特集ワイド:アルジェリア事件で浮き彫り、拡散するイスラム武装勢力 「アラブの春」あだ花か、対テロ戦争「第2幕」へ
毎日新聞 2013年02月01日 東京夕刊
仏軍が奪還したマリの都市コンナで、破壊されたイスラム過激派の車両と周囲を調べるマリ軍兵士=2013年1月26日、ロイター
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◇マリ巡り長期化−−アジア経済研究所アフリカ研究グループ長・武内進一さん
◇開発後押し重要−−現代イスラム研究センター理事長・宮田律さん
日本人10人が死亡したアルジェリアの人質事件をきっかけに、イスラム武装勢力が中東から北・西アフリカ諸国へ拡散し活動を活発化させている実態が浮き彫りになった。フランスによるマリへの軍事介入は米国主導によるアフガニスタン、イラク戦争に続く対テロ戦争「第2幕」の幕開けなのか。アジア経済研究所の武内進一・アフリカ研究グループ長と現代イスラム研究センターの宮田律(おさむ)理事長に聞いた。【大槻英二】
−−アルジェリア人質事件の実行グループ「イスラム聖戦士血盟団」は「(マリに軍事介入した)仏や西側諸国への報復だ」との犯行声明を出しました。狙いは政治的なものだったのでしょうか。
武内さん これまでも周辺地域では欧米人を狙った誘拐事件が頻発していましたが、今回はけた違いに規模が大きい。数カ月前から周到に準備して、仏が軍事介入したタイミングをとらえ、自分たちの主張を宣伝する格好の機会として実行したのではないか。誘拐して身代金を稼ぐというこれまでの活動とは違って、今回は政治的主張を広めるために自分たちも死を覚悟して突撃するという9・11米同時多発テロに近い作戦だったと思われます。
現代イスラム研究センター理事長の宮田律さん
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−−事件の首謀者として「第二のビンラディン」のようなモフタール・ベルモフタール司令官という男が登場しました。何者?
宮田さん アルジェリア出身で、90年代前半に内戦下のアフガニスタンに渡った後、帰国して活動を始めた、国際テロ組織アルカイダ系武装勢力「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」の元幹部です。マリ北部を拠点に麻薬や武器の取引で資金を稼ぎ、たばこの密売にも手を染めていることから「ミスター・マールボロ」と呼ばれています。
武内さん 西アフリカは近年、麻薬が中南米から欧州に流れる密売ルートの中継地点となっています。もともとイスラム過激派への民衆の支持が高い地域ではありませんが、国家の統治能力が弱いため、中東や北アフリカから入り込んだイスラム過激派が麻薬取引や身代金を資金源に少人数でも影響力を持ててしまう状況があります。
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−−なぜイスラム武装勢力の活動がサハラ砂漠周辺の北・西アフリカ諸国で活発化しているのですか。
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