何年か前、スノーボードに夢中だった息子がスノーボード用アクセサリについて、あるアイデアを思い付いた。非常に良いアイデアだったので、わたしは自分の膨大な空き時間を使ってそれを製品化した。
本稿を書いている今、製品の第一陣が製造されつつある(読者にスポーツ用品またはアウトドア用品店の関係者がいれば連絡されたし)。
アイデアから設計、試作品開発、製品化に至るまで、すべてはMSP(Management Service Provider)を通じて行った。しかしわたしは、設計やツールの技術者、特許弁護士、そしてMSPにも直接会ったことがない。知っているのは彼らの名前と、ボイスメールや電子メールのアドレスのみ。それでも世界中すべてに手が届くのは、インターネット時代の素晴らしい点だ。
われわれがITの責任者としてITサービス事業者やIT MSPを選ぶ場合にも、同様の選択肢があるといえる。ネットワーク設計、監視、管理、電子メール管理のアウトソーシング、ストレージサービスに至るまで、すべて自分の席を離れることなく利用できる。
IT MSPの選定に当たっては、わたしは次の2点に着目する。
・IT MSPの評判をチェックする――そして、プラス評価だけに偏らないよう、顧客リスト全体から選び出した照会先に電話をかける
・そのIT MSPが使っている技術の中身を調べ、社内システムが質の高い業界標準技術で構成されているか確認する
しかし、そこまでしても、外部のIT MSP利用に課題がないわけではない。
わたしは通常、自社にとってミッションクリティカルな業務提供のためにIT MSPを利用する。その結果、自社の社内サービスを管理しながら、IT MSPの選定と管理も行わなければならない。外部の電子メールサービスがダウンすれば、社内の電子メールサービスに障害が起きた場合と同様に自分の首が危うくなるからだ。
次に、IT MSPを使う場合、自社のサービスがどう管理されているかが見えなくなる。IT MSPの社内プロセスがその場しのぎだったとしても、サービスが失敗するまではそのことが分からないかもしれない。これは好ましい状況とはいえない。
問題に見舞われた経験もある。わたしが初めてIT MSPを使ったときは、双方とも契約を通してしか関係を管理していなかった。協力関係もなければ、双方にとってのメリットを考えもせず、契約を解消できるまでに2年間という長期の交渉期間を要した。
避けられない課題に対応するため、そして苦労して得た経験から、わたしは非常に重要な教訓を学び、IT MSPの選定と管理にそれを生かしている。その教訓とは「IT MSPは自分の部下の延長である」というものだ。
これは実際にどのような意味を持つのか。
最も重要なことは「プロダクションシステムに変更を加える場合、IT MSPにわれわれのプロセスを使ってほしい」ということだ。このプロセスはわたしが何年もかけて調整してきたもので、人為的ダウンタイムは70%削減できると分かっている。また、アップタイムの向上に非常に役立つので、IT MSPがわが社のために運営するプロダクションシステムにもこのプロセスを使ってほしいと考える。そしてわたしと同じように、このプロセスの利用状況を記録してほしい。
プロセスは以下の通りだ。
・スタッフ会議を開く場合はIT MSPにも出席を求める
単に出席してもらうだけでなく、両者の関係を維持発展させるため、学ぶ経験と率直な質問を共有してもらう。
・IT MSPにわが社のサービスレベルの定義と測定方法の採用を求める
IT MSPが用いる方法が優れていると分かった場合は、IT MSPのアプローチを採用する。重要なのは、われわれの方法が一貫性と普遍性を持つことだ。
・IT MSPは部下の延長なので、協力してシームレスなエスカレーションパスを定義・導入する
もしサービスに問題があれば、IT MSPのものであれ自社のものであれ、チームとしてその問題に取り組み、責任追及は避ける。わたしの経験では、責任の追求で当面の問題が解決したことはなく、根本のプロセスが改善したこともない。
IT MSPを部下の一員として扱えば、よい効果が表れるだろう。例えば、わたしはネットワーク管理の一部を外部委託したことがある。そのとき、われわれはIT MSPのエンジニアを社員のように遇した。計画は一緒に立て、ネットワークに変更を加えるたびにオープンなコミュニケーションを取り、通信事業者との会議にも同席してもらった。
IT MSPに対し、以上のようなアプローチをとれば、世界レベルの専門技術を利用できる。そして、わたしはよく眠れるようになり、契約条件のチェックに費やす時間が大幅に減った。
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本稿を書いている今、製品の第一陣が製造されつつある(読者にスポーツ用品またはアウトドア用品店の関係者がいれば連絡されたし)。
アイデアから設計、試作品開発、製品化に至るまで、すべてはMSP(Management Service Provider)を通じて行った。しかしわたしは、設計やツールの技術者、特許弁護士、そしてMSPにも直接会ったことがない。知っているのは彼らの名前と、ボイスメールや電子メールのアドレスのみ。それでも世界中すべてに手が届くのは、インターネット時代の素晴らしい点だ。
われわれがITの責任者としてITサービス事業者やIT MSPを選ぶ場合にも、同様の選択肢があるといえる。ネットワーク設計、監視、管理、電子メール管理のアウトソーシング、ストレージサービスに至るまで、すべて自分の席を離れることなく利用できる。
IT MSPの選定に当たっては、わたしは次の2点に着目する。
・IT MSPの評判をチェックする――そして、プラス評価だけに偏らないよう、顧客リスト全体から選び出した照会先に電話をかける
・そのIT MSPが使っている技術の中身を調べ、社内システムが質の高い業界標準技術で構成されているか確認する
しかし、そこまでしても、外部のIT MSP利用に課題がないわけではない。
わたしは通常、自社にとってミッションクリティカルな業務提供のためにIT MSPを利用する。その結果、自社の社内サービスを管理しながら、IT MSPの選定と管理も行わなければならない。外部の電子メールサービスがダウンすれば、社内の電子メールサービスに障害が起きた場合と同様に自分の首が危うくなるからだ。
次に、IT MSPを使う場合、自社のサービスがどう管理されているかが見えなくなる。IT MSPの社内プロセスがその場しのぎだったとしても、サービスが失敗するまではそのことが分からないかもしれない。これは好ましい状況とはいえない。
問題に見舞われた経験もある。わたしが初めてIT MSPを使ったときは、双方とも契約を通してしか関係を管理していなかった。協力関係もなければ、双方にとってのメリットを考えもせず、契約を解消できるまでに2年間という長期の交渉期間を要した。
避けられない課題に対応するため、そして苦労して得た経験から、わたしは非常に重要な教訓を学び、IT MSPの選定と管理にそれを生かしている。その教訓とは「IT MSPは自分の部下の延長である」というものだ。
これは実際にどのような意味を持つのか。
最も重要なことは「プロダクションシステムに変更を加える場合、IT MSPにわれわれのプロセスを使ってほしい」ということだ。このプロセスはわたしが何年もかけて調整してきたもので、人為的ダウンタイムは70%削減できると分かっている。また、アップタイムの向上に非常に役立つので、IT MSPがわが社のために運営するプロダクションシステムにもこのプロセスを使ってほしいと考える。そしてわたしと同じように、このプロセスの利用状況を記録してほしい。
プロセスは以下の通りだ。
・スタッフ会議を開く場合はIT MSPにも出席を求める
単に出席してもらうだけでなく、両者の関係を維持発展させるため、学ぶ経験と率直な質問を共有してもらう。
・IT MSPにわが社のサービスレベルの定義と測定方法の採用を求める
IT MSPが用いる方法が優れていると分かった場合は、IT MSPのアプローチを採用する。重要なのは、われわれの方法が一貫性と普遍性を持つことだ。
・IT MSPは部下の延長なので、協力してシームレスなエスカレーションパスを定義・導入する
もしサービスに問題があれば、IT MSPのものであれ自社のものであれ、チームとしてその問題に取り組み、責任追及は避ける。わたしの経験では、責任の追求で当面の問題が解決したことはなく、根本のプロセスが改善したこともない。
IT MSPを部下の一員として扱えば、よい効果が表れるだろう。例えば、わたしはネットワーク管理の一部を外部委託したことがある。そのとき、われわれはIT MSPのエンジニアを社員のように遇した。計画は一緒に立て、ネットワークに変更を加えるたびにオープンなコミュニケーションを取り、通信事業者との会議にも同席してもらった。
IT MSPに対し、以上のようなアプローチをとれば、世界レベルの専門技術を利用できる。そして、わたしはよく眠れるようになり、契約条件のチェックに費やす時間が大幅に減った。
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