ハイ、今日は皆さんお馴染み、私がどっぷりハマったエッジボード、コチラをさらに詳しく、どこよりも深めに解説したいと思います。
7'0ft
5'8ft
テイクオフの時、エッジの頂点を感じながら板を落とします。斜め30度から45度かな。
とてもわかりやすいので、この写真をベースにお話しします。
最初に一つ。
私はサーフィンとエッジボードが好きなだけ。この理論が正解かどうかは分かりません笑笑
私が大工で設計者であり、造形やそこに至る経緯がとても好きなので、高確率で合ってるんじゃないかなぁ〜とは思いますが、あくまでも個人的な意見です。
製作者でもないので、インチキ野球解説者くらいの感覚でご覧ください笑笑
これは私が書いた波に乗っている最中のエッジボードの断面です。
水になった気持ちで、先ほどの断面を見て、違いを探りましょう。
いざ!
OEODの発売から興味が湧いて一年半?もう二年くらいかな?グリノーさんの過去の記事やOEODの本や映像、アンドリューとエリスとの会話、そしてまるまる一年以上7ftを乗り倒して見えてきた事があります。そのへんをグッと掘り下げて行きたいと思います。
だいぶマニアックな内容となりますのでお付き合い頂くか、見ないでください(笑)
さて、エッジの特徴と言えば…?
簡単に表現されるのは"段差"ですよね?
この段差がどう作用するのか深く知らず"所詮ゲテモノ"と思う方も多いでしょう。
実は本当に大切な事は段差では無いんですね。
まずはコチラをご覧下さい↓
これは私が書いた波に乗っている最中のエッジボードの断面です。
横っぱしりしている最中、ロッカーの頂点くらいを切ったイメージ。
そしてコチラ↓が
通常のサーフボード、ボトムはフラット〜Veeとしましょう。
断面書きましたが、こんな寝てないかも知れないですし、もう少し下向きかな?まぁそのへんはなんとなくで、スミマセン。
このまま進めます笑笑
水は液体です。
常に高いところから低いところへ、細いところは早く、広いところは遅く流れます。
そして丸いと水離れ(水切れ)は早く、角があると絡みます。
水中では丸いと流れ、角や淀みがあるとキャビテーションを起こして空気の泡や渦が出来たりします。
新幹線N700系のような"流線型"が淀みない形をしているのは空気抵抗と流れを整えるため、あとは押さえつける為です。
それは水でも同じです。
水になった気持ちで、先ほどの断面を見て、違いを探りましょう。
エッジボードの角は水面に強烈なVとして水面に刺さっています。エッジの外側、丸いアウターコンケーブはテールに掛けて徐々になくなり、淀みなく後方へ水を噴射します。
センターの深いコンケーブは外側に水を排出、エッジの部分で下方向に水を切ります。(チョークの矢印は水の流れ)
ソフトなレールは水を絡ませることなく滑らかに進み、余計な引っ掛かりを減少させます。
その全てが生み出す流れで、板は行き場をなくし水面から出ようとリフトします。
新幹線やレーシングカーが空気で押さえつけられるのと逆に、出ようとするのです。
すると抵抗が減り、スピードを増します。それでもエッジのVは喰い続けるので安定性を保ちます。
接点が減り、エッジの角が水を切り裂いて進むので、水面のギャップに取られることなく突き進むのです。
これがエッジの意味です。
"段差"では無いのですよ。
対して通常のサーフボードは体積、ボトム形状、レール、重さで浮力やスピードを調整します。
強く踏み込んだ反発や素材の個体としての浮力、ボトムコンツァーなどが大きく作用します。
エッジボードは大きな一面にボトムの一面が付いていると言われることもありますが、私の感覚は"サーフボードが3面付いている"と思って乗っています。
はい、ここまで良いですか?(笑)
もうわからないかな?(笑)
次にロッカー。
エリスのエッジは横から見ると相当フラットです。
7'0ft
5'8ft
今までテイクオフをしてきて(私が下手なせいでミスをしたパーリングは結構ありましたが…)ノーズがぶっ刺さったり引っかかったり、そんな記憶は無いのです。
このもっさりしたノーズは不思議と全く引っ掛からないのです。
そこで思ったのです。
"本当のロッカーはエッジラインにある"と。
テイクオフの時、エッジの頂点を感じながら板を落とします。斜め30度から45度かな。
その時感じるロッカーは横から見たロッカーよりもある気がします。改めてジロジロ見て触っていくと、横から見たロッカーじゃないんじゃないか?って気がしてならないのです。
だからノーズがディップしないのでは無いか?
そしてテイクオフの初速から早い理由はそこかな?と思っています。
そしてテイクオフ後もフラットロッカーと上記のエッジ形状で突き進むのです。
7ftになると、ストレートラインの長いソフトレールはハルのようなスムーズな加速となって気持ちの良いグライド感を感じられるのです。
「あぁー、じゃあ曲がらないのね」
と思いきや、これが曲がる(笑)
ここからはフィンも合わさってきます。
これは6.4前後のトライフィンエッジボード。
とてもわかりやすいので、この写真をベースにお話しします。
はい、このときフィンは水面ギリギリ、むしろ出てるかな?
普通のシングルフィンだとしたら?恐ろしい事になっているかもしれませんね(笑)
このとき、エッジボードはフルレールカービングです。
フィンが抜けたとしても、先ほどのように強烈なVが突き刺さっています。
そこにロッカーが存在するので、スノーボードのサイドカーブのようにエッジに乗ってさえいれば板はロッカーに沿って曲がっていきます。
私が"前足を踏んで曲げる"と感じる理由はそこです。
パワーブレードフィンはこのときエッジのロッカーに追従してクネリます。舵取り役なので、後輪にハンドルがあるフォークリフトや、後方エンジンの小型船のように後ろが回り込むのです。
その時の軸はエッジロッカーの頂点です。
これがエッジボード×パワーブレードフィンのターン。本来のパワーブレードフィンのポテンシャルはココに存在するのです。
パワーブレードフィンはどのサーフボードにも合うか?それはNoだと思っています。
そしてこの説明全部ひっくるめて、そのベースを支えるのが素材です。
エリスのエッジはEPSのブロックから削り出したノーストリンガーです。
通常のPUサーフボードのようにストリンガーがありません。
エリスのエッジボードはノーストリンガーのEPS×エポキシレジンで製作しています。
このエッジボードはエポキシの表面強度とEPSのコシが重要なのです。
もしもストリンガーで補強されているフォームに、エッジボードの形状をレジンで固めたら乗り味が硬くなります。
(折り紙を折ったら紙も自立しますよね?形状が複雑になれば硬さが増しますよね?)
スノーボードで言ったら、昔のサロモンですね笑笑
ダニエルフランクのヤツ。
あれ、鉄に乗ってるのかと思ったな〜笑笑
カチカチでさ、ほんとビビった。
あれ?なんの話だっけ?笑笑
えーっと…硬さでしたね。
EPSはビヨーンビヨーンと、とても良いコシがあります。
エポキシはカチカチ。
外はカチカチ、中はモチモチ。
これがエリスのエッジを支えています。
重要なのは、トーションです。
薄くしなやかなテールはパワーブレードと減少していくエッジの効果で波にフィットし続けます。
全ての効果にスノーボードの様なしなやかさをプラスする事で、このエッジボードはさらにコントロール性を増すのです。
その全てをテストし、考え、形に落とし込む事が出来る。それがエリスエリクソンの凄さなんですね。
そして、忘れちゃいけないのは、この全てのソースは天才ジョージグリノーさん。
彼の近くで、兄貴の様に慕うアンドリューキッドマンと共に時間を共有し映像を作った後もテストを繰り返して来たからこそ、ここまで磨き上げられたんだと思います。
サーファーとしても素晴らしい感覚と技術を持ちながら、良き設計者として、職人として作る事が出来るのです。
まるで私の様ですね笑笑
最後に全部を回収、自画自賛にお付き合い頂きありがとうございました笑笑
エリスのエッジの魅力、とんかちドリルズの魅力、伝わりましたでしょうか?笑笑
あとは乗ってみて、建ててみて、深い魅力にハマって頂けたらと思います。
どちらもご興味がありましたらInstagramのDMまたはメールなど頂けたらと思います。
長々付き合って、結局私の自画自賛。
ご愛読ありがとうございました笑笑