Not goto debu

これまでのDOBでの撮影で気が付いたこと

GW前半に2回ほど出撃しましたが、
その後の自粛&満月ということもあり、
上げる写真が尽きましたので。
これまでのDOBでの撮影で気付いた点などを
まとめてみました。



ちょっと長く字ばかりですが・・・

①アライメント
 下記の方法でそれほど厳密には合わせているわけではないですが、
 ASI294MC PRO (フォーサーズ)の画角で今までのところ
 視野内に入らなかったことはないです。
 目視なら20mm(75倍)では確実に視野内に入ります。
 以前2倍バーロー+6DでM51を撮影したときはダメでした・・・。
 (コントローラーで上下左右に動かしては戻して見つけました)

 ・水平出しは簡易的な水準器での目視でアジャスターを調整
 ・方位出しはIphoneの方位磁石アプリを使用
   →DOBの側板にIphoneの側面をくっつけて北に向けて方位出し
 ・緯度、経度、標高は方位磁石アプリの値を、時刻も携帯の時刻を入力
 ・アライメントはブライトスターアライメント(2スター)で実施

②追尾精度
 ・やはり追尾精度はそれなりで、ある程度星像の伸び、変形があります
  これまでに撮影した画像では甘目の選別なら平均歩留まり70%くらいです。
  (甘目なので星像変形していますが)
 
 ・厳しめに基本流れているものはない状態だと50%くらいなりますが、
  それでもコンポジットすると星が伸びている場合が多いです。
  方向的に倍率が変わっているように見える場合もあり、
  もしかすると位置合わせ精度の問題もあるかもしれないです。
  もともと1枚撮りの状態から結構肥大しているので星のセンターが
  出しにくいのかもしれません。

 ・特に天頂付近は追尾精度が悪いです。2回目にM13を撮影した際は甘目で
  歩留まり40%程度でした。(3回目は50°くらいだったので良かったですが)
  低高度も鏡筒のバランスが取れていないと追尾精度が悪いですが、
  主鏡側のウエイト調整で対応可能です。
  45°近辺で真東から登ってくる位置で撮影したM27は、
  星像も丸く、選別歩留まりも良かったです。
 
光軸
 ・事前に光軸を合わせておいてもトラスを伸縮するとずれるので
  現地での光軸合わせは必須です。

 ・トラス構造なので斜鏡のどこにレーザーが当たっているか見えます。
  このため、斜鏡と主鏡両方のセンターマークにレーザーが当たる位置に斜鏡を
  調整してから、レーザーコリメーターの中央にレーザーが戻ってくるように
  主鏡を調整すれば、レーザーコリメーターだけで比較的簡単に光軸合わせが
  可能です。

 ・ただし、トラス、接眼部が弱いため、きちんと光軸を合わせても、
  カメラを付けると重みでおそらく光軸が多少ずれていると思われます。
  これは焦点外の星像を撮影して追い込む方法もあると思いますが、
  たぶん仰角が変わるとずれの方向が変わると思われ・・・そこまでしてません。

強度
 ・伸縮式のトラス構造や架台強度からか、風の影響をとても受けやすいです。
  一眼ではミラーショックの影響をモロに受けます。
  ミラーアップもしくはライブビュー撮影なら問題ないです。
  ASI294MC PROはローリングシャッターなので問題ないです。


撮影画像について
 ・10秒前後の露光×100~200枚程度コンポジットすれば、
  長時間露光と比較的遜色ないイメージが取得可能です。

 ・多少星像が流れていても、コンポジット枚数を稼げば、対象の星雲、
  星団は思ったより解像したイメージが取得できます。
  (星像は良くないですが)

 ・短時間露光のため高感度、高ゲインで撮影する必要があり、
  星像が肥大、飽和して星の色が出なくなってしまいます。
  ただ、多段階露光したM13、M27では割と星の色が出たので
  それなりに明るい対象であれば対応は可能かと思います。

 ・画像処理は基本SI8だけでやってます。Photshopとか他のソフトは使ってません
  (まにSequatorやDenoize Aiは使いますが)
     あと、主鏡にムサイとかカメラにモノアイとかはペイント3Dです・・・。
   
 ・アルミ巻したあと急に解像度が上がった印象があります。
  これは本当にそうなのか要検証ですね。


ノイズ
 DOBの性能というよりはカメラの性能と撮影方法によると思われますが、
 総露光時間が短い割にはノイズは少な目に思えます。

 ・6D
   元々の6Dの低ノイズ、多枚コンポジット、視野回転ディザリング
   による相乗効果があると思われ、ISO8000から12800くらいでも
   割とノイズが少ないです。
   また、いままで全くダークはとってないですが10秒程度の露光だと
   ホットピクセルはほとんど目立たないです。
   (ミザール+90Sで60秒とか180秒露光だとISO3200くらいでも
          目立つホットピクセルが出ますが)
    
 ・ASI294MC PRO
   こちらももダーク、バイアスとも全くとっていないうえに、
   買ってから一度も冷却はしていないですが
  (宝の持ち腐れかも?冬だったからというのもありますが
   総露光時間が短いわりにノイズが少な目に思えます。
   こちらも短時間露光+多枚+視野回転によるディザリング効果があるのではと
   思います。
   また、10秒程度の冷却なし露光ではアンプノイズも全く出ません。
   冷却が本当にいらないかは→夏場にきちんと検証する必要ありですね
  
  
フラット
  ・純正F5コマコレクター前提ですが、基本なしでOKです
 
  ・暗部を持ち上げると輝度ムラが出る場合がありますが、
  自己フラット(ソフトビニング+ミニマム+ガウズぼかし)で対応可能です。
  ただし、視野回転で外周がクロップされているので、フルサイズの
  周辺部では減光が出ている可能性もあります。
  (一枚撮りの画像を見る限りれほど目立った減光はないですが)

 
視野回転
 ・視野回転があり、かつ回転中心と視野中心が合っていないため、
  対象を中央にいれても撮影中にずれていきます。(+回転)

 ・回転、ずれた画像を多枚コンポジットするため、SI8の自動処理だと
  勝手にクロップ、回転されます。
    これによって画像の角度が変わってしまうため、上を北にするのが難しいです。
  (なのでいまはあまり気にせず撮ってます)
  視直径の小さい対象はコンポジット後に回転させてからトリミングできるので
  良いですが視野内に広がった大きな対象は厳しいです。
  (以前撮影したバラ星雲とか今回の創造の柱とか)


スパイダーの光条について
 ・コンポジット後の輝星の光条の出方が謎です。
  視野回転で星は回転しますが、スパイダーは回転しないのでカメラに
  対しては光条は静止するはずです。(星に対しては回転している) 
  コンポジットは恒星基準かつ回転合わせのため、コンポジット後の
  光条は回転して露光時間分の扇形になると思うんですが、
  コンポジット後の画像を見ると、なぜか薄い十字になっているものが多いです。
  (馬頭星雲を撮影した際のアルニタクは扇型というか全体にコロナ状になりました
   がそれ以外は十字が残るものが多いです)
  σクリップはほとんど使っていないので、変化するものとして除去されている
  わけでもないと思われます。
  加算平均コンポジットによる平均化で薄まって見えなくなっていて、
  最初(最後?)の1枚の光条だけが残っているのではないかという気がします(要検証)


いろいろと書きましたが、
残念ながらわからないところを一つ一つ
全部解明して対策しないと気が済まない・・・
という性格ではないので、
気が向いたら検証していきたいとは思ってます。


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コメント一覧

うららか
さらなるアドバイスありがとうございます。
なんとかセンターマーク出来ると思います。

余談ですが、私も鏡筒の銀巻き(私は金巻ですが)をやってみました。
金箔に包まれた人工衛星の様な鏡筒をイメージしたのですが、
安っぽいクリスマスのデコレーションみたいになりました。
嫁さんからは、怪しげな団体のご神体みたいと言われました。
一回目の職質もあるかもしれませんが、がんばって出撃しようと思います。

今後もよろしくお願いいたします。
うららか
さらなるアドバイスありがとうございます。
なんとかセンターマークできると思います。

余談ですが、自分も鏡筒の銀巻き(私の場合は金巻)しました。
自分では金箔に包まれた人工衛星的になるかと期待していたのですが、
安っぽいクリスマスのデコレーションみたいになってしまいました。
嫁さんには、怪しい団体みたいと言われました。
一回目の職質ありそうな予感しますが、がんばって出撃します!

今後もよろしくお願いいたします。
gotodebu
うららかさん

一つ思い出しましたが、
紙に斜鏡の周りをぐるっと書いた後、その形に沿って切り取り、
長径側が重なるように折って折り目を付けます。
その後90度回して今度は短径側が重なるように折って折り目を
付ければ、折り目と折り目の交点が中心になります。
あとは長径側の折り目に沿って中心からオフセット分ずらした位置
に点を打って穴を開ければOKです。

それでは良き天文ライフを・・・。
うららか
gotodebuさん
 お返事ありがとうございます。
大変助かりました。
光軸調整時に斜鏡がぐるりと回転してしまい、元の位置に戻す基準が
解らなくて困っておりました!
 これからも見事な写真、興味深い記事(とガンダムネタも)を
期待しております。
gotodebu
うららかさん
こんばんは

同じ組み合わせですね。
私も電視観望やってみたいのですが、いままで撮影優先で
まだちゃんとやったことがありません。

さて、斜鏡のセンターマークですが、自分で付けています。
斜鏡を外して紙に載せて外周をぐるっと線引きして、
そこから紙上で縦横寸法を測定してまず中心を出します。
DOBはオフセット斜鏡なので、中心からオフセット量分
接眼部側にずらした位置に紙上で点を打ち、そこに穴をあけてから
斜鏡にあてて黒マジックで点を打ちました。
オフセット量はたしか7mmだったと思いますが、記憶がさだかでは
ありません・・・たぶんです。
斜鏡裏側の筒の外周と斜鏡の長径側の端までの長さの差で計算したと
思います。
お役に立てましたでしょうか?
うららか
はじめまして。
私は3か月ほど前にDOB12を購入して、現在ASI294と組み合わせて電視観望を主に行っています。
記事の光軸の部分で斜鏡にもセンターマークが有る様に記されておりますが、センターマークはご自身で付けられたのでしょうか?
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