経済学の本の書評を集めた本を読んでいて、伊藤誠氏がたくさん取り上げられていたのがとても興味深かった。小生にとっては伊藤氏といえば正統的な宇野派の後継者であるとおもっていたので、近代経済学の本も書評されているなかで多く取り上げられているのが興味深かった。
それはそれとして驚いたのは、Wikipediaの伊藤氏のところに、1990年代には労農派と講座派の対立が解消したようなことが書いてあることだ。
本当か?小生の印象は例えばMEGAの研究に労農派の人たちはかかわっていないと思うのだが。
労農派の人たちはわりと社会党系の活動フィールドで政策へのコミットメントなどもしていたように思う。
当然のことながら、講座派の人たちの足場は(他から見ると)訓詁学的なMEGAの読解だったように感じている。
どうなんだろう。伊藤氏個人として、もしかしたら講座派の人たちとの共同研究などがあったのかもしれないとは思う。おそらくは東京大学などではそのくらいしないと、とても経済学部の中でマルクス主義経済学の立場を守れなかったのではないだろうか。そういった人レベルでのなんらかの交流はあったかもしれないが、理論的、というかアプローチ自体が全く異なる宇野派と講座はが交わることは政治的にもあり得ないのではないだろうか?
疑問が多いWikipediaの記述であった。