最近巷間百年に一度の経済金融危機と言う言葉が流行っている。流行っている、としか言えないのは、この百年に一度と言う数字には何の学術的裏づけがないからである。不況が来るたびに、構造不況とか、バブル崩壊とか言う、絶望的な言葉を経済の専門家やマスコミは垂れ流し続けた。
これらの言葉を真に受ければ日本経済は再起不能であるかのようであった。しかし不況の後には必ず好況が来て、好況の後には不況が来る。人生数十年生きれば、経験から、そんなことは分かる。そんな事すら経済の専門家は分からないのだ。百年に一度と言うのも同じ手合いである。江戸八百八町と言うのが実際の町ではなく、多いと言うことの例えである如く、百年に一度というのは、大変だ、と言う意味しかない。
私はそう思っている。しかし経済の専門家はそうではないらしい。BSジャパンでは土曜日にマーケットウィナーズ、と言う経済番組を放送している。なんとこの番組が、本当に百年に一度の危機かどとう検証してみようと言い出した。失業率その他の数字を調べたら必ずしも、そうではないというのがその結果である。
この事は、経済の専門家は百年に一度かどうかという事を、チェックして正しいから使ったのではなく、皆が言うから使ったのに過ぎないことを証明した。こんな程度の人たちが日本の経済の専門家を自称しているのである。経済の専門家とはこの程度の人たちか、と言いたくなるではないか。そもそも「百年に一度の」というキャッチフレーズは、あるアメリカ人が言い出したのである。
その人は10年前にも100年に一度という言葉を使ったことがあるそうな。その時は100年に一度の好景気だったそうである。つまりこの人は、大げさにものごとを表現するのに、百年に一度と言う癖があったのに過ぎない。それに愚かな「経済の専門家」たちは乗せられたのである。
例えば堤防の設計をする時、百年確率の強度を持たせる、と言えば、その川で過去百年に起きた洪水の最高の水位を調べて、その水位に耐えられる堤防を設計する。工学の世界では、百年に一度と言うのは、ものの喩えではなく現実の現象を言っているのである。工学の世界では、計算も証明もせずに設計する人は相手にされない。百年に一度の経済危機という言葉は、経済の専門家という人たちが、いかに無知で無責任かを図らずも証明している。
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