2025年3月3日~2025年3月7日
更新 : 2025/2/28 18:00
(通常毎週金曜日夜更新)
日経平均3万7,000円割れ、五里霧中も冷静な対応を
今週の株式見通し
主要指標の推移 | 日経平均株価 | 37155.50 (前週末比 -1,621.44) | TOPIX | 2682.09(前週末比 -54.44) |
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東京株式市場では28日に日経平均株価は前日比で一時1,416円値下がりし、3万7,000円を割り込んだ。AI(人工知能)バブル崩壊への不安に、折からの米経済の減速懸念やトランプ大統領の関税政策が追い打ちをかけた。来週も視界の晴れない状況が続く可能性があるものの、ここは冷静に対処したい。
今週決算を発表した米エヌビディアは、高いコンセンサスのハードルを上回る収益の実績と見通しを打ち出したにもかかわらず、株式市場の反応は極めてシビアなものになった。直近の四半期での粗利益率低下を一点の曇りと受け止める向きもあるが、より悪いシナリオはAIに付随する半導体やデータセンター株の相場終えんだ。過去1~2年の関連銘柄の大幅な上昇はバブルとも言えるため、ひとたびはじければ底なしになりかねない。
マーケットは今、そうした恐怖感に駆られた状態にあり、VIX指数(恐怖指数)も上昇してきている。AI・半導体株の中には日経平均寄与度の大きい値がさ株も多く、ヘッジファンドによる株価指数先物への売り仕掛けが響きやすい。いずれにしても、典型的なろうばい売りだ。
ただし、実態に目をやるとエヌビディアの業績は好調そのもので、中国製の「ディープシーク」台頭を受けても同社製チップの需要は旺盛だ。市場の過剰な期待を冷却する期間は必要かもしれないが、AIを取り巻く産業が有望である点に変わりはない。トランプ関税については、18年の米中貿易戦争を参考にすれば、発動と同時に株式市場が底を打つ傾向にあった。
もっとも、日経平均は昨年10月の安値3万7651円を大きく下回り、ボックスレンジを下抜けした。売買代金に大きな変化がないことを踏まえると、セリングクライマックスには至っていない。日経平均の予想レンジは3万6,500~3万7,500円とする。
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