前回に引き続き、煙草のへぇーーーなお話し。
禁煙主流の今時、
のび太先生が<江戸時代の花魁が使ってた煙管で吸う>事実は、
ワタシには池袋で宇宙人に遭遇したような出来事だった。
多分、花魁の煙管の彫り物が、なんとも美しく手の込んだモノだったことが、
使ってみよう🎵とそそられるキッカケになったらしい。
だが
のび太先生が失くしてしまったため、
時代の荒波と戦火を潜り抜けた貴重な花魁の煙管を拝むことはなかった。
片や、江戸時代に反応したワタシの脳みそは、
今まで読んだ江戸ものの小説や映画の煙管のシーンを、わらわらと引っ張り出してきた。
そこには、
棟梁に若旦那、ご隠居と遠山の金さん、若い突っ張り姉ちゃんと女将さん、
長唄のお師匠さんなんぞが、煙管でプカプカ一服という絵面。
みんなが吸ってた煙草だが、意外なことに日本での煙草の歴史は浅い。
徳川家康の時、海外から献上されたのを機に、
あっという間に広まり、江戸は90%以上の喫煙者で占められていた。
老若男女だけではなく、0歳児から吸っていたというから凄い、、
途方もない喫煙社会が定着してしまった。
それが垣間見れたのが、映画「武士の家計簿」の喫煙シーンだった。
◇映画「武士の家計簿」帯表紙◇
加賀藩で算盤一つで財政を立て直した禄高の低い武士の実話。
武家の妻と云えば、
貞淑で三歩下がって主人に従い、口答えも我儘も言わないと思ってた。
が、映画では意外なほどゆるく、武家の夫婦も二人っきりだとこんな風にざっくばらん。
経済観念がない主人公の母上(松坂慶子)は、家が窮地に陥いる原因の一つだった。
その中の一つに、母上の喫煙があった。
お家を潰さないため、母上の煙管や調度品、多くの着物は質屋へ全部売って凌ぐことに。
長く粋な煙管は何の変哲もない短い煙管に変わり、
それでも
ため息をつきながら煙草をくゆらす母上。
あらゆるものを売っても、煙草だけは止めなかった、、
なんとも緩く、ユーモラスな場面だった。
喫煙くらい、、と思うかもしれないが、馬鹿にならない。
長---い煙管と煙草入れは、職人に作らせるため結構値の張るモノ。。
豪奢な布に美しい刺繍が施された煙管入れと刻み煙草入れ。
粋人は季節によって変えたりとキリがない嗜好品だった。
遊郭では、客の身なりもそうだが、
煙管と煙草入れの良し悪しが客の懐具合を見る目安になっていた。
◇煙管の持ち方。。◇
士農工商では身なりが違うためパッと見ただけで分かるが、煙管の持ち方も全く違った。
帯表紙の母上は、明らかに武士の持ち方。
ジョージ秋山の「浮浪雲」の主人公/雲は問屋「夢屋」を営む商人。
だが、雲は釣りか女か酒の三択しかない浮き草のような男。
いつも煙管をくゆらせ「おねえちゃん、あちきと遊ばない」が常套文句。
雲の男気は、老若男女から好かれ、一目を置かれていた。
その雲の煙管の持ち方は、実は博徒の持ち方。
ジョージ秋山氏のなんとも粋な描き方だと思わされた。
どうでもいいことだが、
ワタシ的には、密かに自分だけの楽しい気づきだったと云える小話。。
で、
煙草に関して一番驚いたのは、14代将軍徳川家茂の妻の皇女和宮だった。
◇徳川幕府の苦悩とリストラと節約、、◇
刻み煙草を作っているお店の浮世絵。
細かければ細かいほど上等な味わいの煙草になった。
家康以来、煙草は全国に広まり過ぎた。
幕府は何度も煙草を取り締まったりするが、一向に効果なし。
庶民も武家も大奥も、屁の河童…
幕府の財政難は、米を作らせることで解決なんぞしなかった。
大奥の維持費は莫大だったため、選りすぐりの美女50人をリストラ。
美人なので、大奥下がりしても嫁の貰い手が引く手あまた、、というのがホントらしい。
その後も、
大奥の定年後の終身年金を打ち切ったりと、幕府は踏ん張った。
その一つに、正室の和宮の煙草代があった。
一カ月105両(1260万円くらい)を10両2分(126万円くらい)にした。
和宮は相当なチェーンスモーカーだったのか、、と思わせる。
そして
こんな努力も虚しく大らかな江戸時代は終わりを告げる。
だが
煙草という嗜好品だけは、今も脈々と続いている。。
こんなポスターはいまでは考えられないよね。。三船敏郎さん。
のび太先生から、こんなどうでもいい話しが脳みその引き出しから出てきた。
江戸時代の小話、これにて終了。。
**コメントへの返信デス**
mobileさんへ
お父様のお話し、ありがとう!!
キセルは掃除が大変ですが、かなりのタールを省いてくれるんですね。
お手入れ云々で面倒ですが、まったり風情はキセルならではの持ち味。
火種を<手のひらコロコロ>とは・・・カッコ良すぎ🎵
デンジャラスな必殺遊び人みたいな技ですよん
楽しく嬉しいコメントありがとうございます(^^ゞ
人気ブログランキング←ブログランキングに参加してます。ポチっと押していただけると励みになります!ありがとうございます(^^ゞ