嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラーの教え」 岸見一朗 古賀史健
この本は、アルフレッド・アドラーの思想から「青年と哲人の対話」形式で書かれています。
青年と哲人が対話する形で話が進んで行くのですが、読みだしたら止まらないくらい面白い。
本の前書きを少々抜粋。
哲人 人は誰しも客観的な世界に住んでいるのではなく、自らが意味づけをほどこした世界に住んでいます。 あなたが見ている世界は、わたしが見ている世界とは違うし、およそ誰とも共有しえない世界でしょう。
青年 どういうことです? 先生もわたしも同じ時代、同じこの国に生きて、同じものを見ているじゃありませんか。
哲人 そうですね、見たところあなたはお若いようですが、汲み上げたばかりの井戸水を飲んだことはありますか?
青年 井戸水? まあ、ずいぶん昔のことですが、田舎にある祖母の家が井戸を引いていました。 夏の暑い日に祖母の家で飲む冷たい井戸の水は、大きな楽しみでしたよ。
哲人 ご存じかもしれませんが、井戸水の温度は年間を通してほぼ18度で一定しています。 これは誰が測定しても同じ、客観の数字です。 しかし、夏に飲む井戸水は冷たく感じるし、冬に飲むと温かく感じます。 温度計では常に18度を保っているのに、夏と冬では感じ方が違うわけです。
青年 つまり、環境の変化によって錯覚してしまう。
哲人 いえ、錯覚ではありません。 そのときの「あなた」にとっては、井戸水の冷たさも温かさも、動かしがたい事実なのです。 主観的な世界に住んでいるとは、そういうことです。 我々は「どう見ているか」という主観がすべてであり、自分の主観から逃れることはできません。 いま、あなたの目には世界が複雑怪奇な混沌として映っている。 しかし、あなた自身が変われば、世界はシンプルな姿を取り戻します。 問題は世界がどうあるかではなく、あなたがどうであるか、なのです。
青年 わたしがどうであるか?
哲人 そう。 もしかするとあなたは、サングラス越しに世界を見ているのかもしれない。 そこから見える世界が暗くなるのは当然です。 だったら、暗い世界を嘆くのではなく、ただサングラスを外してしまえばいい。
そこに映る世界は強烈にまぶしく、思わずまぶたを閉じてしまうかもしれません。 再びサングラスが欲しくなるかもしれません。 それでもなお、サングラスを外すことができるか。 世界を直視することができるか。 あなたにその”勇気”があるか、です。
青年 勇気?
哲人 ええ、これは”勇気”の問題です。 …以下続く
このあたりは序の口で本編に入ると「身もフタも無いぐらい、容赦ないやり取り」が展開されますので、読まれる方は覚悟して読んでください。
目次
第一夜 トラウマを否定せよ
知られざる「第三の巨頭」
なぜ「人は変われる」なのか
トラウマは、存在しない
人は怒りを捏造する
過去に支配されない生き方
ソクラテスとアドラー
あなたは「このまま」でいいのか
あなたの不幸は、あなた自身が「選んだ」もの
人は常に「変わらない」という決心をしている
あなたの人生は「いま、ここ」で決まる
第二夜 すべての悩みは対人関係
なぜ自分のことが嫌いなのか
すべての悩みは「対人関係の悩み」である
劣等感は、主観的な思い込み
言い訳としての劣等コンプレックス
自慢する人は、劣等感を感じている
人生は他者との競争ではない
「お前の顔を気にしているのはお前だけ」
権力争いから復讐へ
非を認めることは「負け」じゃない
直面する「人生のタスク」をどう乗り越えるか
赤い糸と頑強な鎖
「人生の嘘」から目をそらすな
所有の心理学から使用の心理学へ
第三夜 他者の課題を切り捨てる
承認欲求を否定する
「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない
「課題の分離」とはなにか
他者の課題を切り捨てよ
対人関係の悩みを一気に解消する方法
「ゴルディオスの結び目」を断て
承認欲求は不自由を強いる
ほんとうの自由とはなにか
対人関係のカードは「わたし」が握っている
第四夜 世界の中心はどこにあるか
個人心理学と全体論
対人関係のゴールは「共同体感覚」
なぜ「わたし」にしか関心がないのか
あなたは世界の中心ではない
より大きな共同体の声を聴け
叱ってはいけない、ほめてもいけない
「勇気づけ」というアプローチ
自分には価値があると思えるために
ここに存在しているだけで、価値がある
人は「わたし」を使い分けられない
第五夜 「いま、ここ」を真剣に生きる
過剰な自意識が、自分にブレーキをかける
自己肯定ではなく、自己受容
信用と信頼は何が違うのか
仕事の本質は、他者への貢献
若者は大人よりも前を歩いている
ワーカホリックは人生の嘘
人はいま、この瞬間から幸せになることができる
「特別な存在」でありたい人が進む、ふたつの道
普通であることの勇気
人生とは連続する刹那である
ダンスするように生きる
「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ
人生最大の嘘
無意味な人生に「意味」を与えよ
この本は、アルフレッド・アドラーの思想から「青年と哲人の対話」形式で書かれています。
青年と哲人が対話する形で話が進んで行くのですが、読みだしたら止まらないくらい面白い。
本の前書きを少々抜粋。
哲人 人は誰しも客観的な世界に住んでいるのではなく、自らが意味づけをほどこした世界に住んでいます。 あなたが見ている世界は、わたしが見ている世界とは違うし、およそ誰とも共有しえない世界でしょう。
青年 どういうことです? 先生もわたしも同じ時代、同じこの国に生きて、同じものを見ているじゃありませんか。
哲人 そうですね、見たところあなたはお若いようですが、汲み上げたばかりの井戸水を飲んだことはありますか?
青年 井戸水? まあ、ずいぶん昔のことですが、田舎にある祖母の家が井戸を引いていました。 夏の暑い日に祖母の家で飲む冷たい井戸の水は、大きな楽しみでしたよ。
哲人 ご存じかもしれませんが、井戸水の温度は年間を通してほぼ18度で一定しています。 これは誰が測定しても同じ、客観の数字です。 しかし、夏に飲む井戸水は冷たく感じるし、冬に飲むと温かく感じます。 温度計では常に18度を保っているのに、夏と冬では感じ方が違うわけです。
青年 つまり、環境の変化によって錯覚してしまう。
哲人 いえ、錯覚ではありません。 そのときの「あなた」にとっては、井戸水の冷たさも温かさも、動かしがたい事実なのです。 主観的な世界に住んでいるとは、そういうことです。 我々は「どう見ているか」という主観がすべてであり、自分の主観から逃れることはできません。 いま、あなたの目には世界が複雑怪奇な混沌として映っている。 しかし、あなた自身が変われば、世界はシンプルな姿を取り戻します。 問題は世界がどうあるかではなく、あなたがどうであるか、なのです。
青年 わたしがどうであるか?
哲人 そう。 もしかするとあなたは、サングラス越しに世界を見ているのかもしれない。 そこから見える世界が暗くなるのは当然です。 だったら、暗い世界を嘆くのではなく、ただサングラスを外してしまえばいい。
そこに映る世界は強烈にまぶしく、思わずまぶたを閉じてしまうかもしれません。 再びサングラスが欲しくなるかもしれません。 それでもなお、サングラスを外すことができるか。 世界を直視することができるか。 あなたにその”勇気”があるか、です。
青年 勇気?
哲人 ええ、これは”勇気”の問題です。 …以下続く
このあたりは序の口で本編に入ると「身もフタも無いぐらい、容赦ないやり取り」が展開されますので、読まれる方は覚悟して読んでください。
目次
第一夜 トラウマを否定せよ
知られざる「第三の巨頭」
なぜ「人は変われる」なのか
トラウマは、存在しない
人は怒りを捏造する
過去に支配されない生き方
ソクラテスとアドラー
あなたは「このまま」でいいのか
あなたの不幸は、あなた自身が「選んだ」もの
人は常に「変わらない」という決心をしている
あなたの人生は「いま、ここ」で決まる
第二夜 すべての悩みは対人関係
なぜ自分のことが嫌いなのか
すべての悩みは「対人関係の悩み」である
劣等感は、主観的な思い込み
言い訳としての劣等コンプレックス
自慢する人は、劣等感を感じている
人生は他者との競争ではない
「お前の顔を気にしているのはお前だけ」
権力争いから復讐へ
非を認めることは「負け」じゃない
直面する「人生のタスク」をどう乗り越えるか
赤い糸と頑強な鎖
「人生の嘘」から目をそらすな
所有の心理学から使用の心理学へ
第三夜 他者の課題を切り捨てる
承認欲求を否定する
「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない
「課題の分離」とはなにか
他者の課題を切り捨てよ
対人関係の悩みを一気に解消する方法
「ゴルディオスの結び目」を断て
承認欲求は不自由を強いる
ほんとうの自由とはなにか
対人関係のカードは「わたし」が握っている
第四夜 世界の中心はどこにあるか
個人心理学と全体論
対人関係のゴールは「共同体感覚」
なぜ「わたし」にしか関心がないのか
あなたは世界の中心ではない
より大きな共同体の声を聴け
叱ってはいけない、ほめてもいけない
「勇気づけ」というアプローチ
自分には価値があると思えるために
ここに存在しているだけで、価値がある
人は「わたし」を使い分けられない
第五夜 「いま、ここ」を真剣に生きる
過剰な自意識が、自分にブレーキをかける
自己肯定ではなく、自己受容
信用と信頼は何が違うのか
仕事の本質は、他者への貢献
若者は大人よりも前を歩いている
ワーカホリックは人生の嘘
人はいま、この瞬間から幸せになることができる
「特別な存在」でありたい人が進む、ふたつの道
普通であることの勇気
人生とは連続する刹那である
ダンスするように生きる
「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ
人生最大の嘘
無意味な人生に「意味」を与えよ