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わが闘争とはご存知の通り、かのヒトラーのベストセラーである。この写真の主はまことのライバル「ろし」である。なぜろしか。まことの1年後にわが家に来たろしはメスである。
従ってわが家の女どもは冷たい。私が名前を考えたのだが採用されない。実権のない私には命名権がない。そうこうしているうちに名前を登録する日が来てしまった。
ロシアンブルーだからろしにしとけば、とご主人様はこともなげに言ったのである。この写真が全体を写していないのには訳がある。でぶだから全体を人に見せるには、美形のろしには忍びないのだからだが後日公開することを約束する。
どぶねずみ色だから、まことはろしをめす猫と思わず、ねずみと思っているのに違いない。1日一度はなぜか耳を三角に立てたまことが、ろしにギャオーという蛮声をあげておそいかかる。
ねずみにおそいかかる猫である。だから家族が誰もいなくなるときはまことをトラバコに入れる。トラバコとはわが家では、刑務所に等しい猫のケージである。ろしにおそいかかるまことであるが、必ずろしのカウンターパンチを喰らう。それでもろしは平気でまことの後を追いかける。ろしは遊びだと思っているのに違いない。
今日もまことのあごには2箇所毛が抜けて穴が開いている。ろしにやられたのだ。だがしばらく前のきずとみえて、既に血の塊はついていない。そんな目にあってもまことは、ろしにおそいかかるのを止めない。まことにとっては、永遠の我が闘争なのに違いない。