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交流分析3  ストローク経済 貧富の法則

2018-06-01 | 交流分析
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2022年5月8日更新
2024年8月16日更新


スーザンという名の女の子の記録映画で、スーザンは病院に連れてこられたとき1歳十ヶ月でした。

病院に来た時、スーザンは乳児の平均値からもかなり低く、体重は5ヶ月児・身長は10ヶ月児くらいしかありませんでした。


普通の発育状態ならば、歩いたり言葉を発したりできるはずですが、スーザンは立ち上がるどころかハイハイもできず、片言もしゃべることができませんでした。

おまけに人が近づくと泣いて、抱かれたり触られたりするのを嫌がるそぶりをみせました。


色々な検査をした結果、スーザンの体には発育不全になるような異常は何もなかったのです。

医者は困惑しましたが、あるとき、その原因がわかりました。


スーザンの両親が一回も病院に面会に来ない、ということです。

ソーシャルワーカーが両親を訪ねてみると、スーザンは期待されて生まれてきた子供ではなかったため、なにかと邪魔者扱いされ、あまり面倒を見てもらえなかった、という状況でした。

そこで病院ではスーザンの病名を「母性的愛情欠乏症候群」と付け、発育不全な状態は「母親のストローク」が不足しているために起こったもの、と推定されました。


そこで医師たちはボランティアの看護師を募って、スーザンの母親代わりをしてもらうことにしました。

一日6時間、代理の母親がつきっきりで抱いたり、あやしたり、身体的にも精神的にもストロークを与え続けました。

代理の母親だけでなく医師をはじめ、病院のスタッフたちも、なるべくスーザンにストロークを与えるよう心掛けました。


すると数週間のうちにスーザンは抱かれることを嫌がらなくなり、泣き叫ぶことも少なくなり、2カ月後には体重が2.7kg増え、身長も5cmも伸びたのです。

運動機能も情緒面も驚くほど発達し、ついには立ち上がって歩くことができるようにもなったそうです。



赤ちゃんには「母親的な存在」が必要だということなんですね。


スーザンという子の話



親が子供を自分の思い通りに動かすために与えるストロークの量を調節し、ストロークに関する制約的な禁則を教え込むことを「ストローク経済」と言います。


ストローク経済 貧困の法則

ストローク経済 富裕の法則


ストローク経済 貧困の法則(制約的な禁則)

与えるべきストロークがあっても与えてはいけない  ほめていい時でも軽々しくほめてはいけない 

うれしいストロークが来ても受け取ってはいけない  ほめられても素直に受け取ってはいけない。   

自分の嫌なストロークでも拒否してはいけない  本当は嫌でも嫌だと言ってはいけない。 

自分の欲しいストロークを要求してはいけない  ストロークが欲しくても求めてはならず我慢すること。 

自分自身にストロークを与えてはいけない  自分自身に満足してはいけない。   


ストローク経済 富裕の法則(禁則の解除)

与えるべきストロークがあったら素直に与えましょう  ほめるときは素直にほめてあげましょう。

うれしいストロークが来たら素直に受け取りましょう  ほめられたら「ありがとう」と言って素直に受け取りましょう。

自分にとって嫌なストロークは嫌だと相手に伝えましょう  嫌なストロークは無理に受け取らなくていいのです。 

自分の欲しいストロークを相手に求めましょう  ストロークが欲しいときは求めてもいいんです。

自分自身にストロークを与えましょう  自分自身にも「大変だったね」「よく頑張ったね」と言ってあげましょう。 



次は「交流分析4  自我状態と交流の分類」です。



児童精神科医が語る「親の愛情不足」への誤解






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