「先天性心疾患」国際シンポ 注目集めた再生医療・大規模遺伝子解析
産経新聞 8月15日(木)7時55分配信
国内外の心臓病の子供たちを救う「明美ちゃん基金」(産経新聞社提唱)が適用された「第7回先天性心疾患の成因と形態形成に関する国際シンポジウム」が先月行われ、最先端の研究が次々発表された。注目されたのは、再生医療と、大規模ゲノム(全遺伝情報)解析による遺伝子の働きの解明だった。
昭和53年に行われた第1回シンポ。当時は、妊娠中の薬剤摂取が先天性心疾患の発生にどう影響するかを解明する、といった研究などが中心だったという。
それから35年がたち、研究は大きく変わった。
シンポ初日の基調講演で、米グラッドストーン研究所のディーパック・スリバスタバ教授は、人の心臓に存在する「線維芽細胞」に5種類の遺伝子を導入することで、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を経由せずに、心筋細胞を作製することに成功したと発表した。
同様の研究内容を慶応大の家田真樹特任講師らも米科学アカデミー紀要に発表して話題を呼んだ。スリバスタバ教授は家田特任講師の留学中の研究指導者だった。
基調講演の座長を務めた慶応大の山岸敬幸(ひろゆき)准教授は「これならiPS細胞を体外で作製して心筋に分化させる方法と違い、患者の心臓内で直接心筋細胞を作製できる。将来の心臓の再生治療につながる近道かもしれない」と期待する。
米ピッツバーグ大のセシリア・ロー教授は、薬剤で人為的に先天性心疾患を起こしやすくしたマウスの胎仔約6万7千匹をエコーなどで解析。うち心臓など臓器の位置が入れ替わる「内臓錯位症候群」などを持って生まれた全マウスの遺伝子解析を行った結果、気管などの細胞表面に密生する極めて小さな短い毛「繊毛」に関連する遺伝子の異常を多数見つけた。この遺伝子が先天性心疾患の病因に重要な役割を果たしている可能性があるという。
3日間の全日程で発表された研究は計38。長野県立こども病院循環器小児科の安河内聡部長は「世界の研究者がこれほど集まり、最新研究を発表するシンポは類を見ない。今後のシンポへの期待は大きい」と話している。
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