花のある生活

花はあまり出てきませんが。

北風と太陽

2025-02-14 | 寓話

ある日、北風と太陽は互いに「どちらが強いのか」を言い争っていました。

北風と太陽のどちらも「自分の方が強い」と譲らなかったので勝負をしよう、ということになり、たまたまそこへ通りかかった旅人のマントを脱がせた方が勝ち、ということにしました。


まずは北風から、旅人に向けて思い切り風を吹き付けました。

「うわっ、風が強くなってきた」

旅人は、いきなり風が強くなってきたので、マントをしっかり押さえて歩いています。

北風は「勝負はこれからだ」と、どんどん風を強く吹き付けますが、旅人は風に飛ばされてはかなわない、と必死でマントを押さえながら歩いています。

どれだけ風を強く吹き付けても、旅人はマントを離しません。


「次は僕の番だ」と太陽は旅人に向けて、サンサンと日差しを降り注ぎます。

「今度は暑くなってきたな」

旅人は暑くなってきたので、羽織っていたマントを脱ぐことにしました。

マントを脱いで歩いている旅人を見て、太陽は「この勝負は僕の勝ち」と言いました。



北風と太陽には「旅人のマントを脱がす勝負」の他に「旅人の帽子を脱がす勝負」もあるそうです。


ある日、北風と太陽は互いに「どちらが強いのか」を言い争っていました。

北風と太陽のどちらも「自分の方が強い」と譲らなかったので勝負をしよう、ということになり、たまたまそこへ通りかかった旅人の帽子を脱がせた方が勝ち、ということにしました。


まずは太陽から、旅人に向けてサンサンと日差しを降り注ぎます。

旅人は「日差しが強くなってきたな」と、帽子をしっかりとかぶりました。

太陽は「勝負はこれからだ」と日差しを強めていきますが、旅人に帽子を脱ぐ様子はなく、汗を拭きながら歩いていきます。


「次は僕の番だ」と、北風は旅人に向けて、思い切り風を吹き付けました。

すると旅人はかぶっていた帽子を飛ばされてしまい、慌てて帽子を拾いにいきます。

「やれやれ」と帽子を拾っている旅人を見ながら、北風は「この勝負は僕の勝ち」と言いました。 


人間にも物事にも得意・不得意は付きものなので、勝負の仕方によっては、どちらかだけが一方的に強い・必ず勝つ、ということはないわけです。

でも、通りすがりに北風と太陽の「権力争い」に巻き込まれてしまう旅人が一番大変なのかも。



「北風と太陽」から学ぶ教訓とは。 帽子にまつわるもう一つのあらすじも紹介

寓話・北風と太陽には「北風勝利」編もある

 


個人の欲求の重要度は上がったり下がったりする

2025-02-11 | 心理学

本文中の文字の色が違うところがあるのは故意に変えているわけではありません。

 

人間の欲求には5段階の欲求があると言われていて、ピラミッド型の図式で表されます。

マズローの欲求5段階説とは?

 

1.生理的欲求  人間が生きていくために最低限必要な生理的欲求。 食事をする・睡眠・排泄など生命を維持するための欲求。

2.安全欲求  雨風しのげる住居があり、安心して生活ができる欲求。

3.社会的欲求(帰属欲求)  家庭や仲間を作ったり、会社組織に所属することでグループ・組織に所属して安心したい欲求。

4.尊厳欲求(承認の欲求)  家族・仲間以外の他者から認められたい、尊敬されたいという欲求。

5.自己実現欲求  自身の目標達成・成功への欲求。

 

一般的には5段階までを解説されているものが多いのですが、後年マズローはピラミッド型の階層に、もう一段階、高次元な欲求階層を付け加えていたそうです。

6.自己超越の欲求  「慈善活動」など、自己のエゴを超えて他者や社会に貢献しようとする姿勢。

 

基本的には「生理的欲求」が満たされると、次には「安全に生活できる環境」を求め、それから「会社組織に所属する」などして経済的な基盤を得たり、一生の伴侶を得て家庭を築き、家族や友人などと絆を深めます。

家族や友人・仕事仲間などと絆を深めることで「自己肯定感」や自身に対する「自信」が得られ、次には仕事の実績や評価を得ることで、会社の上司や「家族・仲間以外の他者」からも認められて出世したい、趣味や習い事を発表することで賞賛を得たい、という欲求が生じます。

自身の「仕事や活動」が周囲に認められることで、それなりの立場や名声が得られると、次には「もっと成長したい」「より創造的な活動がしたい」と、「他人の評価」よりも「自己の成長を望む」ようになるそうです。

最後の「自己超越の欲求」とは、一見「自己実現の欲求」と似ていますが、こちらは「理想的な自分になりたい欲求」で「自己超越の欲求」というのは、すでに自分の欲求は満たされており、社会環境や自分以外の他者など「自分の外にあるものに対する貢献を望む」ようになるそうです。

 

「マズローの欲求5段階説」は分かりやすく説得力のある理論ですが、理論の実証性については多くの批判もあるそうです。

主な理由としては「理論を構築するための被験者が一人しかいない」ため。

「一人の被験者」と、リンカーンやアインシュタインといった「歴史上の人物の生涯」を参考に構築された理論とのこと。

実際にも1994年、心理学者のステファン・P・ロビンスは「日本人の場合は『自己実現欲求』ではなく『安全欲求』が最上位になっている」と報告している、とのこと。

・・・もしかして1994年って、オウム真理教の「松本サリン事件」、95年は「地下鉄サリン事件」が起きていて、事件の影響から「社会的な不安」が高まっていたから・・・??

 

マズロー欲求5段階説、現代日本では逆三角形説

朝の連続テレビ小説「おむすび」でも、ギャルがメイクやネイル、プリクラ・カラオケ代など、自分のしたいことにお金を使うので食事をお菓子で済ませている、という描写がありましたが、欲求階層説が絶対ならば、まずは食事を用意することを優先するはず。(もちろん、災害などで食料が普通に手に入らない状況ならば話は違うのでしょうが)

日本の場合だと、コンビニなどお店も多いので、食料もどこでも手に入るし、時々犯罪事件はあるにしても比較的安全に生活できます。

第1段階の「生理的欲求」、第2段階の「安全欲求」、第3段階の「社会的欲求」までは比較的満たしやすい環境にあるので欲求自体が小さく、第5段階目の「自己実現欲求」に対する欲求が一番大きくなっているそうです。

「自分は何を大事にしているのか」「自分は何を求めているのか」「どんな自分になりたいのか」を考えて進んでいけば、結果的に自己実現に近づいていくと思います。

でも、私はまず支配的なストーカーから「自分の場所を守る」ところからかな。

 

 


「本の世界」にワクワク

2024-11-16 | 美術館・博物館

たびたびテレビで取り上げられているのを見て「行ってみたい」と思っていた石川県立図書館へ行ってきた。

天気も良くて行楽日和の日だね~。

 

 

 

図書館に到着して中に入ると、円形の館内が目の前に広がり、一面「本の世界」。

テーマごとに置かれた本を眺めて歩いて、興味を引いた本を手に取って読むのが楽しい。

最上階まで上がって下を眺めると、さらに円形の館内の眺望が楽しめるし、本棚と本棚の間にデスクが備えられていて、集中して勉強するスペースが用意されているのがすごい。

 

館内を周りながら本を読んでいたら、あっという間に時間が過ぎるし、機会があったら、また行ってみようかな。


 


「ヤマザキマリの世界」展

2024-10-19 | 美術館・博物館
南砺市福光美術館で開催されている「ヤマザキマリの世界」展に行ってきた。

 

福光ゆかりの板画家、棟方志功のファンであるヤマザキマリが、南砺市で開催している「棟方まつり」に合わせて福光美術館で開催することにしたのだそう。

常設展で「棟方志功」「石崎光瑶」を展示中。




ヤマザキマリが「展覧会に寄せて」に載せた文章の中で、
「絵画の勉強のためにフィレンツェに移り住んで40年が経つ。 予測通り、自分が専攻した15世紀北方ルネサンス様式の肖像画の需要は全く無く、 11年間の悪戦苦闘の末、生きていく手段として漫画を描くようになったのは私が28歳の頃だった。 理想や夢を抱くことの残酷さを痛感していた私は、とにかく子供を育てるために粛々と漫画を描き続けてきた。 私から創作や表現に対する奢った考えを一切合切払拭した画家への道の挫折は、今振り返ればかけがえのない大切な経験だったと思う。 

 ~~中略~~ 自分にとって一番大事なのは創作に打ち込むときの集中力とエネルギーであり、その後にかたちとして現れる結果に対して、実はそれほどのこだわりを持ったことがなかった。 ~~中略~~ 漫画がヒットした時も、それに付随する問題で家族を巻き込んで大騒ぎとなり、喜びを噛み締めたり、充足感に浸ったりしたことがなかった。 だから、私だけではなく、そんな私の生き方を知る周りの友人や家族にとっても、今回の展覧会の実現はなかなか信じがたいことだったはずだ。 ~~~ 」


「テルマエ・ロマエ」の作者で、テレビでも多くの番組に出演しているヤマザキマリが「理想と現実」の間で、もがき続けて「生きていく手段」として漫画家になった、というのは驚いた。

一般的には「生きていく手段」として「漫画家への道」を選ぶ人は、そうそういないだろうというところからしても、絵を描くための「技能的な才能」はもちろんのこと、漫画を描くという「手間のかかる作業が苦にならない」というのも、一種の才能なのだろう。

代表作の「テルマエ・ロマエ」誕生のきっかけは、学生時代に留学先でお風呂に浸かれなかった経験から「ストレスが高じて癒されたい気持ちを漫画にした」のだそうだ。






 

「テルマエ・ロマエ」の手描き原稿や漫画原稿の制作過程、ヤマザキマリの出版本が並べられたコーナー、立川志の輔や山下達郎の肖像画の展示、幼少期からの絵日記や手描き絵本なども展示されています。

ヤマザキマリのインタビュー映像が流されていて「エンターテイメントは栄養」という話が印象的だった。






美術館からの帰りにチューリップ公園に立ち寄って、途中で買った「おにぎり弁当」食べてきた。

展望台に上ったら、コキアの紅葉が見事だった。

芸術の秋を満喫出来てよかった。




「パブロフの犬」と「アメとムチ」

2024-10-07 | 心理学
「パブロフの犬」は、条件反射といえば「パブロフの犬」というぐらい有名な心理学用語。

ロシアの生理学者イワン・パブロフが「ベルを鳴らしたら犬にエサを与える」という行動を繰り返したところ、あるときから「犬はベルを鳴らしただけでエサがもらえると思い、よだれを垂らすようになった」という実験をしたところからこの名が付いた。

パブロフの犬

パブロフの犬~条件反射の実験と人間の条件付け


「古典的条件付け」「レスポンデント条件付け」とも呼ばれていて、動物に芸を仕込むときなどに使われる手法だそうです。


「口の中に食べ物を入れると自然に唾液が出る」というように、外部からの刺激に対して無意識的に反応(反射)するのが「生理的反応」で、「食べ物を見ただけで唾液が出る」といった経験によって後天的に獲得した反応(反射)を「条件反射」と言います。

よく「梅干しを見るとツバが出てくる」というのがありますよね。


また「ストーカーの加害者」や「窃盗症」などの重度の依存症患者の治療にも、この「古典的条件付け」が使われているそうです。



次は、いわゆる「アメとムチ」と言われるもので、心理学では「オペラント条件付け」と呼ばれます。

アメリカの心理学者で行動分析学の創始者であるバラス・スキナーが「スキナー箱」を用いて研究したのが有名。

オペラント条件付け(道具的条件付け)


「オペラント行動」とは、ある環境に対して「自発的な行動」を取ること。 

「オペラント条件付け」とは、行動を起こしたことにより得られた結果(刺激)に対して、その「自発的行動の頻度」が変化する学習の仕組み。 

「自発的な行動そのもの」を、何らかの結果を得るために利用した「道具」と考えるところから「道具的条件付け」とも言われます。


実験では「スキナー箱」という実験装置を使い「レバーを押すとエサが出てくる仕掛けをした箱」に、ネズミを入れます。

たまたま、レバーを押したことで「エサが出てきた」ことに気付いたネズミが、その行動を繰り返すうち「レバーを押せばエサが出てくる」ということを経験する(オペラント行動)。

「レバーを押せば、エサが出る」ことを覚えたネズミは、「エサを求めて『自発的に』レバーを押すようになる」というもので、ネズミが「レバーを押せばエサが出てくる」ことを覚えて、「自発的に」レバーを押すようになったのは「オペラント行動」が強化されたから。


「きっかけとなる刺激」によって、オペラント行動が強化されることを「正の強化子」「負の強化子」と言います。

正の強化  良い経験をしたことで行動が増える↑

正の罰(弱化)  嫌な経験をしたことで行動が減る↓


負の強化  不快なことを取り除いたことで行動が増える↑

負の罰(弱化)  不快な思いをしたことで行動が減る↓




お手伝いをしたら、ほめられた。(正の強化

さらに、やる気がアップ!(行動が増える↑


ボール遊びをしていたら、窓を割って怒られた。(正の罰

窓にぶつけないように、気を付けて遊ぶことを覚える。(行動が減る↓


道が凍っていて滑りそう。(負の強化

タイヤも履き替えたし、ゆっくり走れば大丈夫!(行動増える↑


お菓子を食べ過ぎて太った。(負の罰

体重が増え過ぎないように食べる量を少なくしよう。(行動が減る↓


「子供のしつけ」のように、相手に「都合のよい行動」をとらせるために行なう場合もありますが、自分自身の行動のために使うこともできます。


他にも、「ハトの迷信行動」という実験があります。

1.「スキナー箱」に、空腹のハトを入れる。

2.ハトの行動とは無関係に15秒間隔で5秒間、エサを与える。

3.ハトは、エサの無い15秒間に「決まった行動」をするようになった。


この実験では8羽のハトで実験し、6羽のハトに「ぐるぐる回る」「頭を上げる」などの独自の行動がみられるようになった。

ハトは「自らの行動によってエサが与えられた」と勘違いし、エサが無い時にも「その行動」を繰り返すことで「エサが得られる」が強化された、というもの。

「直前の行動と結果の間には因果関係は存在していないが、偶然起こった強化によって条件付けが成立し維持された例」とのこと。



問題に対して「試み(行動)」と「失敗(結果)」を繰り返して解決方法を学習する「試行錯誤学習」の実験をした、ソーンダイクの「猫の問題箱」。

人間の行動は、どんなに複雑に見えても「外部からの刺激(S)」に対する「反応(R)」の連合にすぎない、とする理論を提唱した、ワトソンの「S-R理論」。

チンパンジーの実験で、試行錯誤せずに全体の状況を見通すことで瞬時に問題を解決した、ケーラーの「洞察学習」。


心理学は人間の行動を解明しようと、新たな理論を発見してきた結果なんだね。