
香取慎吾「僕はここでしか生きていけない」、注目集める人生を肯定
3/15から国内初の個展を開催する香取慎吾(写真:田中達晃/Pash) (C)oricon ME inc.
俳優でアーティストの香取慎吾が、3月15日から国内初の作品展『BOUM! BOUM! BOUM!(ブン!ブン!ブン!)香取慎吾 NIPPON 初個展』を開催。昨年、フランス・パリのルーブル美術館で個展を開いたことでも話題となった。アーティストとして順調な滑り出しに、香取は「以前の自分に感謝」と語る。つねにルーティーンではない“非日常”を生き、人から注目されることが当たり前の香取。自らを「ここでしか生きていけない生き物」と言う真意とは?
【画像】5つのカラーが鮮やか! 香取慎吾によるアート作品
■自分の想像を遥かに超える日常、「なんて楽しい人生だ!」
――香取さんは多彩な表現活動に携わる中で、頭の切り替えはどうやっていますか?【香取慎吾】考えてみると、何一つ切り替えていないかもしれない(笑)。僕にとってはどれもエンタテインメントなので、全部一緒です。例えば、パリでの個展が僕にとって初めてのアートの“個展”と呼べるものだったんですが、会場に行ったら「音楽が欲しいな」と思って、音楽を流したりして。個展を開く作業と、コンサートの演出をする作業とで、あまり違いを感じなかった。初めての個展なのに、いざ始めてみたら「やったことのあること」だったんです(笑)。
――今回は、本来は劇場である会場を使用しての個展。
【香取慎吾】僕にとっても、かなりの難問を突きつけられた感じです。自分発信で「ここでやりたい」と言って成立していることじゃなくて、お声がけいただいたからできること。それを考えると、ちょっと変な言い方ですけど、以前の自分に感謝、ですね。声をかけてくださった人、参加してくださる人は、以前も一緒にお仕事をした人が多いんです。その時の僕がすごく嫌な奴だったら、また一緒に仕事をしてはくれなかったと思う。だから今は、すごく感謝してます、以前の僕に(笑)。
――ずっと前から個展をやるのが夢だったんですよね。
【香取慎吾】はい。でも、この会場に下見に来た時に「おかしいな。今までいろんな美術館、いろんなアーティストの個展に足を運んで、“いつか自分がやるとしたら”ってイメージが色々湧いていたけれど、その中にこんな場所はなかった」って思った(笑)。毎回、僕の日常は自分の想像を遥かに超えてきますね。本当に、なんて楽しい人生だ!
■「11歳の時から、ルーティーンのない日常を楽しんでいるのかもしれない」
――この個展はどういう視点に寄って立って、作り上げていくのでしょうか。
【香取慎吾】何ですかねぇ(少し考える)…“サプライズを仕掛けたい”とか、そんな大げさな発想はないですね。あるとしたら、日常の中の違和感を拾って、それをもっと面白くしていく感じです。普段の生活をしながら、「これがこうだったら」みたいなことをよく考えるので、その延長かもしれない。
――今、“日常”という言葉を使われましたが、香取さんに日常はあるんでしょうか。まるで、“歩く非日常”みたいに見えます(笑)。
【香取慎吾】ええっ? 日常?(絶句)。
――何か、ルーティーンってあるんですか?
【香取慎吾】ないですね。ないから僕の日常は面白い。今日もこんな日(取材会)だと思わずここに来ました。大きなプロジェクトが始まる前、たくさんの方の前で取材を受ける。それは仕事上でのルーティーンかもしれないけど、まさかこんな規模になると思って来てないから(笑)。11歳の時から、ルーティーンのない日常を楽しんでいるのかもしれないですね。