-ALKAN-

しどろもどろでも声は出るなり。

帰ってこいヨッパライ!

2017-12-03 07:18:35 | 日記
 はしだのりひこさんが亡くなった。72歳。

パーキンソン症で十年間も闘病なさっていたとか。知りませんでした。

 はしだのりひこ、と言われてもピンとこない人も、若い人には多かろうと思いますが、なんだか、フラフラとした回転数のおかしい伴奏に乗った、『おらは死んじまっただぁ~』 という、これもまた回転数のおかしい歌声とフレーズは、どこかで聴いたことがあるのではないでしょうか。

 1967年、フォーククルセダース、と言うフォークユニットが出来たのは京都。私はすっかりおふざけバンドだと思っていました。なんせ、帰って来たヨッパライですから。

 ある酔っ払いのおっさんが、天国でも大酔っ払いして、神様に呆れられ、天国から出ていけ!と言われて生き返る、という。まことふざけたお内容。

「天国いいとこ一度はおいで、酒はうまいしねーちゃんはキレイだ、ファーファーファファー」と。死生観すら馬鹿にしているかのよう。

 しかしそれが流行した1967年と言う年を考えると、世界はまさに冷戦下ベトナム戦争真っ只中。命がこんなに粗末にされる事がまかり通るならば、天国なんて大した場所じゃない。酒かっ食うて、しんどなったら、ちゃっちゃと階段おりて帰ってこれる。 そんな程度でええのちゃう? という、ある意味辛辣なメッセージにも思えます。

 その後、イムジン河が放送禁止になり、そのテープを逆再生したメロディーをモチーフにつくったのが『悲しくてやりきれない』。米ソの軍拡競争に歯止めが付かず、この世界は破滅に向かっている。どんなにはしゃごうが、どんなに怒ろうが、この流れを見る限り、悲しくて悲しくて、全くやりきれない。このやるせないもやもやを、いったい誰に伝えればいいのか? と。まったくおふざけバンドではなかったんだと、改めて感じるのです。

 ミュージシャンは、一筋縄ではいかない、くせ者が多いと思うのですが、信念はしっかり持った人が多い。私も、やはりミュージシャンになりたい。

 音楽なんかわからなくても、誰にも理解されなくても、ミュージシャンにはなれる。それは、自己満足と言われるかもしれないけど、自己満足をもし突き詰めたら、それは立派なメッセージになると、私は思うのです。

 死ぬのは悲しい事。だから誰も何か、アイム ヒヤーなメッセージを残したい。それは寂しいからかもしれないし、怖いからかもしれない。だがあの時代、死ぬのすら茶化してしまわざるを得なかった、クルセダースは、はしだ氏はその上、何処に対して何を言いたかったのだろう。

 それを説明してくれるため、帰ってこい、ヨッパライ!

 ご冥福をお祈りします。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« サンタクロースは本当にいる... | トップ | 週末の、無収入での過ごし方... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿