小父さんから

ミーハー小父さんの落書き帳

余録 /  要するにナイナイづくしの反対… / 毎日新聞

2024年01月11日 | オピニオン
「なみだ恋」の歌碑を除幕式に参加した八代亜紀さん(右端)=山口県防府市松崎町の防府天満宮で、2020年2月2日午後2時21分、脇山隆俊撮影

毎日新聞 2024/1/11 東京朝刊

 「要するにナイナイづくしの反対……。簡単なことなのにそれを思いつかないのがくやしいね」。「お酒はぬるめの燗(かん)がいい」から始まる八代亜紀さんの「舟唄」。そんな感想を阿久悠さんに伝えたのは倉本聰さんだった

▲倉本さんが脚本を手がけた映画「駅 STATION」には3度も「舟唄」が使われた。「この歌好きなのよ」。居酒屋の店主役の倍賞千恵子さんが警察官役の高倉健さんに語りかける

▲1979年末の紅白歌合戦の大トリで熱唱する姿も登場した。あのハスキーボイスがなければ、セリフに実感が伴わなかったろう。「この歌を歌う八代亜紀は絶品である」。当初は美空ひばりさんをイメージして詞を書いたという阿久さんの言葉だ

▲「なみだ恋」や「雨の慕情」で一時代を築いた「演歌の女王」が73歳で亡くなった。「悲しい歌は好きだけど、ひとりぼっちは嫌い」という外向的性格。全国の女性刑務所を訪問し、自分の歌を人生に刻んだ受刑者らと交流を重ねた

▲この10年あまり、クラブ歌手時代から歌い続けてきたジャズやブルースの名曲を集めた作品を発表し、昭和の歌手の実力に改めて注目が集まった

▲8年前の音楽ビデオ「スイートホーム クマモト」は故郷・熊本県八代市の老舗キャバレーで撮影された。歌手になりたい一心から10代で舞台に立ち、父親に叱られたという思い出の地。ファンの声援を浴び、ちゃめっ気たっぷりに歌うブルースは生き生きとしていた。若くして天職を見つけた人生だったのだろう。

 私は彼女のファンでもないのだが、昨日の「徹子の部屋」の追悼番組も観たし、ヒット曲を幾つも飛ばしていたので歌も自然に覚えていた。コラムの書き出しの「要するにナイナイづくしの反対……。の意味も歌詞を読んだらわかった(笑)。

 とても苦労して大歌手になり、女性刑務所の訪問ほかのボランティアをされていたことも今初めて知った。謹んでお冥福をお祈りします。

 初めて聞いた音楽ビデオ「スイートホーム クマモト」のYou Tubeを見つけたので下に添付します。




 八代亜紀 / Sweet Home Kumamoto
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