毎日のできごとの反省

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改憲反対論のバカバカしさ

2016-01-23 14:11:34 | 政治

 安倍政権になってから、改憲論議がちらほら出ている。以前も書いたことだが、再掲する。漱石の吾輩は猫である、にこんな挿話がある。

儲け話を教えてやる、というのだ。人に六百円貸したとする。返すのは月五円づつでいい。すると一年に六十円返すから10年で完済になる。ところが、毎月返し続けた結果、返すことが習慣になって、10年過ぎても返さないと不安になって返し続ける。

バカバカしい話である。だが日本の現実は、この話を笑えない。米国人がわずか1週間で書き上げた「日本国憲法」のドラフトを翻訳して、国会審議して帝国憲法の改定を強制させられた。当時の国会議員は真相を知っているから、ほとんど全員がいつか自前の憲法を作ってやると思っていた。

共産党はその最先鋒で、国防ができない憲法などだめだ、と言っていた。そもそも、共産主義は私有財産権など否定しているから、政権をとったら全面改憲する、というのは理の当然である。ところが時が経つと事態は逆転した。ほとんどの政党が改憲反対となった。

共産党の中枢幹部は、本心は政権を取ったら共産主義憲法に変えようと言うのであろうが、末端の支持者は改憲絶対反対である。党の綱領に自主憲法制定をうたっている自民党ですら、多くの改憲反対議員がいる。

その根本原因は、米国による徹底した検閲と洗脳であるにしても、時間の経過そのものにも原因がある。現に改憲反対論者ですら、現在では日本国憲法が米国から押しつけられたことを知るようになった。国の基本法規を他国から押しつけられたことを、恥とも思わなくなってしまったのである。

何年か前、霞が関界隈でデモに遭遇した。政府の政策に反対する労働組合である。当然考え方は改憲反対である。マイクでがなる声を聞くと、外国から押しつけられた法律は、たとえ内容が良くても、だめだ、と叫んでいる。唖然とした。同じ頭で日本国憲法は押しつけられたものでも内容が良いから変えるべきではない、と考えているのである。時の経過は恐ろしいものである。

 


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