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キューバの日常を獲った映画が今、上映されている。
この映画を楽しみにしていた方も多いと思う。
私もその一人。
観た瞬間から、嬉しくなった。
冒頭にはキューバの首都ハバナが、大地に響くようなコンガの音に乗せ
今現在のハバナの全貌を映し出している。
ヘミングウェイが世界で最も美しい島とキューバのお酒を愛し、
ハバナに住んだと言われている。
カリブ海に浮かぶ島には、古いヨーロッパ調のクラッシックな建物と
カラフルな色のぺンキで塗られた独特な雰囲気の建物が見渡せる。
音と映像で、思わず足を踏み鳴らしたくらいだ。
観に来て良かった!と思わせる冒頭だった。
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だが第1話から第7へと観て行くうちに、この映画はとても難しいと分った。
キューバの抱えている様々な問題と現実を1話毎に埋め込んでいるからだ。
ブログ:EXILE=亡命者 Part2もっこりしたキューバイベントこれを読むとこの映画の背景が分りますよ(^_-)-☆
◆セブンデイズ・イン・ハバナ◆
映画の構成は7話7人の監督。
1話毎に別の監督が撮っている。
曜日毎にテーマが違い、完結している。
全129分で1話16~18分。
月曜日 ユマ
(アメリカ人青年とクラブで出会った美しい女の話)
火曜日 ジャムセッション
(著名な映画監督と素晴らしい音を奏でるトランペッターでタクシードライバーの話。
いくら素晴らしい音を奏でてもキューバに居る限りは、
誰も自分の存在は知られる事はない。
ドライバーとして生きる人生への諦めと外国人映画監督の名誉と云うものへの嫌悪感
の対比)
水曜日 セシリアの誘惑
(若いクラブ歌手の女セシリア、その恋人の野球選手、
クラブオーナーでスペイン人旅行者の
キューバの閉ざされた世界しか知らない若い女への甘く、危険な誘い)
木曜日 初心者の日記
(海外旅行者の目から見たハバナの何でもない風景)
金曜日 儀式
(若い女の子が踊っていると、その子の両親が女の子を呪術師の所に連れて行く。
倫理観?貞操観?とにかく正直、分らない)
土曜日 甘くて苦い
(有名な女性精神科医ミルタの秘密の内職)
日曜日 泉
(マルタおばさんが聖母さまのお告げを聞いたという話から、アパートの
住人全員を巻き込んで、その日に聖母さまの祭壇を作り、盛大な宴を繰り広げる)
◆キューバの抱える問題と現実◆
月曜から日曜まで何の知識も無く観ると、この映画はヘンな映画だと思う。
火曜ジャムセッションと水曜セシリアの誘惑は、秀でた才能があっても
キューバに居る限り、その才能は知られる事なくキューバに埋もれて行く現実を描いている。
タクシードライバーは音楽の世界に出る事を諦めた。
若いクラブ歌手のセシリアと恋人の野球選手は自分達の才能と未来を諦められない。
最終的には若い2人は、親と決別しキューバという国を捨て筏(いかだ)に乗り
対岸わずか110マイルのアメリカを目指す。
これは1959年のキューバ革命から延々と続いてる亡命。
土曜日の女性精神科医ミルタはキューバのテレビに出て、心の在り方を説く。
そこにはお金とは無縁のにこやかな笑み。
だが裏を返せば、セレモニー用のケーキやデザートを作る「秘密の内職」を
汗水流して作っている。
もちろん政府の機関に見つからないようにだ。
通常、医者は高給と思われるがキューバは平等主義にのっとり「全員が公務員」。
医者も薄給な上に物資がない、ケーキの材料の卵すらご近所に頼み込んで調達する。
不平等がない代わり、物資のない不自由な生活を送らなければならない。
この内職の場面で停電になりケーキ作りが中断されてしまう。
これは電力事情が悪いキューバではしばしばある事らしい。
国営のテレビですら朝・昼・夕方限定で放映される。
1日中、流れている訳ではないのだ。
だから停電もある意味日常化しているともいえる。
この内職はコミカルで大げさな感じがするが、
これがキューバ国民の暮らしなんだろうと思う。
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日曜日 泉
これは今の日本人には絶対あり得ない感覚。
だってマルタおばさんの部屋に聖母さまが現れたという話しから、
聖母さまのために大枚をはたいて大パーティーを開く。
しかもアパートの住人全員で仕事を休み、パーティーのためにただ働きをする。
豪勢なお肉も手持ちのお金が足りなくても、肉屋に聖母さまのパーティーと言うと、
肉屋は赤字でも「仕方ない。。。」と肉を渡す。
聖母さまのプールを作るが階下に水漏れを起こし、階下の住人が苦情を言うが
聖母さまのプールだと言われれば「仕方ない。。。」となる。
全てがそうなのだ。
パーティーの時には全員「祝福の笑顔」でお酒を飲み、歌い踊る。
彼等はお金のために働いてる訳ではないのが、この1話によく出ている。
人は幸せになるために、生きている。
お金がなくてもなんとかなる。みたいな。。。
この独特な宗教観とキューバ人の明るさは、
観てる者には力づくで凄いと思わせるものがある。
不思議な感覚ですよ。
キューバのお金ペソです!こんなの。
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この映画は深く分りづらいです。
でもこれが「キューバの今」を描いてるのだろうと思います。
そこには「貧しいが、魂がある」事を感じる映画でした。
気になったら是非、観て下さい♪
長々と書きましたが、読んでくれてありがとう<m(__)m>
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