肝臓が最も忙しい時期がやってきました。
肝臓は成人の場合、約1.2kg程度もある大きな臓器。3種類の血管が張り巡らされ、その中を流れる血液が栄養素や酸素を運んでいます。ですから、血管が傷ついたり、脂肪が詰まって血液の流れが悪くなると、当然、肝臓の働きは悪くなります。
肝臓の働きが悪くなり、ブドウ糖を取り込む機能(糖取り込み)が低下すると、食後に血糖値が上昇しやすくなり、肥満や2型糖尿病の原因にもなります。とても大切な臓器ですから、どうしても負担をかけてしまうアルコールの摂取量が増える場合は、いつも以上にケアしたいですね。
「肝臓に優しいタンパク質の選び方」第1回は、肝臓の修復に必須のBCAA(分岐酸アミノ酸)を含むタンパク質で、血管内に脂肪が溜まりにくいだけでなく、血管内の脂肪を溶かし、血流をスムーズにする「魚」をオススメしました。
脂肪肝に大豆タンパク質!
第2回は「大豆」。
「大豆タンパク」には、肝臓の脂肪に働き、血糖値を下げたり、総コレステロール値の低下作用が期待できるといわれています。まさにお酒の最高のお供!
また、ポリフェノールの一種、「大豆イソフラボン」には強力な抗酸化作用があり、血圧を下げたり血栓を防いで血管を守ってくれます。
まさにお酒の最高のお供!毎晩でも食べたい健康フードです。
大豆製品といえば、豆腐、納豆、みそ、油揚げ、豆乳、きな粉などなど、身近な食材がたくさん。どれもリーズナブルでお財布にも優しい。
では、大豆製品を使った、ウチ飲みメニューをご紹介!
①薬味たっぷり!「湯豆腐」
温かい湯豆腐にすることで、疲れた内臓に優しくなり、体の内側から温めることで代謝アップにもつながります。
大豆タンパクをしっかり取りたいなら「木綿」がオススメ。100g当たりのタンパク質は木綿6.6g、「絹ごし」4.9g。風邪など体調が悪いときや夜遅いときは、低脂肪・低カロリーで消化の早い優しい絹ごしが良いでしょう。
<効果アップに薬味!>
・+かつお節:原料のカツオには血液中の脂肪を溶かすEPA、血管を柔らかくするDHAがたっぷり。肝臓の働きを助けします。
・+ごま:「セサミン」が脂質の代謝をスムーズにしてくれ、肝臓の働きを助けます。
・+ショウガ:「ショウガオール」は血糖値のコントロールを助けます
②混ぜる!加熱しない!薬味プラス!の「夜納豆」
大豆の発酵食品である納豆。発酵の過程で大豆タンパク質やビタミンB群が消化吸収されやすくなる他、納豆菌の働きで大豆にはない優れた栄養素もプラスされます。ネバネバ成分の「ナットウキナーゼ」は血栓を溶かす働きがあります。
ポイントは食べる前によく混ぜること。混ぜただけ納豆菌が元気になり、閉じ込められていた旨味成分も溶け出しておいしくなります。
また、ナットウキナーゼは熱に弱いので、ほかほかご飯よりは少し冷ましたご飯に。汁に加えるには、火をできるだけ通さないことがコツ。
納豆菌は夜働くので、晩酌のお供にはぴったりです。
<効果アップに薬味!>
・+ネギ、練りがらし、梅干し:ピリッと辛いネギ類や、酸っぱい梅干しや酢、辛い練りがらしや唐辛子などを一振りすると、新陳代謝を活発にさせ、免疫アップが期待できます。また副交感神経を優位にするので眠くなるとも言われています。
③シメに最適!「おぼろ豆腐とワカメのみそ汁」
最近、話題の「みそ」も大豆の発酵食品。みそ汁を飲むほど血圧が下がる、胃がんの死亡率が低いなど健康効果が明らかにされ、見直されていますね。
みそのメリットは吸収率。大豆は栄養価に優れているけれど、消化しにくいのが難点。それをみそにすることで、麹菌、酵母、乳酸菌の働きで、分子の大きい栄養素が分解されて消化吸収率がぐんとアップするのです。
お酒を飲んだ後は血糖値が下がり、甘いものが欲しくなるもの。そんなときは、トロッと大豆の甘みが感じられるおぼろ豆腐を使ったみそ汁がオススメです。
ワカメは大豆の摂取で排出されるヨウ素を補ってくれる最強パートナー。副交感神経を優位にしてくれるミネラルがたっぷりで、ホッとする一杯。食べ過ぎ予防にも一役買ってくれますよ!
いかがでしたか?
「大豆」メニューは、シンプルイズベスト!肝臓にもお財布にも優しい、お酒の最高のお供。イベントが続くこの時期、頼りになる存在です。