐらい、洋服を買ったりするので、やっぱり洋服が安くなるのは、とても助かる」などと話した。
消費者にとっては、一見うれしい響きの「値下げ」だが、店舗での衣料品の売り上げは低迷している。
百貨店などでの衣料品の販売額を示したグラフを見ると、年々、減少の一途をたどっている。
その背景にあるのが、ネット通販の躍進。
10代女性は「ほとんど、ネットでしか買わない」、「近くにない、お店のものとかを、ネットで買います」などと話した。
もはや、安さだけでは太刀打ちできなくなっている、衣料品業界。
そんな中、小売大手の「丸井グループ」が、新たに検討しているのが、試着型店舗の展開。
プライベートブランドの試着品だけを置いた売り場を導入。
利用者は店頭で試着し、気に入ればその場で注文。
あとは、配送先で受け取るだけというサービス。
10代女性は「これから、どこか行くときとか、荷物かさばらなくていいですよね」と話した。
こうしたサービスの背景には、今や当たり前のツールとなった、ネットならではの課題が透けて見える。
40代女性は「形が悪いとか、サイズがいまいち合わなかった」と話した。
10代女性は「ネットは楽ですけど、着てみた方がいいのかなあと」と話した。
それは、「試着ができない」というデメリット。
そこに目をつけたのが、東京・渋谷区の「サンデーピープル」。
サンデーピープル・吉村信広さんは「(これを使わなければ)一般のお客様の集客は、ゼロに等しい感じですね」と話した。
その秘密兵器が、ファションアプリ「スタイラー」。
これを利用することで、集客率が増えたという。
その仕組みは、ユーザーが「こんな服が欲しい」などの質問や要望を投稿すると、ショップの店員が、それに合った洋服を提案し、ユーザーは店舗に出向き、試着・購入するというもの。
吉村さんは「うちは、(スタイラーで)ほとんど100%近く、購入していただいている」と話した。
客にとっても、購入前に試着をすることで、ギャップが解消されるというメリットがあり、今や月におよそ50万人が利用する人気サービスとなった。
アプリを運営する、STYLER・小関 翼CEOは「ユーザーの要望に応えるアプリを作らせていただいて、それが店舗の集客につながれば、両方ともウィンウィンの関係が作れる」と話した。
ネット通販の勢いの裏で、新たな戦略を打ち出す店舗。
衣料品を取り巻く状況は、日に日に変化している。
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