どうして私は母に電話してしまったのだろう?
お昼前に電話して、
電話にはでなかった。
さっき20時頃に電話があって、
出ると母だった。
私が就職したのを知らなくて、
どうしてる?毎日ちゃんと寝て、起きて、食べてるの?
と心配そうに、弱々しく、
それでいて怪訝そうな、
不満や文句をにじませた声口調で聞いきた。
すかさずーでも落ち着いてと思いつつ、
就職したよと一言答えた。
その気持ちには、
母を驚かしてやろうとか、
喜ばして(一瞬でも喜ばして)やろうとかいう気持ちがあった。
また、黙らせたいという気持ちもあった。
もし就職していないとなったら、
私を気遣いながらも、
結局、責めて、責めて、とことん責める言葉を
いやというほど浴びせたあげく、
かんしゃくを起こしながら電話を一方的に切るというのが、
母の常套行為だった。
私は“母”に、理想の母を期待してしまっていた。
私は念願叶って、正社員になれたのに、
苦手な犬が社内にいること、
上司たちと考えが合わないこと、
会社で疎外感を感じていることから、
ストレスが重なって、
精神的に弱っていた。
精神病院にも行った。
そんな話をしたけれど、
やはり結局最後はアドバイスをする形で、
私を責め出し、
かんしゃくを起こして母は一方的に電話を切った。
私は母とそんなやりとりをしたかったわけではない。
母に求めていたのは―
なんだろうか?
それをずっとさっきから考えている。
無理線でええよ。
そんな優しい言葉がほしかったのだ。
母はいつも私に世間でいう理想像、
もしくは這いつくばってがんばる私像を、
私に押し付けた。
「そんな甘い考え、許されないよ。」
それが母の口癖だった。
かと思えば、
「どうしたの~?そんな泣かないの。大丈夫だから。」
と優しい口調で励ましてくれるときもって、
私はその何%かで出る優しい母を来てしてしまってきたのだ。
そうしては、
もう母に母を求めるのはやめなければ、
無理なのだからと自分に言い聞かせて、
母になにができるだろうと考える自分がいた。
やっと最近、母に対して大人に(引いて見れるように)なった私は、
母が、母でいれない理由も知っていて、
そんな期待をすることが、
母にとって苦しいことかもしれないと思い、
それでも寂しい私は、
母に連絡しないようにしてきたというのに。
私は母に連絡してしまっていた。
心の中で正社員にこだわっているのは、
私というより、私の中の過去の母だった。
今の母なら、違う言葉をくれるかも、
がんばりすぎないでいいよーと。
そんな期待をしてしまったのか、
電話したけれど、
絶望的にダメだった。
―――――――――――――――――――――――――
私は精神的にまいっていた。
すぐにでも今の会社をやめたいのに、
やめられないでいるのは、
今の会社に入る前に、
たくさん面接を受けたのに、
どの会社もしっくりこなかたからだ。
しっくりいって、
ぜひ行きたいと思った会社は、
ハードルが高すぎたのか、
断られた。
書類はすぐ通るのに、
面接ですぐ落ちた。
何十社も面接を受けると、
もう見えてきた。
世の中に、
前の会社のように、
自分が水をえた魚のように、
生きてるなぁと感じて、
息をしてすごせる会社は、
そうそうないのではないかと。
正社員をあきらめて、
アルバイトでもいいからと思い始めた矢先に採用された会社が、
今の会社だった。
面接でも、求人でも、
社内に犬がいるとは言われていなかった。
そのことを上司たちは、
あ、言ってなかった、ごめんね~(笑)で済ましていた。
朝礼のときに、下のフロアに集まる。
同じフロアの人が犬を抱えて一緒に移動する。
犬とニアミスするのも
自分にはストレスになっていたので、
他の扉から入ることを上司に打診した。
すると上司はしぶった。
1人だけ特別扱いはできないというような感じで、
う~んと否定的な表情を浮かべた。
そしてはっきりと、ダメと断りを入れた。
「朝ちゃんと来ているか確認できないですし。」
私は、え?と思った。
誰よりもちゃんと来ている。
来ていて、席に座っているのを毎日朝見ているではないか。
同じチームの先輩は、ぎりぎりだったり、
遅れて来たりしているのに。
私が、
「その・・・犬を抱えた人に気を使わせてるなぁと
感じてしまうのもありまして。」
というと、
「それならいいよ。」
とあっさり答えた。
こういうことは二度目だ。
1度目、似たようなことがあった。
プリンターが犬の面倒を見ている人の席の後ろにあった。
犬はその人たちの席の下にいた。
プリンターは他にもあって、
私は(席から少し離れたプリンターを指指し)
あのプリンターから出力されるように設定してもいいかと
上司に訊いた。
上司は、うーん、いや、どうして?とあっさり聞いてきた。
犬が苦手なのをもう忘れてしまったというのだろうか?
ほぼ毎日私が犬と出くわしては、
叫び声をあげてしまったいるのに。
犬がいるのでと、相談した先輩と一緒に答えると、
ああ、(といったものの、それでも)
う~ん、と不満そうな表情を浮かべて、
しぶった。
私は困惑した。
私は犬が苦手なのに、
プリンターを他の場所に設定するのが、
なぜそんなにいけない、しぶることなのか?
「どうかな?◯◯さんに聞いてみないと」
とさらに上の上司の名前を出しかけたところで、
((まさかこんなことも上司に聞かないと許可を出せないのか?
私は半ばあきれていた。
―責任感のなさ加減、その直属の上司に与えられた課長代理という肩書きが、
肩書きだけのものという軽さ加減を感じずにいられなかった。
なんて頼りない上司なんだろう。
不安を覚えた。))
私はとっさに、
「遠くてもいいので、あそこのプリンターへ出しちゃダメですか?」と言うと、
「それならいいよ。」とあっさり答えた。
プリンターの場所は最初打診した場所と同じプリンターだ。
いったいこのやりとりの中で、
なにがあって、許可が下りそうになかったり、
下りたりしたのだろうか。
私は「ありがとうございます。」と言いながら、
内心唖然としていた。
プリンターの出力先一つ決めるのに大事なのかと思いきや、
実はそうではなかった。
上司のさじ加減一つだ。
そして、自分のせいで犬が苦手な人を雇うことになったのに、
かばう気、気遣う気、0か。
私がなにかに心をくだき、
なにかを犠牲にするならよくて、
私の犬が苦手という心が犠牲にされているだけではダメなのか。
私は自分が思ったいた以上に犬によるストレスを感じていた。
以前では、
外で散歩の犬にすれ違えば、
かわいいなと思った。
ところが今では、
写真の犬を見ても、
かわいいと感じられなくなり、
それどころか、
コワイ、気持ち悪いと感じるようにまでなってしまった。
犬を好きな人たちまで苦手だ。
以前はそんなことはなかったのに。
なぜこうなってしまったか、
自分の思うところは、
「なんで犬が嫌いなの?かわいいじゃん」
「餌付けすれば大丈夫だよ」
となんども言われたことと、
そして上司の先のような言動があったことだ。
まったく気遣ってくれていないわけではない。
犬の面倒を見ている女性たちは、
犬が吠えると、「コラ!」と厳しく声をあげる。
そして朝、私が早めに出勤すると、
それを追い抜かして早足で行く人がいる。
あまりに早くかけていったので、
あいさつしそこなっちゃったなと思っていると、
エレベーターのところで出くわした。
「待ってて。待ってて。」
あいさつもそこそこに、待っててを繰り返すので、
最初はなんだろう?と思った。
犬がいるから、自分が抱きかかえるから待っていてほしいということだった。
犬は会長の犬だ。
朝、どうやってつれてこられるのか、
会長のいる階より1つ上の階の
私のいる階に犬は解き放たれていた。
それを制作チームの数名の女性たちが、
好き好んで(だと見るからに思うのだが)面倒を見ている。
昼や夕方に散歩に連れて行ったり、
吠えれば、コラ!と声を上げたり、
朝礼や終礼のときに抱きかかえて参加したり―?ん?
よく考えれば、別につないでおけばいい話だが。
犬は2匹いて、もう一匹はだれか別の偉い人の犬なのだとか。
2匹とも小型犬だけど、
よく吠える。
クライアントと電話もするのだが。
だれかが、
「ああ、犬がいるんですよ、あれ?話してませんでしたっけ?」
と誰にだろう?クライアントにだろうか、
話しているのが聞こえてきた。
私なら、大きめの企業でも、
そんな企業に仕事を任せないなぁと思った。
そんなこんなで、
私は常時、通常なら考えられないストレスに、
常にさらされている上に、
上司が信頼ならなかった。
それ以前に、
入って3日目くらいには、
どうも上司は私のことを信頼していないみたいだというを感じて、
居心地の悪さを感じていた。
採用したのはその上司のはずなのに。
疑われながら生きるってどうだろうか?
私は耐えられない。
疑われているところから、
疑いを晴らすのがどれだけ労力のいることか、
そして難しいことか、
私は知っている。
だからもうごめんだというのがある。
上司は保身ばかりに走っている。
大勢が集まる会議で、今月はどのようなことをしたか、
所感や今後について報告する場がある。
同じチームの先輩が、
自分の案件について報告したあとに、
所感として、
「今月は自分のところに難しいクライアントさんの案件が集まりました。」
と延べ、今後どのようにしていこうとう思うということを述べた。
私はそうかぁ、難しい案件が集まるときもあるのかぁとか、
それでてこずったわけかぁとか、
先輩だからきっと任されたんだろうなぁとかいう風に思っていた。
上司の番になった。
上司は他の人が話した持ち時間の倍以上の長さで、
自分は考えて仕事を振っているということを力いっぱい話した。
「~さんだから、任せたんだし、
だから、
なんにも考えないで、仕事を振っている訳じゃないです。」
そんなようなことを永遠とあらゆる方角から、
言い方を変えて話していた。
言っている内容は同じで、
自分は悪くない、自分は考えて案件を振っているという主張だった。
先の先輩の発表は
別に上司を責めたものでもないし、
考えないで仕事を振っているなんてことは誰も言っていない。
もっと考えて仕事を振ってほしいものですとも述べていない。
上司は勝手に自分が責められていると感じて、
必死に自分は悪くないということをアピールしたのだった。
上司本人も持ち時間を超えて話してしまったことを感じていたようで、
「長くなりましたが、以上です。」
と言った。
私はポカーンとした。
途中からは聞いていなかった。
聞きたくなかった。
自分の直属の上司が、
そんな責任逃れを必死に臆面もなくする人だなんて、
残念すぎる。
自分の評価が気になるならせめて、
上司と上司の上司の面談のときに話せばいいのに。
上司はさらにこんなことも言っていた。
「◯◯(私)さんは、まだ一人前に仕事ができないので、」
私はびっくりした。
入って2ヶ月足らず。
他の人は未経験から入って会社の実務を本格的にするまで時間がかかったという話なのに、
入社2日目にはすでに実務案件に取りかかって貢献した私に、
まだ一人前に仕事ができないと大勢いる前でわざわざ表明したことに。
なんだか面目丸つぶれだし、
まるで仕事ができないような言われようだった。
急にバカらしくなった。
チーム内では仕事ができて助かる、よかったと言われていたのに。
大勢の前ではそんなことを言うのか。
もうよくわからない。
お昼前に電話して、
電話にはでなかった。
さっき20時頃に電話があって、
出ると母だった。
私が就職したのを知らなくて、
どうしてる?毎日ちゃんと寝て、起きて、食べてるの?
と心配そうに、弱々しく、
それでいて怪訝そうな、
不満や文句をにじませた声口調で聞いきた。
すかさずーでも落ち着いてと思いつつ、
就職したよと一言答えた。
その気持ちには、
母を驚かしてやろうとか、
喜ばして(一瞬でも喜ばして)やろうとかいう気持ちがあった。
また、黙らせたいという気持ちもあった。
もし就職していないとなったら、
私を気遣いながらも、
結局、責めて、責めて、とことん責める言葉を
いやというほど浴びせたあげく、
かんしゃくを起こしながら電話を一方的に切るというのが、
母の常套行為だった。
私は“母”に、理想の母を期待してしまっていた。
私は念願叶って、正社員になれたのに、
苦手な犬が社内にいること、
上司たちと考えが合わないこと、
会社で疎外感を感じていることから、
ストレスが重なって、
精神的に弱っていた。
精神病院にも行った。
そんな話をしたけれど、
やはり結局最後はアドバイスをする形で、
私を責め出し、
かんしゃくを起こして母は一方的に電話を切った。
私は母とそんなやりとりをしたかったわけではない。
母に求めていたのは―
なんだろうか?
それをずっとさっきから考えている。
無理線でええよ。
そんな優しい言葉がほしかったのだ。
母はいつも私に世間でいう理想像、
もしくは這いつくばってがんばる私像を、
私に押し付けた。
「そんな甘い考え、許されないよ。」
それが母の口癖だった。
かと思えば、
「どうしたの~?そんな泣かないの。大丈夫だから。」
と優しい口調で励ましてくれるときもって、
私はその何%かで出る優しい母を来てしてしまってきたのだ。
そうしては、
もう母に母を求めるのはやめなければ、
無理なのだからと自分に言い聞かせて、
母になにができるだろうと考える自分がいた。
やっと最近、母に対して大人に(引いて見れるように)なった私は、
母が、母でいれない理由も知っていて、
そんな期待をすることが、
母にとって苦しいことかもしれないと思い、
それでも寂しい私は、
母に連絡しないようにしてきたというのに。
私は母に連絡してしまっていた。
心の中で正社員にこだわっているのは、
私というより、私の中の過去の母だった。
今の母なら、違う言葉をくれるかも、
がんばりすぎないでいいよーと。
そんな期待をしてしまったのか、
電話したけれど、
絶望的にダメだった。
―――――――――――――――――――――――――
私は精神的にまいっていた。
すぐにでも今の会社をやめたいのに、
やめられないでいるのは、
今の会社に入る前に、
たくさん面接を受けたのに、
どの会社もしっくりこなかたからだ。
しっくりいって、
ぜひ行きたいと思った会社は、
ハードルが高すぎたのか、
断られた。
書類はすぐ通るのに、
面接ですぐ落ちた。
何十社も面接を受けると、
もう見えてきた。
世の中に、
前の会社のように、
自分が水をえた魚のように、
生きてるなぁと感じて、
息をしてすごせる会社は、
そうそうないのではないかと。
正社員をあきらめて、
アルバイトでもいいからと思い始めた矢先に採用された会社が、
今の会社だった。
面接でも、求人でも、
社内に犬がいるとは言われていなかった。
そのことを上司たちは、
あ、言ってなかった、ごめんね~(笑)で済ましていた。
朝礼のときに、下のフロアに集まる。
同じフロアの人が犬を抱えて一緒に移動する。
犬とニアミスするのも
自分にはストレスになっていたので、
他の扉から入ることを上司に打診した。
すると上司はしぶった。
1人だけ特別扱いはできないというような感じで、
う~んと否定的な表情を浮かべた。
そしてはっきりと、ダメと断りを入れた。
「朝ちゃんと来ているか確認できないですし。」
私は、え?と思った。
誰よりもちゃんと来ている。
来ていて、席に座っているのを毎日朝見ているではないか。
同じチームの先輩は、ぎりぎりだったり、
遅れて来たりしているのに。
私が、
「その・・・犬を抱えた人に気を使わせてるなぁと
感じてしまうのもありまして。」
というと、
「それならいいよ。」
とあっさり答えた。
こういうことは二度目だ。
1度目、似たようなことがあった。
プリンターが犬の面倒を見ている人の席の後ろにあった。
犬はその人たちの席の下にいた。
プリンターは他にもあって、
私は(席から少し離れたプリンターを指指し)
あのプリンターから出力されるように設定してもいいかと
上司に訊いた。
上司は、うーん、いや、どうして?とあっさり聞いてきた。
犬が苦手なのをもう忘れてしまったというのだろうか?
ほぼ毎日私が犬と出くわしては、
叫び声をあげてしまったいるのに。
犬がいるのでと、相談した先輩と一緒に答えると、
ああ、(といったものの、それでも)
う~ん、と不満そうな表情を浮かべて、
しぶった。
私は困惑した。
私は犬が苦手なのに、
プリンターを他の場所に設定するのが、
なぜそんなにいけない、しぶることなのか?
「どうかな?◯◯さんに聞いてみないと」
とさらに上の上司の名前を出しかけたところで、
((まさかこんなことも上司に聞かないと許可を出せないのか?
私は半ばあきれていた。
―責任感のなさ加減、その直属の上司に与えられた課長代理という肩書きが、
肩書きだけのものという軽さ加減を感じずにいられなかった。
なんて頼りない上司なんだろう。
不安を覚えた。))
私はとっさに、
「遠くてもいいので、あそこのプリンターへ出しちゃダメですか?」と言うと、
「それならいいよ。」とあっさり答えた。
プリンターの場所は最初打診した場所と同じプリンターだ。
いったいこのやりとりの中で、
なにがあって、許可が下りそうになかったり、
下りたりしたのだろうか。
私は「ありがとうございます。」と言いながら、
内心唖然としていた。
プリンターの出力先一つ決めるのに大事なのかと思いきや、
実はそうではなかった。
上司のさじ加減一つだ。
そして、自分のせいで犬が苦手な人を雇うことになったのに、
かばう気、気遣う気、0か。
私がなにかに心をくだき、
なにかを犠牲にするならよくて、
私の犬が苦手という心が犠牲にされているだけではダメなのか。
私は自分が思ったいた以上に犬によるストレスを感じていた。
以前では、
外で散歩の犬にすれ違えば、
かわいいなと思った。
ところが今では、
写真の犬を見ても、
かわいいと感じられなくなり、
それどころか、
コワイ、気持ち悪いと感じるようにまでなってしまった。
犬を好きな人たちまで苦手だ。
以前はそんなことはなかったのに。
なぜこうなってしまったか、
自分の思うところは、
「なんで犬が嫌いなの?かわいいじゃん」
「餌付けすれば大丈夫だよ」
となんども言われたことと、
そして上司の先のような言動があったことだ。
まったく気遣ってくれていないわけではない。
犬の面倒を見ている女性たちは、
犬が吠えると、「コラ!」と厳しく声をあげる。
そして朝、私が早めに出勤すると、
それを追い抜かして早足で行く人がいる。
あまりに早くかけていったので、
あいさつしそこなっちゃったなと思っていると、
エレベーターのところで出くわした。
「待ってて。待ってて。」
あいさつもそこそこに、待っててを繰り返すので、
最初はなんだろう?と思った。
犬がいるから、自分が抱きかかえるから待っていてほしいということだった。
犬は会長の犬だ。
朝、どうやってつれてこられるのか、
会長のいる階より1つ上の階の
私のいる階に犬は解き放たれていた。
それを制作チームの数名の女性たちが、
好き好んで(だと見るからに思うのだが)面倒を見ている。
昼や夕方に散歩に連れて行ったり、
吠えれば、コラ!と声を上げたり、
朝礼や終礼のときに抱きかかえて参加したり―?ん?
よく考えれば、別につないでおけばいい話だが。
犬は2匹いて、もう一匹はだれか別の偉い人の犬なのだとか。
2匹とも小型犬だけど、
よく吠える。
クライアントと電話もするのだが。
だれかが、
「ああ、犬がいるんですよ、あれ?話してませんでしたっけ?」
と誰にだろう?クライアントにだろうか、
話しているのが聞こえてきた。
私なら、大きめの企業でも、
そんな企業に仕事を任せないなぁと思った。
そんなこんなで、
私は常時、通常なら考えられないストレスに、
常にさらされている上に、
上司が信頼ならなかった。
それ以前に、
入って3日目くらいには、
どうも上司は私のことを信頼していないみたいだというを感じて、
居心地の悪さを感じていた。
採用したのはその上司のはずなのに。
疑われながら生きるってどうだろうか?
私は耐えられない。
疑われているところから、
疑いを晴らすのがどれだけ労力のいることか、
そして難しいことか、
私は知っている。
だからもうごめんだというのがある。
上司は保身ばかりに走っている。
大勢が集まる会議で、今月はどのようなことをしたか、
所感や今後について報告する場がある。
同じチームの先輩が、
自分の案件について報告したあとに、
所感として、
「今月は自分のところに難しいクライアントさんの案件が集まりました。」
と延べ、今後どのようにしていこうとう思うということを述べた。
私はそうかぁ、難しい案件が集まるときもあるのかぁとか、
それでてこずったわけかぁとか、
先輩だからきっと任されたんだろうなぁとかいう風に思っていた。
上司の番になった。
上司は他の人が話した持ち時間の倍以上の長さで、
自分は考えて仕事を振っているということを力いっぱい話した。
「~さんだから、任せたんだし、
だから、
なんにも考えないで、仕事を振っている訳じゃないです。」
そんなようなことを永遠とあらゆる方角から、
言い方を変えて話していた。
言っている内容は同じで、
自分は悪くない、自分は考えて案件を振っているという主張だった。
先の先輩の発表は
別に上司を責めたものでもないし、
考えないで仕事を振っているなんてことは誰も言っていない。
もっと考えて仕事を振ってほしいものですとも述べていない。
上司は勝手に自分が責められていると感じて、
必死に自分は悪くないということをアピールしたのだった。
上司本人も持ち時間を超えて話してしまったことを感じていたようで、
「長くなりましたが、以上です。」
と言った。
私はポカーンとした。
途中からは聞いていなかった。
聞きたくなかった。
自分の直属の上司が、
そんな責任逃れを必死に臆面もなくする人だなんて、
残念すぎる。
自分の評価が気になるならせめて、
上司と上司の上司の面談のときに話せばいいのに。
上司はさらにこんなことも言っていた。
「◯◯(私)さんは、まだ一人前に仕事ができないので、」
私はびっくりした。
入って2ヶ月足らず。
他の人は未経験から入って会社の実務を本格的にするまで時間がかかったという話なのに、
入社2日目にはすでに実務案件に取りかかって貢献した私に、
まだ一人前に仕事ができないと大勢いる前でわざわざ表明したことに。
なんだか面目丸つぶれだし、
まるで仕事ができないような言われようだった。
急にバカらしくなった。
チーム内では仕事ができて助かる、よかったと言われていたのに。
大勢の前ではそんなことを言うのか。
もうよくわからない。