毎日のできごとの反省

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本質的政界再編とは何か

2015-06-30 16:10:34 | 政治

政界再編という言葉が、中身もなく乱用されている。そこで本質的に日本に必要な政界再編について考えて見た。 

 民主党が平成22年に政権交代を実現した。これは、かつての細川政権などのような単なる非自民党政権によるものと異なり、本格的な二大政党の時代が来たと多くの国民に幻想を抱かせた。だが民主党は、社会党の凋落に組織の危機を感じた労働組合が、投票の受け皿を求めて組織票の中核を結成し、そこに自民党から逃れたもの、非イデオロギーの無党派敵政治家を取り込んで出来上がった鵺のような政党であったことは初手から分かっていた筈である。表にでるのは、ほとんどが、鳩山由紀夫のような、自民党から逃れた者や非イデオロギーの無党派的政治家である。そのことによっで、民主党の集票組織の中核である左派のイデオロギー色を、国民の眼から隠すのに成功したのである。

 何となく事情は分かっていながら、「無党派層」と呼ばれる国民がつい、政権交代、という二大政党時代への幻想を吹き込まれ、かつて無党派であっても自民党に投票していた者の多くが民主党に一時的に投票した結果、民主党政権が誕生した。また小泉政権時代の郵政民営化に反発した多くの自民党政治家が自民党を離れ、みんなの党などのいくつかの小規模政党を作った。この結果も自民党の票を激減させた原因である。

 だが、かつての自民党でも加藤紘一のように、利益誘導的なことだけが自民党的で、思想的にはマルキストとしか思われない政治家が自民党にも多くいたのであって、その意味では、保守合同時点では健全な資本主義政党であった自民党も、民主党誕生以前に鵺になっていたと言えなくもない。

だから政界引退後に「世界」などという共産主義に未だに幻想を抱く雑誌に、自民党批判の記事を書く元自民党の、それも中枢にいた政治家がいても驚くことはない。自主憲法制定が党是である自民党に、本気で憲法改正を考える政治家が、マイナーな存在であるのも不思議ではない。多くの国民と同様に、すっかり平和憲法という言葉の虜になっている。

 かえって自民党から離れたマイナー政党政治家に、健全な保守主義者がいるのも皮肉である。だがGHQの洗脳の毒は効き過ぎる位効いている。自称保守で比較的健全だと思われていた小林よしのりですら、女系天皇容認論を声高に主張し、実質的にGHQ皇族から追放された旧皇族の皇族への復帰をヒステリックに否定している。

 また自称保守の中にも、戦争忌避主義者も多くいるし、憲法改正についても、現実に提案され公表されているのは、日本国憲法をベースにしているものばかりである。日本国憲法の本質は憲法ではなく、米国が作った日本政府に対する占領統治条約である、という本質を直視するなら、帝国憲法に戻すべきである。軍事占領時に被占領国の法体系を変えてはならない、というのは単なる国際法違反ではなく、自然法を淵源とする国際法の本質に反していることは、銘記すべきである。統帥権の独立を帝国憲法の欠陥であるかの如くいう保守論者が多いが、そんなものは運用の問題である。

 一般論としては、ベースとなるべき帝国憲法ですら、西洋人の知恵を借りた分だけ、歴史的日本の実情に合わない部分もある、と考えられる。憲法改正とは、日本国憲法に戻したうえで、考えるべきである。理想的な政界再編とは何か。このような憲法改正を考えている政治家を糾合した政党を作ることである。

 帝国憲法を改正して、歴史的日本の実情に合わせたものにする、という共通認識さえあれば、大東亜戦争に対する評価や靖国問題に対する対応というのは、チェックするまでもない。伊藤公らは、憲法とはその国の歴史から生まれるものである、という自覚を十分していたことはもちろんである。それでも考える余地はある、と思うのである。全ては、帝国憲法に戻してから始まる。



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