いつの頃からだろう、、
朝の目覚めと同時に、身体のどこかにモヤモヤした鈍痛を感じるようになった。
しかも、
定まった症状というより、日替わりメニューのようにコロコロ変わる不調。
大きな病院で診てもらっても、これといった明確な原因もなく、
ただダラダラと不調が居座っている。
負のスパイラルから抜け出せない身体を持て余している時、
ひょんなことから漢方のドクターと知り合いになった。
私の不調を言うと、診てくれると云う。
神奈川の山奥に通じるインターを降り、そこから樹々の生い茂るひんやりした山道を車で15分、
深い山合にポツンと漢方の診療所があった。
レントゲンや採血、鉄の塊のような高価な器材はなく、ドクターが一人。
人生初めての漢方診療デビューだった。
◇漢方治療とモヤモヤの覚悟。。◇
診察は、丁寧な問診から、舌をあっかんべー😝状態で視診、
そして、私の手首の脈にドクターの三本の指が静かに乗せられた。
そこから
診療ベッドに仰向けになり、剥き出しの私のお腹を触診。
ドクターの手元のカルテには、私の舌が赤・青・白で描かれていた。
そして
今の身体の状態を漢方用語で説明し始めた。
ドクター
『身体全体が オケツですね』
私
「エッ!? オケツ・・・
何ですか それ」
ドクター
『瘀血(オケツ)は慢性的に 血が滞ってる状態です
それに 脈が弱すぎて取れない』
身体の臓器も、それによって良い状態とは言えない、、と弱弱しい説明。
今思えば、
中医学の基本も知らないで、説明を聞いてもボンヤリ聴くしかなく、
とりあえず、瘀血を改善する漢方を作ってもらうことに。。
私の今の状態から、はじき出される漢方の組み合わせは一般的な漢方薬を調合。
二カ月に一回の受診で、漢方薬はチョットづつ組み合わせが変更。
そして、
一年中覇気のない左大臣も診療を受けることに。
夫婦で調合された漢方薬を飲み、
改善されている自覚のないまま、薬は徐々にステップアップ。
だが二人共にパッとした効果もなく、
診療所通いは高いお金をかけて、森林浴に行っているような様相を呈し始めた。
そしてドクターも投薬の甲斐もない左大臣に、珍妙な煎じ薬を処方。
ドクター
『コレは中国でも貴重な漢方薬なんですよ
今回
中国で買ってきたのを入れるので
15分煎じたものを飲んでくださいね 』
そやつは、蟷螂の巣を乾燥させた漢方薬だった。。。。
◇蟷螂の巣、、、、桑螵蛸という珍重な漢方薬◇
原産の中国では、
桑の枝についている蟷螂の巣は晩秋から春に採取。
この巣には、蟷螂の卵が詰まっている。
この巣を蒸篭で蒸すこと40分。
卵を掻き出し、乾燥させれば、中国でも珍重される漢方薬に。
刻んだ蟷螂の巣は、100g1万円以上。
このように巣の状態だと、100g5千円以上。
当時住んでいた団地は、ベランダに向けて換気扇がついていて、
毎日煎じ薬を作るうちに、
いつしか団地内で異臭がする、、と噂が立ち始めた。
そう・・・
左大臣の蟷螂の巣が主体の煎じ薬の匂いが、主婦たちの噂の発信源だった。
ドクターの診たては、ここで挫かれた。
蟷螂の巣の煎じ薬は、不味いくて飲むのも大変だった上に、
私達夫婦は、
この異臭騒ぎですっかり漢方に怖気づいてしまった。
二年間の森林浴付き漢方治療は、不調の根っこを治す根治治療を諦め、
主婦の<ウワサの威力>に撃沈したのだった。
そして、
団地妻からマンション妻になり、
横浜のチベットと云われた環境も超便利なショッピング街が隣設。
生活も便利で、この上ない快適な環境へ変貌。
だが、
根治治療を諦めた私の身体は、不調が慢性化し、
ボーダーラインを綱渡りしていた。
◇ 中島たい子「漢方小説」◇
その後も漢方の事は忘れていたわけではなく、
ただ二年間の五里霧中の状態が、なんだかなぁ、、と優柔不断にさせていた。
西洋医学では、大きな括りに分けられ、データを基にまた仕訳けられる。
既成の病症に当てはめるため、
脈が死んだように弱いとか、、
ストレスが及ぼす身体の不調は論外で、今は<ソレは置いといて。。>になる。
薬は効くが、止めればまたヨレヨレになる。
弱ってる内臓も、微弱な脈も、何ら変わることもないまま。。。
だからか、
私の西洋医学の妄想イメージは、
大きな大砲で表面上は制圧したように見える大地の下には、
実は、
長年生き残った精鋭部隊が地下深くに潜んでいる感じなのだ。
そして三年前、原因不明の脳の混乱で入院。
点滴を流しっぱなしの状態でも改善の兆しもなく、自宅療養へ。
長年の不調をほったらかしにしていたツケは、大きかった。
今は普通の日常に戻っているが、低空飛行を続ける私の身体は、
検査のデータが出てくる度に、主治医の『んーーーー?!』で締めくくられる。
そんな時、
フラっと入った本屋の棚で、おいで🎵おいで♪してきた本があった。
帯表紙の中島たい子さんの「漢方小説」だった。
読んでみると、主人公 川波みのりは私だった。
ただ、
みのりは、
昔の恋人から結婚報告を受け、
それがストレスの引き金になり異常な症状に悩まされる。
大学病院や評判の病院に行けども、<異常なし>という検査結果。
で、
みのりは漢方医に辿り着くことに。
そして脈に関しての所見に、目が釘付けになった。
少し押さないと触れないような脈は、
その脈の位置で、
どの臓器が、慢性的に弱いかが分かること。
軽く触っただけでも、強く触れてくる脈は、
病気のなり始めだと判断できること。
そして中医学では、
七つの情緒反応<喜・怒・憂・思・悲・恐・驚>の感情を、
五臓に振り分けて考える。
それぞれの臓器が請け負う感情が分かれていて、
色んなストレスをため込むと、臓器が疲れて行く、、という。
心=喜
肝=怒
脾=思
肺=悲と憂
腎=恐と驚
ストレスがどんどん溜まれば、臓器はダメージを受け、
万病を引き起こす確率が高くなる。
根治治療とは、弱ったところにの活力を蘇らせること。
いわゆるサポーターに徹するのが、漢方らしい。
そして小説の中では、
主人公みのりは処方薬、和歌山毒物カレー事件で有名になった、
あの<トリカブト>を混ぜたものが渡される。
漢方の大胆な視点と毒で病因を制する中医学は、
想定をはるかに超えたものだった。
そして
ふと自分のことを思い巡らすと、やはり根治治療が抜けているのだと。
西洋医学でマシな身体にしてもらい、東洋医学で頑丈な臓器を育てる。
病気の種は自分の蒔いた種であることが多く、
その多くは、ストレスが原因だともいえる。
中島たい子「漢方小説」を読んで、
かつて漢方のドクターがボソボソ説明してくれてた内容が、
今になってよーーーく分かったのだった。
**帯表紙**
私が色鉛筆で描いたカマキリです。
何十年ぶりに、小学生のような絵を描いてみたぜ( ..)φ
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非常に冷静で頭がイイ。
でも
とても温かみのある方だと。
ふと思ったのは、こんなに素敵なのに
彼の鉄の心を突き刺す女性がいないこと、、
彼の物凄く幸せそうな顔がみたいなぁ。。。。
kiyasumeさん 動画ありがとう(=゚ω゚)ノ
良い事言って居ますよ。
お知らせまで・・・・。
https://www.youtube.com/watch?v=oeJ_b0iG9lM
また来ます。。。
ありがとう😊
防風通聖散、覚えておきますね。
kiyasumeさんは
色んな事を沢山知ってて驚きます。
感謝感謝
ジュリーは
歳を重ねても
色香のある美しい声のシンガーだと思います。。
上手いな〜
漢方薬ですが・・・・。
痩せ薬があるのをご存知でしょうか?
ツムラの「防風通聖散」と言う、、
漢方薬です。これ飲むと1日に8回ぐらい
トイレに行きたくなります。
そして便が、その都度結構な量が出ますよ。
今は私は事情があって飲んで居ませんが、
結構数kgは痩せますよ・・・・・。
有害な事も漢方だから無いし、、
ただ効いて来るまでに飲んで3日間
ぐらいかかりますが。
私は精神科で処方して貰って居ましたが、、
内科でも処方して貰えますよ。
もちろん個人差はあるかとは思いますが.....。
一応、漢方と言う事で書いて見ました。
ダイエットには効果があるのかなと思います。
ああ、歌をまた1曲挙げて行きますね。
「沢田研二です」聴いて見て下さいね。( ◠‿◠ )
https://www.youtube.com/watch?v=_RuKX7PZ6mA
また来ますね。。。。
脈診は、
ドラマと映画でよく観ますね。
側室の妊娠も脈で診てます!
今回、
この小説で
漢方を改めて見直しました。
コメントありがとうございます。
これからもヨロシクお願いします(=゚ω゚)ノ
私のブログにいいねなどポチして頂きまして
ありがとうございます。
今、中国ドラマにハマっていまして
病気の治療をする時に、必ず脈診する場面があり
時代劇などでは、薬草を何種類か
煎じている場面が目に着きます(韓国ドラマでも)。
怪我した時の傷薬なども、応急的に
薬草をすりつぶして塗ったりしているのも
印象的です。
私の妹が薬剤師で(すでに現役は退いてますが)
究極「漢方」なんかなと思うと言っていたのを
思い出しています。
コメントありがとうございます!(^^)!
蟷螂の卵うじゃうじゃとは、凄いデスね。
今は、全く見かけることが無くなりましたけど。
実は、
私の漢方治療の時
ドクターから薬膳料理の研究をしませんか?と
誘われたんです。
薬膳は材料価格が高いので、
あの時、
勉強しておけば良かったと悔やまれます、、
この本が、
色んな反省とやる気を呼び覚ましてくれたようです。
昔 子育ての頃に息子が
カマキリの巣が付いた枝を机の上に置いて
部屋中にミニカマキリがうじゃうじゃ動いていたのを思い出しました^^;;
先日内科で、元気になるからと漢方薬「補中益気湯」をいただきました
名前だけで元気になれそうです^^
健康に毎日をお過ごしください^^