◎半導体株安が主導、悪材料出れば日経平均3万5000円も
<SMBC信託銀行 投資調査部長 山口真弘氏>
きょうの市場は半導体セクターが主導して相場を押し下げている。ディフェンシブ銘柄は買われているので全面安とはなっていないが、地合いは悪く、先行きも上値の重い展開となりそうだ。米国の関税政策については、4月に相互関税が導入されるとみられ、依然として不透明感が残っているほか、半導体株が調整となると日経平均の指数としては上方向を試しづらいだろう。
外需株が手掛けにくい中で相対的に内需系の銘柄が物色されやすい局面だが、相場を押し上げる要因にはなりにくい。目先については、米国の関税強化の動きが一段と進んだり、為替が急激に円高に振れたりするなど悪材料が出た場合は、日経平均が3万5000円程度まで下がる可能性もあるとみている。
◎下落トレンドに転換、3万6000円割れも意識
<松井証券 シニアマーケットアナリスト 窪田朋一郎氏>
日経平均は10月安値を割り込み、完全に下落トレンドになった印象がある。来週にかけ、下値模索になる可能性が高いだろう。
エヌビディアの決算自体は非常に良かったが、中国AI(人工知能)ディープシークの台頭以降、AIのコモディティ化が警戒されている。マイクロソフトなどによるデータセンター投資の縮小も懸念され、業績のピークアウト感を強めた。中国への米高関税は、一部中国製部品を製品に組み込むエヌビディアの利益率に影響しかねないともみられている。
いまのところAI関連と暗号資産関連の下落が中心で、ディフェンシブ株は持ちこたえている。ただ、どれだけ耐え続けられるかは危うい。米市場では、高金利の影響でAI関連以外は傷んでいる。AIが崩れると相場の柱を失う可能性がある。
テクニカル的には、昨年8月の暴落の際に下支えになった24カ月移動平均線(3万5770円付近)まで、下値めどは見当たらない。2月の下げ局面で押し目買いに伴う信用買い残が増えたことは需給的な重しになる。日経平均は3万6000円割れも意識されてきそうだ。
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