「生産性の向上」をコンセプトにしたTitanium 3.0、10月発表へ
@IT 9月26日(水)17時7分配信
9月24日、Titanium Mobile ユーザー会は「第1回 Titanium Mobile ユーザー会 Meetup」を開催した。Titaniumとは、Appceleratorが開発・提供しているJavaScriptを利用したモバイルアプリケーションの開発ツールである。Titanium Mobile ユーザー会は、英語の障壁をなくすために2012年9月10日に発足したばかりだ。イベントでは、Appcelerator CEO ジェフ・ハイニー(Jeff Haynie)氏、COO サンディープ・ジョリー(Sandeep Johri)氏が来日し、Titanium3.0が来月にもリリースされることを発表した。
ジェフ氏によれば、Titanium 3.0は10月21日~23日に開催されるイベント「」で発表されるという。Titanium 3.0は、より少ないコードでよりリッチなアプリを作れるなどの「生産性の向上」を方針にして開発された。
これまでTitaniumには標準のフレームワークがなかったため、ベストプラクティスの集積や迅速なサポート対応の妨げになっていたが、Titanium 3.0では、Appceleratorが公開しているMVCフレームワーク「Alloy」が標準フレームワークとなる。Titanium 3.0以降では、Alloyによるコード最適化を進めていくそうだ。
クラウドサービスも強化する。このクラウドサービスは、もともとCocoafishが提供していたBaaSを、Appceleratorが今年2月に買収し、ACS(Appcelerator Cloud Service)として提供しているもので、異なる端末ごとに違うコードを書くことなく、プッシュ通知などのモバイルアプリに必要な機能を実装できることがメリットだ。
現在はパブリッククラウド形式でのみサービスを提供しているが、今後はそれに加え、バーチャルプライベートクラウド、プライベートクラウドといった形式も追加する。バーチャルプライベートクラウドは、利用に上限が設けられたフリーミアムモデルのパブリッククラウドの上位版に当たり、セキュリティが強化されている。また、複数のデータセンターでサービスを提供するマルチリージョンにも対応している。さらに、プライベートクラウド形式の追加により、自前の環境にインストールしてACSの機能を利用できるようになる。
また、Titanium 2.0では、Androidのエミュレータの動作が遅く、機能も限定されていた。そのため、実機を使っての検証・デバッグが必要となり、アプリをビルドして転送、実行するのに時間がかかることが問題になっていた。しかし、次バージョンからは実機でのリモートデバッグに対応する。これにより、再ビルドなしでプログラムの変更と実行が可能になるという。Titanium 3.0ではまた、旧Mac OS X Mountain LionとiOS6、Android 4.1といった新しいプラットフォームにも正式対応する。
Titanium 3.0では、2種類のコマンドラインツールも新たに用意される。1つはクラウドサービス用、もう1つはTitanium Studioである。Titanium Studioは、Eclipseベースの統合開発環境(IDE)で操作していたことを、コマンドラインでもできるようにするためのツール。Titanium Studio以外のエディタを利用した開発をサポートしてくれるという。
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