マウスで学習記憶力が回復=ヒトES細胞で移植実験―米大学
時事通信 4月29日(月)17時20分配信
ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)を脳神経細胞の前段階の細胞に変え、マウスの脳に移植して学習や記憶の能力をある程度回復させることに成功したと、米ウィスコンシン大の研究チームが米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー電子版に発表した。
アルツハイマー病などの発症メカニズム解明に役立つほか、将来は人工多能性幹細胞(iPS細胞)を利用した再生医療につながると期待される。
ヒトのES細胞は不妊治療で余った受精卵から作られ、体のさまざまな細胞に変わる能力がある。研究チームは薬剤で、神経伝達物質のアセチルコリンやガンマ・アミノ酪酸(GABA)によって働く脳神経細胞の前段階の細胞に、効率良く変える技術を開発した。
脳で学習や記憶を担う海馬は、「内側中隔核」と呼ばれる部分と密接に連携しており、研究チームは薬剤でマウスのこの部分が機能しないよう処置し、学習や記憶の能力を失わせた。次に、脳神経細胞の前段階の細胞を海馬に移植すると、学習・記憶能力の回復がみられた。
将来の再生医療実現に向けては、ES細胞やiPS細胞を、ほぼ完全に脳神経細胞の前段階の細胞に変える技術や、最も効果的な移植のタイミングや部位の解明が必要という。
学習・記憶能力の回復ぶりをみる実験は、マウスをプールで泳がせ、水面下の足場の位置を覚えさせてから再度泳がせ、足場に泳ぎ着くまでの時間を測定する標準的な方法で行った。
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