シーラカンスに手足作る遺伝子…東工大など発表
読売新聞 7月23日(火)8時47分配信
「生きた化石」として知られる魚シーラカンスに、手足を作るのに必要な遺伝子の一部があったと、東京工業大学などの研究チームが発表した。
太古の魚類が、海から陸に上がるためにどのように進化したのかを解明する手がかりとなる発見という。22日付の科学誌ゲノムリサーチ電子版に発表する。
研究チームはアフリカ東部のインド洋やインドネシア沖のシーラカンスの計5匹について、全ての遺伝情報を解読した。その結果、シーラカンスには、手足の発生にかかわる遺伝子が複数あることがわかった。水中生活ではいらないはずの、空気中の匂いを感じるための遺伝子なども見つかった。
研究を主導した同大の岡田典弘名誉教授は「こうした遺伝子は、海中で体を岩場に固定するためにひれの骨格が発達するなど、もともとは別の目的で使われていたと思われる。こういった遺伝子が、魚類から陸上生物に進化していく過程で役に立ったのではないか」と話している。
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