このブログを始めたきっかけは、贔屓の風呂屋さんの仕事っぷりに感銘を受けたことが大きい。
その風呂屋の近辺は土地柄、風呂屋激戦区である。
何軒か回り今の風呂屋に行き着いた訳だが、何故定期的に通うかと今一度振り返ってみた。
お湯の清潔さも含めた風呂屋としての衛生管理もあるが、店主(齢察するに75~80歳)のお父さん筆頭にパートのおばさんに至るまでの仕事の丁寧さだと思う。
風呂を管理、維持して行く為の所作が好きなのである。
お母さんも番台に座るが、定期的に番台は息子さんやパートのおばさん、お父さんなどと交代する。交代すると必ず浴場に来て風呂桶や椅子を定位置に戻しお湯でカランや床を流す。
その際の物の扱いが丁寧なのである。
ガサガサとせわしなくもなく自然体であるようでかつ意識しての姿はいつもながら美しいと思う。
前にも綴ったが、営業時間は朝6時~夜12時である。
私はどの時間帯もまんべんなく通っているが、時間帯関係なくお湯が綺麗かつ薬風呂の濃度も変わらないことを疑問に思い尋ねたことがあった。
3台の濾過器で常に濾過し循環させていると教えてくれた。
お父さんが、「うちはサウナもないし、店が大きい訳でもないので、せめてお湯や水風呂の水はいつも綺麗なお湯と水
で入って欲しくてね」とおっしゃっていた。
湯船のお湯を常に縁ギリギリまで溢れさせてるのも、お湯が汚れないようにとの配慮であった。
ある日、お父さんが浴場に入ってきてお湯をじっと見つめていた。
何か探し物ですか?と聞いたら、湯垢が浮いてきてないかの確認であった。
濾過器を常時回転させているものの、機械任せにせずご自分の目で正常に濾過しているか確認しているのであった。
こういう姿を見て、自分はいまある仕事に丁寧に向き合っているかと自問自答したりなんかもする。
すると、何か改善策やもっとこうすれば
丁寧かつ正確、迅速にできたのではないかなどヒントが浮かぶ。
風呂でスッキリして、仕事への気付きも与えてくれる贔屓の風呂屋である。