小父さんから

ミーハー小父さんの落書き帳

高丘コミセン 高齢者大学 「ものづくりから始める理科・エチオピア、パキスタン、マラウイ」  大西寛先生

2018年10月24日 | 生涯学習


下の写真はクリックで拡大

  大西先生はJICA青年海外協力隊の理数科教師として  マラウイに(1994-1996年)、JICAシニアボランティアで理科教育で  パキスタン(2006-2008年)へそして同じくシニアボランティアでの理科教育で  エチオピア(2015-2017年)に赴かれた貴重な経験を話された。

 マラウイで我々に親しみが持てるものとしてはマラウイ湖の  淡水熱帯魚くらいだが、この国には理科の教師がいないので男子高校で物理と化学を担当した。農業国なので物理、化学を学んでも就職先がないとか。生物学とか農業の中に理科も含まれているが、教科書が存在したとしても1クラス40人に教科書5冊なんて状態。生徒には卒業時に国家試験が課せられ、合格しないと卒業できないので丸暗記勉強は必死。17歳は一人だけで、残りは半分以上が20歳より上で仕事持ち。授業料ができたらまた学校に戻ってくるような繰り返し。

 パキスタンは現在のアフガニスタン東部からパキスタン北西部にかけて存在した古代王国で昔流行った歌♪ガンダーラの中では夢の国をインドみたいに唄っているがそれは嘘(笑)。大インドという意味では合っているけど・・・。三蔵法師が行ったのもこのパキスタンで大乗仏教の発祥地とか。現在はほとんどがイスラム教徒。

 この国では、ラホール教育大学という教員養成の短大に行った。ここは女子大で教員の男性も自分一人だった。パキスタンでは理科で実験や観察を全くしない。実験道具はロッカーの中に鍵かけて仕舞われっ放し。もし実験具を使って壊れたり無くなったりすると教師の責任になる!そんなわけで20年が過ぎていた。学長からの要請はペットボトルとか空き缶など壊れてもいいもので実験をすること。なぜだ?と問うと「お前は一体何をしに来たんだ」という態度をとられたので、逆らわずにプライドに傷をつけないように努めた。「小学生みたいだ」と言われてみたり「お前の英語はひどすぎる」とかで苦労をした。 

   エチオピアからは昨年の夏に戻った。首都のアディスアベバは標高 2,355 m に位置する。常春で1年間気温は20度。アディスアベバとはアムハラ語で「新しい花」を意味するが、朝顔が種を作らない(寒くなるとか、乾燥してくるような危機がないと種を作らない)。 紫外線は強いし、酸素が少ない。

 ここでは日本で言う教育委員会に勤めた。
 エチオピアに関わるヒととモノ(下記によりクイズ形式)。

初のオリンピック金メダリスト

  世界で最も有名な化石人骨 Lucy In The Sky With Diamonds (1967) -The Beatles
 当時流行していたビートルズのこの曲にちなんでこの名が付いたそうな。このCDを先生が流された(笑)。他にはシバの女王にアイーダ、ボブマリーの曲も。
  
 旧約聖書に記された伝記の女王

 古代エジプト軍司令官との恋に落ちたエチオピアの女王
 最も有名なレゲエミュージッシャン

 エチオピア、カフカ地方が原産地

 エチオピアの活動としては・・・
  理科は実学 ↔ 学んだことと身の回りの現象との関連がつけられない
  教科書にも問題点 → 代案を示してやってみせる
  現地で手に入れるマテリアル探し
  グループ活動 ボランティアのスキルアップも目的
  間違いを恐れず全員が参加する活動
 

 上記が前半の授業の主なもの。コーヒータイムを挟んで後半を前半の倍くらいのユーモアたっぷりの話題の後、理科の小実験もあった。

 本当に、今日はあっという間に終わったように感じた。大西先生、気軽に話されていたようにも見えましたが、マイクも使わずに額に汗されての名講義、誠に有難うございました。
 
 
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 駅伝 骨折選手の四つんばい... | トップ | いじめ認知件数41万超 過去最... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
イジーさんへ (小父さん)
2018-10-25 19:59:09
>日本やアメリカに住んでいるものは 貧しいと言っても 大した事ないですよね

たぶん、そういうことでしょう!

>安心して水も飲めるし 教育も受けられるし、、、

これが文明のスタートラインな気がします。

>婿がアフリカやアフガニスタンにいくのも そういった慈善活動です

うわっ、そうなんですか!
私の身の回りににはそういう人が居ませんので凄いと思います。
このJICAシニアボランティアですら尊敬しますね。

>彼はアフリカ出身で父親を戦争で亡くし母親の勧めでアメリカにいる叔父さん家族の元に来て

なるほど。
世界中の若者がアメリカを目指す理由が理解出来る気がします。
返信する
reeさんへ (小父さん)
2018-10-25 19:50:34
>実は私たち夫婦、インド人である父ちゃんの部下の結婚式に招待されたんですよ。

お~っ、面白そうですね。
兄貴も言っていたし、近所の海外旅行家もインドの持つパワーを語ってますね。
そうそうITの世界でもインド人の才能が発揮されているんですね!

>女性にとって、性犯罪大国インドは怖いです。

わっはっはっは、結婚式に参列してそのような犯罪には巻き込まれないでしょう。

上の大西先生はアフリカとパキスタンしか行っていませんよ。
上には書き忘れましたが、三カ国共、授業はすべて英語だそうです。

パキスタンでは「お前の英語はひどすぎる」と言われたそうですが「そういうあなた方(独特の英語)には言われたくない!」と思ったけど、我慢していたそうです(笑)

シバの女王になかにし礼の訳詞があったんですね!
この日流されたCDと私が知っていたのはポール・モーリアのバンドのメロデイでした。
返信する
Unknown (イジー)
2018-10-25 08:26:04
全世界をかんがえると 日本やアメリカに住んでいるものは 貧しいと言っても 大した事ないですよね
安心して水も飲めるし 教育も受けられるし、、、

婿のお父さんがアフリカに医療物資や教育に必要なものを送る活動をしています
婿がアフリカやアフガニスタンにいくのも そういった慈善活動です

ちょっと前に店にアイオワ州立大学で数年前バスケをプレイしていた選手がサインをする為着ていたんですよ
彼はアフリカ出身で父親を戦争で亡くし母親の勧めでアメリカにいる叔父さん家族の元に来てそれまでした事もなかったバスケをはじめ 奨学金で大学に進まれたんです。

返信する
Unknown (ree)
2018-10-25 03:05:48
この講義は面白そうです。
実は私たち夫婦、インド人である父ちゃんの部下の結婚式に招待されたんですよ。
お嫁さんになる人もインド人で、結婚式はインド!!
お金があったら行くか?って父ちゃんに聞かれた時に、どんなにお金と時間があってもインドだけは行きたくない、って答えたんです。
女性にとって、性犯罪大国インドは怖いです。

話が逸れてしまいましたが、中東って貧富の差がものすごく激しいじゃないですか?
私にはよく分かりませんが、そう言うところで物を教えるって事、すごく大変な事と思うんですよね。
先生は現地の言葉も学ばれたんですよね?
すごいなぁ~。

シバの女王、懐かしいです!!
あーなたゆえ、狂おしく・・・が出だしでしたよね~。
返信する

コメントを投稿

生涯学習」カテゴリの最新記事