米新聞社銃撃「戦場のようだった」 記者ら机の下に避難米新聞社銃撃「戦場のようだった」 記者ら机の下に避難
米東部メリーランド州アナポリスの新聞社「キャピタル・ガゼット」で28日午後3時(日本時間29日午前4時)ごろ、銃撃事件があり、少なくとも5人が死亡し、2人が負傷した。警察当局は銃撃した容疑者の男を拘束し、取り調べている。男は30代後半の白人で、メリーランド州在住だという。
地元警察によると、通報から1分以内に警官が現場に到着したが、警官隊との銃撃戦はなかった。男はショットガンのほか発煙弾も使用したという。この新聞社を標的にした銃撃だが、特定の個人を狙ったとの情報はないとしている。
米メディアなどによると、男はジャロッド・ラモス容疑者(38)。ラモス容疑者は自身の女性へのハラスメント事件を巡る2011年の記事で名誉を傷つけられたとしてキャピタル・ガゼット側を相手取って翌年に訴訟を起こしたが、15年に敗訴している。ラモス容疑者のものとみられるツイッターでは連日、筆者や裁判官を名指しして執拗(しつよう)にののしっていた。16年を境に書き込みがなくなったが、事件当日に「ほっといてくれ」などとつぶやいた。
事件当時、新聞社の事務所が入るビルにいた約170人は警官が誘導して避難した。
社内にいた事件担当のフィル・デイビス記者はツイッターで、男が事務所のガラスドアに向かって発砲した後、複数の従業員に向けて発砲したと説明。デイビス記者は「誰かが死亡したとは言いたくないが、ひどい状況だ」とし、「机の下に隠れる中、複数の人が撃たれ、銃撃犯が銃弾をこめ直す音を聞く。これ以上に恐ろしいことはない」とつづった。